たまらなく孤独で、熱い街 -64ページ目

『ミステリウム』 エリック・マコーマック

ミステリウム

ミステリウム
著者:エリック・マコーマック

訳者・後書:増田 まもる

(国書刊行会)

初版:2011年1月25日

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1992年の作。

出だしの雰囲気は最高に良かったのだが・・・。

雨や霧に閉ざされた打ち捨てられたようなスコットランドと思しき田舎の町の住民が、何かの原因で一人を残して死に絶えてしまう。

なんとなく浦沢直樹の『MONSTER』を読み返したくなった。

ところが原因の毒かなにかのせいで患者が死の前は饒舌になったりするあたりから徐々に魔法が解けてきて「そんな毒や病気があるかい」と思ったり。

それでも、宇宙からの未知の病原体が原因でも不自然だし、仕方ないかと渋々ながら納得しかけたら、ラストに一ひねり。

これが全てをぶち壊してくれた。


『変身の恐怖』 パトリシア・ハイスミス

変身の恐怖 (ちくま文庫)

変身の恐怖
著者:パトリシア・ハイスミス

訳者:吉田 健一

解説:滝本 誠

(ちくま文庫)

初版:1997年12月4日

(1966年6月に筑摩書房より刊行)

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1969年の作。

ツイッターで少し古い本をぼそっとほめているのを目にして読みたくなることが何度かある。

扶桑社ミステリーヨイショ祭りのときは、あれも読みたいこれも読みたいと買い込みすぎて、どうしたものかとほとんどの本を1年以上放置状態だが。

さて、これだが・・・。

チュニジアに滞在中のアメリカ人作家が現地のコソ泥を殺してしまった(かもしれない)。

だが死体(あるいは怪我人)は誰かが移動させたのか見つからない。

主人公の内面はこの「事件」によって徐々に変わってしまったのか。

しかしながら話は淡々としていて、純文学を読んでいるかのよう(読んだことはないけど)。

難儀といえば難儀な読書体験でした。


『ロンドン幽霊列車の謎』 ピーター・キング

ロンドン幽霊列車の謎 (辻馬車探偵ネッドの事件簿) (創元推理文庫)

ロンドン幽霊列車の謎 (辻馬車探偵ネッドの事件簿)
著者:ピーター・キング

訳者:森沢 くみ子

解説:大津 波悦子

(創元推理文庫)

初版:2011年3月11日

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2008年の作。

息抜きのつもりで読んだら、たしかに息抜きにはなったが。

舞台はみんなが好きなヴィクトリア朝のロンドン。

辻馬車の御者である主人公が誤認逮捕された御者仲間を救うために奔走する。

色々と謎や危機は提示されたが、推理ものと言うよりは冒険もの。

ロンドン観光気分を味わえるのは良かったが、テムズ川に穴を開けたら当時の技術力でどうやって塞いだんだろうね。

『白熱光』 グレッグ・イーガン

白熱光 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

白熱光
著者・後書:グレッグ・イーガン

訳者・後書:山岸 真

(新・ハヤカワSFシリーズ)

初版:2013年12月15日

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2008年の作。

イーガンということで身構えて読み始めましたが、そんな杞憂は無用でした。

奇数章と偶数章で話が分かれているそうなので、どちらかを通して読もうかとも思ったが順番に読むことに。

銀河系の円盤部がほぼ調べ尽くされた未来で、主人公が中心部へ赴きDNA由来の生物の痕跡を探すのが奇数章。

ここが滅法面白い。

偶数章では、どこかの小惑星と思しき世界でアリのような生物が急速に知性に目覚めてゆく。

さすがに難しいところがあるが、そこは読み流しても面白い。


『叫びと祈り』 梓崎 優

叫びと祈り (創元推理文庫)

叫びと祈り
著者:梓崎 優

解説:瀧井 朝世

(創元推理文庫)

初版:2013年11月29日

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「砂漠を走る船の道」

「白い巨人(ギガンテ・ブランコ)

「凍れるルーシー」

「叫び」

「祈り」

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アンソロジーで読んだ「凍れるルーシー」が気にいってたので購入。

巻頭から唸らされました。

同行者が減るごとに生還することが難しくなるのに、砂漠を行くキャラバンで何故連続殺人が起きたのか・・・。

それ以外の短編も評判に違わずどれもいい。

参りました。




『第四の郵便配達夫』 クレイグ・ライス

第四の郵便配達夫 (創元推理文庫)

第四の郵便配達夫
著者:クレイグ・ライス

訳者:田口 俊樹

解説:山田 順子

(創元推理文庫)

初版:1988年11月25日

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1948年の作。

お屋敷とお屋敷のあいだの路地の、同じ場所で3人の郵便配達人が殺された。

とてつもない大事件なのだが、この作者にかかるとほのぼのしてると言うか緊張感がない。

輪をかけて探偵役の弁護士が何を考えているのやら。

これはマローン弁護士のシリーズ9作目らしい。

ユーモアが身上なので読みにくくはないし、1作目から読めば常連のやりとりが面白いのだろうけど。


『このミステリーがひどい!』 小谷野 敦

このミステリーがひどい!

このミステリーがひどい!
著者:小谷野 敦

(飛鳥新社)

初版:2015年8月8日

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序盤はどうでもいいことまで細かく書かれているような気がしたが、後半は駆け足みたいだし全体に濃淡がありすぎ。

「スタージョンの法則」なんて調べればすぐわかるのに、スタージョンのスの字もない。

個々の作品の評価はどうでもいいけど、この人の印象としては、登場人物が多かったり想像力が豊か(すぎる)な小説を読むと頭のどこかがショートしてしまうのだろう。

筒井康隆の『ロートレック荘事件』が一番好きと言ってるが、どこかで波長が合ったのかね。

私も嫌いではないが一番とまでは言えない。

文句ばかりになってしまったが、この人には是非とも『華氏451』の世界へ行ってもらいたいものだ。

『跡形なく沈む』 D・M・ディヴァイン

跡形なく沈む (創元推理文庫)

跡形なく沈む
著者:D・M・ディヴァイン

訳者:中村 有希

解説:佐々木 敦

(創元推理文庫)

初版:2013年2月28日

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1978年の作。

久しぶりのディヴァインだが、いささか飽きてきた。

どれも雰囲気が似ているせいか。

結局、ルースの本当の狙いはなんだったのか。

タイトルは最後の方でわかりますが、「跡形もなく」じゃないのかな。






『殺人者の放物線』 アンドレア・H・ジャップ

殺人者の放物線 (創元推理文庫)

殺人者の放物線
著者:アンドレア・H・ジャップ

訳者・後書:藤田 真利子

(創元推理文庫)

初版:2006年8月31日

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1996年の作。

天才女性数学者がシリアルキラーを追う。

凡人なので数学を使っても変数ばかりで解をなさないんじゃないかと思ってしまうが、天才には何かが見えるのでしょう。

最後はもう少し綺麗に決めて欲しかったな。

『セオイ』 丈 武琉

セオイ (ハヤカワ文庫JA)

セオイ
著者:丈 武琉

(ハヤカワ文庫JA)

初版:2013年10月15日

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他人の人生を背負うので「セオイ」。

一時的に憑依して操って内面から変えるというのは面白いアイデアだったが、報酬はどうやって得るのだ。

自動的にプラスされるのか?

これでは日々の糧を得られないではないか。

それは措いておいても、派手にミステリ的になるにつれて徐々につまらなくなってきた。