たまらなく孤独で、熱い街 -43ページ目

『コージー作家の秘密の原稿』 G・M・マリエット

コージー作家の秘密の原稿 (創元推理文庫)

コージー作家の秘密の原稿
著者:G・M・マリエット

訳者・後書:吉澤 康子

(創元推理文庫)

初版:2011年10月14日

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2008年の作。

クラシックな雰囲気のミステリで、タイトルに「コージー」とはつくが内容はいささかヘビー。

老いても現役流行作家のエイドリアンはある日子供たちに自身の結婚の招待状を送りつける。

暴君でもある彼と三人の子供、そして再婚相手の女性が集った夜に殺人が・・・。

人間関係が複雑というかドロドロというか、血は水よりも濃いというべきか。

読みやすかったけど疲れた。




『ユダの窓』 カーター・ディクスン

ユダの窓 (創元推理文庫)

ユダの窓
著者:カーター・ディクスン

訳者:高沢 治

座談会:瀬戸川 猛資、鏡 明、北村 薫、斉藤 嘉久

解説:戸川 安宣

(創元推理文庫)

初版:2015年7月31日

(1954年7月にハヤカワ・ポケミスより刊行)

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1938年の作。

弁護士のヘンリ・メリヴェール卿ものの法廷ミステリ。

ほとんどが法廷での展開だが、なかなかのサスペンス。

密室で被害者と共にいた容疑者をどう助けるというのか・・・。

トリックは少々肩透かしだが、面白く読ませていただきました。


『生き屏風』 田辺 青蛙

生き屏風 (角川ホラー文庫)

生き屏風
著者・後書:田辺 青蛙

解説:東 雅夫

第15回日本ホラー小説大賞選評

(角川ホラー文庫)

初版:2008年10月25日

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「生き屏風」

「猫雪」

「狐妖の宴」

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第15回(2008年)日本ホラー小説大賞短編賞受賞作(表題作)。

最近、書店の文庫本コーナーを覗くと妖怪ものが結構増えてきたようだけど、読みたいという気にされられるのがないんだよね。

これも妖怪は出てくるがホラー要素がほとんどないので、雰囲気を味わう小説だろうか。

少々物足りなさが残る。

ところで巻末に15回までのホラー大賞の受賞作のリストが載っているが、結構読んでいるな。




『永遠の森~博物館惑星~』 菅 浩江

永遠の森  博物館惑星 (ハヤカワ文庫JA)

永遠の森 博物館惑星
著者:菅 浩江

解説:三村 美衣

(ハヤカワ文庫JA)

初版:2004年3月15日

(2007年7月に早川書房より刊行)

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「天上の調べ聞きうる者」

「この子はだあれ」

「夏衣の雪」

「亨ける形の手」

「抱擁」

「永遠の森」

「嘘つきな人魚」

「きらきら星」

「ラヴ・ソング」

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日本推理作家協会賞受賞作。

世界のあらゆる芸術品が収められている、宇宙に浮かぶ巨大な博物館〈アフロディーテ〉。

上級学芸員はつまり中間管理職ってことで、色々な問題ごとが持ち込まれてはなんとか解決策を見出してゆく。

最後は人間の感性や感情などがAIよりも勝るということですか。

もっとドロドロな修羅場もあったろうに、綺麗にまとめすぎのような気がしないでもない。

『だれがコマドリを殺したのか?』 イーデン・フィルポッツ

だれがコマドリを殺したのか? (創元推理文庫)

だれがコマドリを殺したのか?
著者:イーデン・フィルポッツ

訳者:武藤 崇恵

解説:戸川 安宣

(創元推理文庫)

初版:2015年3月13日

(1960年に創元推理文庫より『誰が駒鳥を殺したか?』にて刊行)

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1924年の作。

医師のノートンとダイアナ(ニックネームがコマドリ)が出会わなければ、それぞれ違う相手と結婚してそれなりに幸せに暮らしただろうに、出合ったがために恋に落ちてしまった。

結婚生活で苦労はしても愛があれば乗り越えられるはずだったが、現実は厳しく徐々に亀裂が入ってゆく・・・。

作者は終盤の効果を高めるためか悠然とした筆致で描き、死人がでるのは半分を過ぎてから。

トリックはなんとなく察せられたが、これぞクラシックミステリという雰囲気で楽しめました。



『鉤』 ドナルド・E・ウエストレイク

鉤 (文春文庫)


ドナルド・E・ウェストレイク

訳者:木村 二郎

解説:木村 仁良

(文春文庫)

初版:2003年5月10日

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2000年の作。

妻との離婚係争もあって書けなくなった流行作家と、売れない作家が再会した時に運命の幕が開く。

流行作家は売れない作家の作品を自分の名で出版し、印税は山分けするという提案をするが、一つ条件があった・・・。

いわゆる嘱託殺人ものだが、ウエストレイクは「その後」の両作家を対比して描いて、楽しくはないが予想を外してくれた。


『迷惑なんだけど?』 カール・ハイアセン

迷惑なんだけど? (文春文庫)

迷惑なんだけど?
著者:カール・ハイアセン

訳者:田村 義進

解説:編集部

(文春文庫)

初版:2009年7月10日

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2006年の作。

ハイアセンなあ。

さすがのページターナーだし面白くない訳じゃないのだが、

今ひとつ話に乗れず醒めちゃうんだよなあ。

どうしてなのか。


『トリックスターズL』 久住 四季

トリックスターズL<トリックスターズ> (メディアワークス文庫)

トリックスターズL
著者・後書:久住 四季

(アスキー・メディアワークス文庫)

初版:2016年1月23日

(2005年11月に電撃文庫より刊行)

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シリーズ第二弾だが、ABCとでもしてもらわないと順番に迷うぞ。

今回のゲスト(?)は天才魔学者のサイモンと妹のジュノー。

前作のゴチャゴチャ感が薄れ、ミステリとしても読ませるし(苦しいところもあったが)、サプライズもある。

きっちりとまとまっている上にエンディングもなかなか。

と、ベタほめですが十分満足できる内容でした。

『世界城』 小林 泰三

世界城 (日経文芸文庫)

世界城
著者:小林 泰三

(日経文芸文庫)

初版:2015年12月8日

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世界が城で、城が世界のファンタジー。

今巻はその広大な城のほんの一部の物語。

とは言え、そこに住む者にとってはそこが世界のすべてであり、他の世界があることすら考えられない。

のだが・・・この世界の全貌が明らかになるには10巻でも足りないくらいじゃないかな。

ならば1巻だけでいいような、続きを読みたいような読みたくないような。

『天獄と地国』の続きもお願いします。

【読書メーター】 2016年10月分

日本シリーズは好ゲームだったが、力及ばず。

日本一は来年の課題という事で。

黒田よ、ありがとう、お疲れさま。

 

2016年10月の読書メーター
読んだ本の数:17冊
読んだページ数:6,131ページ



シャーロック・ノート: 学園裁判と密室の謎 (新潮文庫nex) シャーロック・ノート: 学園裁判と密室の謎 (新潮文庫nex)感想
いわゆる名探偵が実在する世界で、日本に2校しかないエリート探偵の登竜門でもある鷹司高校に入学した剣峰成が3年生の会長と舌戦を繰り広げる1話目は面白かった。 剣峰の過去に迫る2話目もなかなか。 しかし、否応なく初めて探偵活動を実際に行った3話目は逆に弱く感じてしまったな。 次巻に期待しよう。 300ページ
読了日:10月2日 著者:円居挽
神さまがぼやく夜 (ヴィレッジブックス) 神さまがぼやく夜 (ヴィレッジブックス)感想
リューインがSFを書いたのか、と驚いた。 神さまが久しぶりに下界に降りて女をナンパしようとするのだが、摩訶不思議な女というものに翻弄されてしまう。 神さまの目を通じて人間とは何かと問うている感じだし、神さまの成長物語のようでもあるが、面白かったかどうかと聞かれれば、キリスト教徒ではないので微妙なところですな。 401ページ
読了日:10月4日 著者:マイクル・Z・リューイン
記憶破断者 記憶破断者感想
『忌憶』(角川ホラー文庫)所収の「垝憶」の後日談なのだろうか。 主人公の名や冷蔵庫の中身云々でそれとなく匂わせているが。 それにしても、数十分しか記憶が保たない前向性健忘症の主人公に、手を触れただけで相手の記憶を変えてしまうことのできる能力を持つ殺人鬼の相手をさせるとは、このアイデアだけで作者の勝ちですね。 どう対抗するかは読んでのお楽しみですが、最後の仕打ちには思わず笑ってしまいました。 この底意地の悪さがたまりません。 364ページ
読了日:10月6日 著者:小林泰三
銀の船と青い海 (河出文庫) 銀の船と青い海 (河出文庫)感想
萩尾望都のイラスト多数収録の童話プラスエッセイ集。 文庫本ですので大きさが物足りませんが、秋の夜長にパラパラと見かえすのもいいですね。 もっとも、私はSFの方が好みですのでもっとSFを描いて欲しいのですが。 203ページ
読了日:10月7日 著者:萩尾望都
宇宙人の村へようこそ 四之村農業高校探偵部は見た! (電撃文庫) 宇宙人の村へようこそ 四之村農業高校探偵部は見た! (電撃文庫)感想
この人、松屋が大好きなのかね。 昔、岐阜の山奥に宇宙船が不時着し、宇宙人とのハイブリッドの末裔が住んでいる村。 という全体の設定は(どうでも)いいのだけど、個々の話が思いつきで書かれたようにバラバラで、一本筋が通っていればもっと面白かったかも。 人間離れしている住民が「なんでもあり」のジョーカーになってるけど、それを逆手にとってワクワクさせてくれてれば・・・。 267ページ
読了日:10月8日 著者:松屋大好
ぼくのミステリな日常 (創元推理文庫) ぼくのミステリな日常 (創元推理文庫)感想
『さよならの手口』を読む前の復習のつもりで何年かぶりの再読だけど、社内報に掲載の小説というのが面白いアイデア。 毎月の社内報の目次を見るだけでも楽しいし。 今なら当たり前のような最後に全体を総括する謎解きがあって、当時は斬新だった(かも)。 まあ、多少古さを感じてしまうのは仕方ないね。 363ページ
読了日:10月10日 著者:若竹七海
赤ヘル1975 (講談社文庫) 赤ヘル1975 (講談社文庫)感想
なんとかCSまでに読み終えた。 今年の優勝もうれしいけど、初優勝は格別だった・・・と言いながら子供だったので優勝を決めた試合しか記憶にないが。 その昭和50年はまだ戦後30年なんだね。 生粋の広島っ子のヤスとユキオが転校生のマナブと過ごす半年間の青春小説でもあるが、原爆の後遺症が今なお残る広島という街や人々の歴史も無視できない。 631ページ
読了日:10月12日 著者:重松清
トリックスターズ (メディアワークス文庫) トリックスターズ (メディアワークス文庫)感想
これが作者のデビュー作らしいが、若書きが微笑ましい。 魔術が学問として認められ、一部とはいえ大学に魔術部まである世界。 しかし、世界には魔術師は6人しかいない。 シリーズものなのでこの6人がとっかえひっかえ登場するのかな。 ランドル・ギャレット同様魔術はオールマイティでないという縛りを課しているので、ミステリも真っ当だった気がするが、なんだかゴチャゴチャしてて読みづらい上に「七番目の謎」が余計だわな。 読者を騙そうとするよりも、普通にしゃべってくれてた方が余程良かった。 389ページ
読了日:10月14日 著者:久住四季
ヴィクトリア朝空想科学小説 (ちくま文庫) ヴィクトリア朝空想科学小説 (ちくま文庫)感想
てっきりヴィクトリア朝時代を舞台にしたアンソロジーかと思ってたら、その当時の作家のアンソロジーでした。 古さは否めないけどなかなかのセレクトで、よくぞ探してくれたと感謝感激です。 宇宙へ行く話もあればもっと良かったけど、まさにSFというよりも空想科学小説がピッタリ。 395ページ
読了日:10月16日 著者:風間賢二(編)
チャーリー・モルデカイ (3) ジャージー島の悪魔 (角川文庫) チャーリー・モルデカイ (3) ジャージー島の悪魔 (角川文庫)感想
相変わらず主人公は飄々としてますな。 妻とジャージー島で暮らすことになったチャーリー。 だが、近所で連続レイプ事件が起き、一気に不穏に。 色々あって黒ミサを行う事になったが・・・。 最後は切ないねえ。 ところでサンリオSF文庫から出てたそうなので、今度はSFかと期待したのだがどこにもないではないか。 306ページ
読了日:10月18日 著者:キリル・ボンフィリオリ
ミステリ書店(1) 幽霊探偵からのメッセージ (ランダムハウス講談社文庫) ミステリ書店(1) 幽霊探偵からのメッセージ (ランダムハウス講談社文庫)感想
50年前の幽霊が棲みついてる書店ってどうなのよ、と思いつつ読む。 傾きかけた書店を立て直そうと人気作家のサイン会を開くが、なんとその作家が死んでしまう・・・。 書店の女主人と幽霊の掛け合いが面白かったが、ややハードボイルドながらミステリとしては小粒で意外性もない。 コージーとして楽しむのがいいのか。 367ページ
読了日:10月19日 著者:アリス・キンバリー
死のドレスを花婿に (文春文庫) 死のドレスを花婿に (文春文庫)感想
ある男女二人の物語なのだが、「ソフィー」の章で余りの読みにくさに閉口しつつも何とか終えてやれやれと「フランツ」の章へ入ったら「あり得ないだろ、お前は透明人間か」とツッコまずには読めない展開に・・・しかも長い・・・。 リアルなリアリティ(これ日本語?)を期待している訳ではもちろんないけれど、この荒唐無稽なストーリーをなんとしょう。 『その女アレックス』も度を過ぎた展開だったし、これがルメートルなんだと言われれば反論のしようもないが。 388ページ
読了日:10月21日 著者:ピエール・ルメートル
ロートケプシェン、こっちにおいで (創元推理文庫) ロートケプシェン、こっちにおいで (創元推理文庫)感想
女子高生かつマジシャンでもある酉乃さんと、彼女に恋するヘタレだが誠実な須川の日常の謎もの第二弾。 前巻のクリスマスで二人の距離が劇的に縮まったかと思いきや、相変わらず・・・。 それぞれのエピソードは面白いのだが、全体を覆う本編がなあ(本編の内容でなく人物の謎が)。 この作者に期待して何冊か買い込んだのだが、似たような主人公(ヘタレだが誠実)ばかりだとイヤだな。 397ページ
読了日:10月23日 著者:相沢沙呼
パズル崩壊  WHODUNIT SURVIVAL 1992‐95 (角川文庫) パズル崩壊 WHODUNIT SURVIVAL 1992‐95 (角川文庫)感想
この人はちゃんとしたSFも書くので好感が持てる。 これは20年前の法月綸太郎がでない短篇集だが、バリエーションがあってどれも新鮮に読めました。 まあ「重ねて」と「ロス・マク」はいささか脱力したけど。 350ページ
読了日:10月25日 著者:法月綸太郎
アイ・アム・レジェンド (ハヤカワ文庫NV) アイ・アム・レジェンド (ハヤカワ文庫NV)感想
おそらく映画化に合わせてと思うが、その都度タイトルを変えて4度目の出版。 (2007年以降は分かりませんが) 書かれた当時は「ゾンビ」はまだ存在しなかったか一般的でなかったか。 なんか吸血鬼とゾンビの中間みたいな感じ。 で、ただ一人の「人間」が孤軍奮闘するが、ある日外を歩いている女性を見つけて・・・。 なるほど生きて吸血鬼(ゾンビ)になる者と死んでから吸血鬼(ゾンビ)になる者とでは活動の仕方も違うんだねえ。 そしてタイトルが意味するものは。 286ページ
読了日:10月27日 著者:リチャード・マシスン
白い部屋で月の歌を (角川ホラー文庫) 白い部屋で月の歌を (角川ホラー文庫)感想
初読みの作家。 表題作は、語り部である霊媒師の助手の、少年っぽい彼の心の内に広がる白い部屋がとても美しく、これだけでも読んだ甲斐があった。 そして、ある少女に出会ったときからすべてが崩れそうになるが・・・。 もう一作の「鉄柱」もナイス。 とある小さな町に引っ越してきた夫婦だが、善人だらけの住民には大きな秘密があった・・・。 他の本も期待できるかなと思ったが、タイトルを眺めたら手を出すのがためらわれてしまった。 301ページ
読了日:10月29日 著者:朱川湊人
世界を凍らせた女たち―女性連続殺人犯9人の愛と嘘 (扶桑社ノンフィクション) 世界を凍らせた女たち―女性連続殺人犯9人の愛と嘘 (扶桑社ノンフィクション)感想
サブタイトルどおり、9人の女性連続殺人犯を描いたノンフィクション。 女にシリアルキラーが少なく、殺害方法も毒殺が多いというのは、仕事や生活を守るために邪魔な者を排除するのみで、決して表だって欲しくはないのだろうな。 まあ、人によって千差万別でしょうが。 最後の人物はケッチャムの「雑草」(『閉店時間』所収)という短編のヒントになったようですが、男のためにそこまで協力するのかと絶句してしまう。 やりきれなさばかりが残るが、これらが創作だったらなと切に思う。 423ページ
読了日:10月31日 著者:テリー・マナーズ

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