たまらなく孤独で、熱い街 -41ページ目

『特別料理』 スタンリイ・エリン

特別料理 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

特別料理
著者:スタンリイ・エリン

訳者:田中 融二

序文:エラリイ・クイーン

解説:森 晶麿

(ハヤカワ・ミステリ文庫)

初版:2015年5月15日

(1961年1月に〈異色作家短篇集〉として早川書房より刊行)

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「特別料理」

「お先棒かつぎ」

「クリスマス・イヴの凶事」

「アプルビー氏の乱れなき世界」

「好敵手」

「君にそっくり」

「壁をへだてた目撃者」

「パーティーの夜」

「専用列車」

「決断の時」

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異色作家短篇集として刊行されてたものの文庫化。

ミステリというよりは、いわゆる「奇妙な味」。

例え予想の範囲内のものがあっても、どれも甲乙つけがたい。

しいて挙げれば「特別料理」「クリスマス・イヴの凶事」「決断の時」もいいし、決断を迫られる「アブルビー氏の乱れなき世界」や「君にそっくり」もいいし、とんでもないことをやっちまった感の「壁をへだてた目撃者」や「専用列車」もいいなあ。

「お先棒かつぎ」「好敵手」「パーティーの夜」も独特の味わいがある。

これじゃ全部か。


『美森まんじゃしろのサオリさん』 小川 一水

美森まんじゃしろのサオリさん

美森まんじゃしろのサオリさん
著者:小川 一水

(光文社)

初版:2015年6月20日

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「まんじゃしろのふしみさん」

「いおり童子とこむら返し」

「水陸さんのおひつ抜き」

「救母ヶ谷の武者烟」

「美森まんじゃしろの姫隠し」

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『天冥の標』の9巻目に行く前にこちらを読む。

田舎は田舎でも近未来の田舎。

なんでも屋の岩室猛志と女子大生の貫行詐織が竿竹室士というユニットを組んで事件の解決に当たる。サオリのサは詐欺の詐、とくれば何かが隠されているだろうことは想像がつくが、理想的すぎる田舎にやや面食らう。

かなり緩いお話でしたが、「ほっ」とする部分も多くて楽しめました。

まあ、この程度の嘘つきの女性に目くじらたてることもありますまい。


『将棋ボーイズ』 小山田 桐子

将棋ボーイズ (幻冬舎文庫)

将棋ボーイズ
著者:小山田 桐子

(幻冬舎文庫)

初版:2014年4月10日

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将棋を指さなくなって何年も経つけれど、将棋に関連した小説が目に留まるとつい手を出してしまう。

高校将棋部の3年は長いようで短いんだろうな。

それでも初心者から3年で三段になった歩はすごい。

大会も個人戦なら自己責任で済むけれど(負ければ悔しいが)、団体戦は過酷だよね。

その辺りの各人の思いというか向き合い方がなかなか面白かった。

さて、大学へ進んだ倉持君はどうしてるかな。

アマ名人を目指しているのか(すでになってたりして)、もしかして将棋をやめているのか。


『バーニーよ銃をとれ』 トニー・ケンリック

バーニーよ銃をとれ (角川文庫)

バーニーよ銃をとれ
著者:トニー・ケンリック

訳者・後書:上田 公子

(角川文庫)

初版:1982年10月20日

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1976年の作。

良い家庭人であるバーニーだが、家計が徐々に苦しくなり、隣人ら3人で自由に使える金を工面するためにスイスの銀行にちょっかいをだし、まんまと大金をせしめる。

これでやめておけば良かったかもしれないが、もう少しだけというスケベ心を起こしたばかりに藪蛇どころか大虎がでてきてしまった。

さあ、大変。生き残る可能性はあるのか。

バーニーたちは退役した鬼軍曹を雇い、怖い連中を迎え撃つ準備を始めるが・・・。

弱者が強者とどう戦うかという部分は非常に面白いのだが、そもそもバーニーたちは金を盗んだ加害者なのでカタルシスは今一つだったな。

『トリックスターズD』 久住 四季

トリックスターズD (メディアワークス文庫)

トリックスターズD
著者・前書・後書:久住 四季

(アスキー・メディアワークス文庫)

初版:2016年2月25日

(2006年4月に電撃文庫より刊行)

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シリーズ第三弾。

益々パワーアップというか作者が慣れてきたというか。

学園祭のさなか、ある棟が暗闇に閉ざされ脱出もかなわない。

そんな中で次々と消えていく仲間たち。

1・2作目が伏線となっているクライマックスがいいですねえ、すっかり面食らいましたわい。

ところで「未了」とあるが、まだ学園祭は続くのか?

『粘膜戦士』 飴村 行

粘膜戦士 (角川ホラー文庫)

粘膜戦士
著者:飴村 行

解説:村上 貴史

(角川ホラー文庫)

初版:2012年2月25日

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「鉄血」

「肉弾」

「石榴」

「極光」

「凱旋」

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どうしても読みたい訳じゃないけど、つい手が出てしまう粘膜シリーズ第4弾は短編集。

されど侮ってはいけませんね、短編ならではの濃さで読者の心胆を寒からしめること必至です。

長編からスピンオフしたような物語や登場人物もでてくるし懐かしさもあります。

たしかに帯で森見登美彦も書いているように「推薦したい。でも推薦したくない」ですな。

五つの短編を堪能したあとは村上貴史の解説も必見。


『安楽探偵』 小林 泰三

安楽探偵 (光文社文庫)

安楽探偵
著者:小林 泰三

(光文社文庫)

初版:2016年2月20日

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「アイドルストーカー」

「消去法」

「ダイエット」

「食材」

「命の軽さ」

「モリアーティ」

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いわゆる安楽椅子探偵ものなんだろうけど、探偵と言うよりもアドバイザーのような雰囲気であった。

小ネタを独特の論理でまぶして読者を混乱させるいつもの小林節は健在なり。

どの作品とは言わないが安楽椅子探偵ものには納得できない部分が付きまとっていたものだが、もしかして作者もそうだったのかな。

これは作者の安楽椅子探偵ものに対するアンチテーゼか、あるいはアイデアのひとつか。


『青の数学』 王城 夕紀

青の数学 (新潮文庫nex)

青の数学
著者:王城 夕紀

(新潮文庫NEX)

初版:2016年8月1日

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知らない作家の本をタイトル買いすることもあるが、これもそんな一冊だが意外に当たりだった(外れを期待している訳ではないが)。

ただしイメージしにくい部分は将棋に置き換えて読んでました。

数学とは何かを自問しつつも目の前の問題を解き続ける主人公の栢山。

そんな彼の前に現れるライバルたちもまた同じような疑問を抱えているのだろうし、階段を上がるたびに見える景色も違ってくるのだろう。

果たしてゴールがあるのかすら分からない数学の世界だが、挫けずに進んで欲しいと思う。


『チャーリー・モルデカイ(4)髭殺人事件』 キリル・ボンフィリオリ

チャーリー・モルデカイ (4) 髭殺人事件 (角川文庫)

チャーリー・モルデカイ (4) 髭殺人事件
著者:キリル・ボンフィリオリ

訳者・後書:三角 和代

(角川文庫)

初版:2015年1月25日

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1997年の作。

ようやく最終巻にこぎつけました。

カレッジの女性研究員の不審死事件はちゃんとミステリになってますね。

しかし、シリーズを通して面白いのか面白くないのか分からずじまい。

英国ミステリやモンティ・パイソンが好きな人にはたまらないだろうな。

じっくりと読み返せば色々な発見もありそうだが・・・。




『殺意の構図-探偵の依頼人-』 深木 章子

殺意の構図 探偵の依頼人

殺意の構図 探偵の依頼人
著者:深木 章子

(光文社)

初版:2013年12月20日

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どうみても犯人と思われた容疑者の冤罪が晴れた時はこれからどうなるのかと思ったが、作者は第二第三の矢を用意していて、後半の展開もやや「くどさ」を感じるがなかなか。

この文体に慣れれば他の作品にも期待がもてそう。