たまらなく孤独で、熱い街 -355ページ目

『ユージニア』 恩田陸

ユージニア ユージニア
恩田 陸
(角川書店)
初版:2005年2月5日


 

恩田陸というと、『劫尽童女』は筒井康隆の「七瀬シリーズ」に遠く及ばなかったし、『月の裏側』はモロに『盗まれた街』だったので、彼女の他の本は今ひとつ読む気にならなかったが、この『ユージニア』はピンとくるものがあって読んでみました。

単純に考えれば、実行犯は彼に間違いないところで、そそのかした(消極的にせよ)人がいればその人が「真犯人」ということか?

しかしながら、「真犯人」に心理的な影響を及ぼした人がいるのやら、もしかして二つの物語が重なり合っているのか、とか色々考えさせてくれます。


全編を流れるモヤモヤ~っとした雰囲気は嫌いではありませんね。




『編集者T君の謎』 大崎善生

編集者T君の謎―将棋業界のゆかいな人びと
編集者T君の謎―将棋業界のゆかいな人びと
大崎 善生
(講談社)
初版:2003年1月23日


 

『聖の青春』や『将棋の子』を書いた著者の初エッセイだというので期待して読んでみました。

2002年に『週刊現代』に書かれたものを、テーマ別に編集してあります。


正直、面白くありませんね。

元『将棋世界』編集長ですから、もっと興味が湧く話もあるかと思いますが、なんだかありきたりの話に終始している印象でした。

ゴシップなどを期待したわけでもないですが、フリークラスの件などで将棋連盟に突っ込むところはドンドン突っ込んで欲しかった。

まあ、一般雑誌に掲載ですから、あまりマイナーな話題の連続は避けたというところでしょうか。

『太陽の簒奪者』 野尻抱介

太陽の簒奪者 (ハヤカワJA) 太陽の簒奪者
野尻 抱介
(ハヤカワ文庫JA)
初版:2005年3月31日 
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この小説については、『手当たり次第の本棚』(ことらさん) などで書かれていますので、ぜひ参考にしてください。
これはハードSFの定番中の定番“ファーストコンタクト”を描いたもので、理由は言えませんが筒井康隆の『ワースト・コンタクト』を連想してしまいました。
正直、読むまでは「ハードSFかあ、小難しそうだな~」と思っていましたが、ご安心を。
いちいち用語の説明をしていないことと、枝葉を省いていることなどで読みやすく書かれています。 
 
小説に限らず人間ドラマが主流ですが、たまにはこのような小説を読んで、宇宙に思いを馳せるのも決してムダではないと思いますよ。

『神狩り2/リッパー』 山田正紀

神狩り 2 リッパー 神狩り 2 リッパー
山田 正紀
(徳間書店)
初版:2005年3月31日 
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かっこいいSFを読みたいですか?
最先鋭のSFを読みたいですか?
ならば、この本をオススメします。
 
『神狩り』から30年、ついに神を捕らまえることはできたのか。
主流文学では比喩でしか描き得ないことをSFでは書けます。
まだまだSFも捨てたものではありませんね。
山田正紀も『ロシアン・ルーレット』と『神狩り2』でなにかふっ切れたかのよう。
SFのファンでよかった。
山田正紀のファンでよかった。
そう思える完成度の高さです。
 
正直読みにくいです。
おかしな部分も目につきます。
しかし、わからない単語や説明があっても、とにかく読み進めて欲しい。
山田正紀が(精一杯の)カタルシスを提供してくれます。
 
理亜(ユリア)がんばれ♪

『失踪日記』 エピソード・1

先日、時間が空いたので某書店に寄ってみた。

ここは雑誌、漫画、文庫本が主流で、しかも新刊か売れ筋しか置いてない。

言うなれば、コンビニの書店版みたいな面白くない品揃えだ。


ぶらぶらと見てたら「エッセイ」のコーナーに『失踪日記』が置いてあった。

「へー」と思ってたら、「ノンフィクション」のコーナーにも置いてあった。

しかもその下の平台に山積み!

売れているのかねえ。

(某ブログによると軽く10万部以上売れているとか・・・・・・)


しかし、漫画のコーナーには置いてなかったな。

しかも、吾妻ひでおの他の本は1冊もなかったな。

『しおんの王』(2) 安藤慈朗/かとりまさる

しおんの王 2 (2) (アフタヌーンKC)

しおんの王 2 (2)
安藤 慈朗

(アフタヌーンKC)
初版:2005年5月23日 
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現在棋戦に参加できる、いわゆるトーナメントプロ棋士は男性しかいません。女性は女流棋士として違う括りにされています。一部の棋戦ではアマや女流の参加も例外的に認められてますが。

これは、男女の実力が違うせいなのか。 


『しおんの王』はいまのところ女流棋界の話のようです。

これからも3人の女流棋士をメインに話しは進むのでしょうか。

※安岡紫音・・・・・・8年前に両親を殺され、以来言葉を失う。隣家の安岡八段に引き取られ12歳で女流棋士となる。

※斎藤歩・・・・・・実は男。入院中の母の医療費を捻出するために女装して女流棋士となる。

※二階堂沙織・・・・・・女流初段で高校3年。羽仁名人は兄弟子にあたる。 

 

いまだ紫音の両親を殺した犯人は見つからないが、犯行時の現場の状況から将棋に詳しいと思われる。

まさかすでに登場している“あの方”が犯人ではなかろうな。

そして、2巻のラストでは羽仁名人の弟(IT関係の社長)があらわれ、前代未聞の棋戦の構想が語られる。

プロアマ男女混合の完全オープントーナメント! 


将棋とミステリの縦糸と横糸、みごとにクロスいたしましたら拍手喝采。

『クリスマスに少女は還る』 キャロル・オコンネル

クリスマスに少女は還る (創元推理文庫)

クリスマスに少女は還る
キャロル オコンネル

訳:務台 夏子

(創元推理文庫)
初版:1999年9月24日 
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整理しなければな~と本棚を見てたら、この本が「私を紹介して~」と訴えかけるので、初版は5年前と少々古いですが紹介します。
パラパラと読み返しましたが、記憶がとんでるので勘違いがあるかもしれません^^; 
もし、あなたの娘さん(10歳)が「ホラー映画マニア」で「いたずら大好き」だったら、どう思いますか? 
 
毎日が楽しい? 
娘が気味悪い? 
どうでしょうかね。 
 
クリスマスが近いある日、二人の仲の良い少女が誘拐された。 
一人は裕福な家庭の娘。 
一人は普通の家庭の娘。 
しかし、普通の家庭の娘、サディーはお転婆で快活でホラー映画マニアでいたずら好き。 
ホラー映画のあの手この手を駆使して、もう一人の少女となんとか閉じ込められている場所から脱出しようと試みる。 
一方、捜査側も15年前の事件との類似性を足がかりに、犯人を突き止めようとする。 
捜査側にも色々とあって読ませますが、何と言っても見どころ読みどころは、サディーに尽きますね。 
読んでいるうちに誰もがサディーを好きになり、応援したくなるのは間違いないでしょう。 
 
しかし、物語は全く思いもよらない終結を迎えます。
 

P.S.

この作者には“氷の天使”キャシー・マロリーが主人公のシリーズがあり、これも一読の価値があるかも。

機会があったら紹介します。

【瀬川さん、プロ入りへの道】

今日行なわれた日本将棋連盟の棋士総会で、瀬川さんのフリークラス編入試験を実施する事が決まったようです。

正直、三段リーグ編入くらいが関の山かと思っていたので意外ではありますが。 


瀬川さんがフリークラスに編入されたとしても、さらに順位戦へと進まなければならず、茨の道であることは変わりませんが、精進して突き進んで欲しいとおもいます。

また将棋連盟も、これを機会に諸問題を前向きに検討して欲しいと思います。

『犬夜叉』(40) 高橋留美子

犬夜叉 (40) (少年サンデーコミックス) 犬夜叉 (40)
高橋 留美子
(少年サンデーコミックス)
初版:2005年6月15日 
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高橋留美子は好きですよ。
デビュー作ではP・K・ディックの『トータル・リコール』を逆手にとったような内容で面白かったし、『うる星やつら』『めぞん一刻』『らんま1/2』も読みました。

しかし、40巻は長い。

子供も読んでますが、さすがに最近は食傷気味のようですね。

「お互い好きなのに面と向って言えない」というパターンも、くどい気がします。


このさいスパッと終わらせて、次はガチガチのSFはどうでしょうか?

なんなら将棋ものでもいいですが^^

『蹴りたい田中』  田中啓文

蹴りたい田中 (ハヤカワ文庫 JA) 蹴りたい田中
田中 啓文
(ハヤカワ文庫JA)
初版:2004年6月15日 
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「未到の明日に向かって」

「地球最大の決戦-終末怪獣エビラビラ登場」

「トリフィドの日」

「トリフィド時代」

「やまだ道-耶麻霊サキの青春」

「赤い家」

「地獄八景獣人戯」

「怨臭の彼方に」

「蹴りたい田中」

「吐仏花ン惑星 永遠の森田健作」

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(注)『蹴りたい背中』ではありません^^

(注)『中田いたり蹴』でもありません^^

 

アメブロでも一部で評判をよんでいる『UMAハンター馬子』の著者田中啓文の短編集です。

田中さんの短編はそれ以前も何作か読みましたが、印象としては「苦しい」です。

設定の苦しさ、オチへ行くまでの苦しさ、オチの苦しさ・・・・・・。

そこの全然洗練されてないところが面白いんですけどね。