たまらなく孤独で、熱い街 -351ページ目

『どーなつ』 北野勇作


どーなつ
北野 勇作

どーなつ

(ハヤカワ文庫JA)

初版:2005年7月20日 


 


 


 


一度読んでみたかった北野勇作。


読後感は「うーん」。


全体的に「のほほーん」としているのが、この作者の持ち味なのだろうか。


なにしろ確固たる「現実」がないので、読んでても非常に不安定。


どこまでが「現実」でどこからが「非現実」なのか。




記憶がいじくられるという、アイデンティティの崩壊につながることさえも、登場人物は素直に受け入れる。


これがP・K・ディックだと、もっと硬質に書くのだろうけど、なにしろ「のほほーん」だからねえ。


しかし、文体に隠れているが、内容は結構ハードだな。


再読するか、この作者の違う本を読んでみるか・・・・・・。


『眠りの森』 東野圭吾

眠りの森 (講談社文庫) 眠りの森
東野 圭吾
(講談社文庫)
初版:1992年4月15日 
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このころから作者は変革し始めていたのか。

どちらかが彼女を殺した』の加賀刑事が出てきますが、他にはどんな作品に出ているのだろう。なんとなくこの刑事気になるので。


で、ここからが私のイメージの貧困なところですが、バレリーナの世界の話しというと、どうしてもスレンダーな美女ばかりを想像してしまう(美男は絶対に想像しないところが、我ながらさすがだ)。


つまり、最近読んだ本の中では出色の、美女ばかり出てくる小説です(笑)。


 

ところが、これが映画になったりドラマになったりすると、「原作とイメージが違う」となってしまうのでしょう(たとえ主役が仲間由紀恵であっても、華原朋美であっても)。


 

ともあれ、主人公の女性に、ラスト、救いがあって良かった。


それさえあれば、他はどうだっていい。

『COMIC新現実vol.3』 特集-吾妻ひでおの「現在」

Comic 新現実 Vol.3 大塚 英志
Comic 新現実 Vol.3
(角川書店)
初版:2005年2月26日

 

 

 

買ったばかりのホヤホヤでまだ読んでいません。

ある書店で漫画の棚をボケ-ッとみてたら「吾妻ひでお」という名が目にとまり、速攻で買ってしまった。

2月26日発行。

すると失踪日記 より前にでてたのか。


まずはインタビュー。

漫画は旧作の『夜の魚』『笑わない魚』『午後の淫行』、新連載(らしい)『うつうつひでお日記』。

吾妻ひでおに関するエッセイが新井素子と大塚英志。

ここまでで約100ページ。

あとの300ページは、なんかマイナーっぽい漫画家のマイナーっぽい漫画。


ところで「大塚英志プロデュース」ってあるけど、この人は誰?

すみません、全然知らないんです。

『慟哭』 貫井徳郎

慟哭 (創元推理文庫) 慟哭
貫井 徳郎
(創元推理文庫)
初版:1999年3月19日 
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デビュー作であるし、読む前は全く期待してませんでしたが、読み出したらもう止まらない。
警察側とある一人の男の行動を交互に描き、それが交差したときの衝撃。
しかし、そんな衝撃よりも“胸に風穴が空いた”男の悲しみが胸を打つ。
私がその立場になったらどうなるだろうか。
恐らく、私の心は死んでしまうだろう。
 
この本の衝撃が強かったので、しばらくこの作者の別の本には手が伸びませんでしたが(これ以上の作品はあるまい、という気もして)、かなり後にプリズム を読んだのだが、読まねばよかった・・・・・・。

[ああ、勘違い]

【個人的読書】(indi-bookさん)『荊の城』 の書評を読み、「これはぜひ読んでみなくては」と書店に(今頃になって)行く。

しかし、下巻しかなかったので《『荊の城』を買うのはこの次にして、この作者の別の本を買おう》と思い、となりに並んでいた女彫刻家 を購入して帰宅。


なにか違和感があったんだよな。

表紙を見る。

パラパラと読む。

再度、表紙を見る。


ガーン。


『荊の城』はサラ・ウォーターズ。

『女彫刻家』はミネット・ウォルターズ。


紛らわしいんだよ^^;

『パーマー・エルドリッチの三つの聖痕』 フィリップ・K・ディック

 
フィリップ・K・ディック, 浅倉 久志
パーマー・エルドリッチの三つの聖痕
(早川書房)
初版:1978年2月28日
注)表紙はハヤカワ文庫SF

 

ディックSFの最高傑作!

てことは、SFの最高傑作!

まあ、それはそれとして・・・・・。


ディックは考えたそうだ。

ドラッグ(幻覚剤のこと)でなにが一番恐ろしいだろうか?

フラッシュ・バックが起こる(かもしれない)ことではなかろうかと。

幻覚の世界から現実の世界へ戻れたと思ったのに、幻覚世界の怪物が目の前を横切る・・・。

まだ幻覚の世界に捕われているのか。

永遠に抜け出せないのか?


地球温暖化が進み、高温が常態となった地球。

火星やガニメデなどに強制移民が図られる。

移民先の環境は過酷。

シェルターの中でヒマを持て余す移民者。

そこではパーキー・パット人形(日本ならリカちゃん人形?)の模型セットを用意し、ドラッグでつかの間パーキー・パットの世界で遊ぶのが大流行。


そんな時、10年前にプロキシマ星へ旅立ったパーマー・エルドリッチが戻ってきた・・・・・。

新たなドラッグが現実世界を犯し、痙攣させる。

死よりも恐ろしい代償を要求するエルドリッチ。

彼は人間か?

異星人か?

それとも悪魔?


後半のめくるめく“幻覚に犯された”世界は、まさにP・K・ディックの独壇場!!


※なお『夏への扉』【物語三昧】(ペトロニウスさん) の書評をどうぞ。

 


『ブランコのむこうで』 星新一

ブランコのむこうで 星 新一
ブランコのむこうで
(新潮文庫)
初版:1978年5月25日
 

 

 

星新一の本はたいてい読んだつもりでいましたが、この本は知らなかった。

より平易な文章で、少年が主人公でもあり、少年向けに書かれたのかもしれませんが、どちらかというと大人に読んでもらいたいような内容ですね。


ある日自分とそっくりな少年を見かけた“僕”はその少年のあとをつけるが、逆にある家に閉じ込められてしまう。

しかし、気がつくと家はなく一面の野原だった。

“僕”は「夢の世界」に迷い込んでしまい、さまざまな体験をする・・・・・・。

『仮題・中学殺人事件』 辻真先

仮題・中学殺人事件 辻 真先
仮題・中学殺人事件
(創元推理文庫)
初版:2004年4月9日

 

 

 

犯人は読者(きみ)だ!

どんなんかと思って読んでみた。

30年くらい前のデビュー作らしいが、こういうのを拾ってくれる出版社があるのは助かる。


時刻表トリックものは、ほとんど読んだことがなかったので新鮮でした。

『模倣の殺意』もそうでしたが、いささか内容が古くなるのは致し方ありませんが、『模倣の殺意』よりもリアリティらしきものがない分、読みやすかったし、読者を犯人にする方法よりも面白いオチが待っていました。


辻真先といえば『天使の殺人』を以前読んだことがあるが、コメントは控えよう・・・・・・。

『模倣の殺意』 中町信

模倣の殺意 中町 信
模倣の殺意
(創元推理文庫)
初版:2004年8月13日

 

 

 

ある新進の推理小説家が自殺としか思えない状況で死んだ。

しかし、それを疑う二人の人物がそれぞれに「何が起きていたのか」を独自に調べる。

二人の人物の調査の状況が交互に描かれてますが、これだけで「もしかしたら・・・・・」と読者に思わせてしまいますな。

このトリックは割りと見かけるような気もしますが、この作品が嚆矢だそうです。

ならば、その後の二番煎じ三番煎じを寄せ付けない力強さが欲しかった。


71年に発行された著者のデビュー作を改訂した決定版とのこと。

途中に「読者への挑戦状」が入っています。

そこまでで作者のトリックに気がつくでしょうか。

『SFベスト201』 伊藤典夫・編

SFベスト201―SF handbook 伊藤 典夫
SFベスト201―SF handbook
(新書館)
初版:2005年6月10日

 

 

 

 

1978年から2000年という、半端な期間のセレクト201冊です。

ほとんどが読んでないという悲しさ・・・・・・。



なんと多くのSFが(SFに限らないが)手のうちからこぼれていってしまったことか。