たまらなく孤独で、熱い街 -341ページ目

『ファントムの夜明け』 浦賀和宏

ファントムの夜明け 浦賀 和宏
ファントムの夜明け
(幻冬舎文庫)
初版:2005年3月31日
 
 
 
先日書店に行った時に、たまには新しい人(読んだことのない人)の本でも探すか、と書棚に目を走らせ手に取ったのが、これと乙一の『暗いところで待ち合わせ』でした。
浦賀和宏。読んだことはないが、名前は良く知っていたような。
『ダ・ヴィンチ』か『このミス』で知ったのかも。
 
櫻井真美。
1年前に別れた石井健吾の部屋に、知人の高畠から頼まれて荷物を届けるが、不在のよう。
しかし、なにかイヤ~な感じがする。
もしかして、健吾は死んでいるのか・・・・・・。
 
幼い頃に死んだ双子の妹が、階段から落ちた時にある「能力」を身に付けた。
眠っていたのが覚醒したのか。
その「能力」とはサイコメトリー。
しかし、それは常に「死」と密接に結びついている。
そして、真美もある事件をきっかけに「能力」が顕在化する。
それがはっきりと分かるまでの苦しみ。
分かってしまってからの苦しみ。
死者が発するメッセージ。
過去との対峙、精算。
 
はっきりとサイコメトリーの能力が備わった事を知った真美が、超常現象の本などが好きでよく読む高畠なら理解してくれると思い、そのことを打ち明けるが、高畠は馬鹿にされていると思って取り合わない。
そんなものだろう。
読み物としては面白くても、いざ自分の知り合いがそんな能力を持っているなどと言われても、素直に信じることはできないかも。
 
健吾が部屋で死んでいるものとの確信を持った真美は刑事と部屋に行くが・・・・・。
そして、真美はあることに気づく。
ラストは何を書いているのか分かりませんでしたが、それが分かってからの衝撃。
ラスト1ページは決して先に読んではいけません。
 
超能力者の悲しみが伝わってくるような作品でした。
浦賀和宏はSF畑の作家だったのか?

映画『ファイブ・イージー・ピーセス』 ボブ・ラファエルソン

ファイブ・イージー・ピーセスソニー・ピクチャーズエンタテインメント
ファイブ・イージー・ピーセス
(1970年・アメリカ)
監督:ボブ・ラファエルソン
主演:ジャック・ニコルスン
    カレン・ブラック
 
 
60年代終わり頃から台頭してきた「アメリカン・ニューシネマ」。
思いつくままに列挙すると『イージー・ライダー』『卒業』『明日に向かって撃て!』『俺たちに明日はない』『泳ぐ人』『いちご白書』『バニシング・ポイント』そして『ファイブ・イージー・ピーセス』等。
リアルタイムで観た訳ではないが、結構見た覚えがある。
丁度同じ頃SFでも「ニュー・ウェーブ」が現れたが、他の分野でも同じようなことがあったのだろうか。
 
映画はタミー・ウィネットの歌う「スタンバイ・ユア・マン」から幕を開ける。
音楽一家で中産階級出のボビー(ジャック・ニコルスン)。
今は油田で日雇い仕事をし、恋人(カレン・ブラック)と自堕落な生活をしているが、いわゆる下層階級の生活にも溶け込めない。
家族とは縁を切ったはずだったが、父親の容態が悪いと聞くと心配になり、恋人と見舞いに行くことにする。
車で向かう途中、ヒッピー風の女二人を乗せるが、車中の会話や、ドライブインでのウェイトレストとの注文のやりとりは傑作。
後半、家族が住む島へ渡ると、こんどはもっと反吐が出る上品ぶった雰囲気が支配する。
前半がカントリー&ウエスタンで、後半がピアノ、なるほど、好対照だ。
いたたまれず、救いを求めかのようにボビーは兄嫁に求愛するが、「自分に愛も尊敬も持たず、家族にも仕事にも愛を持たない人が愛を要求できて?」と突き放される。
兄嫁が去ったあと、長い沈黙のあと、ボビーはポツリと言う「OK」。
この「OK」は、兄嫁に対する返事のみならず、かなり深い意味がありそう。
そのあとボビーは車椅子の父を湖畔に連れ出し、口の利けない父に向かって独白する。
「方々旅するのは本物を探し求めてじゃなく、俺がいるとそこが悪くなるから、逃げ出すだけだ。疫病神も同じさ・・・・・・」
島を出たボビーは、ガソリンスタンドで恋人を置き去りにし、トラックに乗せてもらってアラスカに向かう・・・・・・。
 
家族、仕事、恋人、すべての「しがらみ」からドロップアウトした青年の放浪は果てしなく、また見るものの心を強烈に揺さぶる。
ジャック・ニコルスンの抑えに抑えた演技が秀逸、かつ恐い(笑)。
『イージー・ライダー』の酔いどれ弁護士で一躍脚光を浴びたニコルスンは、この映画ですっかりスターへの階段を上がる足場を固めましたね。
「アメリカン・ニューシネマ」で2本挙げろと言われたら、これと『バニシング・ポイント』かな。
イラク戦争でまた新たなる「ニューシネマ」が現れることになるのだろうか・・・・・・。

【羽生-佐藤、公式戦100局達成♪】

羽生四冠と佐藤棋聖の公式戦での対局が、今回の王将戦第1局で通算100局目となりました。

 

『同一カード記録』

 

これはわずか10組目であり、まさに快挙といえましょう。

しかし!

この記念すべき1局が、ネットで中継されないという体たらく。

毎日新聞の事情もありましょうが、ならば何故将棋連盟は竜王戦のように自前でネット中継をしないのだ。

 

今期の7大タイトル戦(所謂G1ですな)のうち、実に4戦がこの二人の顔合わせ。

まさしく、将棋界の横綱同士の激突です。

本局は139手で羽生四冠が勝利し、通算成績でも69勝31敗と大きくリードしていますが、毎回羽生四冠相手に趣向を凝らす佐藤棋聖も、必ずや巻き返してくることでしょう。

 

さらなる100局に大いに期待したいものです。



映画『ストーカー』 アンドレイ・タルコフスキー

ストーカー アイ・ヴィー・シー
ストーカー
(1979年、ソビエト)
監督:アンドレイ・タルコフスキー
原作、脚本:ストルガツキー兄弟
 
 
 
 普段は帰りが遅かったり気忙しかったりで、長時間の映画はなかなか見られませんが、正月はゆっくりジックリ見ることができていいですね。
 
隕石の落下か、宇宙人の痕跡か、20年前に忽然と現れた不可解な空間「ゾーン」。
かつて軍隊が送り込まれたが全滅してしまい、それ以来立入り禁止になっている。
だが、その中には希望が叶うといわれている「部屋」があるという。
 
ストーカー(密猟者)は「ゾーン」への案内者。
最初はモノクロ。
寒々とした寝室で、娘をはさんで親子3人が川の字でねている。
男(ストーカー)がもそもそと起きて、依頼者を「ゾーン」へ案内に出かけようとする。
それに気が付いた妻が必死に止めるが、男は出かけてしまう。
うらぶれたバー。
「教授」と「作家」が待っている。
男は2人を連れ、検問を突破して「ゾーン」にもぐりこむ。
ここからはカラー。
「ゾーン」には破壊された戦車などが屍をさらしている。
3人は反目したり、議論したりしながらも、「部屋」がある廃墟のような建物の手前までたどり着く。
そこで休憩していると、どこからともなく黒い犬が現れる。
そして3人と1匹は「部屋」の前に着くが・・・・・・。
 
バーに男を迎えに来た、妙に優しくなった妻と足が不自由な娘。
男は「教授」「作家」と別れ、娘を肩車して帰る。
そして、ラストの奇蹟。
『惑星ソラリス』 を見ている者にとっては、「ゾーン」から戻ってからの不可解さは、色々考えてしまうとこですね。
 
と、あらすじばかり書いても内容の片鱗しか伝えられないのが歯がゆい。
さらに今では「ストーカー」と大声で言えないのが辛い(苦笑)。
 
 
 

[スクラップ・ブックって・・・・・・]

なんか、どんどんと悪くなっているような気がするのだが。

広告スペースはブログ以上に増殖してるし。

さっき、過去記事の内容を追加して更新したら、当該ブックのトップになっちゃうし。

前はなかった「この記事が掲載されているブック:男ならこれを読め!」も入れられちゃうし。

 

なによりも、画像とプロフィールの変更、後付けができない!!

ブックからブログのその記事に一発で移動できない!!

 

コメントを付けるなら、ブックよりもブログに付けたいのだが。

なんだかなあ。

文句を言っても返事も来ないし・・・・・・。


P.S.

12月28日(水)

さっきtujigiriさんの記事で、画像アップはできることを知りました。

ありがとうございました。

アメブロもそれならそうと返事をくれればいいのに。

で、さっそく画像アップ。

次はプロフの変更もお願いします♪

 




『マドンナ』 奥田英朗

マドンナ 奥田 英朗
マドンナ
(講談社文庫)
初版:2005年12月15日
 
 
 
「マドンナ」
「ダンス」
「総務は女房」
「ボス」
「パティオ」
 
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大手企業に勤める40代のサラリーマン(中間管理職)を主役にした短編が5本。
好みのタイプで利発な女性が部下として転属してきて、ほれてしまうが、何もできなくてイジイジする男。
息子の進路や、変わり者の同僚に悩まされる男。
営業の最前線から総務へ一時回され、不正を見つけ正そうとする男。
女性が上司として赴任し、あまりの欧米式のやり方にとまどう男。
故郷でひとり暮らしの父を気遣いつつ、同じような境遇らしき老人に会い、勝手な思い込みを恥じる男。
 
かなり以前に筒井康隆の『ヒノマル酒場』だったかな、朝○新聞の記者が取材を断られて「天下の朝○の取材を拒否するのか、公務執行妨害だ」と叫ぶ場面があって大笑いしたものだが、それほどの強烈さはなかった。
じゃあ、なにがあるのかというと、まあ、同じような目にあって「そうそう」と思う人も「ふざけるな」と思う人もいるでしょうねえ。
最近私が読む奥田英朗の小説は軽いものが多いので、たまにはガツンと脳天直撃するものを読みたいものだ。
と言いながら、そういうのは意識的に避けるんですがね。
 
それはそうと、解説の酒井順子は存じ上げませんが、ひどい解説を書くねえ。
これもかなり昔なのだが、つかこうへいのエッセイ風小説の解説を書いた林真理子以来のひどさだ。
その解説を読んだがために林真理子が嫌いになり、小説はおろか彼女の名を目にするのも避けるようになったものだ。
 
なんだか本の紹介をしているのか、愚痴をこぼしているのか・・・・・・。
 

[我が家のペット](1)

これは今年の春まで家に住みついていた猫です。

名は“ミミ”、♂です。

10年位前かな、それ以前にいた黒猫がどこかへ行ってしまったあと、どこからともなくやってきました。

当時でも3~4歳くらいだったか。

首輪をしてましたから、飼い猫だったのでしょうが、近所にこんな猫はいませんでしたから、たぶん誰か遠くの人が捨てていったのでしょう。

餌をあたえて、首輪をはずしてやったら、そのまま住みついてしまいました。

6年前に生後2ヶ月の柴犬の雑種をもらってきたのですが、全然恐がらず、よく犬小屋でいっしょに寝てました。

それを目にした人は「へんな犬と猫だねー」と驚いてました。

犬にしてみれば、飼われた時にすでに先輩猫がいたので、逆らえなかったのでしょう。

しかし、その“ミミ”も今年の春に、どこかへ去って行きました。

で、子供たちが余りに淋しがるので、妻の知り合いから生後2ヶ月の猫をもらってきたのが、7月中旬。

名前は“冬獅郎”♂です。

『ブリーチ』というマンガの登場人物だそうです。

最初のうちは淋しくて夜な夜な鳴くよ、と言われましたが、そんな事は全然なくて、餌(「猫元気」をバクバク食べる事食べる事。

おかげで、今月初めに“避妊”のために獣医に連れて行ったら、あまりの「でかさ」に驚かれました。

すでに4キロ超。

どこまで大きくなるのやら・・・・・・。

ちなみに尻尾はすらっとしてて20センチほどあります。



『グレイ・チェンバー』 小川一水

グレイ・チェンバー 小川 一水
グレイ・チェンバー
(ジャンプJブックス)
初版:2000年12月30日
 
 
 
 
タイトルの『グレイ・チェンバー』とは『灰色の部屋』?学校を指すのかな。
平凡だが退屈な高校生活が、ある日を境に豹変する。
授業中に異界から奇妙な生物・ネイバーがあらわれ、級長の如月そよぎを刺す。
その生物は、謎の二人組によって退治されたが、如月は体質が変わってしまい、異界の生物に対してある波長を流してしまうことになった。
当然その波長を目指して奴らが襲ってくる。
クラスの者も薄々感づかれているため、襲われる恐れがある。
どうする?
謎の二人組は学校に教師としてやってきて、退治方法を訓練するが、当然ながら如月がいなかったら自分は大丈夫と思う者やら、自分は関係ないと思う者やらがいるわけで、なかなか一枚岩にならないのだね。
ネイバーの正体や、謎の二人組の正体や、いろいろと分からないままのがありますが、友情あり、謎あり、サスペンスあり、恋あり、涙ありで、なかなか読ませます。
 
小川さんが今回の話しで書きたかったことはただ一つだそうです。
「クラス一丸、強敵撃破」。
たしかに、この一言に尽きるようですね。
 

『電脳少女~アイドロイド・ユイ』 山田正紀

山田 正紀
電脳少女―アイドロイド・ユイ
(光風社ノベルス)
初版:1993年8月10日
 
山田正紀版、サイバー・パンク。
 
メディア・コングロマリットが支配し、現実と擬似現実が錯綜する近未来都市・トウキョウ。
そこでは麻薬テクに溺れ、罪悪感をなくした若者たちが犯罪を繰り返していた。
 
アイドルはメディア・コングロマリットの重要な商品。
しかし、消耗品。
ひとりのアイドルが超高層ビルから飛び降り自殺をしたが、アイドロイド・ユイとなって生まれ変わり、麻薬テク組織の撲滅に立ち上がる。
歌舞伎町で、病院で、ハイウェイで、ゲーセンで、麻薬テク組織に熾烈な戦いを挑む。
それを勲章に、アイドルとして復活するために・・・・・・。
 
しかしながら、メディア・コングロマリットは裏では麻薬テク組織と繋がっていて、組織が不要な末端をユイに始末させただけ。
しかもユイは自殺した元アイドルですらなく、本物のアイドル・ユイのダブル(影武者)でしかなかった。
自分が本当は誰かすらわからない。
用が済めば、アンドロイド・ユイは始末され、アイドル・ユイが華々しくメディア・コングロマリットに登場する。
キャッチフレーズは「麻薬テク組織に超高層ビルから突き落とされ、かろうじて一命をとりとめ、みずからアイドロイドとなる道を選んで、麻薬テク組織と闘った勇敢な少女」。
これは人気がでまっせ。
 
アイデンティティを完膚なきまでに叩き潰された、アイドロイド・ユイに生きるよすがはあるのか?
ひねりが効いているのかどうかわかりませんが、今ならもっと違った視点から書いたと思われます。
 

『全力投球~我が選んだ道に悔いはなし』 大野豊

新版 全力投球 大野 豊
新版 全力投球
(宝島社文庫)
初版:2005年7月8日
 
 
 
 
大野豊。
島根県生まれ。
出雲商高から出雲信用組合(軟式野球)を経て、昭和52年にテストで広島カープ入団。
通算成績、148勝100敗138セーブ。
 
何も付け加えることはない。
ただ、本を読むだけ。

長男に“豊”と名付けたことで、大野豊に対する思い入れは分かってもらえるだろうか。