たまらなく孤独で、熱い街 -34ページ目

『ドライヴ』 ジェイムズ・サリス

ドライヴ〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕

ドライヴ
著者:ジェイムズ・サリス

訳者:鈴木 恵

解説:三橋 暁

(ハヤカワ・ミステリ文庫)

初版:2012年2月25日

(2006年9月にハヤカワ・ミステリ文庫より『ドライブ』にて刊行)

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2005年の作。

200ページ程度の本ですが、枝葉をそぎ落としたような文体はいたってクールというかドライというか・・・。

様子が分かるまでは少々退屈気味だったが、いつのまにか名無しのドライバーと一緒に疾走しているかのような気分に。

スタージョンの「輝く断片」がさりげなく出てきたところで少しニヤリ。

映画化されるのも当然だね。

 

『愚者が出てくる、城寨が見える』 ジャン=パトリック・マンシェット

愚者(あほ)が出てくる、城寨(おしろ)が見える (光文社古典新訳文庫)

愚者(あほ)が出てくる、城寨(おしろ)が見える
著者:ジャン=パトリック・マンシェット

訳者・後書・解説:中条 省平

マンシェット年譜

(光文社古典新訳文庫)

初版:2009年1月20日

(1974年10月に『狼が来た、城へ逃げろ』にてハヤカワ・ポケミスより刊行)

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1972年の作。

『眠りなき狙撃者』でも感じたが、この作者の殺し屋はまともじゃないな。

今回は逃げ回る女性もまともじゃなくて、言うなれば狂っている同志が遭遇してしまったために破滅へと突き進む・・・。

くだくだしい説明や心理描写を省いて、簡潔な文体で状況を描写していくのが映画的と言えば映画的。

『鋼鉄の黙示録』 チャーリー・ヒューマン

鋼鉄の黙示録 (創元SF文庫)

鋼鉄の黙示録
著者:チャーリー・ヒューマン

訳者:安原 和見

解説:橋本 輝幸

(創元SF文庫)

初版:2015年3月13日

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2013年の作。

南アフリカ発のSF。

高校生活を上手く過ごしているはずの少年だが、失踪した彼女を捜すうちに超常現象の世界に足を踏み入れてしまう。

異形の怪物たちは実在するのか?

よく分からんがクトゥルフもはいっているのだろうか。

しかしながらなんとも辛気臭くて読むのがしんどかった。

 

『悪意の波紋』 エルヴェ・コメール

悪意の波紋 (集英社文庫)

悪意の波紋
著者:エルヴェ・コメール

訳者:山口 羊子

解説:三橋 暁

(集英社文庫)

初版:2015年3月25日

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2011年の作。

40年前の事件に関わったジャックはまあ措いといて、元カノに送ったラブレターを取り返したい一心のイヴァンのパートが読みにくくていけねえ。

やっと二人が(直接ではないが)繋がった頃には疲れちゃった。

だから作者が捻ったつもりで富豪を出してきても、実は本当の黒幕は別にいるのですというパターンは好きじゃないんだよなとしか思えなかった。

 

【読書メーター】 2017年4月分

カープの3・4月は10連勝もあって、16勝10敗1分となりました。

投打とも明るい話題だけではありませんが、最低でも月間5割はキープしていってもらいたいものです。

 

4月の読書メーター
読んだ本の数:15
読んだページ数:5,878



ゴーストマン 時限紙幣 ゴーストマン 時限紙幣感想
強盗犯はカジノから金を奪う簡単な仕事のはずだったが何者かに撃たれ、一人だけは金を持ったまま逃げることができたようだ。しかもその金は連邦準備銀行の時限爆弾付きというやっかいなもので、回収を依頼されたゴーストマンは金が爆発する前に手中に収めなくてはならないのだが・・・。ゴーストマンがひたすらかっこいいのですが、反面どうせ成功するんでしょと思わせてしまうところがややマイナスかな。作者が若くして亡くなってしまったのは気の毒だし残念だ。405ページ
読了日:04月01日 著者:ロジャー ホッブズ
他人事 (集英社文庫) 他人事 (集英社文庫)感想
この作者の本は年に1冊は読んでいる気がする。書店でたまたま目に付くと買ってしまうので。今短編集は1篇が20ページくらいなのでスルッと読めるが、中身はグロかったりして読むのがシンドイのも。個々には触れないが、一見日常の不条理みたいなものよりは、SFものも含めて異常な設定の方が面白く(ある意味安心して?)読めた。ありえないし他人事だと笑って読んでいるうちはいいが、もしかして似たような事が背後に迫っていたらイヤだからねえ。330ページ
読了日:04月03日 著者:平山 夢明
完璧な夏の日〈上〉 (創元SF文庫) 完璧な夏の日〈上〉 (創元SF文庫)感想
第二次世界大戦の直前に、世界各地に現れた「超人」。大戦中や大戦後に、影に日なたに死闘を繰り広げる超人たち。物語はかつて英国の情報機関に所属したフォッグという超人が過去を徐々に語りだす。フォッグの上司の真の狙いは何なのか・・・。300ページ
読了日:04月05日 著者:ラヴィ・ティドハー
完璧な夏の日〈下〉 (創元SF文庫) 完璧な夏の日〈下〉 (創元SF文庫)感想
下巻ではベトナム戦争やアフガン紛争などが描かれるが、超人とは一体何だったのか。そして世界はどう変貌してゆくのか。それなりに面白く読めましたが、真面目に読み過ぎたかな。パロディやアイロニーを楽しむには私の知識や感性が色々と欠乏している。305ページ
読了日:04月07日 著者:ラヴィ・ティドハー
隻眼の少女 (文春文庫) 隻眼の少女 (文春文庫)感想
この作者は『夏と冬の奏鳴曲』以来だから、何年ぶりだろうか。名探偵であった母を継ぐために、17才で探偵に足を踏み出した2代目・御陵みかげ。自殺するためにやってきた男を探偵の見習い(ワトソン役)とし、旧家で起きた連続殺人事件に取り組む・・・。第1部は、まあ納得の面白さでしたが、18年後の第2部はなんとも言いようがないですな。506ページ
読了日:04月09日 著者:麻耶 雄嵩
半導体探偵マキナの未定義な冒険 半導体探偵マキナの未定義な冒険感想
『未来探偵アド~』以来だが、これもSFのガジェットを使ったコミカルなミステリ。高校生・正行のじっちゃんが亡くなり、山奥で研究していたロボット4体が残された。ところがそのうちの3体はエラーが発生して、しかも行方不明。まともなロボット・マキナと正行は、探偵をしながら無事3体を回収することができるのか・・・。楽しみつつサクサク読みましたが、すぐ忘れそう。286ページ
読了日:04月11日 著者:森川 智喜
折り紙衛星の伝説 (年刊日本SF傑作選) (創元SF文庫) 折り紙衛星の伝説 (年刊日本SF傑作選) (創元SF文庫)感想
2014年の国産SF短編の芳醇な果実(の一部)なのだが、唸らせるようなものはなく、「まあまあ」程度が揃った印象。読書に疲れてきたのかも。宮澤伊織と草上仁は今後に期待を持たせるが、田丸雅智と酉島伝法は「またか」という気がするし、「緊急自爆装置」は誰が飛び散った死体や部屋を片付けるんだよ。618ページ
読了日:04月13日 著者:
福家警部補の挨拶 (創元推理文庫) 福家警部補の挨拶 (創元推理文庫)感想
昔『刑事コロンボ』を楽しんだ身としては(何年か前にコンプリートDVDを購入したが、「別れのワイン」しか視聴してない・・・)、倒叙ミステリということでどのように料理するのか期待。フェアに書かれているとは思うが、なんとなく地味だし、福家警部補の登場シーンも毎回続くとくどい(お約束の繰り返しなんだろうけど)。347ページ
読了日:04月15日 著者:大倉 崇裕
我もまたアルカディアにあり (ハヤカワ文庫JA) 我もまたアルカディアにあり (ハヤカワ文庫JA)感想
ディストピアものなんだろうけど、不思議な感触の物語だった。なにがどうなろうとも世界は変わりないというのは、楽観的すぎるのか諦観なのか。この文体に慣れてこの世界にはまればすごく面白いのかもしれない・・・。344ページ
読了日:04月17日 著者:江波光則
月世界小説 (ハヤカワ文庫JA) 月世界小説 (ハヤカワ文庫JA)感想
牧野修はどうしても読みたい作家ではないのだが『神狩り』へのオマージュと言われると読まざるを得ない。内容を理解できてるとは思わないけど面白かった。平和そうなゲイパレードのさなかに「天使」が現れ、破壊と殺戮の限りを尽くす。妄想世界に避難した主人公は、仮想言語でバトルを始める。これが言語メタSFってヤツかい?後は作者の縦横無尽の筆さばきをやや呆れながら堪能するのみ。431ページ
読了日:04月19日 著者:牧野 修
体育館の殺人 (創元推理文庫) 体育館の殺人 (創元推理文庫)感想
帯に書かれた「平成のクイーン」云々は何とも言えませんが、久々に端正なミステリを読んだような。探偵役のキャラに最初は引いてしまいましたが、傘ひとつである人物の容疑を晴らすところは見事で、ここら辺から物語にのめりこんだのかも。今後も期待できそうな出来栄えでした。379ページ
読了日:04月21日 著者:青崎 有吾
さよなら、シリアルキラー (創元推理文庫) さよなら、シリアルキラー (創元推理文庫)感想
シリアルキラーものやサイコキラーものは苦手な部類なのだが、YAらしいからそれほどでもないよなと読んでみたら・・・。100人以上を殺した連続殺人犯の父親に、シリアルキラーになるための心技体を徹底的に叩き込まれて育った17歳のジャズの地元で連続殺人が発生してしまう。殺人者になるかもしれない恐怖と常に戦っているジャズの唯一の親友は血友病で恋人は黒人というマイノリティ故のハンデを背負って生きている3人のそれぞれの青春が読ませるのだが、やはりシリアルキラーものは生理的に受け付けがたい。414ページ
読了日:04月23日 著者:バリー・ライガ
少女キネマ 或は暴想王と屋根裏姫の物語 (角川文庫) 少女キネマ 或は暴想王と屋根裏姫の物語 (角川文庫)感想
モリミを連想するような浪漫あふれる拾いものの一冊でした。二浪してまで東京の某大学に入学した主人公。定番のボロ下宿に落ち着くことになったが、天井裏には5年も住んでいるという不思議な女子高校生・さちがいた・・・。前半はドタバタ調だったが、いつのまにか高校時代の友人の死や、友人が遺した未完の映画の謎に迫るミステリにもなっていて、のめり込んで読み終えました。430ページ
読了日:04月25日 著者:一 肇
寄港地のない船 (竹書房文庫) 寄港地のない船 (竹書房文庫)感想
『地球の長い午後』にさほど感心しなかったので、こちらも期待度は薄かったが世代宇宙船ものとしては傑作とは言わないがなかなか。世代宇宙船ものと知らずに読んでも早い段階でわかってしまうと思うが、できれば伏せて欲しかったな。出発から幾世代経過したのか、すっかり退化してしまったかのような乗員たちだが、何人かが居住区から前部へ向かう旅に出る・・・。これが宇宙船であることが分かる辺りや、さらに大いなる秘密が明かされる後半は面白かった。398ページ
読了日:04月27日 著者:ブライアン・オールディス
この世界の下に (マグノリアブックス) この世界の下に (マグノリアブックス)感想
もしかして『この世界の片隅に』と紛らわしいタイトルをわざとつけた?IT長者のジョーは突然広場恐怖症となり、今は愛犬とニューヨークの地下鉄のトンネルでの生活を余儀なくされていた。そんなある日、不審な男を見かけるが好奇心を抑えきれず現場へ戻ると男の死体があり、さらには暗殺者やCIAに追われることに・・・。ジョーが得意のITを駆使するのは当然なんだろうが、こちとらITオンチのため物語のリアリティが薄まってしまう気がするし、絶望的な状況に陥ってもどこか緊迫感が感じられなかった。385ページ
読了日:04月29日 著者:レベッカ・キャントレル

読書メーター

『この世界の下に』 レベッカ・キャントレル

この世界の下に (マグノリアブックス)

この世界の下に
著者:レベッカ・キャントレル

訳者・後書:小桑 みお

(オークラ出版・マグノリアブックス)

初版:2017年1月25日

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2013年の作。

IT長者のジョーは突然広場恐怖症となり、愛犬とニューヨークの地下鉄のトンネルでの生活を余儀なくされていた。

ある日、不審な男を見かけるが好奇心を抑えきれず現場へ戻ると男の死体があり、さらには暗殺者やCIAに追われることに・・・。

ジョーが得意のITを駆使するのは当然なんだろうが、こちとらITオンチのため物語のリアリティが薄まってしまう気がするし、絶望的な状況に陥ってもどこか緊迫感が感じられなかった。

ジョーに贈る言葉-「好奇心は猫をも殺す」。


『寄港地のない船』 ブライアン・W・オールディス

寄港地のない船 (竹書房文庫)

寄港地のない船
著者:ブライアン・W・オールディス

訳者・後書:中村 融

(竹書房文庫)

初版:2015年7月9日

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1958年の作。

『地球の長い午後』にさほど感心しなかったので、こちらも期待度は薄かったが世代宇宙船ものとしては傑作とは言わないが佳作か。

世代宇宙船ものと知らずに読んでも早い段階でわかってしまうと思うが、できれば伏せて欲しかったな。

幾世代経過したのか、すっかり退化してしまったかのような乗員たちだが、何人かが居住区から前部へ向かう旅に出る・・・。

これが宇宙船であることが分かる辺りや、さらに大いなる秘密が明かされる後半は面白かった。

 

『少女キネマ~或は暴想王と屋根裏姫の物語~』 一 肇

少女キネマ 或は暴想王と屋根裏姫の物語 (角川文庫)

少女キネマ 或は暴想王と屋根裏姫の物語
著者:一 肇

(角川文庫)

初版:2017年2月25日

(2014年2月にKADOKAWAより刊行)

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モリミを連想するような浪漫あふれる小説でした。

二浪して東京の某大学に入学した主人公。

定番のボロ下宿に落ち着くことになったが、天井裏には5年も住んでいるという不思議な女子高校生・さちがいた・・・。

前半はドタバタ調だったが、いつのまにか高校時代の友人の死や、友人が遺した未完の映画の謎に迫るミステリにもなっていて、のめり込んで読み終えました。

なかなか拾い物の一冊でした。


『さよなら、シリアルキラー』 バリー・ライガ

さよなら、シリアルキラー (創元推理文庫)

さよなら、シリアルキラー
著者:バリー・ライガ

訳者:満園 真木

解説:若林 踏

(創元推理文庫)

初版:2015年5月15日

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2012年の作。

内容にもよるけど、シリアルキラーものやサイコキラーものは苦手な部類なのだが、YAらしいからそれほどでもないよなと読んでみたら・・・

100人以上を殺した連続殺人犯の父親に、シリアルキラーになるための心技体を徹底的に叩き込まれて育ったジャズの地元で連続殺人が発生してしまう。

殺人者になるかもしれない恐怖と常に戦っているジャズの唯一の親友は血友病で恋人は黒人というマイノリティ故のハンデを背負って生きている3人のそれぞれの青春が読ませるのだが、やはりシリアルキラーものは受け付けがたい。

 

『体育館の殺人』 青崎 有吾

体育館の殺人 (創元推理文庫)

体育館の殺人
著者:青崎 有吾

解説:辻 真先

(創元推理文庫)

初版:2015年3月13日

(2012年10月に東京創元社より刊行)

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帯に書かれた「平成のクイーン」云々は何とも言えませんが、久々に端正なミステリを読んだような。

探偵役のキャラに最初は引いてしまいましたが、傘ひとつである人物の容疑を晴らすところは見事で、ここら辺から物語にのめりこんだのかも。

今後も期待できそうな出来栄えでした。