たまらなく孤独で、熱い街 -30ページ目

『モナドの領域』 筒井 康隆

モナドの領域

モナドの領域
著者:筒井 康隆

(新潮社)

初版:2015年12月5日

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帯に「おそらくは最後の長篇」とあったので、読むのが惜しくて後回しにしていたが、とうとう手をつけてしまった。

ただ、作者がこれを書いた意図がわからない。

分身と思しきGODが登場してなんやかやあるんだけど、関わった人にちょっとした御礼らしきものをあげるのはどうなの、と関係ないところで疑問を感じてしまった。

これが最後と言わず、長編でも短編でも書いてほしいですね。



 

『光の塔-刈得ざる種-』 今日泊 亜蘭

光の塔 (ちくま文庫)

光の塔
著者・後書:今日泊 亜蘭

解説:野田 昌宏、日下 三蔵

(ちくま文庫)

初版:2017年4月10日

(1962年8月に東都書房・東都ミステリーにて刊行)

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読む前はどうせ説教くさい内容じゃないかなと身構えたものですが、すみませんでした。

序盤はいささか取っ付きにくかったけど、次第に面白くなってきました。

なぜ正体不明の侵略者は問答無用で壮絶な攻撃をするのか・・・。

読み応え十分なエンタメで冒険SF。

面白かった。

『叛逆航路』 アン・レッキー

叛逆航路 (創元SF文庫)

叛逆航路
著者:アン・レッキー

訳者:赤尾 秀子

解説:渡邊 利道

付録:アンシラシー用語解説

(創元SF文庫)

初版:2015年11月20日

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2013年の作。

ヒューゴー賞を含む7冠ということで、きっと凄いワイドスクリーンバロックでセンス・オブ・ワンダーに溢れているんだろうなと思ったが・・・。

前半の冗長を我慢すれば後半はまあまあ面白かったけど、続編を読む気にはならないな。

宇宙(あま)駆ける物語やミリタリーものが余り好きでないという部分もあるけれど。

 

『なんでもない一日』 シャーリー・ジャクスン

なんでもない一日 (シャーリイ・ジャクスン短編集) (創元推理文庫)

なんでもない一日 (シャーリイ・ジャクスン短編集)
著者:シャーリイ・ジャクスン

訳者・後書:市田 泉

(創元推理文庫)

初版:2015年10月30日

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「序文 思い出せること」「スミス夫人の蜜月(バージョン1、2)」「よき妻」「ネズミ」「逢瀬」「お決まりの話題」「なんでもない日にピーナツを持って」「悪の可能性」「行方不明の少女」「偉大な声も静まりぬ」「夏の日の午後」「おつらいときには」「アンダースン夫人」「城の主」「店からのサービス」「貧しいおばあさん」「メルヴィル夫人の買い物」「レディとの旅」「「はい」と一言」「家」「喫煙室」「インディアンはテントで暮らす」「うちのおばあちゃんと猫たち」

「男の子たちのパーティ」「不良少年」「車のせいかも」「S・B・フェアチャイルドの思い出」「カブスカウトのデンで一人きり」「エピローグ 名声」

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落穂拾い的な短編集かな。

奇妙な味のような、読者の想像力というか理解力を試すような作品が多いが、「くじ」のような強烈なインパクトを持ったものはないので、残念ながらしばらくすれば忘れそう。


『誤解するカド~ファーストコンタクトSF傑作選~』 野﨑まど/大森望・編

誤解するカド ファーストコンタクトSF傑作選 (ハヤカワ文庫 JA ノ 4-101)

誤解するカド ファーストコンタクトSF傑作選
編者:野﨑 まど、大森 望

編者前書・後書:大森 望

(ハヤカワ文庫JA)

初版:2017年4月15日

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「関節話法」(1977) 筒井康隆

「コズミックロマンスカルテット with E」(2012) 小川一水

「恒星間メテオロイド」(2005) 野尻抱介

「消えた」(1996) ジョン・クロウリー (大森望・訳)

「タンディの物語」(1961) シオドア・スタージョン (大森望・訳)

「ウーブ身重く横たわる」(1952) フィリップ・K・ディック (大森望・訳)

「イグノラムス・イグノラビムス」(2013) 円城塔

「はるかな響き Ein leiser Ton」(2008) 飛浩隆

「わが愛しき娘たちよ」(1985) コニー・ウィリス (大森望・訳)

「第五の地平」(2014) 野﨑まど

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半分以上が既読だったし、思ったよりもコテコテの「ファーストコンタクト」がなかったのが残念。

一つ一つは悪くないどころか、ほとんどが楽しんで読めたけどね。

今さらのディックとウィリスはさて置いても、クロウリーとスタージョンはいいなあ。

日本では久々に再読した筒井がやはり絶品。

 

『彼女のいない飛行機』 ミシェル・ビュッシ

彼女のいない飛行機 (集英社文庫)

彼女のいない飛行機
著者:ミシェル・ビュッシ

訳者・後書:平岡 敦

(集英社文庫)

初版:2015年8月25日

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2012年の作。

読みやすくはあったが、いかんせん長すぎた・・・。

飛行機の墜落事故が二つの家族の遺された人たちを翻弄する。

奇跡的に生き残ったのは生まれて数ヶ月の女児のみだったが、二つの家の祖父母が自分の孫だと主張。

裁判で決着はついたが決定的な証拠がないので釈然としない両家族。

金持ちの家の依頼で調査する私立探偵の調査記録ノートを読み進める形だが、読みやすい。

果たして本当はどちらの家の子どもなのか。

大きく運命を狂わされたのは、両家の姉と兄なんだろう。


『湖底のまつり』 泡坂 妻夫

湖底のまつり (創元推理文庫)

湖底のまつり
著者:泡坂 妻夫

解説:綾辻 行人

(創元推理文庫)

初版:1994年6月24日

(1978年11月に幻影城ノベルスにて刊行)

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なんとなく読み終えましたが、ひっかかるところがなかったな。

ダムが決壊して水が引いたとしても、泥やら沈殿物がこびりついているので使い物にならないと思うがな。

読んでいるうちに苦しまぎれっぽく感じられたし、オチも無理矢理感が。


『フォルトゥナの瞳』 百田 尚樹

フォルトゥナの瞳 (新潮文庫)

フォルトゥナの瞳
著者:百田 尚樹

解説:新井 見枝香

(新潮文庫)

初版:2015年12月1日

(2014年9月に新潮社より刊行)

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F・ポール・ウィルスンの『触手』も似たようなテーマを扱っていたが、どちらも地味ながらなかなか読ませます。

死期が近い人が分かるようになった能力を知らぬ間に身に着けてしまった主人公。

事故の場合は行動を変えさせることにより助けることもできるが、それをすると反動が自分に及び体内がボロボロになってしまう。

自分に置き換えた場合、自分の命と引き換えにしてでも助けたい命などあるのだろうか考えさせられる。

いや、きっとあると思うが、死ぬと分かっていても行動に移せるだろうか・・・。

フォルトゥナは幸運の女神ということらしいが、なんとも皮肉な能力だこと。

『天国でまた会おう』(上・下) ピエール・ルメートル

天国でまた会おう(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

天国でまた会おう(上)
著者:ピエール・ルメートル

訳者:平岡 敦

(ハヤカワ・ミステリ文庫)

初版:2015年10月15日

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天国でまた会おう(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫) 天国でまた会おう(下)
著者:ピエール・ルメートル

訳者・後書:平岡 敦

(ハヤカワ・ミステリ文庫)

初版:2015年10月15日

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2013年の作。

まるで大河ドラマを読んでいるような印象。

第一次世界大戦の末期に、殺人を犯してまで武勲を熱望するプラデル。

それに気がついたアルベールは塹壕に落ちて生き埋めにされてしまうが、親友のエドゥアールが救出。

戦争はその最中も終わってからも人々を苦しめる。

アルベールは命の恩人であるエドゥアールと一緒に暮らすようになるが、戦後の生活は苦しい。

だが、エドゥアールには大胆な計画があり、アルベールも引きずられてしまう。

戦後のどさくさまぎれに強引に金もうけをしてきたプラデルだが、それも長くは続かない。

淡々としたような筆致だが、ラストまで興味深く読み終えることができました。


『女流棋士は三度殺される』 はまだ 語録

女流棋士は三度殺される (宝島社文庫)

女流棋士は三度殺される
著者・後書:はまだ 語録

(宝島社文庫)

初版:2017年4月8日

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なかなか面白かった。

子どもの時の事件がきっかけで棋士への道を断念した将棋の天才・香丞。

高校で事件の一番の被害者と再会した歩己が再び何者かに襲われた・・・。

その事件の真相を追う将棋ミステリではあるが、20年ほど未来の世界が舞台(ほとんど現代と変わらないが)。

さて、近未来ならではの落としどころがあるのかないのか。

作者の名前が名前だけに、棋士やら作家やらの「語録」が色々でてきますな。