たまらなく孤独で、熱い街 -100ページ目

『日本SF短篇50 Ⅰ』 日本SF作家クラブ・編

日本SF短篇50 I (日本SF作家クラブ創立50周年記念アンソロジー)

日本SF短篇50 I (日本SF作家クラブ創立50周年記念アンソロジー)
編者:日本SF作家クラブ

解説:星 敬

(ハヤカワ文庫JA)

初版:2013年2月25日
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「墓碑銘二〇〇七年」(1963) 光瀬龍

「退魔戦記」(1964) 豊田有恒

「ハイウェイ惑星」(1965) 石原藤夫

「魔法つかいの夏」(1966) 石川喬司

「鍵」(1967) 星新一

「過去への電話」(1968) 福島正実

「OH! WHEN THE MARTIANS GO MARCHIN’ IN」(1969) 野田昌宏

「大いなる正午」(1970) 荒巻義雄

「およね平吉時穴道行」(1971) 半村良

「おれに関する噂」(1972) 筒井康隆

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SF作家クラブ創立50周年記念ということで、1963年から2012年までの50年間に50人の作品を。

まあ、1年1作ということで必ずしも代表作とは言えない作品もありますが。

そのスタートの第1巻。

ほとんどが再読でほとんどを忘れている。

おそらく初読時の興奮は薄れていると思いますが、それなりに面白く読めました。




『三本の緑の小壜』 D・M・ディヴァイン

三本の緑の小壜 (創元推理文庫)

三本の緑の小壜
著者:D・M・ディヴァイン

訳者・後書:山田 蘭

(創元推理文庫)

初版:2011年10月31日

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1972年の作。

うーん、ディヴァインも5作目だが、これはちょっといただけない。

一人目の被害者の状況で犯人の目星と言うか、ある人物がかなり怪しいと思わせるのもさりながら、これはミステリの衣をかぶせたロマンス小説でしょう。

私としてはツンデレで醜いアヒルの子(実は超絶可愛いらしい)のマンディよりもシーラの方が好みだな。

シーラと婚約までしといて破棄し、あまつさえ「最初からそんな気持ちはなかったんだ」などとぬかすマークは間違いなく地獄へ堕ちるでしょう。


『ありきたりの狂気の物語』 チャールズ・ブコウスキー

ありきたりの狂気の物語 (新潮文庫)

ありきたりの狂気の物語
著者:チャールズ・ブコウスキー

訳者・後書:青野 聡

(新潮文庫)

初版:1999年8月1日

(1995年9月に新潮社より刊行)

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「狂った生きもの」

「日常のやりくり」

「一ドルと二十セント」

「極悪人」

「服役の思い出」

「ハリウッドの東の瘋癲(ふうてん)屋敷」

「職業作家のご意見は?」

「禅式結婚式」

「再会」

「競馬と家庭」

「さよならワトソン」

「詩人の人生なんてろくでもない」

「真夏の詩人寮」

「馬鹿なキリストども」

「男の繊細さ」

「レイプ!レイプ!」

「悪の町」

「愛せなければ通過せよ」

「素足」

「静かなやりとり」

「ビールと詩人とおしゃべり」

「レノで男を撃った」

「女たちの雨」

「パーティーのあと」

「アイリスのような」

「空のような目」

「ウォルター・ローウェンフェルズに」

「自殺体質」

「ペストについて」

「バッドトリップ」

「ポピュラー・マン」

「酔いどれギャンブラー」

「マリファナパーティーにて」

「毛布」

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1編目を読んで呆れてしばらくお蔵入りだったが、ポツポツと読む。

なんとなく読めてしまうのだが、読んだ端から忘れてしまう。

それでいいのだろう。

ブコウスキーも座右の銘にして欲しいとは思ってないだろうし。

ただ、ブコウスキーという作家(詩人)がいたことは忘れない。

決して。



『この不思議な地球で~世紀末SF傑作選~』 巽 孝之・編

この不思議な地球で―世紀末SF傑作選

この不思議な地球で―世紀末SF傑作選
編者・序文:巽 孝之

(紀伊國屋書店)

初版:1996年2月22日
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「スキナーの部屋」(1990) ウィリアム・ギブスン (訳:浅倉久志)

「われらが神経チェルノブイリ」(1988) ブルース・スターリング (訳:小川隆)

「ロマンティック・ラヴ撲滅記」(1990) パット・マーフィー (訳:小谷真理)

「存在の大いなる連鎖」(1990) マシュー・ディケンズ (訳:後藤和彦)

「秘儀」(1991) イアン・クリアーノ&ヒラリー・ウィースナー (訳:秋端勉)

「消えた少年たち」(1989) オースン・スコット・カード (訳:風見潤)

「きみの話をしてくれないか」(1973) F・M・バズビー (訳:北沢克彦)

「無原罪」(1991) ストーム・コンスタンティン (訳:増田まもる)

「アチュルの月に」(1992) エリザベス・ハンド (訳:浅羽莢子)

「火星からのメッセージ」(1992) J・G・バラード (訳:巽孝之)

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今さら世紀末でもあるまいに、と思いつつ読む。

ところがセレクトが良いのか読み応え十分。

「われらが神経チェルノブイリ」は別格として、「消えた少年たち」と「火星からのメッセージ」に涙腺がゆるんでしまう。


『人造救世主 ギニー・ピッグス』 小林 泰三

人造救世主   ギニー・ピッグス   (角川ホラー文庫)

人造救世主   ギニー・ピッグス
著者:小林 泰三

(角川ホラー文庫)

初版:2011年2月25日

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今巻も会話が多いな。

なにかの実験なのだろうか。

そうは言っても色々と疑問が湧いてくるが、ストーリーには期待が持てなくなりつつある。

もしかして超能力者をいかに脱力的な方法でやっつけるかが見所なのか?



『シップブレイカー』 パオロ・バチガルピ

シップブレイカー (ハヤカワ文庫SF)

シップブレイカー
著者:パオロ・バチガルピ

訳者・後書:田中 一江

(ハヤカワ文庫SF)

初版:2012年8月25日

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2010年の作。

化石燃料が枯渇し、気候変動が激しくなった近未来のアメリカ。

シップブレイカー(解体作業員)として廃船から銅線を回収している少年。

狭いところへ潜り込むので体が小さいうちにしか出来ない厳しい仕事だが、将来のことは考えられない。

超大型ハリケーンにビーチが襲われた翌朝、高速船が座礁しているのを見つける。

船では金持ちの少女だけが生き残っていて、少年は好むと好まざるとに関わらず運命の大きなうねりに翻弄されていく。

さすがバチガルピ、ボーイ・ミーツ・ガールなYAでも過酷な近未来を設定します。

またそれが上手いこと活かされている。


『老人と宇宙』 ジョン・スコルジー

老人と宇宙(そら) (ハヤカワ文庫SF)

老人と宇宙(そら)
著者:ジョン・スコルジー

訳者・後書:内田 昌之

(ハヤカワ文庫SF)

初版:2007年2月28日

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2005年の作。

75歳以上しか入隊できない外宇宙のコロニー防衛軍。

そこでは他の異星人から入植者を守るために老人に若い体を与えて戦いに赴かせている。

『アンドロイドの夢の羊』を読む前にと手に取ったが、いかにもアメリカ風でサクサク読めて面白い。

ただ、後半になって主人公の関係者が登場してからは、今後もこの二人を中心にして話が進むのかと思うと続きを読む気が失せてきた。

永井豪の『マジンサーガ』での機械を操縦するためだけに生まれ育てられた戦士の絶望と比べると、余りにもお気楽すぎるような。




『死なない生徒殺人事件~識別組子とさまよえる不死~』 野﨑 まど

死なない生徒殺人事件―識別組子とさまよえる不死 (メディアワークス文庫)

死なない生徒殺人事件―識別組子とさまよえる不死
著者・後書:野崎 まど

(アスキーメディアワークス文庫)

初版:2010年10月25日

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新たな勤務先の女子高で不死の者がいるという噂が。

しかし死なないはずの者が殺された。

不死者はやはりいないのか・・・。

ページ数の関係か、畳み掛けるような展開で進みます。

不完全燃焼だなあと思ってたら、もうひとヒネリ。

「天才」と「脳」の変形バージョンかも。


『製鉄天使』 桜庭 一樹

製鉄天使 (創元推理文庫)

製鉄天使
著者:桜庭 一樹

解説:大森 望

(創元推理文庫)

初版:2012年11月30日

(2009年10月に東京創元社より刊行)

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『赤朽葉家の伝説』のスピンオフみたいなものか。

とにかく駆ける駆ける。

気持ち良いくらいに真っ直ぐでぶれない暴走少女たち。

その分物足りないところもありますが、素直に楽しめました。



『ペンギン・ハイウェイ』 森見 登美彦

ペンギン・ハイウェイ (角川文庫)

ペンギン・ハイウェイ
著者:森見 登美彦

解説:萩尾 望都

(角川文庫)

初版:2012年11月25日

(2010年5月に角川書店より刊行)

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モリミは癖になるから年に1冊にしようと言いながら、「第31回日本SF大賞」受賞ということで4年ぶり3作目。

さほど期待はしていなかったが、その分面白く読めたかな。

さすがのリーダビリティです。

SFというよりはファンタジー風味が強いが、後日譚があればガチガチのハードSFになるに違いない。