災害や犯罪などによって引き起こされる不安障害。



アメリカでベトナム戦争の帰還兵が多数、自殺した問題をきっかけに研究が進んだそうだが、日本でも阪神大震災や地下鉄サリン事件などで当事者の心のケアが重要視されるようになった。



主な症状は


頭痛・めまい・吐き気・動悸・不眠


フラッシュバック…災害の夢を見たり光景がよみがえる


喜怒哀楽を感じにくくなる


いらだつ・怒りっぽくなる


好きなことに興味がわかなくなる


物音に敏感になる・不眠・眠りが浅い


疲れやすい


など。





このようなストレス症状は通常ではない出来事が起こったときに表れる正常な反応で、症状が出た方の80%~90%は数か月で自然に回復する。

残り10%の方が記憶のつらさや支援の乏しさなどから回復できずPTSDなどとなる。


通常ではない出来事が起こってから一ヶ月未満で症状が回復するASDとそれ以上の期間続くPTSDとは区別される。

いずれにしてもカウンセリングや症状によっては投薬などの適切な治療が必要。







また、症状の現れる時期には心の状態にも左右されるのではないでしょうか?


記事には「心の動き」の表がありました。



【ぼうぜん自失期】

恐怖で無感覚、ぼうぜん

(消極的・抑うつ的)



【ハネムーン期】

被災者同士の連帯感が生まれ、援助などに希望を感じる

(積極的・発揚的)



【幻滅期】

生活再建に直面し忍耐が限界になる

(消極的・抑うつ的)



その方の被災規模や現在の状況により心の状態がどこにあるかはまちまちでしょうが、その時のストレスの状態や心の状態に合わせてのカウンセリングや治療が必要なのでしょう。

とは言っても現地ではまだまだ医師やカウンセラー等が不足しているでしょうから、心に気持ちに余裕のある方(ボランティアで行かれている方々など)が、ただただ話(世間話など)を聞くだけでも症状の緩和や進行を遅くしたりすることができるのではないでしょうか?




子どもの場合も当てはまるのかもしれませんが、親や大人に遠慮したりして症状に表さないこともあるのかもしれません。

親や大人が注意深く見守ってあげることが必要なのかもしれませんね。







症状の回復には安定した生活環境が必要(状況が改善されていったり、安定した生活が見込めるようになったり…)。


今回の被災は簡単に状況が改善されるような規模ではありませんが、少しずつでも将来が見えるよう政府等には頑張ってもらいたいし、私たちも継続して小さな支援を続けなきゃいけないのでしょう。






記事にあった相談窓口


「心の相談緊急電話」

0120-111916


「災害支援・トラウマケア相談」

080-1378-9523

東日本大震災が起こってから1週間は一日中ずーっと震災関連ニュースが流れていた。



私のような大人でも「ニュースは知りたいが見ていると気が滅入ってしまう」こともあった・・・



そんな3月17日の新聞に


『繰り返される震災の映像 子どもの心に影響も』


って記事があった。




アニメが見たいと子どもにに言われながらも、近くで余震や津波、液状化があったら子どもと逃げなきゃならないとニュースから目が離せない親。


子どもにはアニメDVDを見せたいが気になってニュースばかり見てしまう。



子どもはTVを見ないようにするが流れている映像や音声がいつの間にか刷り込まれていく。



子どもたちの中には夜に大声で泣き始めたり、指しゃぶり、甘えてまとわりつくという行動が出ることもあるという。



記事の中では

「子どもの心に何が起きているのか?」

という問いに

「現地の映像と自分が体験する余震、親の表情、家庭内の話題などの情報を(子どもが)自分なりに統合し、自分の身にも何か起こるのではないかと不安に襲われる」

「子ども自身が揺れを体験しているので、テレビの向こう側の出来事と思えない。被災地との距離が分からず、すぐ近くで起こっていると感じる子もいる」

と言う分析があった。



大人でも簡単には受け入れることができないくらいの大震災。

子どもはちょっとした変化にも敏感で知らず知らずのうちにも影響されていくのでしょう。



そんな不安を抱えた子どもが出すSOSのサインは?



大まかに「睡眠・食欲・表情」


年代別では

乳児・・夜泣き、寝つきが悪い、少しの音で驚いたり泣く、表情が乏しくなる、など。

幼児・・赤ちゃん返り、食欲低下、落ち着きがない、無表情、爪噛み、震災ごっこ、暴力的遊び、など。



だそう。



一番近くにいる親がいち早く気づいてあげなきゃいけないのでしょうね。



対処法までは詳しく書いてなかったけど、そばに居るとか抱きしめてあげるとか安心させてあげることが一番なんでしょうね。




小学生くらいの子どもへの対処法は、「地震や津波、原発事故などに疑問を持っていることも多いから、親は説明を避けず、事実を事実として教えることも必要。疑問に丁寧に答え、一緒にメカニズムを調べることで不安を受け止めてあげて欲しい」と記事にあった。


ニュースを見て内容が分かる年代には不安なこと安心できることを教えてあげるほうが良いんでしょうね。





3月23日の記事には大人のことも。


毎日のニュースに気がたかぶったり、悲しみや無力感に襲われたり、さらには体調を崩したりする人が増えているという記事が。



記事ではTVによく出ている精神科医の香山リカさんの指摘が書いてあった。


「生々しい映像が流れることで日本中の多くの人が今回の災害を疑似体験しているといえる。他者の苦しみや悲しみに感情移入して精神的ダメージを受ける【共感疲労】が起き心に傷を負う人も出てきている」


涙が止まらないと来院する人が増え、無力感や憂うつ感、頭痛やめまい不眠など身体症状が現れる人もいるという。




「被災者がつらい思いをしているのに、普段通りの生活をするのは申し訳ないと思うのは自然な感情」なのだそう。


また、別の専門家は「映像を見て気持ち悪くなったり、眠れなくなるのは正常な反応。むしろ共感能力や想像力がある人ほど反応しやすい」とあった。




あれだけTVや新聞、ネットで情報が入ってくると大人でも疑似被災をしてしまうのは仕方ないことなのでしょう。



ただ、記事にもあったが、TVを見続けないようにしたり、体を動かして緊張をほぐす、好きな音楽を聴いてリラックスする、深呼吸する等、心的外傷を深刻化させないように対処していくことも必要でしょう。




アメリカではチャレンジャー爆発事故や9.11同時テロTのV映像を見ただけで心的外傷を負ったという報告があるそうです・・





地方紙で取り上げられていた、主に原発関連の切り抜きから。




放射線量での体への影響

(単位ミリシーベルト/1回)

0.05 胸部X線検査

6.90 胸部CT検査

100 がんになる可能性

500 リンパ球減少

1000 吐き気

3000

5000 50%死亡

7000 全身に浴びると100%死亡


(年間)

2.40 自然界で浴びる量

50  原発従事者が浴びる従来の上限




【健康被害】

どの程度の被曝でがんになるか?

  一度に100ミリシーベルト浴びるがんになる可能性が0.5%高まる。

  200ミリシーベルト以上で健康被害。


内部被曝による症状は?

  典型的な例は甲状腺がん。肺がんなどあらゆるがんになる恐れがある。

  骨髄にも影響を与え白血病になる可能性がある。


外部被曝の症状は?

  一度に高レベル放射線を浴びると急性症状が現れることがある。

  出血や発熱、下痢や脱水症状。男性生殖機能低下や将来的には白内障の可能性も。




【ヨウ素】

放射性ヨウ素は気化しやすく口や鼻から吸入する危険性が高い。

野菜などに付着することもあるが微量なら水洗いで取り除ける。


放射性ヨウ素は甲状腺(のど仏の下)に集まり、甲状腺がんを発症する可能性が高まる。


甲状腺を安定ヨウ素剤で満たすと放射性ヨウ素は甲状腺に取り込まれない。

放射線を浴びる24時間前に飲むと90%、直前に飲むと100%排出される。

被曝後2時間後までなら事前服用と同様の効果。

8時間後で40%程度排出。

1日経過後は服用しても効果がない。


服用の目安は放射性ヨウ素による被曝が100ミリシーベルト以上になると想定されるとき。

服用で一時的に甲状腺機能が低下する副作用が起きる可能性がある。

乳幼児の服用は脳の発育を妨げる可能性がある。




【放射性ヨウ素とセシウム】

放射性ヨウ素131は8日間で半減。半年でほとんど消滅。

放射性セシウム137 の半減期は30年。放射線を出し続ける期間が長い。


ヨウ素、セシウムともに放射性物質が外部に流失した際、最も早く検出される。


放射性ヨウ素131 バセドー病の治療で使用する。

過去に2万人以上の投与例があるががんを発症した例がない。


セシウムは植物の根からはあまり吸収されない。


CT等との放射線量の比較は放射線の当たり方に違いがあるので摂取との比較にはならない。








今後さらに放出が増えなければ影響は少ない。

色々な食品が汚染されると接種量が多くなる可能性がある。


(3月20の記事)






昨日(4/13)に原発事故の評価がレベル7 に引き上げられたが、今後放出され続ける放射線を見越して引き上げたのだろうか?


日本でも放射性物質を含む雨が観測されたチェルノブイリ原発の爆発とは違う事故。

爆発的に放出されるのと、じわじわ放出されるのとどちらが良いのか悪いのかは解らないが、正確で事細かな情報開示が求められると思う。