顕微とふりかけでは、胚盤胞への成長する数に変化が出てくるのでしょうか? | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療専門医の立場から不妊治療、体外受精、腹腔鏡手術について説明します。また最新の生殖医療の話題や情報を、文献を元に提供します。銀座のレストランやハワイ情報も書いてます。

41歳、AMHは約1.0です。現在他院で、IVFで治療を行っています。
1回目採卵5個、正常授精3個、2回目採卵10個、正常授精5個です。受精率が悪いので、顕微を進められています。
貴院では、高齢ではできるだけふりかけの方がよいと言われていますが、顕微とふりかけでは、胚盤胞への成長する数に変化が出てくるのでしょうか。
私はできるだけふりかけでトライしたいと考えており、転院も考えています。

 

オンライン説明会で出た質問です。

 

男性不妊がない場合明らかにふりかけの方が出産率が高いか同等です。

これは多数のエビデンスが出ています。論文は多数あるため最後にわかりやすいものを示します。

ふりかけが出来る様に努力することが施設としてすべきことであり、収益のためとか受精しないと専門施設として恥ずかしいとかなどどうでも良い問題です。

 

高齢の卵子に対してなるべく負担をかけず、非生理的なことを避けることが専門施設としてすべきことです。

私はハワイに留学していた際に顕微授精は如何に問題があるかをひたすら2年間基礎研究をして調べていました。

刺すことだけではなく雌雄前核のシンクロができないことや先体酵素の問題などICSIには多数の問題があります。その辺りを理解している専門医は非常に少ないと思われます。

 

男性因子がなく受精障害がないのにも関わらず顕微授精しかしないと言われたら転院をすることをお勧めします。

 

 

 

顕微はリスクも上昇します。