45歳以上の方から生まれましたと報告が届きカルテを見返すと治療方法に共通点があります。
その方法は、多くの方がフェマーラとHMGを用いての新鮮胚2個移植です。
45歳以上の場合以下の点がポイントです。
①新鮮胚移植
②初期胚移植
③2個移植
④フェマーラを用いる
⑤体外受精をする
以下説明します。
高齢の方には初期胚が良い理由として、
高齢になると採卵数が減りなかなか胚盤胞になりにくくなります。
胚盤胞にならなければ移植できなくなります。
採卵だけ繰り返して移植しなければ妊娠しません。
また、高齢になると胚盤胞が凍結に対して弱くなる傾向があります。融解後収縮して孵化しにくい傾向があります。
また、高齢になると培養庫での長期の培養がストレスになり胚盤胞培養が合わないケースもあります。培養液に関しても相性があります。合わないと発生が止まります。
培養庫の環境は子宮内とほぼ同等ですが、やはり母体の方が優っています。
そのため、胚盤胞で結果出ない高齢の方には初期胚での移植をお勧めします。
更に追加として、高齢の方には胚へのストレスを減らすと言う観点で、精液所見が正常ならば顕微授精よりは体外受精の方がお勧めです。高齢になると顕微受精か体外受精か
また凍結胚移植よりは新鮮胚移植の方が胚へのストレスが減るためお勧めです。
刺激をする際に気をつけることとして一般的に用いるのはクロミッドですがクロミッドは子宮の内膜が薄くなり着床にはどうしても不利となるため、フェマーラを用いる事がポイントであり、フェマーラは複数胚を採卵でき、かつ子宮内膜へ非常に良い作用を及ぼします。
フェマーラの具体的な内服方法ですが、AFが複数個見えている場合は生理2日目か3日目から朝夕で5日間内服します。この際HMGの注射も数回用います。
その他45歳以上の高齢の場合、採卵の際に変性卵が出やすいため吸引する圧を下げる事もポイントになります。
これらに通して言えることとして全てが、卵子と胚へのストレスを最大限減らすことです。
卵子の質や卵子の力は年齢に依存しますが、45歳の場合かなりギリギリなので、できるだけ引き算をさせない形で、卵子のポテンシャルを最大限発揮できる形での採卵、受精、培養、移植を行います。
45歳以上の高齢の場合、フェマーラを用いての初期胚の新鮮胚2個移植が最も結果を出せる治療方法になります。
宜しければ以下の記事も参考にしてください。