時喰みの「捜していた人」とは誰か 二万年後の未来から来た!?時喰みの真相について考える | ルーメン・イストワール

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真島ヒロ先生を応援しています。
EDENS ZERO/Mashima HERO'S/FAIRY TAIL/RAVE

概要

地球のある宇宙で時喰みとの最終決戦を制したシキ。

倒した時喰みは最後に「捜していた人も…同じ事を言っていた気がする 友達…」と意味深な事を言い残していた。

そして、その話の最後には、突如再び「二万年後」の世界が描かれ、そこで目覚める、惑星エデンの機械の話では「死んだ」とされていたレベッカ


次回のサブタイトルは『時を喰べる少女』

次回、時喰みの真相が描かれると思われる。

今回は、おそらくこれで最後となるであろう時喰みの真相考察をしてみる。


時喰み

まずは、時喰みについて簡単におさらい。

  • 星の時を喰う宇宙の怪物
  • 時喰みに喰われた星は時が巻き戻る
  • 元に戻す方法はない
  • 時を奪われた星は「侵入禁止惑星」となる
  • 二つの歴史を作り宇宙を混乱させる宇宙の大いなる厄災
  • 初登場は11話
  • 「時の流れに逆らった者」がいる星に来るケースが多い

これまで時喰みが時を喰べた星

これまで時喰みが時を喰べた星も振り返ってみる。
  • 惑星ノーマ(50年)
  • 惑星ギルスト(1200年)
  • 惑星レンダード(260年)
  • ユニバース3173のエデンズゼロ
唯一星ではないエデンズゼロは、楓大戦でジギーの口から語られた時に襲われた事が確認されています。
ジギーが二万年後の世界からユニバース0を目指してエデンズゼロを出発させた時、時喰みと接触し、結果ユニバース1に辿り着き、記憶を喪失、シキがレベッカと出会いグランベルを旅立つこの物語のメインタイムラインが始まりました。

時喰みの正体

時喰みの力を使ってマザーを救う最終ミッション。
時喰みの力を使う為に時喰みの中に入り、そこには謎の女性がいました。
「時ヲ…返シテ…」と言っている謎の猫型の覆面をしているような長髪の女性。
シキはこの人物を「時喰みの本体なのか?」と感じており、その直感はおそらく当たっています。
この女性の「コノ宇宙ヲ壊ス」という発言に合わせて、外の世界で時喰みが星々を破壊していたので、明らかに女性は時喰みを操る力を持っている
時喰みの力を司る時喰みの本体と考えて間違いない
そして、この時喰みは本体の姿からして、正体は「レベッカ」だと思います。
そう思う根拠は以下の両者の共通点から。
  • ウェーブがかった髪
  • 女性
  • "時"を司る存在
  • 猫耳
  • ハート
  • 話口調
特に食い違う描写もなく、時喰みの正体は「レベッカ」だと考えて間違いないと思います。
詳しくは、以前書いた記事にて。

二万年後

298話の最後にて、突如再び「二万年後の世界」が描かれました。
どこかで拘束され吊るされているレベッカ。
ゆっくりと瞼を開き…というところで次回に話が続きました。
煽り文には「そして明らかになる二万年後の真実…!!」とあり、ここから最後の二万年後の描写になりそうです
まさかの"二万年後"にまだ真実が隠されていた事に驚きました。ジギーの正体とエデンズゼロのルーツで終わりではなかった。
ここから明かされる「二万年後の真実」とは、どういうものなのでしょうか。
まず、このレベッカは惑星エデンの機械に「貴重な実験のサンプル」として保管されていた時のレベッカでしょう。

状況が全く同じ。
ユニバース2における葵大戦で、帝国式反物質爆弾の爆破を阻止しようとして、不慮の事故で時空を飛んだシキとレベッカ。
迷い込んだ二万年後の世界で、シキは機械の体となって生き抜く事ができ、レベッカは死んでしまいました。
しかし、レベッカは死してなお「未知のエーテル反応」を検出しており、死後もずっと惑星エデンで肉体は残されていました。
そのレベッカが今回出てきたレベッカだと思います。

二万年後の未来から来た

時喰みは「未来から来た」と言い残しています。
強大な力でシキを圧倒し、世界を滅ぼさんとする時喰み。
シキに「お…おまえは何者なんだ…」と聞かれて、時喰みは「アタシハ未来カラ来タ 時ヲ喰イ世界を喰ウ為ニ」と答えていました。

289話ラストに描かれた描写を踏まえて、時喰みの正体は「二万年後の未来から来たレベッカ」だと思います。
時喰みは"時"を司どる存在。
時喰みそのものに時を遡る力があってもおかしくありません。
正体が「レベッカ」であるなら、レベッカが二万年後の世界で発していた「時を超えるエーテル」はエデンズゼロのタイムトラベルの原動力となったもので、そこでもタイムトラベルに説明をつける事ができます。
「エデンズゼロ」というシキ達の冒険の拠点が如何にして生まれたのか、全ての始まりである"二万年後の世界"、それが物語最後の敵である時喰みのルーツでもあったら、それはそれで相応しいバックボーンだと思います。
時喰みが未来から来た事は確定していて、現状分かっているどの未来が良いか考えると、やはり「二万年後」
膨大な歳月が、最後に明かされる真実として1番スケールが大きく、面白い構造になります。
 

目覚めた理由

気になるのは、二万年後の世界でレベッカが目覚めた理由
元々レベッカは「死んだ」とされていました。
当時のシキ(ジギー)にも「残念ながら女性の方は蘇生不可能な状態でした」と惑星エデンの機械は説明しています。

惑星エデンに機械の見立てでは「死亡」扱いだった。
当然もう目覚める事はありません。しかし目を開いた。これは何故なのか。

①"時の力"の影響

まず考えたのは、レベッカの持つ「時の力」の影響。
レベッカのエーテルギアは「時」を跳躍する力で、二万年後の世界では死亡後も「時を超えるエーテル」を発していた事が確認されています。
その力がレベッカを死なせていなかった、もしくは本当に死んでいたが蘇らせたのではないかと考えました。
"時の力"がレベッカを時喰みに変えたのなら、それだけ未知で異質な力という証拠でもあります。
"時の力"には「死」を改変する程の力が備わっているのではないでしょうか。
通常あり得る話ではありません。
自分が考えて面白いと思ったのは「二万年」もの時の移動時、実はレベッカが無意識に「二万年」もの時を喰っていた可能性。
喰われた"時"というのが、時喰みの中でどうなっているのか分かりません。
もしそれが時喰みの生命力の一部となっているなら考えられると思いました。
事前に描かれている描写とも繋がり、スムーズな話運びで説明できそうな気がします。
 

②生命創造の力

とはいっても、いや死んでただろうというツッコミ。
死んだはずなのに生き返ったとは、並大抵の事では説明がつきません。
真島先生自身、前作の『FAIRYTAIL』では「死んだ人間は生き返らない」というのを作品のポリシーにしていました(生死判定が曖昧過ぎるというのは置いておいて)。
『EDENSZERO』においても、もし作中で死んだ人物が生き返るなら、どんな理由が考えられるか、何なら妥当性があるか。
一つ思い浮かんだのは、母親だけが持つ特別なエーテル"生命創造の力"
ジギーが「これを集める事でマザーへの道が開く」と言っていた力です。
この力の持つ意味は結局よく分かっていません。
もしかしたら二万年後の世界でレベッカが息を吹き返した理由はこれなのでは?
最終章・ユニバース0編にて、二万年後の世界で実は子を宿していた事が判明します。
その時は「思念」で、エデンズワンで「体」を得たのが、ONE・ヴォイドだった。
子を宿した時点でレベッカは「母親」で「生命創造の力」を持っていると考える事ができます。
生命創造の力が宿ったタイミングで、同時に息を吹き返したんじゃないでしょうか。
これは、死亡からの蘇生としては、作中に存在してる要素の中で納得できる方だと思います。

③「死亡」は嘘

そもそもレベッカ死亡は惑星エデンの機械の嘘という可能性もあるんじゃないかなと考えてみました。
よくよく読み返してみると、レベッカが本当に死んでいるかどうかって実は読者側(シキ側)に確かめようってないんじゃないかと。
レベッカが死んだと、惑星エデンの機械にそう聞かされただけなんです。
体は綺麗で、何故か「時を超えるエーテル」を発している…むしろ「死んでいる」という事実だけが違和感ありませんか
「実は生きている」と言われた方が納得できる気がします。
惑星エデンの機械にそこはかとない胡散臭さを感じるのです。
重要な鍵を握る存在ではあるのに、ジギーを使って人類生存を叶えようとして自ら表立って動く事はしなかったところ、レベッカの遺体を実験のサンプルにするという倫理観の欠如。
どちらにも意味があると分かっていますが、怪しく見ようと思えば怪しく見る事ができます。
彼等の真意はどこにあるのだろう。
二万年後の世界でレベッカは目覚めていた事が分かりましたが、これが時系列として判明している最後の瞬間であるジギーがエデンズゼロで出発の後ではなく、実はシキが機械となって目覚める前という可能性も面白いと思いました。
実はシキより先に二万年後の世界で目覚めていて、惑星エデンの機械に「何か」をされていたかもしれないという。
ジギーはレベッカの遺体を間近で見ていますが、二万年後の進歩した技術であれば「死」を偽装するぐらいそう難しい事ではないような気がします。

捜していた人

倒された時、時喰みが言い残した言葉。
「捜していた人も…同じ事を言っていた気がする 友達…」

時喰みは誰かを捜していて、その人物は「友達」と言っていた。
おそらく一度言った事がある程度ではなく、口癖のように何度も言っていたんじゃないかと思う
単なる1回じゃなく、何度も言っていた事で、脳裏に焼き付いていて「捜していた人も…同じ事を言っていた気がする」とわざわざ反応したと思うから。
それくらい時喰みにとって「友達」とは、何かを思い出す印象的なフレーズだった。
ポイントは「気がする」という言い方をしていて、定かではないようなところでしょうか。
確定ではない、そうだった気がするというニュアンス。
そんな不確かな言い方をするのは、時喰み自身「忘れていた」
これまで時喰みが誰かを捜していたと思える描写は見当たりません。
時喰み自身誰かを捜していた事そのものを忘れていて、シキの言葉でそれを思い出したのでしょうか。
では、時喰みの「捜していた人」とは誰か、可能性を挙げて考えてみます。

①シキ

まぁ、最有力候補でしょう。
「友達」という言葉を口にしていた時喰みが特別視していた人物なんて「シキ」しか考えられません。
「友達」という言葉が最も印象的なのは間違いなくシキ。
時喰み自身「捜していた人」を目の前にいるシキとは別の人物として扱っていたけど「記憶を失っていた」と考えたらそこも問題ないでしょう。
他の誰かに可能性を見出すより、よっぽど考えられる。
そうあり得ない状況ではない。
普通に考えるなら「シキ」以外考えられないでしょう。

②ジギー

他に唯一可能性を考えられるとしたら「ジギー」ならあるかなと思いました。
「シキ」ではなく「ジギー」です。
「ジギー」である意味を考えると、ユニバース3173で生まれ、二万年前のユニバース1に来て、エデンズゼロでマザーを目指し、シキを拾い育てた魔王。
時喰みとしては、ユニバース3173における「二万年後の世界」で生まれたというのが大きいんじゃなかと思います。
時喰みの正体として1番に考えられるユニバース3173のレベッカ。
もしそうなら、この世界のレベッカだからこそジギーには特別な思い入れがあってもおかしくないと思います。
同じ二万年後の世界で、かつてとは違うかたちで生まれ変わり、その上で自分の事を思い続けてくれた。
ジギーは動かないレベッカの前で「友人」という言葉を使っていますし、機械の体になってすぐの頃にも「覚えてる!!!!レベッカ!!!!オレの友達だ!!!!」と言って、レベッカに会いに行こうとしていました。

体は動かなかったけど、実はこの時微かにレベッカに意識があり「あの時あたしの事を"友達"と呼んでくれたのは誰だったのだろう」と気になり、ジギーがレベッカに対して思ったのと同じように「会ってみたい」という想いが全ての始まりだったとしたら…。
シキを目の前にして「捜していた人も…同じ事を言っていた気がする…」と言っていたのも自然に感じられるように思います。
シキではなくジギー説、意外とありだと思います。

エデンズゼロを襲った事の真相

二万年後の世界にて、時喰みがエデンズゼロを襲ったという話がありました。
語られたのは、第210話
一時的に正気を取り戻したジギーは、これまで自分の身に何があったのかをシキに話します。
「2万年後の惑星エデンからユニバース0を目指してエデンズゼロを発進させた その時…思いがけない事故があった」と話し始める事の起源。
時を移動する原動力であるエーテリオンに異常が発生し、ジギーは強行突破で時空を飛びました。
エデンズゼロを襲ったのは、時喰み

「時空を渡る直前に時喰みに接触した事でワシは…ユニバース1のある星にいた」とジギーは当時の事を語っていました。
そもそも時喰みは星の時を喰う怪物なのに宇宙船に接触したというイレギュラー。
これまでこの行動は「何らかの攻撃」なんじゃないかと思っていました。明らかにタイミングが不自然だったから。
ユニバース0を目指して時を跳ぼうとしたエデンズゼロを襲うなんて「たまたま運が悪かっただけ」とは思えない。
時喰みには何らかの意思があり、この時明確な敵意を向けたんじゃないかと考えていた。
しかし、その実態は、もしかすると「あの人を捜していた」だけだった?
捜していた人が「シキ」であっても「ジギー」であっても、確かにエデンズゼロの中にいます。
時喰みの性質上、エーテリオンに異常を発生させ、任意の世界へ飛べず記憶を失う事故を起こしたが、本来は自分の事を「友達」と呼んでくれたあの人に会いたかっただけだった?
そう考えると切ない真相になってくる気がします。
今回の話の文脈を踏まえると、ない話ではない。

シキをどこに連れ去った?

時喰みの力でマザーを救い、宇宙に平穏をもたらしたシキ。
シャオメイからも感謝の言葉を受け取り勝鬨を上げる一同ですが、そんな中で気づくとシキだけがいなくなっていました
マザーを救った瞬間、シキの姿が消えていた。
これをジギーは「時喰みに連れていかれたか」と考えています。
もしそうならシキは時喰みにどこに連れて行かれたのか。
個人的に考えているのは「ユニバース3173」です。
ジギーが生まれた2万年後の世界である「ユニバース3173」。
どういう原理か不明ですが、葵大戦の分岐点の先でシキが飛ばされたのは、ユニバース3173の2万年後でした。
楓大戦の最中衝撃的な真実を知り「エデンズゼロで2万年後から来た…だと?」とシキが聞き返した時「もっと正確に言えば2万年後のユニバース3173からやって来た」とジギーは答えています。
ユニバース3173では、元々ジギーは存在しなかったが、それでもシキは宇宙へ旅立ち葵大戦は起こるといいます。
何気に重要な世界である「ユニバース3173」
このユニバースこそ、分かっている範囲で、全ての始まり(0)の世界なんじゃないかと思います。
読み手に話の真相を伝えるなら、作中のキャラと一緒に知る方が効果的で(読者の目線で質問できたりするので)、そうならその現地に行く方が臨場感は段違いです。
エーテリオンのように時喰みにも任意で他のユニバースに渡る力があるなら、その世界まで連れて行き状況を説明する気がします。
同時に自分は「ユニバース3173こそ宇宙の全てを救える可能性を秘めてる」と考えていまして、そういう意味でもクライマックスに相応しい。
完結まであと4話、毎話が大きく話が動きそうです。

以上、時喰みについてあれこれ考えてみました。
何気に最初期から出ている時喰み。
まさかラスボスになるなんて当初思わなかったし、ここまでバックボーンを考える時がくると思わなかった。
次回で本当に全ての謎が明かされそうです。
『EDENSZERO』に関して、毎度あれこれ考えるのが楽しかった。
次回の最後(?)の事の真相、しかと目に焼き付けます!!