物語はついに「核心」へ──!二万年後の未来で一体何があったのか考える | ルーメン・イストワール

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真島ヒロ先生を応援しています。
EDENS ZERO/Mashima HERO'S/FAIRY TAIL/RAVE

概要

200話でついに「あの伏線」に触れられた。

ちょうど1巻の最後、話数でいうと4話の最後に突然描かれた「二万年後」の描写。

突然描かれたあの描写の意味、どうやらシキとレベッカと思わしき遺体が発見されてる…一体何が起こってるのか、驚く事にあれから4年経ったけど、この件は一向に触れられてなかった。

本当に4話で描かれたっきり。

ついにこの伏線が回収されるのは、物語の最も深いところにある「核心」に触れる気がする。

今回は、あの「二万年後」の描写の意味、一体何が起きていたのかを考える。


二万年後

前述の通り、この描写があったのは4話が最初で最後。

ちょうどシキ達が惑星ノーマに行き、若い姿のワイズと出会ったタイミングでいきなり「二万年後」の宇宙が描写された。

荒れ果てた星で発見された男女の遺体、マザーに祈りを捧げる宇宙服を着た人物、その当時はまだ意味が分かってなかった「EDENSZERO」と書かれたレベッカのB・キューブ

一つ一つ要素を深掘りしてみたい。


崩壊した星


二万年後の宇宙の描写で特徴的なのが、謎の崩壊した星

星が真っ二つに割れ、糸を引くようなかたちで構成されていた。

4話でも今回も「二万年後」の文字と共に1番最初に出てきた描写で、ある意味「二万年後」を象徴とする光景

この星は一体何なのか?

見たところ「何か」があって、星が「死んでいる」ように見える。

「星が死んでいる」という表現は、以前にもされた事があった。

それが、3話のエルシーの発言。

シキ達がノーマに行ったと聞いたエルシーがボソッと一言「あの星はもう死んでいる」と言っていた。


この場合の「死んでいる」とは「時喰みに時が喰われた」事を意味する。

シキ達は知らなかったが、この時ノーマは時喰みに「50年」の時を喰われ侵入禁止指定惑星となっていた。

エルシーは時喰みに時が喰われたノーマを「正常に時が進んでいない」意味で「死んでいる」と表現したのだと思う。

なので、二万年後の宇宙で崩壊した星も「時喰みに時を喰われた星」なのではないかという発想に至った。

これは、いくつか理由がある。


シキとレベッカと思わしき遺体

二万年後の宇宙で発見された男女の遺体

そこに「調査」に来ていたと思われる宇宙服を着た二人組は「何か見つかったか?」「人間の遺体が二つほど」「ずいぶん古いな…」「男性と女性ですね」と話していた。


話の鍵を握っていると思われる男女の遺体

この男女は一体誰なのか。

そこには遺体と共にレベッカのB・キューブが落ちていた。

ハート模様も同じだし、葵宇宙で書いた「EDENSZERO」の文字も刻まれているから、疑いようはないだろう。

つまりこの男女の内、女性の遺体の正体はレベッカ

そうなると必然的に隣で倒れていた男性の遺体はシキである可能性が高い。

もちろん色んな可能性が考えられるのだけど、この遺体をシキとレベッカ以外の存在だと考える程の妥当性がある存在はいないんじゃないだろうか。

なので、ここはストレートにシキとレベッカだと考える。


二万年後の宇宙に遺体が残ってる理由

ではこの遺体がシキとレベッカだとして、何故この時代に遺体があるのか

ちょっと調べてみると、宇宙空間で人が死んだ場合、遺体は地球にある時のような分解が行われず、まるで生きてる人間かのように残っているらしい。

だから何らかの経緯を経てシキとレベッカがこの地で息絶えたなら、遺体が分解されずに残っているという事もあるのかな?

半分が宇宙空間のような性質を持つ「月」のような星だし。

しかし、何にしても何でシキとレベッカがこんな星に?という疑問にぶつかる。

「何か」がないと、こんな星に来ないだろうし、ここで死ぬ事もないだろう。

そこで考えたのが、シキとレベッカは時喰みに星の時を喰われた事でこの地に来たのではないか?と。

その場合、オリジナルと言えないかもしれないけど(まぁ50年前ワイズも時喰みに喰われた事で誕生したので)。

二万年後の宇宙で時喰みに二万年分の時を喰われた事でこの時代に来た…?


イレイサーの宇宙船

200話のラストで描写された二万年後の宇宙では一見分からないようなところにヒントが隠されていた。

それが1番最後のコマで描かれていたいくつかの宇宙船の残骸

右上の方にある宇宙船は星系六祈将のマークも刻まれているし、イレイサーの宇宙船「ホットアイズ」とそっくり。


というか全く一緒のデザインをしてるので、完全に同じものと考えて良いだろう。

シキとレベッカの遺体だけでなく、イレイサーの宇宙船(おそらくイレイサー本人も)何らかの方法でこの地に来ている

他にもいくつも宇宙船の残骸があって、全て星系六祈将の宇宙なんじゃないか?と考えて目を凝らして比較してみたんだけど、他はわからなかった。

微妙に分かりにくいデザインなのと電子版の宇宙船の凝った造形は細部まで確認しずらい。


星咬作戦

シキ達は現在ジギーを倒す為に戦っている。

銀河六魔将が二人も味方してるジギーの勢力は簡単には倒せない。

そこで今回実行する作戦が「星咬作戦」

ちょうど今時喰みが近づいてる状況を利用して、レベッカの力で時喰みを呼び寄せる


そうする事で時喰みが時を喰べ、ジギーを消滅させる。

そこから考えた発想なんだけど、二万年後の宇宙にある崩壊した星は、シキ達の星咬作戦が実行された果ての姿なのではないだろうか。

時喰みに時を喰われた事で、シキやレベッカ、イレイサー、おそらく他にも大勢の人間が二万年後に飛ばされてしまった。

その事で、シキとレベッカの遺体やイレイサーの宇宙船の残骸が二万年後の未来に残ってる。


問題点

ただ、時喰みのルール上、それが二万年後に起きたならともかく、現代に起きたなら「星が過去に戻る」ので「シキ達が未来に行く」ような事はあり得ない。

かつてレンダードにいた人達が再び誕生する。

時喰みが時を喰う行為は「過去に戻す」事なので、かつていた人が「現代に来る」のであって「未来に行く」わけじゃない。

「未来に来る」という場合、未来で時喰みに時が喰われる必要性がある

だから、星咬作戦が実行されたとして、二万年後の未来に行くなんて事なくない?と思うのだけど、個人的に考えてるのは過去に知り合いだった時にしていたハーミットとキラーの話。


万物のエーテル

学生だったと思わしき二人は興味深い話をしていました。

それが「オーバードライブ」についての話。

「万物に流れるエーテルという力 その臨界点がオーバードライブと呼ばれている 例えばだよ?この石のエーテルも臨界点に達したらオーバードライブできると思う?」

そう聞かれるとハーミットは「相変わらず変な着眼点ですね 先輩」と反応し、続けてこう話していた。

「でも…論理的には可能だと思います 山であっても海であってもこの星であってもエーテルが臨界点に達したらオーバードライブできると思いますよ」と答えていた。


魔王四煌星と魔王四黒星はそれぞれ元人間だった可能性があり、かつては互いに親交があったんじゃないかと思わせる描写がある。

ウィッチとウィザードでいうと「裁判官」、ヴァルキリーとブリガンダインも詳細は不明だが見つめ合う程の親密さ、ハーミットとキラーが「学生」。

シスターとクラウンだけが描かれていないが、四煌星と四黒星がそれぞれ過去に繋がりがあった事が示唆されている。

なので、このハーミットとキラーの話も1番は「二人が過去に知り合っていた」「学生で理論について話す事が多かった」という情報を与える意味が大きいかと思う。

しかし、その上でちょっととんでもない話をしている気がした。

理論っぽい話であれば、他にも何かありそうなものだけど、よりにもよって二人は「オーバードライブ」について話していた。

話の内容もかなり意味深なもので、個人的にはこれは「今後本当に人間以外の何かがオーバードライブする」前フリなんじゃないかと思った。

そうであれば、ここでオーバードライブの情報を出す事に意味がある。

いつか描写した時に唐突感が無くなるから「伏線」の体を成してる。


二万年後の崩壊した星は星咬作戦が実行された後の姿?

そこで、考えたのが、二万年後の崩壊した星は「オーバードライブ」が起きた姿なんじゃないかと。

キラーと親交があった時代のハーミットは「山であっても海であってもこの星であってもエーテルが臨界点に達したらオーバードライブできると思いますよ」と話していた。

オーバードライブできる可能性のあるものに「星」も挙げている。

では、そもそも「オーバードライブ」とは、どんな現象か。

  • エーテルが臨界点に達すること
  • エーテルギアの真の力
  • 体を形成してるエーテルに変化が起きる
こんなところだろうか。
星がオーバードライブする場合「エーテルの真の力」「星の形に変化が起きる」と言い換えても良いかもしれない。
後者の「見た目が変わる」事って何気に重要なポイントなんじゃないかと考えていて、ドラッケンが生命エネルギーの逆流で姿が豹変したのもあの時オーバードライブしていた事が理由なんじゃないかと思っている。
体を形成してるエーテルに変化が起き、そのエーテルが持ち主の元へ帰ろうとした事で、あんな化け物じみた姿に変わってしまった。
もし、仮に星がオーバードライブするとしたら、そこもエーテルギア使いと同じように「姿」に変化を及ぼすのではないか。
その結果、二万年後の宇宙で出てきたような崩壊した星に変化したんじゃないだろうか。

つまり、結論として考えてるのは、あの星は「時喰みに時を喰われた事で何らかのバグが発生しオーバードライブした星」なんじゃないかと考えた。
通常、時喰みが時を喰べた星は「過去に戻る」けど、オーバードライブした結果「未来へ進み」崩壊したんじゃないだろうか。
システムのバグみたいな。
何でそんな現象が起きたのか、その原因も考えなくてはいけないけど、考えられるとしたらジギーが集めている"生命創造の力"…?

あれも「母親だけが持つ特別なエーテル」と説明されている。
"生命創造の力"というエーテルが臨界点に突破したらとんでもない現象が起きるのかもしれない。

マザー

二万年後の描写として特徴的だと感じているのが「マザー」に対する反応の変化
シキとレベッカと思わしき遺体を発見した二人組はマザーに祈りを捧げている。
「マザーよ…この者たちの魂を…青き楽園へと導きたまえ」と手を合わせ宇宙を見ていた。

これがどういう意味かまだ分かっていないけど、この人達が誰かまだ分かっていない以上、自分は二万年後の宇宙にいる人して「最も一般的で普遍的な考え方を持った存在」として描いているんじゃないかと思う。
普通に考えて「二万年」も経ったら、今いる登場人物の誰も生きていない。
そうなると、他の誰とも結びつけられない。
だから、そこまで文化や体系が変わる「二万年」という時間が開いた後の時代を生きてる人達は、まず「その世界のごく一般的な人間」として描いているんじゃないかと思った。
例えばだけど「寿司屋」の描写をするとして「マグロ」や「サーモン」なら分かるけど、いきなり「ハンバーグ」とか「ポテト」とか変わり玉を描写しない。
別にメニューとしてあるけど、そんな引っかかる描写をしたら、何故寿司屋で真っ先にハンバーグやポテトが出てきたのか?と一旦特別な解釈を挟んで読まなければいけなくなってしまう。
そういうノイズは何か意味のある伏線じゃない限り、正常な読み味を損なうからしないと思う。
EDENSZERO本編でもシキがブルーガーデンに来て、初めて「外の世界」に触れた時、描かれたのは実にSF世界っぽい住人で「いい人もいれば悪い人もいる もっと言えば大体の人が他人に無関心よ」という本質的な話だった(レベッカ談)。
あれと同じように、まずは二万年後の宇宙で出てきた二人組もこの時代では一般的な価値観と思想を持った人物だと考えたい。

マザーに対する捉え方

そこで、感じた現代との「差」が、マザーに対する扱いの変化
現代ではマザーの話をすると「マザーに会った奴が来たぞー!!!」「英雄様だーーっ」と笑われていたのに対して、宇宙服を着た二人組は手を合わせていて「祈り」を捧げていて、大真面目にマザーに向き合っているように感じた。

こんな感覚、現代からすると「異端」なのではないだろうか。
「救い」を求めて「祈り」を捧げるのは、宗教的な思想も感じる。
仏教だったりキリスト教だったり、現実世界でも色んな宗教が己の信じる神を信じて生きてるよね。
それと同じように宇宙服を着た二人も「マザー教」のように、マザーに「祈り」を捧げて「救い」を信じているんじゃないだろうか。
EDENSZEROの作中では、あまり宗教的なものが出てきていない。
前作『FAIRYTAIL』では、ゼレフを「神」と崇める黒魔術信仰の教団であったり、ゼレフを崇拝してる冥府の門の思想だったり、アンクセラム神だったり、人々から祀られるギルティナの五神竜であったり、結構大きなテーマの一つだったと考えているんだけど、それがEDENSZEROではむしろほとんど出てない事が気になった。
全くないわけじゃないけど、FAIRYTAILと比べると宗教のような感覚で生きてる人々ってほとんど出てきてなくない?と。
そこで思ったのが、EDENSZEROの世界は「科学技術」が高度に発展し過ぎていて「神」だとか「祈り」だとか非科学的なものは信じられないようになってしまったんじゃないかと。
印象的なのが4話のハッピーの台詞。
エーテルの説明として「"魔力"なんて非科学的な言い方もあるんだ」と言っていた。

「"魔力"なんていう非科学的な言い方」というニュアンスから、EDENSZEROの世界では「非科学的なもの」の立場が低く、そんな価値観がナチュラルに出た言葉だったんじゃないかと思ってる。
だから、現代でもおそらく「宗教」はほとんど無く、それが二万年もの時を経て、どこかのタイミングで復権し、マザーに対する人々の考え方も変わったんじゃないかな?と。

男性の方の生存を確認

今回描写されたのは、まさに4話のラストからの続き。
あの後、B・キューブを見つめている宇宙服を着た人物から話が展開された。
これは一体何なのか物珍しそうに見てると、突如遺体のあった方から「ピピ」「ピピ」「ピピ」と音が鳴り、何かの反応を検知した。
それを見て「バカな!!!」「こ…この反応は…」と驚く二人組。
「生体反応!!!!」「男性の方の生存を確認!!!!!!生きてるぞ!!!!」と生存が確認された。

「男性の方」という事は、シキ
シキが奇跡的に息を吹き返した。
4話のラストで描写された時は「ずいぶん古いな…」と言われており、死後数年以上は経っていると思われる。
それがまさかの「生存を確認」
宇宙服を着た人物も「バカな!!!」と驚いていた。
シキが奇跡的に息を吹き返した理由にも特別な理由がありそうだ。
これだけ放置されたなら、一度完全に「死んだ」んじゃないかと思うけど、その上で息を吹き返したならこの時この瞬間に「何か」が起きた。
宇宙服を着た二人組は「調査」に来ただけなので、二人の行動が何か作用したようには思えない。
考えられるのは、シキだからこその特異性。
あるとしたら…
  • 重力のエーテルギア
  • シキ=ジギー説
重力のエーテルギアは「心を落とす」という事ができるし、この瞬間に何らかの方法で「心」が落ちて魂が宿ったのか。
それともジギーと同一人物である特異性が、このタイミングで息を吹き返した事に関係あるのか。
ジギーは「機械」だから、その性質を利用すれば、何らかの方法で生き繋ぐ可能性を期待できる。

時の循環から外れた者

ついに対峙したシキとジギー
まずは一進一退の攻防が続き、どちらも譲らないような熱戦が展開されていました。
一旦落ち着いたところでジギーが口を開いて言ったのは「これが時の循環から外れた者か…」という発言。

それに対してシキが「何の話だ」と聞くと、何も答えずただじっとシキを見つめ、突如二万年後に話が飛びました。
こういった流れで「二万年後」の話に繋がったので、これは「ジギーの回想」なのではないかと感じた。
ジギーの正体とは何なのか、それを答える秘話
シキが「何の話だ」と聞いたタイミングで二万年後の話が展開されたので、二万年後の話は「シキが時の循環から外れた者」という話に繋がる秘話だと感じる読み味でした。
シキを見つめるジギーの表情は意味深で瞳の奥に暗い光が宿っています。
まるでジギーの奥底に眠っている真実で、そこから今いるシキの事をじっと見つめているように感じる。
二万年後の話は、ジギーのルーツに関係するんじゃないでしょうか。

ジギー年表

そこで、ジギーに関する年表をまとめてみたい。
  • 記憶を失っていた
  • 気がつけばグランベルでテーマパークを作っていた
  • 100年以上も前:ゼノリスと出会う
  • ゼノリスから魔械流重術を教わる
  • 桜宇宙を支配する
  • 自分の記憶を取り戻したい一心でエデンズゼロに乗ってマザーを目指す
  • マザーには行けなかったがシキを見つける
  • 魔王四煌星の記憶を消さねばならない「何か」が起きる
  • 帰路でエルシーを助ける
  • 15年前:魔王四煌星の任を解く
  • 15年前:レッドケイブの海底神殿で遺物からマザーエーテルを回収
  • 15年前:ゼノリスと最後に会ったタイミング
  • 15年前:シュラに重力のエーテルギアの基礎を教える
  • 10年前:シキをグランベルに連れて来る
  • シキにエーテルギアの使い方を教える
  • ピーノを作る
  • シキに重彗星を教える前に機能を停止し死亡する
  • X492年:キッカケは不明だが、再起動し目を覚ます
細かく言えば挙がりそうなポイントがまだあるかもしれないけど、主なところはこの辺りかな?
※詳細な時系列が分かってない部分は、自分の解釈で並べてる。

時の循環

そもそも「時の循環」とは、一体何を言ってるのか。
これは、心当たりがある。
164話では「おまえたちの死をもって運命の輪が完成する」、167話では「シキは選択を間違えた これにより本来完成する予定だった大いなる循環が途切れてしまいこの先はワシにも予想不可能…31号世界が始まった」と言っていた。

この時の「運命の輪」という言葉、「大いなる循環」という言葉は、200話でジギーが言っていた「時の循環」と同義なのではないかと思う。
「循環」とは「ひとめぐりして、もとへ戻ることを繰り返す」という意味。
「大いなる循環」の方は「時の循環」と全く同じ「循環」という言葉が使われているし「運命の輪」の「輪」の方も「一周して始まりの地点に戻り、終わりがない」という意味で「循環」と同じ意味を指せると思う。
では「運命の輪」「大いなる循環」「時の循環」が指す具体的な意味とは何か。
これは、ジギーが同じ時間をずっとループしているんじゃないかと考える。
フォレスタで出会ったゼノリスはジギーについてこう言っていた。
「…とは言っても…奴は天才じゃった ワシが教えた技の数々は元から知っているかのようにその日のうちにマスターしていった」
「元から知っているかのように」という表現が気になる。
ジギーのエーテルギア使いとしての才能を表現するとしても、あまりに突飛な言い回しに思えた。
ここまで大胆な言い方をしてるのは、ジギーが本当に時をループしているんじゃないか?
そこが思い立った最初のタイミング。

ループしてる方法

では、どのようにしてループしているのか?
まず重要になってくると思われるのが「シキ」の存在。
ゼノリスの話にだけはシキは出てこないが「おまえたちの死をもって運命の輪が完成する」と「シキは選択を間違えた これにより本来完成する予定だった大いなる循環が途切れてしまいこの先はワシにも予想不可能…31号世界が始まった」という言葉の中には「シキ」がいる。
シキがどうなるか・シキがどうするかが、時の循環に大きく関係している。
大事なポイントとして考えられるのは…
  • 葵大戦の日、シキたちの死をもってループ構造が完成する予定だった
  • シキの選択ミスによってループ構造が途切れ、予想不可能な31号世界が始まった
葵大戦は、シキの行動でどう変わるかの分岐点だったのだろう。
本来想定されてたシキの行動をそのままとったら、ループ構造が再び完成していたが、シキはそれをしなかった。
ジギーのループ説に関しては、この言葉も重要だと思ってる。
ネロと戦闘時の「さあ…ワシにこの帝国を渡してもらおうか 今日はワシの生まれた日 誕生日プレゼントをくれないか」と、ネロ66で帝国式反物質爆弾を起動する時の「さあ…ワシの誕生日を祝っておくれ」

どちらも「誕生日」という言葉を使っている。
このシーンも「誕生日」という言葉がジギーの印象には不釣り合いで、少し浮いているように感じた。
二度も使って、葵大戦があった日は「ジギーの誕生日」であると強調されていて、ここにも何か「意味」があるんじゃないかと考えている。
もしあの日シキがこれまでの歴史通りの行動を起こしループ構造が完成していたら「ジギー(シキ)の誕生日」と言えたんじゃないだろうか。
シキ=ジギー説がある。
葵大戦の日は、本来シキがジギーになった日だった?
これに関してはこういう風に考えている↓

ループしてる方法②

なので、ジギーがループしてる方法は何か。
シキ=ジギー説が関係してくるとは思う。
ただ、シキ=ジギーだとして、ジギーが時間をループしてるかどうかは別問題な気もするな。
ジギーがシキになる事で継承されてるものもあるかもしれないけど、それはそれとしてジギーがジギーとしてループしているんだもん。
何が言いたいかというと、エーテルギア修得速度の異常な早さからジギーは人生二周目である可能性はあっても、それはマザーに出会ってもう一度生まれたシキと交わらなくないか?と。
シキがマザーに出会ってもう一度生まれたジギーだからといって、それが過去のジギーにまで影響を及ぼす理屈が説明できない気がする。
ジギーのループにシキの存在は大きいと思うけど、ループしてる方法に関してはこれとは別件なんじゃないか。
状況としては、記憶だけが引き継がれた状態「タイムリープ」である可能性が高い。
タイムリープと言えば、キャットリーパー
199話の最後に出てきたセントファイア・ノックスはレベッカの母親で、レベッカと同じようにキャットリーパーの力を持ってる可能性が噂されている。
ジギーは葵大戦で他者のエーテルギアを奪う力を見せつけているので、その方法でセントファイア・ノックスのキャットリーパーの力を奪っているかもしれない。
楓大戦の最後、そのキャットリーパーの力で始まりの瞬間にループする…?

時の循環から外れた者

そこで、ジギーがシキを表現して使った言葉が「時の循環から外れた者」
「時の循環」「ループしてる宇宙の構造」を指しているなら、シキだけが唯一例外でその枠組みから抜けてる…?
ジギーは葵大戦が終わった後、エルシーに「シキは選択を間違えた これにより本来完成する予定だった大いなる循環が途切れてしまいこの先はワシにも予想不可能…31号世界が始まった」と話していた。
これにより本来完成する予定だった「大いなる循環」が途切れてしまったので、その原因は「シキが選択を間違えた」事にある。
その「選択」とは、165話で描かれた「分岐点」。
惑星ネロ66の爆発から逃げて生きる道か、惑星ネロ66に残った人達を助けようとして無謀の末死ぬ道か。
この時、シキが「逃げて生きる道」を選んだ事で、ジギーは「シキ…選択を間違えたな」と突きつけていた。
ジギーの言い分はこう。
エデンズゼロが全機能を停止し、全滅寸前の状況で「爆発を止めに行ってればこうはならなかった 全滅などという結果にはな」
その結果、ウィッチが爆発からエデンズゼロを守って戦死した。
シキの選択ミスの結果、ウィッチが死亡した。
しかし、後にそれは「間違い」だと分かる。
ノアの話で葵大戦のあった日、ユニバース3に移行したと知り、ユニバース2のままだったら全滅していた。
つまり「全滅」を回避して「ウィッチ一人の犠牲」のルートを進んだのだ。
これを聞いてレベッカは「間違えてなかったんだ あたしたちは…ウィッチを救える道もあったと信じていたのに…」と考えている。
ジギーの言葉が間違っていたと分かったのだけど、そうするとジギーはどんな意味であの言葉を言っていたんだろう?
何か別の意味があったんじゃないかと思う。

言葉に込められた意味

しかし、やはり重要に感じる「シキ…選択を間違えたな」

ジギーがもし一度シキとしてこの未来を体験してるなら、間違った事を言うとは思わない。
何かジギーなりの「意味」を込めて言っていると思う。
そうすると「シキは選択を間違えた」というのも本当
であるなら、実はジギーの言う「シキの選択の間違い」とは「ウィッチを失った事」ではなかったんじゃないだろうか。
本来全滅していたであろう世界線、そこが本来「正解」だった。
その先に何かしら得るものがあった。

二万年後の宇宙では「何」があった?

では、肝心の真相
いくつか可能性を考えてみる。

①星咬作戦の成れの果て

前述の通り、今現在レンダードで進行してる星咬作戦
それが実行され、その結果ああなった姿である可能性。
レンダードに迫っている時喰み、ジギーが集めた"生命創造の力"…それらが組み合わさってバグが起き、星がオーバードライブした。
その結果、星の崩壊と人々は二万年後の未来に飛ばされる。
そこで息絶えたのが遺体の男女だった。

②本来のユニバース2の先にあった世界

ジギーはシキの事を「これが時の循環から外れた者か…」と言ってから、二万年後に話が飛んだので、あれはジギー視点の回想なんじゃないかと考えてみた。
そうするとジギーが本来辿った歴史はユニバース2
シキが選択を間違わなければ何があったか。
その解答編なんじゃないだろうか。
男女どちらも一度死んだような描写になっていたのも「全滅」という言葉に合ってる。
そこから何らかの方法で二万年後に息を吹き返したのか。

シキだけが生き残った意味

4話ラストの時点では、シキとレベッカ、両方とも死んだと思われていた。
しかし、その話には続きがあり、シキの方は生体反応が確認された。
この物語上の意味は何だろう?
レベッカが死んだ隣で、シキだけが生き残ったとすると、とんでもない闇の深さを感じる。
レベッカやおそらく他の仲間ももう生きていないだろう世界に一人取り残されるって「地獄」じゃないか…?
それからシキはどうやって生きていくのだろう。
やっぱりこの事件が、シキをジギーに変えたキッカケな気がしてくるな…。
ジギーの回想に見えるという思い込みもあるけど、ジギーが闇落ちする流れしか想像できなかった。

という事で色々考えてみました。
二万年後の話、ジギーの真相にも繋がってそうで、一気に考慮しなきゃいけない情報が増えた。
それ故の考えるの難しさがある。
いつも考えをハッキリさせてからというより、考えながら書いてるので、今回は特にとっ散らかった内容になってしまった気がする。
また今度、もう少しまとまった内容の記事を書けると良いな。