癌告知~手術までの経緯(その2) | 【ステージ4:治療6年目突入】腎臓がんと闘うスロッターkazuのブログ

【ステージ4:治療6年目突入】腎臓がんと闘うスロッターkazuのブログ

2017年 50歳で腎臓がん&肺転移を告知されました(追記:51歳で脳転移再発、55歳で骨髄転移・骨転移を再々発)
<「癌になることは不幸ではない!」製薬企業で長年医薬品開発を生業とした経験から、前向きに治療に取り組み、日々を幸せに過ごすことを伝えるブログです>

皆さん、こんばんは!

kazuです。ニコニコ

 

いよいよ平成も今日で最後になりましたね。

 

私は、お小遣いを貰って平成最後の大勝負(リベンジ)にアミューズメントパークに行きました!

結果は・・・・

見事な返り討ちに遭いましたえーん

なので、メンタル最悪です(笑)

 

令和での初勝負をするために、また軍資金を貯めなければなりません・・・

先月に続いて、暫くはひっそりとした生活になりますショボーン

 

ということで、パチンコ出来る程度に体調は良好です(笑)

 

***********************

癌告知~手術までの経緯(その1)からの続きの話です。

 

単身赴任先のH病院で腎臓がん&肺転移ステージ4告知を受けてから、自宅のある都内の病院に転院する話になります。

 

H病院から渡された都内のがん診療連携拠点病院及びがん専門病院のリストを基に、転院先の病院を選ぶことにしました。

 

当時病院を選ぶ際には以下の内容を考慮して、パソコンでネットの情報をいろいろと調べました。

a.自宅から通院可能な範囲の病院(理想を言うと、会社からも通院可能な場所)

 

b.腎臓癌の手術症例が多く、評判が良いところ。

(注:原発巣を摘出しなければならないことはH病院で既に言われていたため、手術を行う前提で探しました)

 

c.腎臓癌に関する著名な医師がいる病院。

 

幸い私が住んでいる都内ではがん診療連携拠点病院やがん専門病院が30件近くあり、選択肢が少なくて困ることは無かったです。

そして最終的には転院先として、がん専門病院を選びました。

 

ちなみに単身赴任をしていた地域は総合病院の絶対数が元々少なく、また病院の質もピンキリでした。

 

なので、住んでいる地域によってはがん診療連携拠点病院の数が元々少なかったり、自宅から遠い場所にしか病院が無いという状況で選択肢が限られてしまい、苦労する方もおられるのでは、と思います。

 

・・・・

ちょっと話は脱線しますが、病院選びの話をもう少し続けようと思います。

 

当時はがん専門病院を選択しましたが、仮に今病院を選べと言われたら、このがん専門病院は恐らく選んでいないと思います。

 

何故かというと、これまでの治療経験を踏まえて、病院を選ぶポイントが以下の様に変わったためです。

 

①最初からステージ4(癌の転移)が判明している場合は、総合病院を選択。

(癌が転移しておらず手術だけの場合は、がん専門病院・総合病院どちらでも構わない)

 

②総合病院の場合、他の科との連携がきちんと取れている病院であることが条件。

 

③主治医が信頼できること。(これは選べるものではないため、運の要素が多分にあります)

 

※因みに上記①~③で選んだ病院に納得がいかなければ、別の病院でセカンドオピニオンを受けることや、転院を考慮する。

 

注)あくまでも個人的な病院選びの感想であり、万人に適用される適切な病院選びの方法を示した訳ではありません。それを踏まえて参考程度に留めて頂ければと思います。

 

まず、①の総合病院を選択した理由です。

ステージ4の癌患者は、手術のための入院期間よりも、その後の化学治療の期間の方が圧倒的に長くなります。

そのため(手術の技術はもちろんですが)、その後の化学治療やそれに伴う副作用、また日常の体調管理の対応がきちんと行える病院か否かという点がとても重要なポイントになると個人的には思います。

 

がん専門病院では、がんの治療に特化しているが故、がんとは異なる疾患の対応が出来ない、或いはそもそも対応する科が存在しない場合があります。

(そういう場合は、必然的に他の病院にも通わなければなりません)

 

一方、総合病院では(一般的に)がんとは異なる疾患についても対応する科があるため、他の疾患を有している、或いは様々な副作用に対して同じ病院内で(基本的に)対応できるためです。

 

但し注意しなければならないのは、単に総合病院という看板を背負っているだけではダメです。

自分の主治医と、(紹介してもらう)他の科の医師がきちんと連携が取れていること。

さらに理想を言うと、他科の医師も癌治療に関する知識を有していて、これまでの癌治療の状況を理解した上で診断・治療してくれることが重要になります。(それが、②の理由です)

 

仰々しく理由を書いていますが、ぶっちゃけた話、治療設備・技術が伴っていなかったり、システムに致命的な欠陥がある様な病院は、がん診療連携拠点病院に指定されることは基本的に無いため、病院選びにあまり神経質にならなくても良い気はします。

 

加えて③を挙げた理由として、患者が不満を抱える理由の多くは、病院の問題というよりも主治医の質や相性の問題が一番大きいと思います。

 

なお③で運の要素が多分にあると書きましたが、これは仮に泌尿器科の著名な先生がいる病院を選んだとしても主治医は選ぶことが出来ないので、著名な先生が必ず主治医になる訳ではない、ということです。

 

また仮に著名な先生に当たったとしても、相性が合うかどうかは実際会ってみないと分かりません。

仮に相性が合う良い医師だったとしても、その後治療を行っている間に主治医が移動して別の医師に変わった、なんてことは良くある話です。

 

②の病院内の連携の良さについては、ネットではなかなか情報は表に出てこないものであり、実際に通院して病院の実情が初めて分かることが多いのと、③の担当する主治医との相性はそれこそ会ってみないと分からないので、最初から完璧な病院選びをするというのはそもそも難しいと思います。

 

実際、私が今通っている病院の主治医は知識も経験も豊富であり、また患者とのコミュニケーションもしっかり行う素晴らしい医師だと思います。

(私は医薬に関わる立場なので(一般患者と比べて)医師の見立てはかなり厳しめだと思いますが、そんな私でも100%信頼をおける主治医です)

加えて、院内外を問わず他科との連携も非常に良い病院だと思います。

 

しかしネットではその様な口コミは書かれておらず(笑)、実は最初の転院候補には全く挙げていなかった病院でした(^^ゞ

 

病院選びにおいて、仮に候補病院が地元民からの評判があまりにも悪いとか、或いは直近で医療事故や検査でがんを見落としてニュースになったということが無ければ、病院選びにあまり神経質にならなくても良いのかな、と今では思います。

 

今は患者が病院を選べる時代であり、最初に通った病院に固執する必要性は全くありません。

もし仮に実際に通院してみて本当に酷い病院であったり、或いは主治医の治療方針で納得いかなければ、セカンドオピニオンを受けたり転院するという選択肢もあるので、臨機応変に対応して頂ければと思います

 

現実的には、自宅から通院出来るという様な制約が一番大きく、通える病院は限られてしまうかも知れませんが、複数の候補が有る場合は参考に出来る部分があれば、活用して頂ければと思います。

 

・・・・・・・・・

<話を元に戻します>

転院先として都内のがん専門病院を選択し、H病院で紹介状を書いて頂きました。

H病院で腎臓がん&ステージ4告知を受けてから10日後の2017年7月28日に、(妻の同席のもと)がん専門病院の泌尿器科で診察を受けました。

 

主治医の先生は比較的若い先生でした。

(私はアラフィフなので、私よりも年配の医師は基本的に少ないですが(笑))

最初の診察ではH病院のCT画像による診断結果、及び今後の治療方針の説明がありました。

ここでH病院と見解が異なると問題なのですが、H病院でがんの告知を受けた時の説明と基本的に同じ内容でした。

 

簡単に内容を記しておきます。

<症状について>

・左腎臓が通常の2倍位の大きさになっており、これが原発巣の腎臓がんである。

・咳の症状については、肺に複数(無数)の白い影が見られるため、状況的に腎臓がんが肺に転移して、それにより引き起こされたと考えるのが合理的である。

 

<今後の治療について>

・まず、原発巣の左腎臓は外科的手術で取り除く必要があること。またがんがかなり大きいため、(恐らく)全摘出する必要がある。

・腎臓は左右2個あり、右の腎臓にはがんが見られないため、仮に左腎臓を全摘出しても右の腎臓で腎機能のカバーは出来る。

・肺に転移した腫瘍は1つ1つがそれほど大きくないものの(注:大きいもので約2cm)、数が無数にあるため、外科的な手術での治療は不可能。そのため、左腎臓摘出後に薬剤投与による化学療法で治療を行う。

(注:自分がCT画像を見た限りでは最低20個以上はあり、数えてもキリがないので数えるのを途中で止めました・・・)

 

この方針を受けて、原発巣である左腎臓摘出手術の予定を入れることになりました。

 

ここのがん専門病院の泌尿器科は患者数も多く、既に手術の予定がかなり先まで埋まっていました。

結局手術は(スケジュールが空いている)10月の中旬、約2ヶ月半後となりました。

 

主治医からは

「手術の予約が先まで埋まっているので、手術まで期間が暫く空いてしまいます」

「もし気になる様なら、別の病院で手術を受けるというのも選択肢に入りますが、どうしますか?」

と言われました。

 

しかし、さらに他の病院に転院しても手術が直ぐに出来る保証はないし、そもそもがん専門病院は、自分が一番良い病院としてわざわざ選んだ所なので、おいそれと変えようとは思いません。

 

よって主治医には、他の病院にこれから転院しても直ぐに手術が出来る訳ではないし、転院手続きや検査なので結局時間を取られるため、この病院で手術を受けたいことを伝えて了解して頂きました。

 

そうそう、実は癌告知を受ける前に、8月前半に家族旅行に行く予約を既に入れていました。

 

主治医に

「来週家族旅行を予定しているのですが、行っても大丈夫ですか?」

と聞いたところ

「問題ないですよ」

とのこと。

 

さらに

「子供達と一緒にテニスをしても大丈夫ですか?」

と聞いたら、

「それも問題ありません」

と言われました。

 

もしかしたら、家族旅行は(私だけ)キャンセルかな・・・と思っていたのでホッとしました。

また正直、私にとって最後の家族旅行になるかも知れない、と当時はちょっと覚悟をしていました。

 

注)この時は今の様にがんに対する知識があまりなかったので・・・

以前もブログに書きましたが、私は長年医薬品開発業務に携わってはいましたが、がんは専門外であったため、この頃はまだ癌治療に関して知識不足でした。

 

これは後日談ですが、家に帰って妻に

「もしかしたら、今回の旅行が最後の家族旅行になるかも知れない」

と言ったら、

妻は

「( ゚Д゚)ハァ?なに自分勝手に感傷に浸っているの?今の医学で直ぐに死ぬ訳ないでしょう!」

と一笑に付されてしまいました(笑)

 

私と違って妻は医薬のことは素人なのですが、現代の発達した医学ではがんで直ぐに死ぬ訳が無い!と思っているようです。

 

私自身も他の癌患者と比べるとかなりポジティブな考えの持ち主だと思いますが、妻は私と同じかそれ以上に前向きで物怖じしない性格。

 

以前もブログに書いた記憶がありますが、癌に罹患した場合(本人もそうですが)、配偶者の方がメンタルをやられてしまうことが往々にしてあるということで会社でも非常に心配されました。

 

しかし、その点は我が家では妻や子供達も「がん=死」というイメージは全く持っておらず、自分も妻や家族のことは心配せずに自分の治療だけに集中できる環境だったことが非常に助かりました。

(癌に罹患してからも自分のことだけしか目を向けずに勝手な行動を取っているため、今でも妻から色々と説教を受ける羽目になっていますが(^^ゞ)

 

<話は戻って>

(H病院のCT検査は造影剤無しだったため)、手術前にがんの状況をより正確に把握するため診察後に造影剤入りのCT検査を行いました。

造影剤CT検査の結果も当日主治医から説明するということで、結果が出るまでの間に手術に向けた準備として歯科を受診しました。

(手術前の歯科治療やお口のケアで、がん手術による傷口の感染や肺炎を予防するため)

 

以上の経緯で、がんの告知から転院先の病院を選んで手術の日程まで決まり、取り敢えずやるべき最善のことはやりきった!

手術前の家族旅行もOKが出た!

 

後は手術が無事終わることを願って天命を待つのみ・・・

と、その時はホッと一息ついた状態で安心していました。

 

・・・・・・

しかし、事は思う様に運びませんでした。

まさか、その後また直ぐに転院する羽目になるとは夢にも思っていませんでした。

 

その3に続く>