先日は、
の中で写真について書きましたが、物を置いて光を当てて取るだけでも色々な色彩を再現することが出来ます。
絵を描く場合の色彩は環境で構成されたものが基準になりますが、セットを組む際にはそうした光や色彩を作ることが出来ます。
写真の場合だと、ここに露出や色温度の変更などの要素を追加できるので色々なことが出来ます。
写真を撮る場合
写真を撮る際には色々な技法がありますが、通常は 【 被写体 】 が存在するので、ソレをしっかりと撮影するために質感を決めて取ることになります。
この際に構図や視点を決める必要がありますが、シャッターを切る前に
■ ピントの範囲を決める
■ ピントが合わせる
ことになります。この状態で撮影すると被写体と背景を分離させるように撮影が出来ますが、絞り込むと風景と被写体を記録するような撮影を行うことも出来ます。この 【 状態の構築 】 を行う際にレンズの中の光の通り道の大きさを変えることになりますが、この時に使用するのがレンズに実装されている 【 絞り 】 になります。これは開放だと円形に広がり、絞っていくと多角形になるのですが、コンシューマのビデオカメラだと安価な製品だと絞り羽根の枚数が少ないのでボケを作るとひし形のボケが出来るようなものもありますが、DVカムなどの時代はそういった仕様になっているので安価な製品が上位製品と同じ結果になる事はありません。
写真や動画を撮影する際には上記の方法で状態を作ることになりますが、この状態でシャッターを切ってもブレの影響を受けることがあります。
ブレの種類
構図を作って被写界深度を決めてピントを合わせても写真がぶれてしまっては台無しになってしまいますが、写真の場合だと、
■ 被写体ブレ
■ 手ブレ
という問題が生じることがあります。これについては、
の中で触れていますが
【 手ブレ 】
シャッタースピードが遅すぎてシャッターが切れる前に
カメラが動いた時に発生するブレ
【 被写体ブレ 】
シャッタースピードが遅すぎてシャッターが切れる前に
被写体が動いた時に発生するブレ
になります。その為、これは
■ 被写体ブレ : 被写体の動きで生じる
■ 手ブレ : カメラの動きで生じる
で発生する物になります。その為、完全に止まった状態で留める場合にはこうした影響が出ないように撮影しますが、被写体の動きよりもスローシャッターにして撮影する技法も存在します。
被写体ブレを使用した撮影
被写体ブレは 【 被写体の動きで生じるもの 】 ですから、紙の上に時間軸を刻み込む場合に 【 動きによる影響 】 を残す方法を用います。こうした技法はフィルムの時代から存在しますが、
■ 滝
■ 花火
などはH自社対ブレを使用した撮影を行います。
のように広がっている花火を撮影する場合にはスローシャッターにしないと撮影できないので、手持ちでは取れないのですが、
のような感じでカメラだけで花火を撮る場合には、被写体の動きを撮れるように露光時間を長くして軌跡を撮影することになります。
この動く状態を追尾するようにカメラで追いかけて撮影する方法が 【 流し撮り 】 になりますが、モータースポーツでホームストレートを通過する高速移動をしているマシンなどを撮影する際にはこの技法がこち要られていますが、この技法では、
■ 被写体 : 静止状態
■ 背 景 : 流れた状態
で撮影する事が出来ます。
写真の場合、被写体が動いている場合には
■ 被写体を止めた状態で撮る
■ 被写体の流れを撮る
という2つの選択肢が存在しますが、動画や写真の場合だとスクリーン座標上における座標の変化を切り取るることになるので、
【 時間単位の推移 】
を露光時間を長くして撮影することになります。こうした撮影は星景撮影でも行いますが、星は日周運動の影響で動いているので、
のようなかんじで推移しているわけですが、この動きの軌跡を記録すると
のようになります。これを動画ではなく写真で捉えると花火のような状態になるわけですが、この状態を軌跡として写真に記録する場合には被写体ブレが生じている状態を撮影することになります。
手ブレ
被写体ブレを使うと差前述のような形で撮影できるのですが、こうした撮影の場合だとスローシャッターを用いるので、三脚を使用することになります。
手ブレについてはカメラ自体が動くので、【 流し撮り 】 で使用するのですが、カメラを被写体の動きを追うように振ることで背景を流して被写体を撮影することが出来ます。
通常の撮影だとカメラが動いてしまうと被写体がブレてしまうので、
のようなブレが生じます。ストロボを使うとストロボが発行した瞬間だけブレが止まるので
のように手ブレだけでなく止まった瞬間も撮影できるのですが、手ブレが生じると全体的にブレが生じてしまいます。
通常の撮影
通常の写真の場合、
のような感じで止まった状態になりますが、通所の撮影だとこのように止まった物を撮影することになります。
マクロ撮影でも
のような感じで止めて撮る事になりますが、マクロの場合だとライトの状態も決めるので
の中で行っ散るように光源で見え方も変わってくるわけですが、自然光だと
のように撮影する事も出来ます。視点を複数用意すると
のようなアナグリフを作ることも出来るので立太子をする場合にもしっかりとブレが出ないように撮影する必要があります。
通常の撮影だと
のように撮影します。基本的にカメラを動かすのは動画のみなんですが、写真の場合だと画面全体にブレが生じるのでそういった減少が出ることを理解して目的に合った撮影方法を用いることになります。
ちなみに、3DCGでは、ブラーや被写界深度というものは存在しないので、通常のレンダリングを行うとこの効果は存在しません。その為、フォーカスブラケットを使用したような 【 完全なパンフォーカスの状態 】 でシーンがレンダリングされます。この状態に被写界深度を後から追加することで意図した被写界深度の深さをコントロールできるのですが、これがDoFによる効果になります。
3DCGのブレはどちらかというと動画で使用するのですが、被写界深度と同様に3DCGで通常のレンダリングを行うと長時間露光のような残像が追加されないので、座標の変化のみが追加されます。これとカクついた動きになるので、動画の場合だとある程度ブラーエフェクトを入れないとなめらかに動いているように感じません。これは1000FPSで撮影したソースを60FPSにタイムリマップを行った場合に出てくる状況と同じですが、これを行うと水の流れを撮影してもパーティクルが動いているような違和感を感じるものが出来上がります。
以前実写で1000fpsのハイスピード撮影のソースのフレームレートを変換したものをYouTubeにアップしたのですが、実際に確認すると
のような状態になります。3DCGでもソレと同じような状態になるので、ブラーエフェクトを追加して露光時間で生じるブレを再現することになります。
今回撮影したもの
写真は、目に見えるものだけでなく、撮影者がカメラだけで作ることが出来るものなので、とり方によって様々なものを作ることが出来ます。
今年は辰年ですが、
のようにそれっぽいのが出来ることもありますし、撮り方によって
のようなのも撮れます。
こうした素材は
などのように眼の前のものを撮影したものとは異なるので、カメラを使って作っていく必要がありますが、基本的に先程のものは 【 JPEG取って出しでワンショットで撮影している 】 ので、シャッタークォ切手記録が行われるまでの間の出来事を撮影しただけのものなので、
■ 長時間露光
■ マニュアル露出
が行えるカメラであれば、焦点距離の差は生じるかも知れませんが 【 ごく当たり前に撮影できる物 】 ですから、ごく当たり前のカメラの機能が実装されていれば技法を用いて撮影できるものになります。
当然、これは素材なので、これを加工して使用することになりますが、調子絵をしたり加工を刷ると、
のようになるので、通常の撮影だけだと作れないものを制作することも出来ます。そのための素材を作る場合、必要なものを用意する事になりますが、フォーカスが合っているだけの素材だと作れないものも多く存在します。
また、絵を描く場合にも、 【 見えないものは描けない 】 ので、 【 存在しない物 】 を描く場合にはどうしても知っているものから情報を引き出すしかありません。そうなると、今回のようなものは日常生活だと出会うことすらありませんから色彩や幾何の知識の不足分を写真や動画などで補間すると描く時の引き出しを増やすことが出来ます。
ちなみに、今回の写真はPanasonic Lumix DMC-TZ85で撮影しており、加工ありの画像はGIMPで作成しています。
また、今回の写真もテーブルの上で簡潔するようなこじんまりとしたセットの上で撮影したものであり、個人宅でも出来るレベルの物を行っているので、特殊な撮影機材や環境を用意しているわけではないので、 【 個人でも試せるレベルのこと 】 を行っています。
また、技法についても 【 既存の写真の技法 】 飲みを使っていますから、写真を学べば身につくような技術を使っているだけなので特殊なことは行っていません。