先日は、

 

 

にて平面での捉え方について書きました。

 

 絵を描く場合、

 

  ■ 平面から平面への再現

  ■ 立体から平面の再現

 

の2つがあります。前者は 【 二次元の座標制御 】 になりますから、 【 傾き 】 を再現する作業になります。この構造は、 【 数学のグラフと同じ 】 なので、これに適した構造は 【 グリッドが存在するもの 】 になりますが、平面で形状を捉える場合、いきなり全てをと会えるのは難しいので、 【 細部から取得して理解をする 】 と言う方法もあります。絵を描く場合だと実際には逆になりますが、 【 情報を正確に捉える能力を得る場合だと、少ない情報から練習したほうがいい 】 ので、デッサンでは表層の情報が少ない白い物で簡素な基本形状から描くことになりますが、これも 【 簡素な情報のほうが対応しやすい為そうなっている 】 ので、ディテールの多いものを描く際には細部の情報を部分的なデータとして捉えながら仕上げたほうが状態を捉えやすいので、グリッドを使った練習方法が存在しています。この場合、アウトラインを描く場合には、傾きの情報の柄で対応できるのですが、モノトーンの濃淡だと、広い部分から小さな部分に向かって描いていくことになりますが、この際のディテールの比較をする際にグリッドがあると行いやすくなります。これは補助輪なので、 【 慣れてきたらグリッド無しで確認して再現する 】 ようにすると平面から平面の状態の再現が行いやすくなります。

 

 これは、3DCGのレンダリングの

 

【  ビューポート → スクリーン座標 】 

 

への変換と同じ状態ですから、日常では行わない作業になります。そのため、平面の座標制御と同様に

 

【 機能を実装しないと出来るようにならない分野 】

 

になります。この作業ですが、 【 平面の形状で認知する 】 という事が存在しないので、最初にこれを行うことになります。この能力を得るための練習として透明なアクリル板に消せるマーカーなどを使ってアウトラインをトレースして 【 平面的な形状 】 として認知する通常とは別の認知をするフィルターを実装することになります。

 

 これも 【 デスケルを使う前の補助輪 】 を付けて 【 二次元の形状の重なりとして認知できるフィルター 】 を実装すれば、3DCGツールのように

 

  ■ 立体的に見えるビューポート

  ■ 平面のスクリーン座標

 

の2つの視点で対象を見ることが出来るようになります。

 

 この作業で、形を取る際に 

 

  ■ デッサンのように構造で捉える

  ■ クロッキーのように線の流れで捉える

 

という2つの選択が出来ますが、両方練習してから補助輪を取るとその2角描き方に対応できるようになります。

 

 この作業で行った 【 平面的な構造物の集合としての認知 】 をスクリーンとなる透明な板がない状態でも行えるように慣れば、見た状態を平面の形状の集合のように認知できるようになります。これが 【 形を配置するとき似合ったほうがいい能力 】 になります。

 

 これは、あくまでも 【 変更可能なフィルターの類 】 ですから、デッサンの場合だと、

 

  ■ 立体的な形状

  ■ 色面の状態

 

で考えることになるので、立体と平面の双方で認識することになりますが、このとKに日常使うことがなさそうな 【 平面部分の認知 】 を行うためのトレーニングとして透明な板に消せるマーカー(水性マーカー)でトレースする作業を導入すると立体を平面に落とし込む時のハードルを少し下げることが出来ます。

 

 立体の空間を平面として捉える方法は前述のとおりですが、これを透明な板なしでできるようになったら、 【 構図 】 を考えて用紙の中に収める方法を身に着けることになります。この時に使うのがデッサンスケールになります。これは、デスケルとも言われていますが、枠の中に十字に印が入っており、このラインを基準線としてどのように収めるのかを考える道具になっています。

 

  デスケルは中央で交わる日本のラインが用意されていてこれが垂直と水平のラインになるので、これを基準に構図をすることになりますが、これが、

 

  ■ x軸

  ■ y軸

 

になりますから、デスケルでみているものを座標平面上の情報として使用することが出来るようになっています。デスケルを通して見た場合、枠の中のディテールは 【 傾きの集合 】 になっているので、傾きを構成している座標の要素をあ付けることでシルエットを構成するラインを取得することが出来ます。

 

 絵を描く場合、立体で捉える方法と平面で捉える方法がありますが、平面で捉える場合だと

 

 

  ■ 座標

  ■ 傾き

 

で捉えることになります。例えば、

 

 

のようなのを描く場合、基準となる水平なラインに対して傾きが集まった状態になっているので

 

 

のようなマンハッタン距離で座標を取得して繋ぐと状態を作ることが出来ます。

 

 この時に

 

 

のように基準となるラインに対して距離を追加していくと輪郭の位置を指定できるので、

 

 

のようにアウトラインを取得することが出来ます。このような座標の取得は採寸で行うことになりますから

 

 

のような感じで鉛筆やはかり棒などで採寸をすることになります。この際に垂直を出す必要がありますから、おもりつつ遺体とを用意して垂直を出しておいて、そこから見た時にどれ位の距離になるのかをかかることになります。座標は二軸で指定するので

 

 

の情報を取得することになりますが、

 

 

のように長さを図ってこの長さを画用紙に持っていきます。この時に用紙に持っていくと小さすぎる場合があるので、描くサイズに合わせて比率を調整することになります。

 

 

この時に図ったサイズを得に反映させるときにどれ位の比率になるのかを確認しておいてその比率に合わせて寸法を調整して用紙の中に追加していくことになります。

 

 

 

この方法で

 

 

のように似軸で採寸をして

 

 

のようにセンターラインからの距離を追加して

 

 

のようにアウトラインをついKしていくことになりますが、これでシルエットを描いてから細部の協会に対して追加していき、その後色面の境界の追加を行うことになります。

 

 

 今回もコピー紙に描いており、Panasonic Lumuix DMC-TZ85で撮影しています。

 

 

 

 TODAY'S
 
塗りのテスト

 

 

 

 

 

 

  クレヨンと塗り

 

 絵画の鑑賞

 絵画は描かれたものですから、素晴らしい作品が多いのですが、やはり 【 個人の趣向 】 があります。その為、 【 いいなぁ 】 と感じる作品は個人で異なるので、好きな絵とそうでない絵が存在すると思います。

 絵には色々なジャンルがありますが、何から見えればいいのだろうか?と思うかもしれませんが、日本の場合、義務教育で図画工作や美術があるので、 【 見るのではなく実際に技法を使って作る 】 ので、色々な技法に触れる機械があります。

 こうした技法に触れると 【 その技法を使ったものにはどんあものがあるのだろうか? 】 と考えるのではないかな?と思いますが、この探し方でも 【 自分が好きな描き方をしている絵が見つかる 】 と思います。

 絵を描く場合、写真と同じで動くものは難しいので、動かないものを描くほうが描きやすいのですが、こうした動かないものを描いた絵が 【 静物画 】 になります。写真だとマクロ撮影の分野になるのですが、こうした絵は、モチーフを用意してソレを配置してフレーム内にドウ収めるかを考えて視点と状態を作って描くようになっています。

 写真のマクロ撮影も同じで、

  ■ 対象を用意する
  ■ セットの中に並べる
  ■ ライティングをする
  ■ カメラで見てみる
  ■ 状態を調整する
  ■ 焦点距離と露出などを調整する
  ■ 視点と状態が決まる
  ■ 撮影する

と言う流れになっていますが、静物画の場合も

  ■ 対象を用意する
  ■ セットの中に並べる
  ■ ライティングをする
  ■ 状態を調整する
  ■ 視点と状態が決まる
  ■ 描く

と言う流れになります。美術関連の学校で指定されたものを考えてレイアウトして構図を決めて描きましょうという課題があるようですが、 【 写真のマクロ撮影と全く同じ作業が発生する 】 ので、 【 現実世界で発生している状態を作る 】 と言う作業が発生します。写真の場合、照明器具の自由度が光の自由度に直結しているので、どんな光を作るのかも含めて考えることになります。

 絵を描く場合、見て描く場合だと状態が存在するので、

  ■ 止まっているもの

はそのまま描けますが、

  ■ 動いているもの

については、丁度いい状態を記憶しておいて位置や状態を描いておいてそこに彩色をすることになります。

 ちなみに、画家が屋外で絵を描くようになったのは、 【 チューブ絵の具が出てから 】 なので、ソレ以外はアトリエで描いていたので、イメージを具現化する作業になっていました。というのも、チューブ絵の具のように屋外に持ち出せるものがない時代には、画家が 【 絵の具メーカーみたいに絵の具を作る 】 作業を行って使用する絵の具はストックしていたので、一つの絵の具も結構な重さになっていたので、屋外で本当の光を見て描くのが一般的になるのは印象派以降の時代になります。

 その為、美術で屋外スケッチなどを行うような作業も18世紀辺りでは考えられない話なので、現在のようにチューブ入り絵の具や固形になったパンに入った絵の具を携帯してスケッチブックに彩色するというのは、美術の歴史から見ると近代になって始まったことになります。

 こうした 【 本当の光を見て描いてみる 】 と 【 物体自体の色 】 は存在するものの時の流れとともに同じ場所の風景の色彩は驚くほどに変化し、全く違う表情で微笑みかけてくるので、イメージ以上に自然は美しい事に気づくわけですが、このアトリエでは知り得なかった 【 自然が与えてくれる色彩 】 に触れることで、色彩の表現でそれを再現した物が登場します。その為、印象派の時代の絵には同じ場所の風景を同じような構図で描いたものがありますが、これは、 【 幾何 】 ではなく 【 日常では見逃している自然の色彩 】 を再現したものになります。なので、色彩は時間の変化による色温度だけでなく質感もへんかさせているわけですが、写真では当たり前に存在する 【 時間単位の色温度の変化 】 や、 【 光源による変化 】 がそのまま再現されています。絵の場合描くのに時間がかかるので、その場所の光の状態を再現しようと思うと油絵のように描くことは出来ません。というのも、油絵の写実的な表現をする場合には、グリザイユ画法とグレーズを組み合わせることになりますから、 【 1層に1日かける必要がある 】 わけです。となると、屋外スケッチの場合、印象色を記憶してそれを再現するような描き方になりそうですが、絵の具の場合、混ぜるほど色が沈んでいくので、

  ■ 調合していない色を使う
  ■ 調合せずに描く

という2つの選択肢が発生します。この2つを選ぶと顔料で存在しない中間色が出ないのですが、印象派の時代には 【 色のパターンの配置の比率によって色を作る 】 と言う技法で中間色を再現し沈まないような描き方が行われています。当時の技法は

  ■ 新古典主義
  ■ ロマン派
  ■ 写実主義

のように正確に再現するというものになっていたわけですが、これとは異なる技法で 【 遠くから見て色の鑑賞が生じた時に描き手が作ろうとしていた色彩が浮かび上がって来る技法 】 で描かれているのが、点描で色彩を作った技法などになります。

 絵の技法は色々ありますが、こうした技法も 【 発明品 】 なので、絵を学ぶ際にはごく当たり前な画法や技術体系を学んでいるはずなので、従来の描き方の絵も存在しています。その為、代表作のみがピックアップされている画家も静物画を描いていたりします。

 こうした静物画については、デッサンやスケッチを行う際には最初に選択するモチーフになりますが、この分野も色々な画材で再現された絵が存在しているので様々なアプローチの作品があります。

 当然、写実表現も存在するわけですが、こうしたカテゴリーで見ても光と影が美しい作品も多いので綺麗なものも多いです。光と影の表現だと

  ■ 静物画
  ■ 肖像画

が光の使い方が綺麗なものが多く立体的に描かれているものもありますが、画材の特性的に難しそうな空気の表現についても 【 油彩のアプローチ 】 で行われているものもあります。 

 実際に政策をする分野のものだと 【 美しく描かれているその分野のもの 】 に触れると 【 何も知らない状態で思っているその画法の上限よりも相当高いレベルの物を知ることが出来る 】 ので、思い込みで作られた相当低いレベルのものを破壊した状態からスタートすることが出来ます。

 美しいものを見ると言う体験も鑑賞の中には含まれていますが、体験したことのある画法のものや対象物を描いたもので探してみても 【 知識の中のものよりもはるか上のものが多く存在している 】 はずなので、知らなかった美しい絵に出会うことが出来ます。

 現在はいい時代になっているので、色々な絵に出会えるわけですが、画材屋が方を使いこなしている方の描き方などもネットで見えうことが出来るので、綺麗だなと感じるものに出会うことができるようになっています。

 20世紀と比較すると 【 絵の情報も多い 】 ので描く上での画法や技術関連についても理解を深めやすくなっていますが、ネットを見てつくつく感じるのは 【 物凄く綺麗な絵を描く人が増えている 】 ことです。
 
 特にアナログの分野だと 【 描かない人がイメージするよりも遥かに美しく描く方法が存在している 】 ので、 【 画材の認識が変わる 】 レベルの物を目にすることがあります。

 現在のように色々な画家の絵がどんな感じのものなのか?を知ることが出来るようになると 【 絵の立体感を除去した状態だであればどんなものなのかを見ることが出来る 】 ようになっていますが、印象派以前の絵は巨大なものが多いので 【 美術館で本物を見るとサイズに驚く 】 と思います。クロード・モネの睡蓮もそうですが、非日常的なサイズのものも多く存在しています。

 義務教育でも四つ切りというA2をひと回り小さくしたようなサイズの物に描くことがあるので、このサイズはB5ノートを基準に自文字を描く慣習からすると相当巨大に見えるはずなんですが、絵画の場合だとこれよりも遥かに大きなサイズで描かれているものが多く存在します。

 

 

  デジタルとアナログ

 

 基本的にデジタルとアナログでは完成品が異なるので状態そのものが異なるわけですが、デジタルの場合、ベクターグラフィックで作っても画像ファイルにする際にはラスターグラフィックにするので、二次元配列のデータの集まりを作って各座標に 【 RGB 】 の光の三原色のデータを追加することになります。

 

 その為、デジタルの場合 【 平面のデータのみが生成される 】 と言う仕様になっています。

 アナログの場合だと、用紙などの上に絵の具などを重ねていくので 【 塗膜 】 と言う層が出来上がります。その為、海藻が発生するのですが、アクリルや油彩のように 【 厚みを付けて質感を追加する 】 事も出来るので、均一の色だけでなく 【 筆の流れの質感を使う 】 こともできるようになっています。この辺りが、デジタルと異なるのですが、こうした描いた時の質感が 【 物体の奥行きの変化でも残っている 】 のがアナログで描いた時の状態になります。

 その為、デジタルとアナログでは完成品が全く異なるわけです。この辺りは、完全に画材特性の違いですから、片方だけで対処できると言うものではありません。

 ただし、デジタルで描くくせが付くと 【 座標制御の能力が上がらない描き方をしてしまう恐れがある 】 のと 【 構造を変形させて治すクセが付く恐れがある 】 ので、そういった 【 ツール依存の描き方に慣れると形を取る能力が著しく下がる恐れがある 】 ので、絵を描く上ではあまりいい状態とは言えません。

 その為、この能力が下がると 【 クロッキーで形が取れなくなる 】 と言う弊害が出るのですが、修正する描き方が慣習化してしまうと 【 形が取れない症状が慢性化する 】 のでアナログになる線が暴れたり、位置関係や大きさの整合性が取れなくなる恐れがあります。

 デジタルで描く場合でも

  ■ 修正をセずに形を取るようにする
  ■ 消しゴムを使わずに1枚のレイヤーだけで描く

ようにするとクロッキーと同じになるので、この状態でツールの補正機能や調整機能に依存せずに描くようにするとアナログで描く時と同じ座標制御が出来るようになります。

 アナログでも

  ■ 木材
  ■ コットン紙
  ■ ケント紙
  ■ 麻
  ■ アクリル板

に描く場合だと、同じ筆と画材を使っても描く間隔が異なるので、使用する画材と支持体で描く感覚に合わせて描いていくことになります。

 

 

  絵と画材

 
 絵を描く場合、画材を揃えることになりますが、最小構成は
  ■ 画材
  ■ 支持体

になります。長期保存をする場合には、保存をするコート剤を用意することになります。

 木炭だと炭用の用紙があるのでソレに描くことになりますが、絵の場合、

  ■ キャンバス
  ■ 木炭

で比率が異なるので使用する画材で用紙の寸法も変わってきます。

 キャンバスのサイズは 【 F/M/P 】 の三種類があり、この種類で画用紙の比率が違います。数値は同じでも比率が異なるので寸法が異なります。ちなみに、キャンバスの広さだとFサイズのものが一番面積が広くなっています。

 一般的な用紙だと

  ■ A判
  ■ B判

がありますが、0と言う全判用紙を何回切ったのかを示したものが数字で示されています。これを比較するとB0
判のほうがサイズが大きいのでB判を選ぶと大きな用紙を導入できることになります。

 コピー用紙だと

  ■ A4判
  ■ B4判

がありますが、B4判のほうがサイズが大きくなっています。漫画の原稿用紙もこの2つがありますが、同人誌などで使用されているものでA4がありますが、プロ用の製品ではサイズの大きなB4もあります。

 ちなみに、漫画の原稿用紙はコピー紙よりも表層が滑らかなので滑りがいいのですが、上質紙やレイドペーパーよりもケント紙のほうがツルツルとした感じで、滲みも少ないです。

 漫画の原稿用紙は200枚入りで3000円弱の製品もありますが、ケント紙は同じサイズで50枚で1000円以上しますから結構値段に差があります。

 基本的にケント紙は何でも描けるので画材を問わないのですが、マスキングテープで止めるなどして紙を張っておく必要があります。

 また、表層が強いのでマスキングテープと一緒に表層が剥げる事もありません。

 その為、こうした用紙で描く場合だとマスキングテープで止める環境を用意できたほうがいいです。

 絵を描く場合だと、 【 用紙を平坦な場所に配置できる状態 】 を作る必要があるので、カルトン(画板)やパネルを用意して描くことになりますが、美術教室のように 
 
  ■ パネル
  ■ 目玉クリップ
  ■ 用紙

を用意して描くというのは少し難しので、カルトンを用意するほうが環境を作りやすいかもしれません。

 基本的にカルトンやパネルと同じように 【 広い平面 】 が必要になりますから机の上で描く場合だと、机のサイズに収まる用紙のサイズで描くことになります。

 このように 【 用紙単体 】 だと安定しないので、下敷きになるような硬いものが必要になるわけですが、スケッチブックだと表紙と裏表紙がカルトンの代わりになるものもあるので、しっかりとした物だとカルトンのように使用して絵を描くことが出来ます。これが画用紙とスケッチブック後外になりますが、絵を描く支持体も作業が可能なスペースによってサイズが変わってきます。

 ちなみに、キャンバスについては、F100以上のものがあるので、3メートル位のものもありますが、用紙についてはB0判が最大なので 【 1456 × 1030 】 が最大になります。印刷の場合、この横幅の広い状態のものをロールにして長さを決めて使用することになりますが、水彩用紙にもロール紙があり、1440mmの幅のロール紙もあります。アルシュも確かこのサイズのものがあったと思いますが、ウォーターフォードなどもこのサイズがあります。中判がB2と似たようなサイズになっていますから、普通に購入できる用紙でもこうした巨大なものを選ぶことが出来ます。流石に、キャンバスは枠に対して表層の布を打ち付けたものになりますから、F300とかは特注になりそうな気がしますが、P50とかのサイズだとオンラインで注文できるようになっており、アマゾンを見てもはアマゾンの取り扱いで販売されています。

 流石に、本のタイプだとサイズがそれほど大きくありませんが、スケッチブックだとB3やF10と言うサイズがあります。用紙の場合、スケッチブックや本の形で閉じられているものもありますが、水彩紙のように水針が必要なものだと、その手間を省いてくれる 【 ブロックタイプ 】 のものもあります。これは四面がノリで止めてあるので、水彩絵の具を使った時に発生する 【 皺(しわ) 】 を抑えてくれる仕様になっています。出来上がった絵が乾燥した後にペーパナイフなどでノリの部分を剥がすと絵が完成するのですが、画用紙がそういった形で止めてある仕様の物になっています。
 
 

  用紙

  用紙には色々ありますが、水彩画の場合だとコットンとパルプでは結果が全く違う場合があります。その為、ある程度滲んでパルプののよう乾きやすい特性の物を選ぶ場合だと混合紙を選ぶことになります。安価なものだとクレスターなどもありますが、ワトソン紙などがコットンとパルプを使ったものになっています。
 
  これで練習して滲みを使わない表現だとパルプを使い、水彩の滲みやボカシを使う表現だとコットンを使うことになります。この時に製品によって蛍光が異なるので、目的にあったものを探すことになります。

 滲みを求めると無理があるので、描き方がまったく違うのですが、コピー紙でも水分を抑えると水彩絵の具を使用できますが、やはり、皺が出てしまうので水貼りの手間が生じてしまいます。アクリルだとジェッソを塗ってから描くと言う方法もありますが、水を使う場合だと描く前の作業が必要になります。

 

  ジェッソ

 

 水彩絵の具の下地でもジェッソを使うことが出来ますが、ジェッソは、

  ■ アクリル樹脂エマルション
  ■ チタニウムホワイト
  ■ 炭酸カルシウム(石灰)

で構成されていますが、元は、テンペラ画で使用されていた 【 石膏 】 のことになりますが、流石に石膏を使うのは無理があるので、もう少し扱いやすい仕様のものになっています。これを薄めて紙を張った状態で塗っておくと紙の状態がしっかりするのですが、木材に描く際に木目を使わずにフラットにする場合に塗った後に紙やすりで表層を整えて使う方法もあります。その為、模型を作るのと似たような作業と同じ流れになりますから、そういった作業をする場合には作業場所を用意しておく必要があります。

 エマルションはアクリルを水に分散させた状態を保って使いやすくしたものになりますが、これとチタニウムホワイトですから、この2つだけだと 【 白いアクリル絵の具 】 になります。アクリルの画材はエマルションが使用されているので

【 アクリル絵の具 】

  アクリルエマルション + 顔料

【 グロスメディウム 】

  アクリルエマルション + 増粘剤

【 マットメディウム 】

  アクリルエマルション + シリカ系の粉末


のように混ぜるものを変更すると使途の違うものが出来上がります。つまり、アクリル絵の具とメディウムは元の材料にアクリルエマルションを混ぜたものになります。

 炭酸カルシウムは、石灰(せっかい)ですから、貝殻や卵や白亜の主成分になります。

 下地については、

【 石灰+膠水(にかわすい) 】 

でも作る事が出来ますが、日本画だと 【 胡粉 】を膠水で溶いて下地に使用します。これが石灰になりますが、メディウムの中にもこの胡粉のメディウムもあります。

 油絵では、

【 ムードン + 顔料 + 膠水 】

を混ぜて使用することになりますが、この時に使用するムードンが 【 白亜 】 の商品名になります。これは使ったことがないのですが、手間がかかり難易度も高いです。

 ちなみに、水彩絵の具は、アラビアゴムと言う水溶性の物を顔料と混ぜ合わせたものになりますが、これも単体で販売されているのでマスキングに使ったり、顔料と混ぜて絵の具を作ることも出来るようになっています。
  
 ジェッソを使うと絵の具の定着が良くなるのですが、木材を使う際に発生するヤニを止めることは出来ないので、

  (1) シーラーを塗って乾燥させる
  (2) ジェッソを塗って乾燥させる

というように層を重ていくことになります。これで下地が出来るので、その上に絵を描いていくことになります。

 ジェッソはそのままでも濡れますが通常は

  ■ ジェッソ : 10
  ■  水   : 2

の割合で薄めて泡立てないように混ぜます。刷毛のほうが塗りやすいのですが、毛の痛みが気になる場合だと少し難しくなりますが、ペイティングナイフでも塗ることが出来ます。

 これを 【 縦と横に数回交差に塗っていく 】 ことで下地を作ることが出来ます。この際に、最初の層が乾いてから次の層を塗るようにして状態を作ることになります。

 

  絵と階層

 
 前述のように木材パネルに描く場合には、シーラーとジェッソのような層を作ることになりますが、この状態だと

  ■ 絵の具
  ■ ジェッソ
  ■ シーラー
  ■ 木のパネル(支持体)


のような階層になります。絵の場合最後にワニスなどで保護することになりますが、この表層を保護する際にどのような質感にするのかを決めることが出来ます。この表層の保護材にも質感の偏光が出来るので

  ■ マット : つや消し
  ■ グロス : ツアあり
  ■ サテン : 半ツヤ

の選択が出来ます。アクリル絵の具の場合だと、メディウムで

  ■ マット : 不透明
  ■ グロス : 透明

にできますから、絵の具や下地の状態でアクリルの透明感を出すのか、透過の状態を抑えるのかを指定できるのですが、その塗った上から更にトップコートとして塗るワニスで質感をコントロールできるようになっています。この辺りは模型と同じ考え方になるので、

  ■ 模型の塗膜の質感
  ■ トップコートの質感

の組み合わせで最終的な模型の表層の質感が出来上がりますが、アクリル画を描く場合だと

  ■ 不透明なパーツ
  ■ クリアパーツ

をメディウムで作れるのでその上から塗ることが出来ます。これが模型の塗装と同じ状態になるので、この上からトップコートで最終的な質感の方向性を決めることになります。その為、木材の場合だと、


  ■ ワニス
  ■ 絵の具
  ■ ジェッソ
  ■ シーラー
  ■ 木のパネル(支持体)


のような層になりますが、絵によってはトップコートをどのように行うのかでも層の構造が変わってきます。ちなみに、テクスチャアートだと


  ■ ワニス
  ■ 絵の具
  ■ メディウム
  ■ ジェッソ
  ■ シーラー
  ■ 木のパネル(支持体)

のような構造になるので層が更に増えます。

 描くだけだと画材と支持体だけで描くことが出来るので練習だとこの2つを揃えておけばいいのですが、長期保存を考えると、保存できる状態を作るものを用意して保存方法を守って管理することになります。


 

 今回もコピー紙に描いており、Panasonic Lumuix DMC-TZ85で撮影しています。