先日は、

 

■ 実写と3DCG 【 Graphics 】

 

にて3DCGの光について書きました。ライティングの基本部分は3DCGも実写も同じですが、実写の場合だと機材を実際に配置しなくてはなりませんし、その分、コストもかかります。

 

 今回は、動画と写真でのライトの違いなどについて書こうかなと思います。

 

 写の光源              

 

 光源の考え方は実写も3DCGも同じですが、実写の場合、カメラベースの光の計算ではなく、光源ベースの物理現象なので、少し様子が違います。と言っても、3DCGでも光源ベースのライトを合わせた双方向のパストレーシングも存在するので、光の状態を反映できる(のと、IBLもあるので、環境の光を作ることはできます。)ようにはなっていますが、パストレーサーやレイトレーサーを使ったカメラ側だけの計算をした場合には、少し勝手が違います。

 

 ただし、照明の基礎部分は全く同じなので、実写でライトを配置して撮る時のセオリーがそのまま使えます。

 

 3DCGでは、ストロボと言う概念がないので、基本的に動画で使うライトと同じ 【 常に点灯している光源 】 を使うことになります。これは、実査で動画を撮る場合に使用する物になりますが、写真だとこのライトだと使いにくい場合もあるので、一瞬だけ光るストロボを使うことになります。

 

 

 真と動画              

 

 写真と動画の決定的な違いは、 【 時間軸の有無 】 になるので、根本的な表現手法が異なります。その為、写真の場合、 【 被写体を止める 】 という考えが存在します。また、

 

【 時間軸のない世界で推移を表現する 】   

 

場合には、何かしらの手法を考える必要が出てきます。この時に使用するのが 【 ストロボ 】 になります。

 

 証明とは 【 光と影の状態を作る機材 】 ですからストロボも同じ意味合いを持ちますが、ストロボは一瞬だけ強い光を出すので、写真の場合だと、その瞬間だけ被写体が止まります。

 

 その為、暗い場所でライトを照らしたのとは異なり、一瞬だけ明るくなり強い光が焼き付けられるので、被写体をとどめる事ができます。その為、写真の場合だと、ライトとストロボではまったく意味合いが異なります。

 

 

 敗写真と状態            

  

 写真での光を知る上では、失敗写真がなぜ生まれるのか?を知る必要がありますが、これには理由があります。写真を撮ると、

 

 

のような合成写真のように葉ならないので、必ず、被写界深度の影響を受けます。これは動画でも同じですが、

 

 

のような感じで、被写体との距離に極端な遠近がある場合、背景は少し緩くなります。小型センサーで撮ると、この被写界深度の浅さがそれほど気にならない状態で撮れるのですが、ポートレートの場合だと、これが大きくなるので、

 

 

のような感じで背景と被写体の分離が発生します。と言っても被写体にここまでフォーカスが合う訳ではありませんから、被写体そのものもフォーカスアウトした部分が増えます。その為、ポートレートでは肌のきめが目立たないように撮影されていますし、そう言う光の使い方も行われています。この被写界深度については、

 

 ■ 被写界深度

 

で触れていますが、

 

 
■ 顔付近でフォーカスを合わせた物     

 

■ 手前にフォーカスを合わせた物        

 

の二者で全く状態が異なると思います。また、後者では、徐々にどーかすた緩くなっていることも確認できると思います。小型センサーでもマクロをするとこんな感じになる(ので、最短撮影距離が1cmのワイドマクロ対応のビデオカメラでもマクロを行うとこんな感じになります。)ので、レンズの明るさとセンサーの大きさで状態が変わってくるのですが、ポートレートだと大型センサーで明るいレンズを使って撮るので、かなり被写界深度が浅い状態で撮影された物になります。これが光学系の挙動になります。

 

 まず、 

 

【 CGのような完全なパンフォーカスは現実世界では存在しない 】

 

訳ですが、中学校辺りの美術で出てくる 【 空気遠近法 】 も含めて、 

 

   光学系の振る舞い

   気体による減衰

 

が存在しますから、近距離~遠距離で同じようにフォーカスが合うという事自体がありえないわけです。

 

 その為、3DCGの場合、ボリュームやDoFを使った質感表現をするわけですが、現在はそれをラスタライズで行えるようになっています。また、リアルタイムレイトレーシングの登場で、光の表現も豊かになったので、設定によってそうした質感を出せるようになっています。

 

 まず、 【 被写界深度がある 】 という事を前提に光学系の事を知る必要がありますが、失敗写真は適正ではない物を指します。

 

 

■ ピンボケ                

 

  これは 【 フォーカスがあっていな状態 】 になります。つまり、ディテールが存在しない物がこれになりますが、主題がある条件で、フツーに撮ると、

 

 

のようになるものが、

 

 

のようにどこにもフォーカスがあっていないのがピンボケです。ポートレートの被写界深度が浅い状態とは全く違います。二者を比較すると、

 

■ 被写界深度が浅い写真            

 

■ ピンボケ写真                

 

ので全く違います。写真や動画を扱う場合において、この二つの違いが解らない人は居ませんから、基本的に全く違う物になります。

 

 レンズ付きフィルムの場合最短撮影距離よりも近づくとピンボケになるので、カメラを持って近づけばピントが合うような物ではない(これは、小学校の理科の虫眼鏡の特性を学習する時に学びますし、中学校だと、凹レンズと凸レンズと焦点の学習で学ぶ内容になります。)ので、あの製品は商品名の通りカメラではありません。

 

 また、この二社の区別がつかないという事は、 【 ピントを合わせる事が出来ない 】 という事になる(認知がそうだと、フォーカスが合う条件自体が解らないので、機材をよくしてもまともな状態になりませんん。)ので問題があります。

 

 被写界深度については現在はスマホで疑似的にそれが後処理で実装できる(あれは、レタッチの類ですが...。)ので、疑似的な物だと体験されている人も多いので、ここから崩壊する事は現在では少なくなっています。

 

 ちなみに、この処理を後処理で実装しようと思うと、かなり精度の高い空間測量を行って、Zバッファを作成します。この状態で、奥行きの精度を細かく出して、その奥行きのデータをグレースケールに置き換えます。つまり、0から最大値までの整数処理で管理する事になりますが、この時の、Zバッファに対してボカシを入れて行くと、距離によるボケのコントロールが可能になります。

 

 LiDARは低画素なので、画素の少なさによる影響があるので精度が出にくいのと、高解像度のLiDARは存在しないので、高画素のステレオグラムを作って、そこから視差を抽出します。そうすると、Zバッファが得られるので、この時のグレースケールの階調を深くするほど深度のコントロールを細かく行えるようになります。この時の、階調の基準点をどのレイヤー(配列内の数値)にするのか?を決めて、そこから、範囲を確定させるとデプスを調整できます。

 

 この時にZバッファを使ったディスプレイスメントマップを当てた形状でダミーを作って奥行きによる変化を与える事もできそうですが、基本的に、赤外線測量か視差のある画像からZバッファを得ると写真に対して後から奥行き情報を与える事ができます。その為、後処理で被写界深度を調整することもできるようになります。と言っても現実世界の物理現象は 【 極限 】 で推移している物になりますから、階調の低い状態での処理を行うと粗が出てしまいます。この辺りが、ネイティブなデータと疑似的な処理の違いになります。

 

 動画の場合だとフォーカスの送りができますから、

 

 

 のようなことができますが、これもフォーカスアウトとフォーカスがあった状態の理解が出来ていないと成立しない物になります。

 

 

■ 手ブレ                

 

 失敗写真には手ブレと言う物があります。これは、撮影時にカメラが動いてしまうkとで発生する失敗になります。

 

 

を撮る時に、

 

 

のように特定の方向に映像が間延びしているような状態になるのが手ブレです。

 

 これは、

 

【 スローシャッターで撮影した時にカメラが動いた状態 】

 

になりますから、風景撮影でも風の影響などでカメラが動くとこんな感じになります。

  

 この解消をする場合、通常はシャッタースピードを抑える事になりますが、シャッタースピードを上げる事が出来ない場合には、

 

   ジンバル

   三脚

 

などを使うことになります。また、カメラやレンズで対応する場合には、手振れ補正機構を実装した物を使うことになりますが、

 

   レンズシフト   (連巣が動く方式)

   センサーシフト (イメージセンサーが動く方式)

 

などの仕様の物を用いる事になります。

 

 

■ 被写体ブレ               

 

 手ブレは、 【 カメラが動く 】 事で発生する失敗ですが、動くものを撮る時には、適正なシャッタースピードで無ければ止める事が出来ません。この時にシャッタースピードが遅すぎるとブレてしまいます。これが 【 被写体ブレ 】 です。

 

 

のような物を撮る場合に、被写体が動いていた場合、シャッタースピードが遅すぎると

 

 

のように風景は止まっているのに被写体だけぶれてしまいます。当然、速度が速くなると、

 

 

のようにさらにブレの量が増えます。

 

 この場合、 【 シャッタースピードを上げる 】 事でこの問題を回避する事ができます。

 

 モータースポーツのように物凄い速度でマシンが走っていく場合、ホームストレートを過ぎるマシンを横から撮影する場合には、メカシャッターでは速度が足りない場合があります。また、電子シャッターだと歪む恐れがある(被写体の移動速度が速すぎるとローリングシャッター現象が出ます。)ので、流し撮りで対応する場合もあります。

 

■ 流し撮り               

 

 被写体の総度が速すぎて

 

 

のようになってしまうんだったら、むしろ、カメラをパンさせることで追ってしまおうという考え方が流し撮りです。カメラで被写体を追いかけているので、

 

 

のように背景が流れた写真を撮る事ができます。速度のないものだと、意図的にシャッタースピードを下げてカメラを振って追いかけると流し撮りができますが、露出がオーバーにならないように注意する必要があります。

 

                      

 

 これは、失敗の代表例になりますが、

 

   ピントを合わせる

   適正露出で撮る

 

と言う基本が出来ていると、発生しなくなるものになります。

 

 

 イトとストロボ            

 

 証明を使っても前述の失敗は発生するのですが、手振れや被写体ブレは 【 光が常に当たっている状態 】 だと発生します。

 

 その為、 【 ストロボ 】 のように一瞬だけ光る物を用いると動きを止める事ができます。これは、動体で効果を発揮するのですが、ライティングを行った場合に、ストロボではなくライトを使うと露光時間が長い場合には、

 

 

のようになるので、一瞬の動きが欲しい時にはストロボを使います。

 

 この場合、スローシャッターで動いてほしくない物を止めるような場合に効果を発揮しますから、夜景ポートレートなどでは、ストロボはかなり使い勝手のいい光になります。夜景の場合、増感をしても露光時間は長くなりますから、被写体が動いてしまう場合があります。そうなると、被写体ブレが発生するので、後膜でシャッターを切って被写体を止めると夜景と被写体に双方が止まった写真を撮る事ができます。  

 灯ライティングの違い           

 

 ライトの場合だと、そのまま照らしておけばいいので、状態を決めたらそのまま放置しておけばいいのと、光源の位置を変える場合には、各ライトへの電源共有だけ考えれば問題はありません。

 

 ただしストロボの場合、ホットとコールドの端子で電気を送って発光させているので、カメラのホットシューで信号を送らないと発光しません。

 

 電源供給が不要な物はコールドシューなので形が同じだけの全く別の物になりますが、ホットシューの場合、接点があるので、接点に対応した物を使用する事になります。

 

 この条件で考えると、 【 カメラに実装しないと機能しない 】 と言う問題が出てきますが、この接点を延長して使う事ができます。これがシンクロコードになります。これを用いるとケーブルの長さ分だけ距離を稼げるので、一点光源だとこうした方法を用いる事でカメラとは違う場所から光を与える事ができます。

 

 これとは別に 【 無線の電波で通信して発行する 】 と言う方法がありますが、これを 【 無線式スレイブ 】 と言います。これについては、コマンダーとレシーバーがあり、ラジオスレイブ対応ストロボだとコマンダーの追加だけで対応できます。これをグループで管理する事になりますが、ライトと異なり、ストロボの場合はラジオスレイブなどで対応する必要があるのでライトとは異なります。

 

 

 画と写真の違い            

 

 動画と写真の違いは 【 時間軸の有無 】 ですが、動画の場合、時間軸を使って 【 推移 】 を表現しています。

 

 【 推移 】 とは、 【 画像の変化 】 になりますから、写真には存在しない、 【 画像の変化 】 を用いて、 【 時間の流れの中に存在する推移や変化を切り取る 】 事になります。

 

 写真が、【 時間軸のない世界に推移を詰め込む作業 】 になりますが、動画は、 【 時間軸の中にどう言った形で推移を詰め込むのか? 】 を考える作業になります。

 

 

■ 写真の中の推移            

 

  写真を撮る場合、基本部分として 【 詰め込む作業である 】 という事を前提にして考えた方がいいのですが、写真でも 【 推移 】 を刻むことが出来るので、 【 一瞬を切り取る 】 と言うのは、その推移の中の一つの方法でしかありません。ただし、スナップやスポート撮影のように 【 一期一会な物 】 だと、一瞬を刻む事になりますが、ここにだけフォーカスしてしまうと、 【 写真 】 の面白さや自由度が極端に狭くなります。  

 

 写真で時の流れを刻もうと思うと、技法を用いなくてはなりません。この場合、

 

   長時間露光

   多重露光

 

のような物も含まれます。この二つの技法を使って、必要な被写体を収めて時間の推移を刻む手法が存在しますが、その技法が確立されている被写体が 【 花火 】 になります。

 

 基本的に花火は多重露光と長時間露光の組み合わせで撮る物になりますが、この手法はフィルムの時代から存在しており、コンピューターを使わずにカメラだけでもごく当たり前に撮影できる物になります。

 

 長時間露光とは、露光時間を長くしたものになりますが、シャッターが切れるまでの時間は露光をコントロールできます。この時に、フィルムの印画紙への焼き付けを行うように、 

 

【 露光とそれを行わない状態を作る 】

 

ことで、強い光の部分だけを刻むわけです。そうすると、花火はかなり強い発光体ですから、風景よりもしっかりと刻み込まれるので、複数の花部を収めると、周辺の発光体と露光時間で入る範囲の風景も切り取る事が出来る訳です。

 

 長時間露光だと、複数の花部を入れると露出オーバーになるので絶対に撮れませんが、こうした 

 

【 適正な結果に行きつくための理論に基づいた技術体系 】

 

が昔から存在しています。

 

 花火は発光体ですから、ストロボは必要ない被写体になりますが、これと全く同じものが、モニターや水族館の水槽になります。この場合、シャッターを切る場合には、増感で被写体を止める事になる(ガラスに対してストロボを焚くという選択肢が存在しないので、訳も解らずストロボを焚くだけだと失敗写真を量産する事になります。)ので、発光体を撮るのに光を用意する必要はないというごく当たり前のことを踏まえて撮影する事になります。この条件は照度が全く違いますが、天体も同じです。

 

 写真の中には花火などのように 【 軌跡を撮る 】 被写体がありますが、これが、 【 時間のない世界に時の流れを詰め込む手段 】 になります。その為、 

 

【 写真も時の流れを刻む術を持っている 】

 

ので、 【 推移 】 を使った表現方法が存在します。これがライトペイントだったり、多重露光と合わせた表現になります。 

 

 このように、写真の場合、 【 長時間露光 】 を用いる事で、推移を刻むことが出来るので、 【 創る 】 と言う条件になると、一瞬と言うのは、映像の1フレームのような物であり、一つの写真の中に存在する一つの要素として考える事が出来るわけです。また、映像が複数のシーンで構成されているように、写真でのカットは、露光時にレンズからの光を遮る事でカットを入れる事ができます。

 

 花火の写真はそこに存在する非要な被写体が打ちあがったシーンを一つの画像の中に入れる作業になりますが、この時に、複数の花火を入れる為にレンズの前を遮蔽して光を遮断します。流れる時間は同じですが、カメラの中と周辺の世界では異なる時の流れが存在し、再びレンズが光を得た時、カメラの中に時は流れ込み、時間が刻まれる訳です。つまり、多重露光とは 

 

【 複数のカットを一つの画像の中に織り込んだ創作物 】

 

という事になります。一期一会の美しい景色があった場合、その時の風景に出会う運を持っていたとしても、カメラがなければ撮れないわけですが、その時に、それを刻む術路知らなければ、機材があっても撮れません。その為、技術がなければ撮れないわけですが、創るという条件だと、 【 選択肢は広いほど出来る事が増える 】 ので、この条件で考えると、 

 

【 一瞬とは推移の一つであり、存在するのは推移である 】

 

と考えると作れる物の選択肢は相当広くなります。物を考える場合、

 

【 選択肢と可能性を狭めずに思考する 】

 

必要がある訳ですが、時間軸に関してもそれが当てはまります。

 

 

■ 映像の中の推移            

 

 写真は、 【 無い物を技法と手法によって詰め込む 】 事で時空間上で存在する座標軸の推移を刻むことが出来るようになります。つまり、 【 時のない世界に、時の流れを刻み込む事 】 が出来るようになります。これが、長時間露光と言う手法になりますが、動画の場合は、  【 ”時の流れの中での出来事” を刻み取る 】 機材になります。

 

 動画の場合も 【 その場所の出来事を撮る 】 のようなイメージがあるかもしれませんが、これも少し違います。

 

 日常においては、現実世界の時の流れを撮る事になりますが、これも 【 時間軸の中の出来事 】 という考え方にしたほうが、自由度が高くなります。

 

 例えば、 【 動画は現実をそのまま撮る 】 と言う条件を付けると、撮れる物が格段に減ります。エジソンの時代には特撮が存在していたので、 【 映像は作れる物で、表現の自由度の高い物 】 になっていましたから、 【 その場にある物しかとらないという物ではなくなっている 】 訳です。

 

 ただし、動画の場合、 

 

【 刻まれた時の流れ自体をコントロールできる 】

 

ので、人が体感している時間の流れを刻むだけの機材ではありません。その為、 【 現実とは異なる時間の変化を記録する 】 事ができます。

 

 現在のカメラだと、

 

   通常の撮影

   ハイスピード撮影 (微細な時間を長時間で見る)

   タイムラプス     (長い時の流れを短時間で見る)

 

が行えるようになっており、この仕様がハイパーラプスだとビデオカメラでも実装されているので、現在は、子sにゅーまのビデオカメラとデジカメで同じような機能を実装した製品がリリースされています。ただし、ビデオカメラのようにスマホの映像と連動してPinP出来たり、登録したアクションカメラの映像をPinPに出来るような物はデジカメにはありませんが、そう言った製品も存在しています。現在の撮影だと、この三つの選択が存在しています。

 

■ 映像の構造              

 

 写真で自由度を持たせようと思うと 【 露光時間の延長 】 で自由度を高める事が可能で、カメラだけで撮れる物の可能性を広げる事が出来ましたが、動画では同じことが出来ません。と言うのも、動画には、 【 画像の切り替え 】 が 常に存在し、その変化によって動きが成立しているためです。

 

 映像の場合、この変化の決まりごとがあり、推移を機縁る指標としてて 【 秒間のフレーム数 】 で管理する仕様になっており、この秒間のフレーム数を 【 フレームレート 】 と言います。このフレームレートも

 

■ アニメーション            

    

   8fps

   12fps

   24fps

 

■ シネマ                

     

   24fps

 

 

のような気まりがあります。YouTubeだと、60fpsを使うことになるので、映像の仕様としては、60fpsですが、別のフレームレートの映像のフレームの長さを調整して、

 

   記録方式   : 60fps

   映像の仕様 : 24fps

 

と言う事が可能になります。基本的に、

 

   カメラの記録方式としてのフレームレート

   映像の書き出し時のフレームレート

 

はファイル内の映像コーディックのフレームレートになるので、ここは、

 

 【 どう言った映像にするのかで決めておくもの 】

 

になります。

 

撮影ソースのフレームレート = 書き出し時のフレームレート

 

と言う条件だと、完全に固定されたフレームレートで制作する事になります。その為、シネマで撮ってシネマで出すとか60fpsで撮って、60fpsで出すなどです。少しセオリー外の使い方もあるので、それは後で書きますが、基本として、

 

動画の動きはフレームレートで決まっている

 

という事を前提に考える必要があります。

 

 

■ フレーム数の変化と傾向        

 

 動画を撮影する際に目的としたフレームレートを使う場合、注意すべき点があります。

 

 24Fと60pで比較した場合、スポーツなどのように滑らかに動いてもらいたい場合には60pで撮影し、動きを撮る場合でも映画的に撮る場合には24Fで撮影します。と言っても4K撮影対応のカメラには30pもあるので、30pの撮影も含まれます。

 

 その為、撮る場合には、30pも存在する訳ですが、

 

   記録されている映像のフレームレート

   製作している動画のプロジェクトファイルのフレームレート

 

を組み合わせると映像内の時間をコントロールする事が出来るようになります。

 

 

■ フレームレートと速度の変化      

 

 現在のカメラでは一般的なハイスピード撮影のソースに120fpsと言う物があります。この映像ソースで撮影をした場合、

 

【 カメラの指定したフレームレートで記録してある 】

 

訳です。この時、

 

 

■ 撮影時の記録の仕様           

 

   120fpsなので、 【 秒間120コマ 】 と言う

   仕様で記録する設定になっている 

 

 

になっていますが、

 

【 記録時のフレームレートは任意な数を指定可能 】

 

となっています。つまり、この条件だと、コーディックオプションでいs呈出来るフレームレートによって映像の速度が変わります。

 

 

のようになっています。フラグシップ製品では、4Kのハイスピード撮影が一般販売用のカメラのラインで実装され始めているので、映像表現の自由度も高くなりましたが、前述の120Fは現在では標準実装機能になっています。

 

 このフレームレートと速度の対比と言うのは、記録されているソースのフレームレートが定数で、分母として記録時のコーディックオプションでのフレームレートを指定することで、速度を変えて記録する事ができます。ただし、この時に映像の仕様自体が決まっているので、60pで60p~24Fまで使用できるような物から、30pで頭打ちのコーディックだと、30p~24Fまでのフレームレートを分母にして使用する事ができます。

 

 これが、記録段階での速度差になります。この考え方は、そのまま動画のプロジェクトに当てはまりますから、映像のプロジェクトを24Fで作るのと60pで作るのでは、スロー映像の速度が違ってきます。

 

 

■ フレームレートと明るさ        

 

 現在は240Fノハイスピード撮影が可能な製品もありますが、動画の場合、フレームレートによって指定できるシャッタースピードが決まっています。動画におけるスローシャッターの設定ですが、写真のような自由度はありません。この数値は、

 

【 1 / フレームレート 】

 

なので、映像としてみた時に違和感がない最も少ないフレームレートのシネマ(24F)ですから1/24までしか選択できません。

 

 という事は、写真で使うような長時間露光が全く使えないことを意味しています。その為、動画の場合、

 

動きを滑らかにしていくほど1フレームに対する露光時間が短くなる

 

と言う特性があります。この条件は、ハイスピード撮影にも当てはまりますから、1/960などのハイスピード撮影だと、日中の屋外の日向のように増感などがなくても大丈夫な条件にするか、点滅が出たのを後処理で消す事を前提にライトを使うことになります。

 

 その為、フレームレートの高いハイスピード撮影だと、曇るだけで無理になる場合もありますし、日陰だとアンダー過ぎて使えない場合もありますから、光源で対応するしかありません。ただし、ここで、以前紹介していますが、

 

【 240F以上だと、交流電流の点滅を拾ってしまう 】

 

ので、映像がちらつくようになりますから、編集段階でこの明るさの変化を調整する事になります。

 

■ 1000fpsの動画         

 

■ 240fpsの動画          

 

日本国内の電機の周波数は、

 

   東日本 : 50Hz

   西日本 : 60Hz

 

ですから、60fps以上で撮影をすると、周波数の点滅を拾うようになります。つまり、元のフレームレートでは気にならなかった物もフレームレートが高くなると点滅として映像の中に出てきます。

 

 この現象は、シャッタースピードの設定による光源のちらつきとは別の現象なので、フレームレートを揚げると必ず発生する物になりますから、ハイスピード撮影のソースだと後処理で消すか、自然光を光源として点滅が出ないようにする必要があります。

 

■ フリッカー              

 

 これは、写真でも影響を及ぼすのですが、光源によって点滅時に色が変わっているので連写をすると色温度が狂うという問題があります。

 

   白熱灯

   水銀灯

   非インバーター方式の蛍光灯

 

だと、点滅の差異に色温度まで変わっています。その為、赤と青の色の間を往復するように点滅しています。体育館の水銀灯自体は白色なのに、紫色っぽい印象を受けたことはないでしょうか?なぜ、白い光なのに紫に感じるのか?と言うと、点滅時に高速で赤と青が入れ替わっているので、中間色の紫が目に残る訳です。その為、白熱灯が城を装った紫の光源と言う訳ではなく、フツーに白色の光源なんですが、フリッカーの影響で紫いろに感じるわけです。当然、これは写真や動画に影響を与えますから、安定した色温度の電球を使うことになります。

 

 個人が入手しやすいもので、この条件を満たす光源だと、

 

   LEDライト(発光ダイオード方式のライト)

   インバーター方式の蛍光灯

 

になります。フリッカーの原因は 【 電気の周波数 】 ですから、点滅部分を解消する為には、シャッタースピードを電気の周波数に合わせると発生しなくなります。この条件だと、同じ過疎の倍数を使うことになりますが、

 

   東日本 : 1/50

   西日本 : 1/60

 

に指定すると、シャッタースピードと電気の周波数のズレによる点滅が解消されます。ここがズレていると、何から何まで点滅し始めるので、映像的に厳しくなります。

 

 

■ タイムラプス             

 

 この撮影方法も自由度が高くなっていますが、RAWで撮影した後にLightroomに持って行って動画で書き出すという方法もありますが、現在では、

 

   カメラ内での処理

   PCでの変換

 

の二種類の選択があります。この二つには、

 

■ カメラ内での処理           

 

    この場合、カメラ内で動画ファイルとして記録される

    ので、自動処理で銅が出来上がります。

 

    ただし、バッテリーの容量の範囲での作業になるの

    で、変換含めでの時間を想定する必要があります。

 

    また、コンシューマのカメラの大半が8bit/4:2:0の仕

    様の物で、色空間もITU-R BT.802ですから、かなり

    色域が狭いもので記録されてしまいます。

 

 

■ PCでの処理              

 

    これは、写真を必要なフレーム数分だけ撮影して、そ

    れをPCで動画にする方法です。

 

    この場合だと、撮影枚数を取りきるだけのバッテリー

    が必要になるので、その枚数分を取りきるだけのバッ

    テリー容量を確保しておく必要があります。

 

    この場合、撮影した物をPCに持って行って編集でき

    るので、14bitのRAWや16bit Tiiffを素材として使用す

    る事ができます。

 

    写真を用いる為、1カット分の映像がとんでもない容

    量になる事と、書き出しに結構な時間がかかるので

    大容量の記録メディアを用意しておく必要があります。

 

    RAWで撮影できるため、14bitの色深度で、色空間も

    Adobe RGBを使用できることから、調整幅の広いソ

    ースを持ち帰る事ができます。

 

 

のような違いがあります。こうした撮影はインターバルを入れてながら撮影をすることになりますから、少なくともシャッタースピード分のインターバルは必要になるので、 

 

【 フレーム数×シャッタースピード以上 】

 

の撮影時間が必要になります。このため、天体撮影のように1枚の写真の露光時間が長くなる撮影だとバッテリーの容量も大きくしておく必要があるので、実際の撮影で何枚撮影できるのか?を知っておく必要があります。

 

 これは、どの手法を用いても同様の結果になるので、そう言ったシーンを撮る場合には、結構な撮影時間を要する事になり、星景写真のように露光時間の長い条件だと撮影時間も長くなります。映像の作りを60fpsで考えると、10秒の動画で600枚の写真が必要になりますが、この段階で、1枚のインターバルを1秒だとしても10分の撮影時間が必要になります。この段階で、30秒のインターバルが必要な条件だとすると、300分ですから撮影だけで5時間以上は必要になります。当然、機材の設置や構図を決める時間を含めるとそれ以上になりますから、滞在時間は撮影時価よりもさらに長くなります。

 

 この時に、5時間撮影するだけのバッテリーも必要ですが、気温が高い条件と低い条件では撮影枚数が減るので、夏場の夜でも意外とバッテリーの減りは多く、冬場だとその比ではない減り方をします。

 

 タイムラプスだと、 

 

■ タイムラプス              

 

のような感じで時間の流れを早回ししたような撮影が出来るのですが、小型のカメラだとバッテリーの持ちが著しく悪いのでこう言った撮影には向きません。その為、必然的にボディーサイズが大きく、撮影枚数の多い製品でバッテリーを追加して撮影する事になります。

 

 そうなると、エントリークラスの製品の選択肢が消え、必然的に、特定以上のグレードの製品を選ぶ事になります。

 

 撮影工程は同じですが、処理の方法が異なる物に、スターストリームがあります。

 

 

■ スターストリーム            

 

 基本的に作る方法は、タイムラプスと同じで、現在のカメラだとボディー内合成と写真をPCで 【 比較(明) 】 合成をすることで、星の軌跡を描く動画を作れます。

 

■ スターストリーム            

 

これも撮影枚数が多くなるので、大容量の記録メディアと撮影に対応できるだけのバッテリーが必要になります。

 

 

■ ハイパーラプス            

 

 前述の2つは昔からある手法なので微速度撮影や低速度撮影として存在していますが、この映像に動きを入れた物がハイパーラプスになります。

 

 この撮影方法は複数ありますが、アクションカムの場合だと、動画のコマを飛ばして撮っていてこれを綺麗につなぐような処理をしている物になりますが、星景のハイパーラプスだと長時間露光になりますから、この場合には、電子制御のスライダーやリグを使って撮影をすることになります。

 

 個人レベルだと、ポータブル赤道儀を使って時間単位でカメラを回すと視点が変わりますし、価格が安価ではないので誰でも気軽の導入できるわけではありませんが、挙動のプログラミングが出来るスライダーを用いて制御する方法もあります。これにポータブル赤道儀を追加してゆっくりと動かすと、軸回転と軸い移動が出来るようになります。

 

 動画のコマ落としでも同じような映像を作れますが、こうした機能はアクションカムの標準機能で実装されているので、超広角の画角でそう言った映像を撮る場合に使用できます。

 

 現在は、バリアブルフレームレートで1fpsからハイスピード撮影までのフレームレートを選ぶ事が可能な製品がありますが、ここで、フレーム数を落とす事で通常の動画とは異なる 【 被写体ブレ 】 を入れた動画を撮る事が出来るようになります。

 

Panasonic Lumix DMC-TZ85 

 

でも、そう言った機能があるので、マニュアル撮影でマニュアルフォーカスにして撮影すると、露光時間を長くできます。そうすると、

 

■ シャッタースピードを遅くした撮影   

 

のようなが動画が撮れます。これは、ビデオカメラのナイトモードに近い挙動になりますが、こう言ったことが出来るDSLR製品もあります。

 

 この状態で、三脚を据えてタイムラプスをすると、写真ではなく動画の状態でコマ飛ばしの映像が出来るのですが、残像感のある映像にする場合だと、こう言ったスローシャッターを用いる事になります。ハイパーラプスを動画で作る場合だと、編集で作る方法もあり、動画から作る場合には再生速度を上げたうえで、カクついている部分をフィルターで滑らかに繋ぐ(ブラーを入れます。これについては後で書きます。)事で、自然な動きにすることができます。

 

 

■ 映像とブラー             

 

 ハイパーラプスを行う時に動画を撮って早回しで動かしても同様の状態になると書きましたが、この場合には 【 コマ飛ばし 】 の効果が出るので、意図した状態とは異なる悔過になります。

 

 これと同じ状態を見る場合、ハイスピード撮影のソースの再生速度を変えると同じ結果になるのですが、

 

■ ハイスピード撮影           

 

のように1000fpsで撮影したソースに対して、タイムリマップを使って再生速度の変更を行ってみると、

 

■ ハイスピード撮影(タイムリマップあり) 

 

のような動画になりますが、速くするほどに現実とは異なる挙動になります。その為、1/1000の物を1000倍にするとFluidで速度を上げて処理をしたような違和感を感じるような物が出来上がります。高速にすると、

 

■ BlenderでのFluidのテスト        

 

と同じような挙動になっていたと思いますから、

 

■ Fluidのテスト(Mantaflow)     

 

のように従来見ている水の動きとはかなりかけ離れたものが出来上がります。その為、極端にフレームレートの高い映像を現実世界の速度まで早回しをすると、非現実的な倨傲の物をCGを使わずに作ることができますが、現実味のあるシーンではなくなってしまうわけです。

 

 この場合、現実では発生しているブラー部分が欠場しているのでコマ落としのような状態になっているのですが、通常の動画を早回しした場合も、これと同じような挙動に案る場合があります。その為、少しブラーを入れることで、動きを滑らかにすることができます。

 

 極端にフレームを飛ばす事はできませんから、動画からタイムラプスやハイパーラプスを作る場合には、フレーム数を考えた処理が必要になりますが、写真で記録する場合にもプレビューしてみてコマ落としのような核付いた印象がある場合には、フレーム間の動きを滑らかにする処理を入れる必要があります。

 

ちなみに、このハイスピードの動画は、

 

【 HighSpeed EXILIM EX-ZR100 】(2011年発売) 

 

で撮影した物を使っています。