先日は、

 

 

にて構図とパースについて書きました。

 

 写真や動画を撮影する際には構図を決めますが、絵を描く場合にも用紙内のレイアウトや構図を決める必要があります。今回は、その構図について書こうかなと思います。

 

 

 目で見えるものには状態が存在しますが、現実世界の出来事は時間単位で変化しますから、同じ状態は維持されません。そのため、ソレを残そうと思うと、記録することになりますが、その際に 【 見た状態 】 を残すことになるので、 【 どのように見たものなのか 】 を決める必要があります。この際に、視点の先の状態を矩形に切り取って残すことになりますが、

 

 

  ■ 写真

  ■ 動画

 

の場合は、レンズを使いますから、焦点距離によってパースが変化するので目で見た状態と同じものになるというわけではありません。この辺りは、更に違う側面があるので、これについては別の機会に書こうかなと思いますが、 【 カメラだけだと再現できないものもある 】 わけです。

 

 写真や動画についての誤認として 【 フィルムは取ったものが出てきている 】 というものがありますが、現像工程でコントラストなどの調整をしますから、RAWの状態だと現在では一部のスマートフォンのアプリでもLOGのような状態になっています。流石に、これをそのまま渡されたら撮った本人も驚くはずですから、そうならないように現像で調整をして仕上げてあります。つまり、 【 RAW現像のような処理は現像を行っている店舗が作業をしてくれている 】 ので 【 LOGのようなのしか撮っていないのにきれいに仕上がっている 】 わけです。

 

 フィルムでカラーがそのまま仕上がると言う間違いは、ポラロイドカメラとフィルムの区別がついていないレベルで虚偽が流布されて盲信されている状態だと思いますが、フィルムとポラロイドカメラでは全く異なるので、同じ結果になりません。

 

 例えば、高感度フィルムで撮影した写真は通常の低感度で適正露出を行った際のものとは異なり、ノイズが無い代わりにドットがあって凹凸のある写真としてプリントされます。これがフィルムしかない時代の高感度フィルムで撮影した写真のプリント結果になりますが、これは、手作業で色が破綻しないように高感度ノイズを消したものなので、ネガをスキャンしてトーンカーブを反転させて等倍で見てみると全く異なる状態に鳴っています。

 

 そのため、 【 現像とプリントを刷る人に依存した処理方法 】 なので、現像とプリントを自分で行う場合、 【 同じ工程で行うことになる 】 ので、微細な座標制御を面相筆で行って色彩を合わせる必要があるので、カメラだけ触っている状態だと同じ結果に仕上げることは出来ません。そのため、フィルムは 【 技術を持った現像屋さんの作業によって成り立っている 】 のでカメラとフィルムと撮影者だけで完成するようなものではありません。

 

 時々、カメラは撮影したものだけで完結するもののような間違いを目にしますが、これができるのは

 

  ■ ポラロイドカメラ

  ■ デジタルカメラ

 

だけですから、フィルムでは必ず 【 現像の工程 】 が生じるので、ポラロイドカメラのようには行きません。

 

 そのため、ネガがあれば綺麗な状態になっているというのは間違いで、その状態で撮影できるのは 【 現像と撮るのがが難しい ”リバーサルフィルム” の話 】 になります。

 

 リバーサルフィルムは、動画のフィルムを写真に持っtきたような仕様のものですから、仕上げるとカラーのフィルムが出来上がるのですが、 【 ランニングコストが高い 】 のと、昔だと現在のようなデジタルで見るということは不可能なので、 【 プロジェクターで投影する 】 と言う方法しか存在しないので初期投資が高額になるので、通常のカメラ以上に一般的ではなかったわけですが、基本的に 【 レンズ付きフィルムもネガフィルム 】 なので、 【 現像しないと仕上がらない 】 ので、撮ったままで綺麗に仕上がるようなものではありません。

 
 カメラで撮る場合、現像が必要になりますが、デジタルの場合だと、階調が深いRAWで撮影して 【 RAW現像 】 を行うことになります。デジタルの場合だと 【 写真屋さんにお願いしていたことを自分でも出来る 】 訳ですが、フィルムのように化学変化を用いていないので、 【 薬品を使わなくても現像が出来る 】 ようになっています。電気は物理現象ですから、PC環境だけで現像を完結させることが出来るようになっています。
 
 当然、写真屋さんは技術があって現像が出来ているわけですから、 【 RAW現像も色彩感覚が必要だったり、正しい色が出せる環境を構築する必要がある 】 わけですが、デジタルの場合、【 暗室で行っている作業をVTRの色の調整方法を使って行っているだけ 】 なので、デジタル以外だと 【 ポラロイドカメラ以外だと現像無しで仕上げることはできない 】 仕様になっています。と言っても現像をしているのでポラロイドカメラでも写真が出来上がっているので、 【 現像なしでは仕上がらない 】 のが写真になります。動画の場合だと、これに時間軸がついた構造になっていますが、フィルムの場合だと結構なコストをかけて現像をすることになりますが、フィルムの量が多いので現像にも時間がかかります。
 
 また、フィルムの場合、 【 何が撮れているのかの確認が出来ない 】 ので失敗して酷いことになっていても現像代は発生するので、デジタルのように 【 状態を確認しながら撮り方を学ぶようなことを行うと信じ難いコストがかかる 】 と言う問題もあります。
 
 基本的に写真や動画の場合、 
 
  ■ パース
  ■ 色彩
 
において肉眼とは異なる状態になる場合があるわけですが、これを再現する場合、その状態になるような選択ぅお刷ることになります。
 
 絵の場合も同様に
 
  ■ パース
  ■ 色彩
 
で状態を作ることになりますが、写真や動画で 【 ファインダーで見えている状態を作る 】 必要があるように、 【 デスケルでフレーミングした状態を描く 】 事になります。
 
 構図は、 
 

  ■ 視点の選択

  ■ 状態の指定

 

の2つで成り立っていますが、撮る前提として 【 状態が完成していること 】 が必要になりますから、カメラ以前に、セットの状態を作る必要があります。ソレを決めたあとでどの視点でどのように撮るのかという 【 フレーム内の状態 】 を決めることになります。

 

 この場合、建物のように光の状態以外は定数化したものを前提に考えると解りやすいのですが、この場合、対象物は確定しているので、証明の状態がどのようになるのかで表情が変わります。

 

 これを静物デッサンに置き換えると

 

  ■ モデル : 定数

 

ですから、 【 そのモデルがどのように見えるのか 】 を指定する必要があります。

 

 カメラで撮る場に光の状態を決めることになりますから、 【 ライティング 】 を行うことになるので、 【 光の方向と状態 】 を作ることになります。風景を撮る場合だと、自然光の作った条件のみなので

 

  ■ 環境光

  ■ 反射光

 

で状態を作ることになります。とは言っても風景だと人がこれを変更する事は出来ませんから、 【 光の状態を探す 】 事になります。

 

 光については、

 

 

の中で触れていますが、これが環境の状態のになります。

 

 そして、その状態をどこから見るのかを決めることになりますが、これが視点になります。

 

 視点については、

 

 

 

の中で触れていますが、

 

 これを決めたあとにカメラを使う場合には、環境によって明るさが変わってしまうので、

 

  ■ 焦点距離

 

  ■ 露出
 
の状態を決めることになります。絵の場合、
 
  ■ 明るさ
  ■ 色彩
は色彩になりますが、
 
  ■ パース
  ■ 動きの表現
 
は形状で再現することになります。こうした変化については、

 

 

の中で触れていますが、ブラーなどは形状の変化などは、シャッタースピードの変化で生じたものになりますが、絵の場合だと形状でしか再現できないので、色彩の変化と形状の描写でその状態を作ることになります。

 

 絵の場合、

 

  ■ レンズ

  ■ カメラのボディー

 

で行う

 

  ■ 焦点距離

  ■ 露出

 

のコントロールを

 

  ■ パース

  ■ 色彩の変化

  ■ エフェクトの描写

 

で再現することになりますが、基本的な 【 構造の考え方 】 は撮影と同じになります。

 

 描くときにはデスケルのように枠の中で切り取って必要な部分を描くことになりますが、このフレームの中の状態が

 

  ■ レンズ越しに見た世界

  ■ 肉眼で見た世界

 

のどちらを使用した物なのかで見え方が違ってきます。肉眼の場合単焦点レンズなので、奥行き感が変わってきます。写真の場合、 【 広さ 】 というワーキングディスタンスでコントロールできるものが焦点距離の変化のような間違いが吹聴されていることがありますが、レンズの焦点距離の変化は 【 物理現象によって生じる ”奥行きの変化” 】 になります。

 

 これが、 【 焦点距離による距離の圧縮・伸長効果 】 になりますが、ズームレンズを用意するだけでこの状態変化は確認できるのでレンズが異なれば世界の見え方も違ってきます。

 

 絵でこれを再現する際には、中学校の美術で学習する透視図法を用いることになります。

 

 絵を描く場合、

 

  ■ 見た物を再現する

  ■ 脚色を入れて良くする

  ■ モチーフから考えて描く

 

と言う方法がありますが、肉眼でみたものをデッサンのように仕上げるだけだと対応できないものもあります。例えば、

 

 

のように湾曲させたものは見えませんし、魚眼のように距離の伸長効果が生じるものも人の目で得ることが出来る情報だけだと描くことが出来ません。

 

 また、

 

 

のような構図も描けないので、見たままの再現だと描けないものもあります。

 

 レンズの場合、

 

 

のように

 

  ■ 糸巻き型歪み

  ■ 樽型歪み

 

のような変化が所持ることがありますが、絵の場合はレンズの制約を受けないので

 

 

のように歪めたり

 

 

のようなグリッドを用意して

 

 

のような感じで描く事も出来ます。絵の場合、自由度が高いので

 

 

のように垂直と水平が影響の受けている描き方もありますが、これをパースが狂わないように描く技法も存在しています。

 

 中学校では透視図法っを学習しますが、基本となるのは消失点と距離の関係性の理解と奥行きによって物が小さく見える状態をコントロールする方法になりますが、消失点をコントロールすることで自由度の高い使い方が出来るようになります。

 

 透視図法を使う場合、 【 見ている人の視点の高さ 】 である 【 アイレベル 】 を決めることになりますが、これが、見ている人の視点から水平に伸びるラインになります。

 

 基本的に、 【 消失点は常にアイレベルの上に来る 】 ので、ソレを使うと水平方向の変化を扱うことが出来るようになります。

 

 例えば、

 

 

のような感じの使い方になりますが、この事例では、

 

 

のように3つの消失点があり、

 

 

のようにオブジェクトが変化しています。これが消失点の位置を変えたときの状態の変化になりますが、パースの線の流れを見ると、 【 道が曲がっている 】 ように見えると思います。これが、 【 曲がった道を描くときのパースのとり方 】 になります。

 

  

のような状態だと

 

 

のように 【 曲がった場所から角度を付ける線を引きパースを取る 】 と曲がった道を描くことが出来ます。

 

 透視図法を使うと

 

 

のような表現が出来ますが、構造物によって透視図法が変わってきます。例えば、角が正面を向いている場合には二点透視図法になり、面が正面にある場合には、一点透視図法を用います。この透視図法も 【 複数の消失点を持つ透視図法の中で必要な状態を指定しただけ 】 なので、基本となるのは 【 三点透視図法 】 になります。

 

 流石に、いきなり三点透視図法と複数の消失点を使った画法を学んでも理解しにくいので、中学校の美術では、 【 消失点が複数発生しない画法 】 を学習します。そのため、奥に抜けていくような空間を描く時に使用する 【 一点透視図法 】 から学習することになります。

 

 一点透視図法ですが、

 

 

のように横方向の変化で曲がりを表現するだけでなく、高さ方向に消失点を移動させると高低差の表現が出来ます。

 

 

そのため、坂道の表現をする場合には、アイレベルをx軸と考えた場合、y軸方向の座標の変化を追加することになります。

 

 このように透視図法を用いる場合には、

 

 

 

のように水平方向と垂直方向に消失点を設けることで

 

  ■ 曲がり

  ■ 高低差

 

を再現することが出来ます。このように基準となる消失点とは別の向きに消失点を用意してパースの制御が出来るので、一点透視図法の場合には、 【 相似の三角形を作れば同じ高さを取得できる 】 ので、

 

 

のように位置の異なる場所に同じ高さの物を描く場合、参照元と描く場所のグリッドのセンターから垂線を伸ばして、高さを出して、その場所からセンターと高さの頂点でできた底辺を持つ相似の三角形が出来るようにラインを結べば、消失点を頂点とした三角形が出来ます。

 

 一点透視図法は、 【 相似の三角形の底辺の長さで距離の異なる同じ高さを再現できる 】 ので、

 

  ■ 位置

  ■ 高さの情報

 

を用意しておけば、絵の中のパースの消失点を参照するだけだと、並行に移動する(マンハッタン距離的な制御)ことで再現することになりますが、この方法を用いると、消失点の異なるパースを取る(この状態だと、ユークリッド距離的な処理)ことで再現することが出来ます。

 

 絵を描く場合、写真を複製して、直線部分にラインを入れていくと視点と写真の構造がわかるのですが、ラインを引いてみると

 

 

のような感じで、任意の消失点に向かって線が伸びていると思います。肉眼で見て描くスケッチの場合、このラインの流れなどを確認しながら描くと形の整合性が取れるのですが、デジタルのようにレイヤーを重ねてラインを引いても大丈夫なものの場合、こうした構造解析をしてみると消失点と絵の構造の状態乗り会を深めることが出来ます。

 

 絵については、色々な技法がありますが、

 

 

の中で、その中の一部について触れていますが、これ以外にも多くの画法が存在しています。

 

 

 

 

 TODAY'S
 
鉛筆と表現

 

 画材をいきなり集めるとなると初期投資が必要になりますが、筆記用具だけでも絵を描くことは出来ます。そこで、今回は、使用頻度が高く馴染みのある黒鉛(グラファイト)について書こうかなと思います。

 

 
 

  黒鉛(グラファイト)で描く

 

 黒鉛は筆記用具で使用しますが、黒鉛を使った筆記用具だと

 

  ■ 鉛筆

  ■ シャープペンシル

 

があります。前者が側面を使えるものになっており、後者が太さを維持して使用できる画材になっています。そのため、

 

  ■ 面と線を描く

  ■ 安定した太さで線を引く

 
という目的で使い分けることが出来ます。美術関連の学校で絵を描く場合には鉛筆を使うはずなので、鉛筆の使い方を覚えたほうがいいのですが、趣味で絵を描く場合だと、目的で使い分けると描きやすくなります。
 
 絵を描く場合には、
 
  ■ 描く
  ■ 消す
 
の作業が発生するので、鉛筆やシャープペンシルを使う場合、消しゴムを用意する必要があります。その為、最小構成では、
 
  ■ 鉛筆
  ■ シャープペンシル
  ■ 消しゴム
になります。これがあればの基本的に描けるので、
 
  ■ マークシート用の筆記用具セット
  ■ 一般的な筆記用具
 
がある場合、白い紙があれば絵を描くことが出来ます。
 
 
 

  別途用意するもの

 
 基本的に鉛筆と消しゴムと紙があれば、絵を描けるのですが、黒鉛(グラファイト)は、染料やインクのように定着しないので、擦れると絵の状態がっ壊れてしまいます。また、水や汗などが溢れるとそこだけ絵が破綻するので、そう言った問題が出ないように描くことになります。そのため、 【 コピー紙などの紙 】 を用意して 【 あて紙 】 として使用し、絵に触れないようにして描くことになります。その為、絵を描く場合には、2枚の紙を使う事になります。
 
 絵を描く場合には、鉛筆を削る必要があるので、芯を出すために鉛筆削りなどが必要になります。デッサンの場合、 【 長い面を用意して面塗りをする 】 ことになるので、角度鋭角的な角度で長く芯を出して描くことになります。
 
 その為、 【 筆記とは目的が全く違うので、削り方も異なる 】 わけですが、この際に何度も削るのは大変なので、芯が出ている場合だと紙やすりなどで削ることになります。そのため、鉛筆を削る場合、
 
  ■ 木材
  ■ 黒鉛
 
が別に出るような状態になりますが、通常の鉛筆削りで削るよりも長く芯を出して木材の角度も通常よりも鋭角的な状態で先端に向かうように削ることになります。
 
 こうすることで、画用紙に対して平面的に鉛筆を重ねる小Tが出来るので、一度に広い面を塗ることが出来るようになります。こうした削り方をするので、
 
  ■ カッターナイフ
  ■ 紙ヤスリ
 
という 【 模型を作る時に使用するようなツール 】 を用意することになりますが、粉が散ると掃除が大変なので、鉛筆の黒鉛部分を削る場合だと、密閉できる布田の点いた筒上の容器を用意して、その周囲に紙やすりを配置して、鉛筆に角度を付けて力を入れない状態で角度を付けて紙やすりで削れるように内側の面に沿って内部で周回させると鉛筆を削ることが出来ます。
 
 そのため、
 
  ■ 鉛筆を削るための道具
  ■ 絵の状態に影響を与えないための道具
 
が必要になります。
 
 
 

  階調のコントロール

 
 前述のように絵を描く場合には、
 
  ■ 鉛筆
  ■ シャープペンシル
  ■ 消しゴム
  ■ あて紙
  ■ カッター
  ■ 紙やすり
  ■ 白い紙
 
があれば描くことが出来るのですが、鉛筆はモノトーンですから、濃淡の階調を使うことになります。鉛筆には硬度があるので、各硬度で
 
  ■ 最も薄色
  ■ 最も濃い色
 
が決まっているのですが、軟質の10Bで10Hの薄さや細さを出すことは出来ませんし、10Hで10Bくらいの濃さを出そうと思うと、相当密度を挙げないとその濃さにはなりません。
 
 この濃度は
 
  ■ 低い筆圧で描く
  ■ 密度を上げる(塗りの層を増やす)
 
ことで再現出来るのですが、各硬度でそれぞれ出来ることが違います。鉛筆の場合、ケント紙のように 【 表層が頑丈で鉄筆を使っても意味がなさそうなもの 】 だとバニッシュをしても問題がないのですが、厚みのある用紙だと鉄筆を使って凹凸を付けて粒子が入らないようにするのと同じ状態が発生するので、筆圧を過度にかけて描くと消しゴムで消してもその場所には窪みが出来るので後の作業に影響が出てしまいます。
 
 そうならないように、鉛筆で画用紙に描く場合には筆圧を低くして描くことになります。この状態で書き勧めると濃淡の表現をする場合には塗りの層を増やす必要な出てくるのですが、この時の階調の差を少ない工程数で行いたい場合に 【 硬度の違う鉛筆 】 を使うことになります。
 
 
 

  鉛筆の硬度

 
 鉛筆の硬度ですが、現在はステッドラーの製品がかなり広い範囲で出ていますが、ハイユニだと10H〜10Bまで用意されています。ハイユニは軟質の芯でも頑丈で、木材の作りもいいので描きやすい画材になっています。こうした硬度の違いを使うと絵の具の色相の差と同じように硬度の差で濃淡長を使えるようになるので、作業の幅が広がります。
 
 色鉛筆もそうなんですが、 【 鉛筆は衝撃に弱い 】 ので衝撃を与えると中で折れることがあります。そのため、強度のある製品だといいのですが、安価な製品だと削っていく都心がどんどん折れることがあります。この辺りが 【 品質の違い 】 になります。
 
 学校で使用する筆記用具や事務用だと、 【 2H〜2B 】 のラインナップになっていますが、この場合、 
 
  ■ 影などの濃い部分 : 2B
  ■ ディテール調整  : F
  ■ ハイライト部分  : Hや2H
 
で描く事になります。Fと2Bの間の処理をHBとBで行うことになりますが、行動が異なると濃度部分では結構な違いが出るので、同じ筆圧で描いた時の結果が違ってきます。
 
 一本の鉛筆で描く場合、 【 大規模な修正を入れる可能性もある 】 事を踏まえて描くことになるので、筆圧を上げずに弱い筆圧で形を取って層を重ねていくことになります。
 
 ちなみに、HBの芯だと
 
 
のような濃淡野さを付けることが出来ますが、下の差が密度の差による濃度の差になります。
 
 バニッシュのように筆圧を上げるのではなく、筆圧を下げて層を重ねて行ってどの程度の濃度になるのかを確認しておくと使用している鉛筆での濃度上限を知ることが出来ます。
 
 

  紙の選択

 
 黒鉛は上質紙やわらばん紙でも大丈夫なので、基本的に単価の安い紙でも描くことが出来ます。
 
 そのため、1枚のコストの安いコピー紙で練習することも出来ますが、こうした紙はクロッキー帳よりも薄いので厚みのあるノートやルーズリーフのほうが描きやすいかもしれません。
 
 鉛筆絵を描く場合、水彩紙のようにサイジングが必要なわけでもありませんし、ソフトパステルや木炭のように粉がすぐに剥離するような画材ではありませんから、上質紙でも大丈夫ですが、表層の凹凸を質感表現に使いたい場合だと、水彩紙などで見かける凹凸のあるものを使用することになります。
 
 基本的に 【 紙があれば大丈夫 】 なんですが、つるつるしたコート剤がかかった物の場合、鉛筆の粒子が入らないので、基本的には向いていないものになります。つまり、チラシの裏という 【 白い部分 】 でも表層の状態によっては黒鉛の粒子が乗らないので、ジェッソやメディウムで表層を作ってその上に描かなければ、まともに描けないものもあります。
 
 学習用のルーズリーフやノートの場合だと 【 罫線が入っている 】 ので、これが見えなくなるように色を重ねていけば絵を描くことが出来ますが、グリッド用のドットが売ってる製品だと、一旦、マス目状にして、 【 グリッドを使って形を理科敷いていく画法 】 の練習に使う事も出来ます。これを無地で行うと物凄く大変なのですが、罫線がある製品や方眼紙だとこの練習が行いやすいです。
 
 作品を仕上げる場合だと
 
  ■ 画用紙
  ■ ケント紙
 
が向いているのですが、粒子の剥離を抑える場合だとフィキサチフのような表層の保護材を散布する事になります。
 
 
 

  筆記用具で絵を描く場合

 

 筆記用具で絵を描く場合、手持ちの芯の硬度がどの程度のものなのかで出来ることが変わってきますが、鉛筆に白はないので、 【 白色は空白で使用する 】 ことになります。この辺りはアクリルガッシュや水彩の上に乗る絵の具の白を使ったレタッチを行わない透明水彩と同じですが、鉛筆で描く場合、 【 グレースケール 】 で考えることになるので、中間色の変化で状態を再現する事になります。

 そのため、ペン画のような二値の表現は 【 ハイコントラストに降った処理 】 になるので、鉛筆の表現力を使用する際には 【 階調表現 】 を使用することになります。
 
 2Bがある場合だと、筆圧を落としても結構しっかりとした黒が出るのですが、このあたりの硬度だと先端で描くことも出来るので、細部を描くことも出来ます。ただし、
 
【 継続して細いラインを引くことが出来ない 】
 
ので、趣味で描く場合だとハッチング部分などはシャープペンシルのほうが向いている場合があります。
 
 黒い部分を追加する場合には
 
  ■ 鉛筆の硬度
  ■ 描く時の筆圧
 
でコントロールすることが出来ますが、減衰させる場合だと、消しゴムだと調整幅が狭すぎるので、 【 練りゴム(練り消しゴム) 】 を使うことになります。
 
 練りゴムがない場合だと、 【 色の分布を決める段階で濃度が濃くなりすぎないように描く 】 事になりますが、義務教育の図画工作や美術で鉛筆を使う際にも消しゴムと鉛筆での作業になるので、デッサンの場合だと、
 
  ■ 明暗の差
  ■ 色の違いによる印象
 
で濃淡が変わってきますから、この違いを 【 濃度の分布 】 で分けておいて描いていくと消しゴムのように強く色を落とすことが出来るものでも状態を作ることが出来ます。
 
 そのため、学校の美術でデッサンなどの鉛筆を使った表現の場合、 【 濃淡の差は描きこみで再現する 】 事になりますが、消しゴムも 【 すぐに真っ黒になる 】 ので、消しゴムの白い部分を常に用意しておくようにしておくと作業がしやすくなります。
 
 この辺りは、クレヨンで塗るときに似ているのですが、消しゴムに黒が残っていると消えない上に色が伸びるのでおかしなことになりますから、そうならないように白い部分を出しておく必要があります。
 
 クレヨンで描く場合も混色を刷ると下の色がクレヨンに付着するので、それを拭き取ってから塗ることになりますが、消しゴムも同じように消せる状態にしてから使用します。
 
 
 

  コピー紙の注意点

 
 コピー紙で普通に描く場合には問題がないのですが、トレス台などを使うと紙の模様が浮かび上がるのでトレス用紙(これは酸性なので注意が必要)やケント紙のように使用することが難しかったりします。そのため、 【 用紙に対してそのまま描く 】 場合だと問題はありませんが漫画の原稿用紙(これがケント紙になります。)のように下書きの上に原稿用紙を重ねてトレス台で光を当てて描くような方法には向いていません。この描き方は、原画のように
 
  ■ 開始の絵
  ■ 終了の絵
 
を用意してその中になくぁ理を入れてアニメーションの作画部分を作る作業でも同じなので、通常の絵を描くような作業だと状宇出津市の特性で弊害が出るような事例を除けばそれほど影響が出る事もないのでクロッキー帳気分で使うことが出来ますが、向いていない作業もあります。また、水に結構弱く 【 マーカーなどの色が下に貫通する 】 ので、そういった画材を使う場合にはある程度の厚みのある用紙を用意する必要があります。鉛筆だとこうした影響はないので、ルーズリーフやノートでも同じことが出来るのですが、ソレよりも厚みのないコピー用紙でも同じように描くことが出来ます。
  

 

 今回もコピー紙に描いており、Panasonic Lumuix DMC-TZ85で撮影しています。