ドル円85円以下を試す流れ、
FOMCでの追加緩和策の有無に注目
8月7日(土)15時04分配信 フィスコ
「米追加緩和観測によるドル売りで85円付近まで続落」
8/2-6のドル・円は、野田財務相の円高牽制発言、菅首相のデフレ脱却発言、
東京、欧州
株式市場の上昇を受けて86円20銭から86円89銭まで上昇。
だが、欧州大手銀行の好決算、米7月ISM製造業景況指数の上振れを受けた米株式市場の上昇には
リスク志向のドル売りが優勢になり反転。
ウォールストリートジャーナル紙報道
「10日の連邦公開市場委員会(FOMC)で追加的な金融緩和策が打ち
出される可能性」
を受けたドル売りに86円割れとなり、
野田財務相発言「為替はあくまでマーケットで決まるというのが基本線」、
米6月の個人消費支出が横
ばいで、
中古住宅販売成約指数がマイナスに落ち込んだことを嫌気した株安に連れて85円32銭へ下落。
オプション防戦のドル買いに下げ渋り、米7月の
ADP全米雇用報告の上振れ、
ISM非製造業総合指数の予想外の改善に86円46銭に反発も、本邦輸出企業のドル売り、
予想を下回る米7月雇用統計を受け
た売りに85円02銭まで下落。
「84円82銭は切れるのか、米FOMCに注目」
8/9-13のドル・円は、引き続き85円以下
を試す流れが続く可能性が高い。
米国の景気回復ペースの鈍化懸念や追加緩和観測が強まるなか、
7月雇用統計(6日発表)が予想を下回ったことを受けて、
連邦公開市場委員会(FOMC、10日)で追加緩和策検討の思惑から
ドル売りが継続する可能性が高まる状況になっている。
円高が進んでいる折、日銀金融政策
決定会合(9-10日)の動向にも注意が必要になる。
米国主要経済指標の発表のほか、中国7月の主要経済指標の発表(主に11日)も注目される。
また、本邦サイドでは、中旬頃の米国債償還・利払いに向けたドル売り(円買い)の動きなども注目される。
昨年11月27日につけた84円82銭を切れば、ドル売り
が一段と強まり、下落が加速する可能性がある。
米国の金融政策については、10日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)が注目さ
れる。
米景気回復ペースの鈍化懸念、追加緩和策への思惑が強まる状況に、今回のFOMCでは、
景気認識と追加緩和策検討への動きが注目されている。
追加緩
和策検討については、一部観測報道によれば、
「保有する住宅ローン担保証券(MBS)が償還期限を迎えた際、
償還された現金を新たなMBSや財務省証券の買い入れ資金に利用するかどうかを検討する見通し」
との見方が出ている。日本時間11日午前3時15分に声明発表。
前回6月22-23日
のFOMCでは、超低金利政策の長期間継続を再確認し、景気の現状判断を下方修正。
7月14日に公表された同議事録では、
「多くのメンバーが経済見通しは
やや軟化し、景気見通しへのリスクについて下振れ方向に転じたとみている」
との状況や、
「見通しが悪化した場合は、追加の緩和策が適切かどうかを検討する
必要」
との見解も判明。
経済予測では2010年の実質GDP見通しを下方修正。
その後、バーナンキ米FRB議長が7月21-22日の議会
証言(半期金融政策報告)で、
「経済の見通しは依然、異例なほどに不透明」と発言。
28日に公表された米地区連銀経済報告(ベージュブック)では、
「米経
済活動は総じて拡大しているが、2地区連銀が横ばい、2地区連銀で活動拡大ペース鈍化」、
「住宅市場が税優遇措置の終了後、低迷」を指摘。
29日にはブ
ラード米セントルイス連銀総裁が「年初と比べデフレのリスクがやや高くなった」、
「デフレリスクが拡大したら国債を購入すべき」と述べている。
米国債入札が、10日に3年債(340億ドル)、11日に10年債(240億ドル)、
12日に30年債(160億ドル)で総額740億ドル予定されている。
今回も波乱なく消化されるか動向が注目されるが、入札の結果を反映して、米長期金利が上昇すれば、
ドル・円は仕組み債絡みなどのドル買いが強まり、金利が
低下すればドル売りが強まる傾向が続く。
8/9-10に日銀金融政策決定会合が開催される。
以前「日銀は85円程度の円高になった場合、
一段の金融緩和策を取る可能性がある」
との報道があったが、ドル・円相場がここにきて85円割れをうかがう展開になっており、
追加的な措置に関する思惑が
強まる可能性もある。
10日に政策金利発表、白川日銀総裁会見がある。
ドル・円は目先の下値ポイントとして昨年11月27日につけた84円82銭が意識さ
れているが、
当時は、その後、12月1日に日銀が臨時金融政策決定会合を開催、
「やや長めの金利の低下を促す新しい資金供給手段を導入」として、
「3カ
月・0.1%の新たな資金供給オペを決定」。「広い意味で量的緩和」(白川日銀総裁)という措置に踏み切った。
菅首相は8月2日の衆院予算委員会で、
「デフレからの脱却が経済成長・財政再建のスタート」とした上で、
「日銀に自主性は認められているが、政府と協調して政策運営すると理解」、
「政府の方向性に対して日銀にも協力してもらうことが重要」と述べている。
8/9-13
の主な予定は、
9日(月):(日)日銀金融政策決定会合(10日迄)、6月経常収支、
10日(火):(日)日銀政策金利発表、白川日銀総裁会見、(中)7
月貿易収支、
(米)4-6月期非農業部門労働生産性速報値、単位労働コスト速報値、連邦公開市場委員会(FOMC)、
11日(水):(日)6月機械受注、
7月企業物価指数、8月日銀金融経済月報、
(中)7月生産者物価指数、7月消費者物価指数、7月小売売上高、7月鉱工業生産、(米)6月貿易収支、
7月財
政収支、
12日(木):(米)7月輸出入物価指数、
13日(金):(日)日銀金融政策決定会合議事要旨(7/14-15)、(米)7月消費者物価指数、
7
月小売売上高、8月ミシガン大消費者指数速報値。
[予想レンジ]
ドル・円84円00銭-87円00銭