日本の民主党代表選
米主要経済指標でシナリオが異なる
9月11日(土)15時30分配信 フィスコ
「米景気二番底懸念後退ムード続かず83円台前半まで下落」
9/6-10のドル・円は、白川日銀総裁発言「当局が為替相場を自在にコント
ロールできるわけではない」
を受けたドル売り、
ウォールストリートジャーナル紙での欧州ストレステスト(健全性審査)への懐疑的な見方を受けた
ユーロ・円
の売りで84円50銭から軟調推移となり、
83円50銭のオプション・トリガーへの売り仕掛けで83円34銭まで下落した。
その後は、ポルトガル国債入札
を好感した欧州信用不安の後退、
日銀によるレートチェックの噂などで84円05銭に反発、
本邦勢のドル売り、第1回新成長戦略実現会議で具体的な円高対策
が打ち出されなかった
ことなどから83円49銭に反落後、
米7月貿易赤字や新規失業保険申請件数の予想以上の改善を受けた長期金利の上昇、
閣議決定された
経済対策「政府は必要な時には為替介入を含め断固たる措置をとる」を受けて84円39銭に反発。
「日本の民主党代表選、米主要経済指標に注目」
9/13-17
のドル・円は、
先ず14日投開票の日本の民主党代表(次期首相)選挙が注目され、
菅首相続投の場合は、早期介入警戒感の後退でドル売りが強まる可能性が増大。
一方、小沢新首相誕生の場合は、早期介入の実現性が高まるとの思惑からドル買いが先行する可能性がある。
また、米国の主要経済指標の発表が集中してお
り、景気減速懸念が一層強まれば、
株安、長期金利低下、ドル売りのパターンとなり、景気減速懸念の後退はドル買いにつながる。
なお、週明けは11日(土)
に発表された中国の8月主要経済指標の結果を織り込むことから始まる可能性がある。
結果は、8月消費者物価指数:前年比+3.5%(予想+3.5%、
7
月+3.3%)、8月生産者物価指数:前年比+4.3%(予想+4.5%、7月+4.8%)、
8月小売売上高:前年比+18.4%(予想+18.0%、7
月+17.9%)、
8月鉱工業生産:前年比+13.9%(予想+13.0%、7月+13.4%)であった。
3日発表の米国の8月雇用統計を受けて景気二番底懸念が後退したはずだが、
6日のレーバーデーの休日・休場の間に、欧州信用懸念によるリスク回避ムードが盛り返し、
米雇用統計好感の余韻は持続することなく終わった感じがある。
さ
て、8日に発表された米地区連銀経済報告(ベージュブック)では、
「8月末までの6週間で経済成長が減速する“幅広い兆候”が見られた」と指摘され、
景気減速の進行がさらに懸念される状況になっている。
12地区においては、5地区(セントルイス、ミネアポリス、カンサスシティ、ダラス、サンフランシスコ)
が緩やかに拡大、2地区(ボストン、クリーブランド)が改善,
そして、5地区(ニューヨーク、フィラデルフィア、リッチモンド、アトランタ、シカゴ)
が強
弱まちまちか減速となっている。
同じ8日、オバマ米大統領が、企業の成長を支え、雇用創出を加速させるために、
今後10年間で1800億
ドル規模(財政負担分)となる追加景気対策を発表した。
内容は、2011年末までの企業の設備投資減税(300億ドル)、
企業の研究開発投資減税の拡大・
恒久化(10年で1000億ドル)、
公共事業拡大(輸送インフラ整備、6年で少なくとも500億ドル以上)。
また、中間所得者層への減税を恒久化し、富裕
層向け減税は打ち切る考えも表明した。
今後は議会に対策の検討を要請することになるが、
今のところ、共和党との対立点、11月中間選挙の行方など、先行き
不透明要因が多い状況にある。
日本では民主党代表(次期首相)選挙が14日に投開票される。
菅首相続投の場合は、先ず、小沢前幹事長が為替介入に
積極的な発言をしてきて広がった警戒感が緩和することで、ドル売り・円買いが強まる可能性がある。
その後は、米景気減速に起因したドル安・円高傾
向に対して、次の追加金融緩和措置の可能性や、
ドル買い・円売り介入実施のタイミングを探りながらの取引になる。
小沢新首相誕生の場合
は、早期為替介入実施の警戒感が強まり、ドル買い・円売りが先行しそうだ。
ほかにも、民主党マニフェストに忠実たらんとすることによる財政支出拡大、
財政
再建路線の後退イメージから円売りが仕掛けられやすい感じがある。
ただ、中期的には、日米関係の不安定化による外圧的パターンの円高になる可能性にも注意
が必要になる。
9/6-7の日銀金融政策決定会合では、
8月30日の臨時会合で決めた追加緩和措置の効果を見極めることとし、政策の現状
維持を決定した。
だが、日銀声明では「先行きの動向を点検したうえで、必要なら適時適切な政策対応を行っていく」として、
さらなる追加金融緩和措置に前向
きな姿勢を示した。
白川日銀総裁は会見で、「円高が日本経済に与える影響を注意深く見ている」としながらも、
「金融政策は為替や株価に直接対応して上げ下
げするものではない」、
「当局が為替相場を自在にコントロールできるわけではない」などと述べ、
さらに踏み込んだ円高牽制発言はみられなかった。
9/13-17
の主な予定は、13日(月):(米)8月財政収支、
14日(火):(日)民主党代表選挙、(米)8月小売売上高、7月企業在庫、
15日(水):(日)西村
日銀副総裁講演、野田日銀審議委員会見、(米)8月輸出入物価指数、
9月NY連銀製造業景気指数、8月鉱工業生産・設備稼働率、
下院歳入委員会公聴会(中
国の為替政策への政府の対応について)、
16日(木):(日)7月第3次産業活動指数、白川日銀総裁あいさつ(全国証券大会)、
(米)8月生産者物価指
数、4-6月期経常収支、7月対米証券投資収支、
9月フィラデルフィア連銀業況指数、下院歳入委員会公聴会でガイトナー米財務長官証言、
17日(金):
(米)8月消費者物価指数、9月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値。
[予想レンジ]
ドル・円82円00銭-86円00銭