
米国株、続落 ダウ79ドル安 原油高を警戒
IT株安も重荷に
7日の米株式相場は続落した。
ダウ工業株30種平均は前週末比79ドル85セ ント(0.7%)安の1万2090ドル03セントで終えた。
原油価格の上昇が米個人消費に悪影響を与えるとの懸念を背景にした売りが続いた。
アナリストに よる半導体株の投資判断引き下げを受け、
大手のインテルなどIT(情報技術)株が売られたことも指数を押し下げた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は、同39.04ポイント(1.4%)安の2745.63で終えた。
リビアで反体制派と政権側の武力衝突が激化していると伝わり、
原油先物相場が約2年5カ月ぶりの水準に上昇。
市場では反政府デモが中東や北アフリカでさら に拡大するとの懸念も根強い。
ガソリン価格などの上昇が米個人消費を抑制するとして、景気敏感株などに引き続き売りを誘った。
米金融大手 ウェルズ・ファーゴのアナリストが半導体株の投資判断を
「オーバーウエート(買い)」から「マーケットウエート(中立)」に引き下げた。
インテルがダウ構 成銘柄で下落率2位となるなど、IT関連株の下落が相場の重荷になった。
ダウ平均の下げ幅は130ドル近くまで拡大する場面があった。
一方、前週末発表の2月の米雇用統計など、米景気の回復持続を示唆する指標が相次いでいる。
米景気の回復期待は根強く、安値圏では買い戻しが入った。
主要な株価指数は取引終了にかけて下げ幅を縮小した。
業種別S&P500種株価指数では全10業種中「公益」を除く9業種が下落。
「素材」や「IT」、「消費循環」など景気敏感株が下落率上位に並んだ。
売買 高はニューヨーク証券取引所(NYSE)が約10億4000万株(速報値)、
ナスダック市場が約21億2000万株(同)だった。
インテ ルのほか同業のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も売られた。
朝方に発表した四半期決算で最終赤字幅が拡大し、
売上高見通しが市場予想を下回っ た通信機器大手シエナが9%あまり下落。
同業のJDSユニフェーズも7%近く下げた。
ダウ平均構成銘柄では非鉄大手アルコアやIT大手ヒューレット・パッ カード(HP)も軟調だった。
一方、日立製作所傘下の米ハードディスク駆動装置(HDD)メーカー、
日立グローバルストレージテクノロ ジーズを買収すると発表した米ウエスタン・デジタルが15%あまり上昇。
同業のシーゲイト・テクノロジーも大幅高となった。
アナリストが投資判断を引き上 げたコーヒーチェーン大手スターバックスは約4年ぶりの高値を付けた。
ダウ平均構成銘柄ではマクドナルドや化学大手スリーエムが上昇した。
(日経新聞マネー 3/8 7:29)