経済指標の発表が概ね終了
関心は再び原油価格や中東情勢へ
3月5日(土)9時13分配信 フィスコ
雇用統計など月初の各種経済指標の発表が概ね終了したことで、
投資家の関心は再び約2年半ぶりの高値となっている原油価格や中東情勢へと移るだろう。
オバマ大統領がカダフィ大佐に退陣を求めたり、
ベネズエラのチャベス大統領が和平仲介との思惑も広がったが、
基本的にリビア情勢に大きな変化はなく、問題が長期化する可能性もありそうだ。
経済指標では2月小売売上高(11日)や3月ミシガン大学消費者信頼感指数(11日)の発表、
9日には米10年国債の入札が予定されている。
11日には中国の2月鉱工業生産、消費者物価、小売売上高、
都市部固定資産投資などの発表が予定されており、中国経済や同国のインフレ動向を受けて、
新興国頼みの外需関連株が影響を受ける可能性がありそうだ。
個別ではアパレルのアーバン・アウトフィッターズ(7日)、
税務サービスのH&Rブロック(9日)、
半導体のナショナル・セミコンダクター(NSM)などの決算発表が予定されている。
また11日には先週発表されたアップルの新型タブレット「iPad2」が発売となる見通し。
連銀による第二弾量的金融緩和(通称QE2)は、
今年6月で終了する予定となっている。
一部には延長や量的緩和第三弾を予想する向きもあるが、
予定通り終了した場合の影響は小さくないだろう。
債券ファンド最大手ピムコのビル・グロス氏は今月の投資家向けレターで、
昨夏のQE2実施以降に発行された米国債の7割が連銀によって取得され、
残りの3割も各国中央銀行を中心とする外国人投資家が買い手である一方、
民間の需要が大きく縮小していることを指摘している。
また歴史的な統計と名目GDP成長率5%を前提とした場合、
現在の長期債利回りは1.5%(150ベーシス)程度低く誘導されていると分析している。
「完治していない傷のバンドエイドを剥がすときには痛みを伴う」として、
リーマンショックと金融危機への対応で量的緩和が必要な処置であったとしても、
終了するときに経済への悪影響は避けられず、またQE2に関しては、
株価や債券、商品価格を押し上げることには貢献したが、
果たして金融市場の安定化につながったのか疑問視しているようだ。
金融緩和策だけではなく、同様に米国政府による景気刺激策や減税、
政府系住宅金融機関のファニーメイやフレディマック解体の問題にしても、
現在の政策を永遠に持続することは不可能だ。
しかし終了によって(短期的な)経済回復の腰を折るということを恐れ、
結局出口戦略を先延ばししている。
出口戦略が先延ばしになればなるほど、結果として中長期的な経済や金融システムを歪ませ、
財政など根本的な問題が悪化し続けることになろう。
関心は再び原油価格や中東情勢へ
3月5日(土)9時13分配信 フィスコ
雇用統計など月初の各種経済指標の発表が概ね終了したことで、
投資家の関心は再び約2年半ぶりの高値となっている原油価格や中東情勢へと移るだろう。
オバマ大統領がカダフィ大佐に退陣を求めたり、
ベネズエラのチャベス大統領が和平仲介との思惑も広がったが、
基本的にリビア情勢に大きな変化はなく、問題が長期化する可能性もありそうだ。
経済指標では2月小売売上高(11日)や3月ミシガン大学消費者信頼感指数(11日)の発表、
9日には米10年国債の入札が予定されている。
11日には中国の2月鉱工業生産、消費者物価、小売売上高、
都市部固定資産投資などの発表が予定されており、中国経済や同国のインフレ動向を受けて、
新興国頼みの外需関連株が影響を受ける可能性がありそうだ。
個別ではアパレルのアーバン・アウトフィッターズ(7日)、
税務サービスのH&Rブロック(9日)、
半導体のナショナル・セミコンダクター(NSM)などの決算発表が予定されている。
また11日には先週発表されたアップルの新型タブレット「iPad2」が発売となる見通し。
連銀による第二弾量的金融緩和(通称QE2)は、
今年6月で終了する予定となっている。
一部には延長や量的緩和第三弾を予想する向きもあるが、
予定通り終了した場合の影響は小さくないだろう。
債券ファンド最大手ピムコのビル・グロス氏は今月の投資家向けレターで、
昨夏のQE2実施以降に発行された米国債の7割が連銀によって取得され、
残りの3割も各国中央銀行を中心とする外国人投資家が買い手である一方、
民間の需要が大きく縮小していることを指摘している。
また歴史的な統計と名目GDP成長率5%を前提とした場合、
現在の長期債利回りは1.5%(150ベーシス)程度低く誘導されていると分析している。
「完治していない傷のバンドエイドを剥がすときには痛みを伴う」として、
リーマンショックと金融危機への対応で量的緩和が必要な処置であったとしても、
終了するときに経済への悪影響は避けられず、またQE2に関しては、
株価や債券、商品価格を押し上げることには貢献したが、
果たして金融市場の安定化につながったのか疑問視しているようだ。
金融緩和策だけではなく、同様に米国政府による景気刺激策や減税、
政府系住宅金融機関のファニーメイやフレディマック解体の問題にしても、
現在の政策を永遠に持続することは不可能だ。
しかし終了によって(短期的な)経済回復の腰を折るということを恐れ、
結局出口戦略を先延ばししている。
出口戦略が先延ばしになればなるほど、結果として中長期的な経済や金融システムを歪ませ、
財政など根本的な問題が悪化し続けることになろう。