ソブリン・リスクで上値は重い、米中要因で下げ渋る展開も
5月15日(土)12時02分配信 フィスコ
「欧州連合・国際通貨基金協調支援策への懸念」
5/10-14
のドル・円相場は、欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)による
協調金融支援策や米国の景気回復期待を受けて91円64銭から93円65銭まで上昇したものの、
ピッグス(PIGS:ポルトガル、アイルランド、ギリシャ、スペイン)のソブリン・リスクを回避する円買いで
上値は重い展開となった。
「中国人民元切り上げ観測後退・日本GDP2四半期連続プラス観測」
5/17-21
のドル・円相場は、ピッグス(PIGS:ポルトガル、アイルランド、ギリシャ、スペイン)の
ソブリン・リスク回避で上値が重いものの、中国人民元の切り上
げ観測が後退したこと、
連邦公開市場委員会(FOMC)の出口戦略への期待感から下げ渋る展開が予想される。
中国は、米国議会による中国
制裁法の制定や米財務省による為替操作国との認定を避けるため、
「米中戦略・経済対話」(5月24-25日北京)の前に、
中国人民元の変動幅を拡大、ある
いは切り上げを発表するのではないか、と懸念されている。
しかしながら、世界の株式市場が欧州情勢の不透明感から脆弱になっていることで、
人民元の切り上
げは先送りされるとの観測が高まっており、リスク回避の円高要因も先送りとなる。
20日に発表される日本の2010年1-3月期の国内総生産(GDP)1次速報値は、前期比+1.3%、
前期比年率+5.5%から6%台後半が予想されており、2四半期連続でプラス成長となれば、
東京株式市場の上昇、リスク選好の円売りに繋がる。
6月の連邦公開市場委員会(FOMC)では、
超低金利政策の時間軸「長期間」が変更・削除される可能性があるため、
今月は公定歩合引き上げの可能性に警戒すべきか。
欧州中銀は、ギリシャ金融支援策のため金融緩和の継続や国債買取を表明しており、
日銀もデフレ懸念による追加的金融緩和観測が払拭されないことで、
金利格差からのドル優位が強まりつつある。
【ドル買い・円売り要因】
・日米金利差拡大(日銀:追加金融緩和政策、FRB:出口戦略⇒公定歩合引き上げ)
・本邦機関投資家:外債投資増加・ヘッジ減少&ゆうちょ銀行:米国債購入
・米中戦略・経済対話(北京5月24-25日):米中通商摩擦回避の可能性
【ドル売り・円買い要因】
・米中通商戦争:米国議会で中国制裁法制定の可能性、米財務省「為替政策報告書」で
中国が為替操作国と認定される可能性
・中国人民銀行:金融引き締めの可能性&中国人民元切り上げ観測
・米欧のソブリン・リスク⇒米欧スワップ協定:ドル・ユーロ流動性供給
・米国住宅市場二番底懸念:初回住宅購入者向け税控除措置4月期限切れ
【テクニカル分析】
ドル・円は、2007年高値124円14銭から2008年高値110円67銭を経由する攻防の分岐点
(今週:90円24銭-90円06銭)を上抜けており、
N計算値目標値97円10銭までの上昇トレンドの可能性が高まっている。
上値の攻防の分岐点は95円77銭。
5/10-14
の主な予定は17日(月):(日)3月機械受注、4月企業物価指数、
(米)5月NY連銀製造業景気指数、3月対米証券投資、5月住宅市場指数、
18日
(火):(日)3月第3次産業活動指数、(米)4月住宅着工件数・住宅着工許可件数、
4月生産者物価指数、19日(水):(米)4月消費者物価指数、
FOMC議事録(4/27-28)、20日(木):(日)1-3月期GDP1次速報、
日銀金融政策決定会合(21日迄)、(米)5月フィラデルフィア連銀
業況指数、
4月景気先行指数、21日(金):(日)日銀政策金利発表、白川日銀総裁会見。
[予想レンジ]
ドル・円90円00銭-95円00銭
(株式会社フィスコプレイス)