ふらりと出掛けた鎌倉で

自分へのお土産にお茶碗でも探そうと覗いた

陶器処 加満久良

↓鶴岡八幡宮の大鳥居にほど近いところにお店はあります
 根なし草 


こちらへ寄る前に鎌倉彫のマイ箸を購入しておりましたので

小振りで大切に使っていけるお茶碗を物色していると

店主が話しかけてきました

『何をお探しですか?』

「小振りのお茶碗でも・・」

本当は一人静かに気配を消して買うでなく棚をのぞいていたかったので

「んっ、これ以上話しかけないで・・・」

と思ったのを察したのか店主はそれ以上話掛けてきませんでした

なにしろ小振りのお茶碗でも3,000円以上はします

「普段使いには高いな・・すぐ割っちゃうかもしれないし・・」なんて思っていると

店主が『この急須は?』

とまた話し掛けてきました

「急須はね、蛇口に当てて欠けちゃう事が多くって高い物も安い物も何個割ってしまったか

最近は緑茶もティーポットで入れることも多くなったんですよ

その方が茶葉が良く開いておいしいですから」

なんて答えると

待ってましたとばかりに店主が説明を始めました

以下、

『常滑焼(ばんこ焼き)で30年以上の職人歴を持つ作家に作らせているんだよ

登り窯ではなく穴窯で1週間掛けて焼いたもの、登り窯の数十倍の費用が掛かるんですよ

使いこめば使い込むほど味わい深い色の作品に変化していきますから

試行錯誤の上、自然釉(ビロード状)の出た急須がようやく出来たんだ

その使い易さは、水切れが良く目詰まりも起こさず、ここを見て御覧なさい』

指し示したのは、注ぎ口の奥のところにある茶葉を漉すところのが大きく作ってあり

穴の数も多く普通のものよりこころもち大きく開けてありました


「これだと茶漉しの金網を入れる必要ないですね、あれを使うとお茶の葉が開かないですよね」


『それなんですよ。あんな金っ気のあるものを入れたらお茶はおいしくない

茶葉も捨て易い構造になっているから洗わずに1~2回ゆすぐだけで綺麗になるから

茶シブもつくことがない。

長く使うと表面がより美しくなってくるから』



という説明が一段落したところでわたくし

「こちらはカード使えますか?」

ということで普段使いには少し贅沢とは思いましたが

常滑焼作家  稲葉石水作 急須が我が家へ

これです(ちなみに 13,500円也


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常滑焼 作家 稲葉石水の作品(店内)
 根なし草