FOMC出口戦略への傾斜度合い
G20元切り上げ観測に注目
6月19日(土)12時16分配信 フィスコ
「90円台-92円台でレンジ状態継続」
6/14-18のドル・円は、東京・欧州株式市場の上昇を受けた
クロス円の買い戻しに連れて91円60銭から92円12銭まで上昇後、
格付け会社ムーディーズがギリシャ格付けをジャンク等級に引き下げたことや、
仏系金融機関の巨額損失懸念を受けたユーロ・円の売りに連れて反転。
米6月NY連銀製造業景況指数の11カ月連続拡大、株価の上昇でドル買い、
予想を下回った米5月住宅着工件数に失望してドル売り、
米5月鉱工業生産・設備稼働率が予想を上回ったことを受けてドル買いなど91円台で上下した後、
米5月消費者物価指数がインフレの抑制を示し、米新規失業保険申請件数が予想外に増加、
米6月フィラデルフィア連銀景況指数が予想以上に低下したことで長期金利が低下、
人民元切り上げ観測の強まりもあり90円45銭まで下落した。
「米FOMC、G20サミットに向けた人民元動向に注目」
6/21-25のドル・円は、欧州信用問題の推移が引き続き注目され、懸念が強まればリスク回避で円買い、
懸念が緩和すればリスク回避後退で円売りが繰り返されることになる。
材料としては、22-23日に米連邦公開市場委員会(FOMC)があり、
出口戦略への傾斜がみられればドル買いにつながる。
また、26-27日のG20サミットを控え人民元切り上げ観測が強まれば、
思惑的な円買いが出やすくなる可能性がある。
92円台以上では本邦輸出企業のドル売り姿勢が強い。
参院選は24日に公示され、7月11日の投開票に向けて選挙戦がスタートする。
6/22-23に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。
欧州情勢に依然として不透明感が強いなか、
超低金利政策の時間軸「長期間」が変更・削除されるかが引き続き注目される。
6月に入って、ホーニグ米カンザスシティー連銀総裁「9月までに政策金利を1%まで引き上げるべき」、
ロックハート米アトランタ連銀総裁「連銀は高い失業率の中でも政策金利を引き上げる必要も」、
そして、バーナンキ米FRB議長「経済が完全雇用に戻る前に引き締めが必要となる可能性」など、
タカ派的な発言が相次いでいる。
米地区連銀経済報告書(9日発表)では、「経済活動は全12地区で改善が継続」とするものの、
「経済成長ペースは緩やか」との見解が示されている。
FRBは5月28日に「量的緩和の出口戦略の一環として、
金融市場から余剰資金を吸収するため新設のターム物預金制度“ターム・デポジット・ファシリティ(TDF)”を導入」
と発表、1回目入札が6月14日に実施されている。
6/25-26にG8サミット(カナダ・ハンツビル)、26-27日にG20サミット(トロント)が開催される。
G20サミットでは、財政健全化、金融危機対応、均衡ある成長などが優先課題になる予定。
4-5日に開催されたG20財務相・中銀総裁会議(釜山)声明では、
「深刻な財政課題を抱える国は健全化のペースを加速させる必要」、
「各国が協調して経済成長と両立する財政再建に取り組む」、
「金融機関の破綻処理コストは、各国の状況を考慮し、金融機関が公平に負担すべき」などが表明された。
銀行税導入計画や銀行資本規制で合意はなかったが、
EUはG20サミットに銀行課税や金融取引税の導入を要請することを決めている。
また、人民元に言及はなかったが、9日にシューマー米上院議員が
「2週間以内に人民元に関する上院投票を実施へ」と述べ、
10日に発表された中国の5月貿易黒字が予想を大幅に上回る+195.3億ドルを記録
(予想+88億ドル、4月+16.8億ドル)したことを受けて、人民元の切り上げ圧力が強まるとの観測が広がっている。
中国外務省は「人民元は米中貿易不均衡の原因ではない」と反論しているが、
レビン米下院歳入委員長は「人民元に関する米国と国際社会の我慢は限界。
中国が行動せず米政府が迅速に対応しないなら議会が動く」と圧力を強めている。
米国債入札が、22日に2年債(400億ドル)、23日に5年債(380億ドル)、
24日に7年債(300億ドル)で総額1080億ドル予定されている。
今回も波乱なく消化されるか動向が注目されるが、入札の結果を反映して、
米長期金利が上昇すれば、ドル・円は仕組み債絡みなどのドル買いが強まり、
金利が低下すればドル売りが強まる傾向が続く。
6/21-25の主な予定は、21日(月):(日)4月全産業活動指数、
22日(火):(米)5月中古住宅販売戸数、連邦公開市場委員会(FOMC、23日まで)、
23日(水):(日)白川日銀総裁あいさつ、(米)5月新築住宅販売件数、FOMC声明発表、
24日(木):(日)5月貿易収支、参院選公示(7月11日投開票)、(米)5月耐久財受注、25日(金):(日)5月全国・6月東京都区部消費者物価指数、(米)1-3月期GDP確報値、
6月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値、G8サミット(カナダ・ハンツビル、26日まで)、
26日(土):G20サミット(トロント、27日まで)。
[予想レンジ]
ドル・円89円50銭-92円50銭