今朝は気温は1.9℃まで上がりました。この寒さもあと2~3日で終わるそうですから、春は近い!ずいぶん暖かに感じられますが、雪はまだ残っています。
さて、ここはどんぐりの森から三角花壇に入る、手前左側です。緑が少なくなってきた今、変わらぬ姿を見せているのはトクサです。
葉がなくて茎だけのこの変わった植物。不思議といえば不思議な、他に似たもののない個性的な姿をしています。節があるけど竹や笹の仲間ではありません。
実はトクサはシダ類なんです。
シダ類といえば、海で生まれた生命体から海藻などの植物が生まれ、やがてそれらが上陸してシダ類やコケ類に進化したのが、古生代シルル紀の4億3000万年前といいますから、植物の中でも非常に古くからの存在。
この節と節の間にある黒いギザギザしたのが、なんと葉が退化したもの。
こちらの方がわかりやすいですね。
茎の中は空洞です。
トクサを漢字で書くと砥草。砥ぐ(とぐ)草といい、表面がざらざらしているので、茎を煮て乾燥させたものを紙やすりのように研磨に使うことからの名前です。
表面のざらざらしたものの正体はプラントオパールと呼ばれる物質。根から吸い上げた地中のケイ酸が、表皮細胞の細胞壁に蓄積して硬化したもの。非常にかたく、竹やイネ科の植物などにも見られます。
現代でも高級なつげぐしの歯や漆器の木地加工、クラリネットなどのリード楽器の竹製リードを磨いて調整するのにもトクサが用いられるそうです。
また、「荒城の月」で知られる明治の音楽家、滝廉太郎は、身だしなみに気を遣ったため、常々トクサで爪を磨いていたとか。
トクサは葉っぱがギザギザしたいわゆるシダ類とは似ていませんが、胞子で増えるのは同じ。
どこに胞子ができるかといえば、茎の先端にツクシの頭部のような胞子葉群をつけ、そこに胞子ができるそうです。おーっ!これが胞子が飛んだその後ですね。
今度は胞子が飛ぶところを見たいものです。