エゴノキに花が咲いたのはひと月以上前でした。
それがもう、こんなに立派な実をつけています。
その実に混ざって、形の全く違う不思議なものができています。これが噂のエゴノネコアシ(エゴの猫足)ですか!エゴノキにできる猫の足ような形をした、虫こぶです。
こちらは花のように開いています。
見つかり出したらあちらにも、こちらにもあります。
どれも枝の先にできています。
なんでもエゴノキで越冬したアブラムシの一種、エゴノネコアシアブラムシの受精卵が孵化し、枝の新芽を食べることで新芽が刺激され変形して、この虫こぶができるそうです。
たくさんできていたので一ついただいて中を見てみることにしました。
いやいや開けてびっくり。『舌切り雀』で、大きな葛篭(つづら)を開けてしまった欲張りばあさんの、あるいは『鶴の恩返し』で、見てはいけないといわれたのに、部屋を覗いてしまった旅人の、「びっくり」でしょうか。
中から出てきたのは、無数のアブラムシの幼虫。これには虫が平気な私も参りました。この虫こぶの一つ一つに無数の幼虫がいるかと思うと、森は虫で満ち溢れていそう。このアブラムシは何のためにエゴノキにくるのか、なんでエゴノキ指名なのか、エゴノキはなんで虫を呼ぶのか、植物と昆虫とのの関係には不思議がいっぱいです。
で、そのあとですが、すぐに箱に閉じ込めて、もとの場所に戻してきました。
あー~、びっくりした! 不用意にこういうことはもうしませんから、そっとしておきますから。