「私立大学獣医学部/獣医学科」のタイトルで書き始めています。岡山理科大学獣医学部は、いまだに「絵のない額縁」状態です

 

今回は、「獣医学部/獣医学科の品質保証」としました。何度も書いていますが、大学入学はスタートです。卒業後、ちゃんと就職できるのだろうか?先輩はどこに勤めているのだろうか?は非常に大事なことです。特に私立大学は国公立大学の約2.5倍の学費です

 

教育を「投資」と見るのはよくありません。しかし、それに見合った「リターン」がなければ、私立大学は淘汰されることになります。

 

獣医師国家試験を所管している農林水産省が、動物病院(飼育動物診療施設)も管理監督ています。具体的には、『動物病院を開設した場合、開設者は獣医師法第3条に基づく「診療施設」の届出が必要です』と都道府県のHPにはあります。

 

飼育動物診療施設の開設届出状況(診療施設数):農林水産省によれば、全国で約1万6千(平成28年12月31日現在)とあります。大手コンビニチェーン店の数と同程度です。ただ、チェーンというよりは、個人経営の動物病院が多いのでしょう。確かに、「XX動物病院」があちこちにあります。

 

研究者として、獣医師を続けるのであれば、大学院のある国公立大学/私立大学に進学するほか、動物衛生研究所(農林水産省所管)、国立医薬品食品衛生研究所、国立感染症研究所(厚生労働省所管)や日本中央競馬会JRA)、家畜改良センター動物検疫所があります。(※ JRAは特殊法人、家畜改良センターは独立行政法人、動物検疫所は農林水産省の機関)。JRA家畜改良センター動物検疫所は研究者というよりは、技術者、職人に近いように思います。

 

下の表は、書きかけですがm(__)m、JRA家畜改良センター動物検疫所の所在地を示したものです。地方公務員の獣医師が足りないという話がありますが、農林水産省が関係しているこれらの機関で、獣医師が足りないのであれば、農林水産省が手立てを打っている筈です。私は、地方公務員の獣医師が足りないのは処遇の問題が大きいと考えています。JRA獣医師の平均給与は約1千万円です。国家公務員、独立行政法人の獣医師は給与はそれほど多くなくとも安定しています。

 

 

このごろ、「ロールモデル」という言葉をよく聞きます。自分にとって、具体的な行動や考え方の模範となる人物を意味します。

 

岡山理科大学獣医学部(仮称)は、何を学生に教育し、将来、どのような仕事に就けるのかの保証はありません。「岩盤規制」とやらで、確かに50年間、獣医学部の新設、定員増は認められませんでした。「四国4県の悲願」なのかも知れません。一方で、愛媛県に住む志願者や親が、「本当にこの大学に行って大丈夫だろうか?」という疑問に答える必要があります。それに満足に答えられないのであれば、他府県の志願者、親は見向きもしないでしょう。

 

(過去のブログ記事)

私立大学獣医学部/獣医学科(4)(9月4日)

私立大学獣医学部/獣医学科(3)(9月3日)

私立大学獣医学部/獣医学科(2)(9月2日)

私立大学獣医学部/獣医学科(1)(9月2日)

 

大学のデューディリジェンス(6)(9月2日)

ほか