ラ・ラ・ランド | カツヤハダオカ映画ブログ
ラ・ラ・ランド (La La Land) 2016年 米
 ★★★★★★★★★★ 10点
 人生の、もしも…。

スタッフキャスト
 監督/脚本:デイミアン・チャゼル
 音楽:ジャスティン・ハーウィッツ
 作詞:ベンジ・パセック、ジャスティン・ポール
 音楽監修:スティーブン・ギシェツキ
 振付:マンディ・ムーア
 撮影:リヌス・サンドグレン、編集:トム・クロス

 出演:ライアン・ゴズリングエマ・ストーン
   キャリー・ヘルナンデス、ジェシカ・ローゼンバーグ
   ソノヤ・ミズノ、ローズマリー・デウィット
   J・K・シモンズ、フィン・ウィットロック
   ジョシュ・ペンス、ジョン・レジェンド

感想
 あのセッションのデイミアン・チャゼルの新作で、
 しかもライアン・ゴズリング×エマ・ストーン主演で
 しかも、大絶賛の嵐!ということで楽しみにしてました!
 IMAX2Dで観てきました。


 序盤のミュージカルシーン2連発でいきなり度肝を抜かれて、
 ハッピーな気持ちにさせられる!

 その後はロマンティックになり、
↓この頃が一番良かった時かな。

 ラストはビターな展開に。
 互いの夢は実ったけれど、二人の恋は実らなかった。

 互いの夢が叶った後に再会して弾く曲は、

 二人が初めて会った時に彼が弾いていた曲。
 同じ曲が映画の序盤と終盤で違う意味をもつ。

 これぞ映画!

 他にも演技、演出、脚本、歌、音楽、
 ダンス、編集、美術、衣装など全てが詰まった
 まさに映画という名の総合芸術作品!

 ミュージカルシーンはカットを
 出来るだけ割らずに撮ってて凄い!

 音楽がまた最高で即サントラ購入!
 往年のミュージカル映画の曲のような風格がすでにある!
 City of Starsの歌詞を頑張って覚えて通勤で歌うほどでした!

 てっきりハッピーで楽しい映画だと思ったら、
 ハッピーロマンティックでビターなラスト。

 デイミアン・チャゼル映画の特徴として、
 セッションでもそうでしたが、

 活き活きとした音楽に合わせた切れ味鋭い編集、
 映像の美しさ!

 さらに主演俳優にドラムやピアノ、ダンス、歌などを
 実際に練習させて、撮影するというのも共通している。
 表面上、画としては実際に演奏出来なくても
 上手く処理する事も出来るんだろうけど、
 実際に本人にやらせる事で宿る何か、
 それが画面に表れる

 という風に思っているんじゃないでしょうか?

 ライアン・ゴズリングは三ヶ月間ピアノを猛練習して、
 映画では吹き替えなしですべて自身で演奏し、
 エマ・ストーンも歌とダンスを全てこなし、
 歌は実際に本番で演技している時に歌ったものを
 そのまま流しているとのこと。
(あとで別で音声をとったりよくする。)

 エマ・ストーンはミュージカル映画で女優の役ということで、
 エマ・ストーンが色んな服を着て歌って踊る!
(それだけでも最高!)
 アイドル映画的輝きに満ちあふれた映画
 でもありました!
 エマ・ストーンの魅力が爆発している!

 途中のオーディションで3カットほど
 制服コスプレさせているあたり、

 デイミアン・チャゼルはアイドル映画のキモを分かっている!
 成功してからのエマ・ストーンのあか抜けた感じ
 もしっかり出ていて凄い!

↓個人的なエマ・ストーンのベストショットはこれ!

 また両作品とも主人公が「夢」を叶えるために、
 必死にもがくというのも共通している。
 そして両作品ともラストで夢を叶えている。
 そして主人公達だけの世界に
 フォーカスして描く
のも共通している。

 自分はやはり「夢問題」に弱いようです。
 つまり夢を追うべきか現実を観て妥協すべきか。

 ライアン・ゴズリングは自分の意思、
 夢を誰に何を言われようと曲げない男で
 それが原因で才能がありながらも成功していない訳ですよ。
 そんな男が惚れた女のために変わる。
 自分の夢を、好きな事の方向を少し変えて成功する。
 だから、ライアン・ゴズリングとしては、
 俺はお前のために夢を変えて頑張ってるのに、
 なんで「あなた、そんな音楽好きなの?」
 とか言われなきゃいけないんだよ!
となる訳です。
 全ては彼女のためなのに、その彼女に否定されてしまう。
 バンドのライブに始めていった時の
 エマ・ストーンの微妙な顔が何とも言えない。

 こういうこと皆さん経験ないですか?
 自分も具体例は覚えていませんが、
 非常に身につまされる。
 これって普遍的な出来事ではないでしょうか?

 さらに、溺れるナイフの時でも思いましたが、
 映画というフィクションの世界では

 結ばれなかった二人が、もし結ばれていたら?
 という映像を作る事が出来る訳ですよ。

 登場人物が思う、今作ではライアン・ゴズリングが思う
「人生こうなっていたら、もしもこうだったら…。」
 という映像を見せられるのがビターで心に染みる!
 これも映画というフィクションだからこそ出来ること!
(↓フレッチャー先生にクビにされるのではなく、
 こんな風にノリノリだったら…。)

 人生の、もしも…。
 もし自分が違う選択をしたら
 人生もっとこんな風になって幸せだったかもしれない。
 というのも、誰もが思う普遍的なことではないでしょうか?


 ハッピーロマンティックなビターな展開、
 最高の音楽、エマ・ストーンの輝き、
 映画としての総合芸術としての完成度にヤラれました!

 エマ・ストーンの輝きと言う意味では
 彼女の出世作Easy aも超オススメ→
感想はこんな感じ
 セッションの感想はこんな感じ
 人生のもしも…。の溺れるナイフの感想はこんな感じ
 主演二人が共演したLA.ギャングストーリーの
 感想はこんな感じ

コピー
 夢をみていた…。