セッション | カツヤハダオカ映画ブログ
セッション (Whiplash) 2014年 米
 ★★★★★★★★★★ 10点
 情熱と狂気の紙一重!今年ベスト!

スタッフキャスト
 監督/脚本:デイミアン・チャゼル
 製作総指揮:ジェイソン・ライトマン
 音楽:ジャスティン・ハーウィッツ
 編集:トム・クロス、撮影:シャロン・メール
 出演:マイルズ・テラー
   J・K・シモンズ

   メリッサ・ブノワ、ポール・ライザー
   オースティン・ストウェル、ネイト・ラング

あらすじ
 名門音楽大学に入学したニーマンは
 フレッチャーのバンドにスカウトされる。
 ここで成功すれば偉大な音楽家になるという
 野心は叶ったも同然。
 だが、待ち受けていたのは、
 天才を生み出す事に取り付かれた
 フレッチャーの常人には理解できない
 <完璧>を求める狂気のレッスンだった。
 浴びせられる罵倒、仕掛けられる罠。
 ニーマンの精神はじりじりと追い詰められていく。
 恋人、家族、人生も投げ打ち、
 フレッチャーが目指す極みへ這い上がろうともがくニーマン。
 果たしてフレッチャーはニーマンを栄光へと導くのか、
 それとも叩き潰すのか。


感想
 最初のマイルズ・テラーがドラムを叩く姿に
 カメラが寄っていくシーンから最高!
 オープニングからラストまで興奮と緊張!
 この直前に観たパレードへようこそも
 高評価も納得の普通に良い映画だったの
 セッションが最高過ぎて吹き飛んだ!
 まさに音楽映画の筈なのにアクション映画でした!

 サンダンス映画祭グランプリ&観客賞受賞も納得!
 サンダンス映画祭は一番信用出来る映画祭だと思う。

 まさに情熱と狂気の紙一重。

 言わずもがな
 J・K・シモンズの鬼軍曹ぶりが超最高!
 多くの方がフルメタル・ジャケットのハートマン軍曹を
 引き合いに出す程の鬼軍曹ぶり!

 つまり本作のJ・K・シモンズは映画史で最高峰!
 ということではないか?
 楽譜を盗んだのはこの鬼軍曹か?
 もしくはニーマンがわざと無くしたのか?
 その後に一番利益を受けた者がその罠を仕掛けた
 なんてよく言いますよね。

 マイルズ・テラーのドラマーっぷりも凄まじい!
 血はドラムを叩きすぎて本当に出た血らしい。

(お前は邪魔だから別れてくれ!
 というシーンでソーシャル・ネットワークのOPを思い出した。
 マイルズ・ミラーとジェシー・アイゼンバーグ少し似てるし!)

 監督脚本のデイミアン・チャゼルは28歳で
 本作を撮ったという!おそるべき才能!
(次回作La La Landはマイルズ・テラー、エマ・ワトソン出演の
 ミュージカル映画で編集&音楽スタッフは
 同じようなので楽しみ!)
 舞台を限定し圧迫感を持たせ、
 ラストに虐げられていた側からの逆襲があるという部分に、
 吉田大八監督作の日本映画史に残る傑作
 桐島、部活辞めるってよっぽいとちょっと思ったり。

 編集のトム・クロスはチョコレートドーナツの編集の人。
 暗い画面に映える暖色系の照明と
 演奏する楽器の映し方が超カッコ良くて、
 音楽だけでなく画面が最高でした!
 楽器フェチ映像とその見せ方、編集最高!

 撮影のシャロン・メールも要チェック!

 音楽超カッコ良くてサントラ即購入!
 聴きながら指をスティックに見立てて机や、
 運転中ならハンドルを叩く(Whiplash)こと必至!

 先生と再会し、
 鬼教官で超厳しかったけど、
 やっぱり俺認められていたんだ!
 よし、もう一回ドラムをやろう!
 と思ったら鬼軍曹からの復讐!

 まんまと復讐されてからの逆襲
「ふざけんなバカヤロー!
 俺の凄さを見せてやる!クソッタレ!」
 というアンサー!

 そして二人は、
 お互いの憎しみを超えた狂気の境地へ!
 というラストは、
 興奮と緊張感が最高潮になる凄まじいシーン!
 さらにCARAVAが終わって次は
 WHIPLASHが流れてエンドロールへ!
 という終わり方も見事!

 ステージの本番という
 やるしか無い逃げれない場での復讐!
 それに対してのニーマンの逆襲も
 舞台上だからこそ成立するというあたりも上手いなーと。

 本作のJ・K・シモンズばりの鬼軍曹式の
 ドンドン相手を追い込んでいく手法の教育に
 耐えられずに残念な事になる生徒もいるだろうけど、
 その一方で追い込んで追い込み抜いたからこそ
 成長出来るというのもまた事実だろうし…。
 だからと言って行き過ぎた指導も問題があるし…。
 厳しい指導で得られるものもあれば、
 失うものもある。
 そういう部分でちょっと教育について考えたりもしましたが、
 興奮と緊張感と熱量MAXの最高の映画でした!
 良いとか、ダメとかじゃなく言葉にできない感情を味わう為に
 味わいたくて映画館に行ってる訳です。
 この映画にはそれが、最高のカタルシスがある!

 

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 才能VS狂気