スレイヤー復活 vs ハンネマン愛かとぅ | katoo the world

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スレイヤー(Slayer)が再結成。9月に米国で行われる2つのフェスティバルに出演することが正式に発表されている。スレイヤーの復活は2019年以来。

バンドのSNSアカウントには「まったく予期しないときにそれが起こる」というメッセージと共に2つのフェスティバルでヘッドライナーを務めることを発表しています。

メンバーは
トム・アラヤ (Vo/B)
ケリー・キング (G)
ポール・ボスタフ (Ds)
ゲイリー・ホルト (G)

「まったく予期しないときにそれが起こる」

全く、よくも偉そうに言ってくれたモノだ…。

スレイヤー復活について、多くのファン同様に肩透かしを食らった想いだ。

私自身は、何もスレイヤー復活を望まない、ある意味ダイハードなスレイヤー美学を持つファンでは無いし、私が生涯最も聞いて来たバンドの1つかつ、最も影響を受けたバンドの1つであるスレイヤーの復活であるから、喜ばしいモノとして受け入れたい気持ちはある。

ただ、肩透かしの理由として、ごく近々のケリー・キングのインタビューと、彼のソロ・デビュー・アルバム『From Hell I Rise』からの1曲「Idle Hands」を聴いた事にある。

インタビューでは「トム・アラヤとは最終公演以来メールすらない。デイヴ・ロンバードは俺の中では死んでいる」と語り、新曲については「“Idle Hands”は俺がこの4年間やってきたことなんだ。この曲と“From Hell I Rise”は、この4年半の俺の心境なんだ」と語っていた。

事実、新曲「Idle Hands」はトム・アラヤっぽく歌うマーク・オセグエダのスレイヤーであり、全く以て違和感など無かった。

近々でマーク・オセグエダの近影を拝見した所、同じ南米系の血であろうか「WORLD PAINTED BLOOD」期のトム・アラヤまんまで、また驚く。

マーク・オセグエダに関してはドレッドヘアの印象が有ったが、最早何十年前の事だろうか?
「THRASH DOMINATION2006」だとしたら、実に18年前になる。

ただ、同時に「Idle Hands」に関しての印象は、実にケリー・キング作曲のスレイヤーであり、違和感は無いが、同時に全く以て私の好みでは無かった。

私にとってのスレイヤーはジェフ・ハンネマンであり、彼の書く楽曲こそがスレイヤーの魅力であった。

2011年、右腕を毒蜘蛛に噛まれ、壊死性筋膜炎を発症。
2013年、アルコール性肝硬変による肝不全によって急死したギタリスト、ジェフ・ハンネマンを悼んで書いている訳では無い。

1983年発表の1stアルバム「SHOW NO MERCY」は完全な後追いと言う事も有り、余りピンと来なかったが、1985年発表の2ndアルバム「HELL AWAITS」の禍々しい疾走感に併せたメタル的なドラマティックさに痺れた。
特にタイトルトラックである「HELL AWAITS」に於ける、捲し立てるかのトム・アラヤのヴォーカルが鬼気迫る。

そして誰もが認める全スラッシュメタルの頂点、1986年発表の3rdアルバム「REIGN IN BLOOD」は私のフェイバリットであり、スピードダウンした4thアルバム「SOUTH OF HEAVEN」にも然程違和感は抱かなかったが、5thアルバム「SEASONS IN THE ABYSS」、6thアルバム「DIVINE INTERVENTION」まで聴き込んで認めざるを得ない。

実は私はスレイヤーが好きでは無かった。

…と言うより、素晴らしい楽曲の中に何とも私にハマらない曲があり、「一体何なんだろう?」との疑問に調べてみると、此れが見事にケリー・キングの楽曲であった。

勿論、ステージ上のケリー・キングはそのルックスやキャラクターも含めて”Mr.スレイヤー”と認めざるを得ないモノだったし、カリスマ的人気を雄弁に語る代表メンバーである。

ケリー・キングの書く楽曲はどれも速いし攻撃的だが、ジェフ・ハンネマンの書く楽曲は速くとも遅くとも実に印象深い不穏なメロディーに溢れており、ある意味メロディアスでキャッチーだ。

似て非なるモノ…と言うより、その楽曲の品質は私にとって”雲泥の差”と感じざるを得ない程に、ジェフ・ハンネマンの楽曲に魅かれる。

その後のアルバムでは、私にハマらない曲が徐々に増えて行き、8thアルバム「GOD HATES US ALL」以降はほぼ聴いていない。

ジェフが亡くなった後の11thアルバム「Repentless」はタイトルトラック「Repentless」こそ、ジェフ的なキャッチーさが有り良かったモノの、他は数曲聞いただけでアルバム全体を聴くに及んでいない。

私自身が実に残念に想うが、やはりスレイヤーはジェフ・ハンネマンであり、彼亡き今、ソレを求める事のナンセンスさにも打ちのめされるモノである。

ちなみに、未確認情報ながらハンネマンのアソコには真珠が入っていると言う実しやかな都市伝説が有り、禍々しい屹立が”跳満”の勢いで迫り来るイメージも、実にスレイヤー的である。

Ado vs プリキュア vs SLAYER
https://ameblo.jp/katoo-the-world/entry-12772241992.html

スレイヤー復活についての話からは逸れたが、肩透かしの理由のもう一つが、2024年2月5日に先述のケリー・キングのインタビューと、彼のソロ・デビュー・アルバム『From Hell I Rise』からの1曲「Idle Hands」が発表され、その2週間後、同月22日スレイヤー復活が発表された。

仮にスレイヤー復活が、発表された2つのフェス参加のみの限定的なモノであれば未だしも、現段階ではパーマネントな活動を示唆するモノに感じる。

トム・アラヤは「俺たちがステージ上でライヴをして、あの強烈なエネルギーをファンと共有している90分間に勝るものはない。正直言って、俺たちはそれが恋しかった」と語っている。

ケリー・キングは「ライヴが恋しかったかって?もちろんだ。スレイヤーはファンにとって大切な存在であり、我々にとっても大切な存在だ。彼らに会うのは5年ぶりだ」とコメントしている。

となると、「トム・アラヤとは最終公演以来メールすらない。デイヴ・ロンバードは俺の中では死んでいる」とは、果たしてどういう事であろうか?

また、ケリー・キングのソロ・デビュー・アルバム『From Hell I Rise』は一体どうなるのだろうか?

何せ、フィル・デンメルが2ndギタリストを務めているのだ。
「ま、スレイヤー復活したから、仕方ないワナ」で済ませる気か?

しかしまー、そんな野暮な事を言っている場合ではあるまい。

人生とは悉く過ぎ去ってしまう訳で、スレイヤー復活での来日公演が有れば、必ずや馳せ参じるし、「やっぱりスレイヤー凄かった!」となる事も目に見えている。

30年前の自分に「何だかんだでスレイヤー、やっぱ凄いぜ!」と、大人のドヤ顔を見せつけてやりたいのだ。

だから、もう肩透かしはいらない。

かとぅ