田代まさし街録出演 vs マーシーノスタルジア | katoo the world

katoo the world

お笑い系デスメタルバンドFUJIYAMA、世界の大統領かとぅのブログ

https://twitter.com/katoo3000
https://www.facebook.com/fujiyama.metal/

元タレントの田代まさし氏が更新されたユーチューブチャンネル「街録ch~あなたの人生、教えてください~」に出演し、薬物の恐怖を語った。

これまでに薬物事件で何度も逮捕された田代氏。薬物に初めて手を出したのは34~35歳の時。人気タレントとして活躍する一方で「毎日面白いことを言わないといけない」「『今の俺は本当に面白いのか』と疑心暗鬼になっていた」とプレッシャーに苦しんでいた。気分が沈んでいる時にテレビ局のADから「最近、元気ないですね?いいのありますよ」と声を掛けられたという。

鈴木マサカズ著「マトリズム」と言うマンガが面白い。

現代社会に蔓延する薬物とその中毒者。
そして、彼等を捜査する麻薬取締官、通称「マトリ」。

善良な一般市民がどの様に麻薬に溺れ、溺れた事でどの様な顛末を辿るのかを、淡々と描く薬物犯罪ドキュメント。

衝撃的なのが社会人、主婦、大学生、フリーターと言った我々と何ら変わらない平凡な人々が、麻薬に手を出してしまう心理だ。

疲れていたから。
興味が有ったから。
退屈だったから。
友達に勧められたから。
寂しかったから…。

そんな誰しもの心に潜む闇に、麻薬はスルリと入り込む。
一度入り込んでしまえば、自らが麻薬の異常性に気付く事も無く、「そう言うモノ」として受け入れてしまう。

生活は徐々に荒んで行き、引き返せなくなった時に麻薬の恐ろしさに気付くが、もう遅い。

正直な所、私も麻薬に全く興味が無いと言うとウソになる。
いや、非常に興味が有ると言っても過言では無い。

そんな私であるから、この漫画に出会えて本当に良かったと感じている。

本作のテーマになっているのが「誰もがみんな、“あちら側”に墜ちる可能性がある」と言うフレーズ。

登場人物が正義の味方や超人、スーパーサイヤ人、極悪人で無く、我々と変わらない一般人であり、自然と登場人物視点で観れる。

“あちら側”に墜ちる瞬間ですら、違和感無く観れてしまう現実にハッとする。

そう、コレは有ったかも知れない、別の世界線での私自身なのだ。

ただ、一度“あちら側”に墜ちると、その後の人生は決して”こちら側”には戻れない。

麻薬中毒から社会復帰した人物が言っていた。

「麻薬中毒に完治は無い。一日一日、麻薬をやめ続ける為に必死で生きている」

私も近々で非常に辛い想いをしたし、心が闇に包まれもしたが、この言葉を覚えておけば、少なくとも薬物に手を出す可能性は、幾分か減ると思いたい。

マトリズム vs 麻薬をやめ続ける人生
https://ameblo.jp/katoo-the-world/entry-12794863561.html

さて今回、田代まさしが話題になっていたので、またか…と呆れていた所、何でもかの「街録ch~あなたの人生、教えてください~」に出演したとの事で、実にマーシーに御誂え向きの内容に思わずニッコリしてしまう。

街録chはチャンネル登録者140万人の人気チャンネルで、フリーランスディレクター三谷がひたすら街頭インタビューするchとの事だが、まー、この街録と言うのが、中々に辛気臭く良い意味でうらぶれた雰囲気を演出している。

内容も著名、無名問わず、中々上手く行かない人生を藻掻き続ける出演者を詳らかにして行くのだが、余りにリアルかつその凄惨な人生を前に、途中で視聴を止めてしまう事もしばしばだ。

幾つかのタイトルをピックアップすると…

・障害者専門風◯嬢/重度知的障害者や手足動かない客に口で下を責められ…

・大●で10回の逮捕/極悪人集う岐阜刑務所/無期懲役囚と相部屋…

・麻○密輸で1億稼ぐシンママ/闇社会歴30年 逮捕の度息子置いて女子刑務所…

・祖父に⚫︎女奪われ…/27歳で発覚 知的障害/知能レベル9歳で子育て

・初体験は祖父の⚫︎出し…/中2で35歳と不倫/17歳で妊娠し…

…などと、もうタイトルだけで具合が悪くもなる。

・クスリ副作用が引き起こした○○…/「ミニにタコ」会見で大炎上/恩師志村へ土下座

・ダルク入るも退所 行き場無くし反社と交流/再犯繰り返し8度の逮捕…

…は、勿論マーシー登場回のタイトルだが、流石に元お笑いタレントと言う事も有り、上記インタビューに比較しても、イケオジマーシーの自虐ネタに笑ってしまった。

まー、懲りない人だし、また時間の問題かも知れない。
再犯繰り返し8度の逮捕…と言うのも伊達では無い。

ラッツ&スター時代の盟友「ステージで鈴木雅之の横に立つ」を人生の最終目標と語るマーシーに対しては、もう恩人に迷惑を掛けるのは止めておけ、と言いたくもなる身勝手さだ。

しかし、今現在だけを切り取ると元気そうで何よりではある。

正直、私自身は街録chに登場する様な人生を歩んでいる訳ではないし、画面越しに観ている出演者への共感や同情など皆無だ。
だからこそ映画のワンシーンを観るかの非日常感、所謂エンターティメントに痺れる。

革ジャンを着て、サングラスをかけるイケオジの姿は、最早この世に田代まさしと言う人間は存在しておらず、”マーシー”と言うお騒がせ芸能人に対する、我々自身のノスタルジックなイメージだけが闊歩している様にも感じるのだ。

だから、薬物と言ったお決まりはもういらない。
俺達の知っているマーシーはそんなツマラナイ男では無いのだから。

かとぅ