時間に余裕があるクラスで、6回目のマイクロディベートをしました。


1回目のテーマは、生活設計の分野「人は結婚すべきである」か否かでした。


2回目のテーマは、家族の分野「選択的夫婦別姓制度を導入すべき」か否かでした。


3回目のテーマは、保育の分野「親は子どもにゲームの時間制限をすべき」か否かでした。


4回目のテーマは、食生活の分野「朝食は和食にすべき」か否かでした。


5回目のテーマは、生活情報の分野「生成AIを使って学校行事のテーマを考えるべき」か否かでした。


6回目のテーマは、生活設計の分野「大学生は、一人暮らしをするべきである」か否かです。


 

最初に、「大学生は、一人暮らしをするべきである」について、賛成か反対か挙手させました。

なお、話し合いの論点がぶれないよう、反対は、「寮」や「シェアハウス(2学期に英語イマージョン教育で扱いました)」ではなく、「自宅」に限定しました。


授業では、ディベートの根拠となる資料として、

4つの自立「生活的自立、精神的自立、経済的自立、性的自立」について、教科書で確認しました。


ポイントは、大学生と社会人との違い。

社会人からではなく、大学生から一人暮らしをすることの根拠について、自立と言う視点から考えてみましょう。


また、教科書の「ひとり暮らしの収支」の資料も確認させました。親からの仕送りやアルバイトの収入、大学の授業料や住居費、食費などの支出などの金額がグラフになっていて、ひとり暮らしの大学生の経済状況がよく分かります。


5分間の立論準備。

賛成、反対の立場から、最低3つの意見を書きます。


準備ができたら、マイクロディベートです。

※進行表は、吉田氏「マイクロディベート指導案(略案) 社会と情報」より

3人ずつのグループを組み、毎回、メンバーの入れ替えを行いながら、各自が肯定、否定、審判の全ての立場を経験できるよう、3回戦行いました。

審判のジャッジシートです。











生徒たちの感想です。

















1年後に受験を控える2年生。

これから進路選択をしていく上で、一人暮らしを選択肢に入れるか入れないかは、大きな違いがあります。これまで安易に一人暮らしをしたいと考えていた生徒たちも、一度立ち止まって考える機会になったのではないかと思います。


「実際は一人暮らしをしたいけど、自宅の良さもたくさん知れた」

「絶対自宅がいいけど、一人暮らしも自立の面では必要かもと思った」


友人の意見に触れながら、高校卒業後の生活設計について現実的に考える、そんな時間になってくれていたらいいなと思います。


本校のような地方の高校生には、一人暮らしへの憧れが強いようです。授業の最後には、大学生の頃自宅から通った、私の体験談を話し、自宅でよかったことについて補足しました。


人生は選択の連続です。幅広い知識を持ったり、色々な考え方を聞いたりすることで、視野が広がり、より良い選択ができるのではないかと思います。


ちなみに、本校は、ほぼ全員が共通テストを受験し、ほぼ全員が大学進学を目指しています。地方と言っても、自宅から通える国公立大学、私立大学がバランスよくあり、自宅か一人暮らしかを選べる条件にあり、卒業後の進路は自宅、一人暮らしが例年半分半分くらいになっています。

マイクロディベートのテーマは、学校の実態に合わせて設定すると、白熱した討論ができるのではないかと思います。


これまで、各テーマ、2〜3クラスずつ行って、各クラスで年間0〜3回行ったマイクロディベート。


今年度は、余りの時間にしたマイクロディベートでしたが、家庭科の学びを深めるのにとてもよいと感じたので、次年度は、計画的に学期に1〜2回のペースで、年間指導計画に組み込みたいと思います

マイクロディベートは、どの教科でも活用しやすい手法だと思います。家庭科や情報で取り組みながら、いずれは、総合的な探究の時間で、普通のディベートに繋げるなど、考えていけたらいいなと思います。