面会
「お父さん、お母さん、ごめんなさい」
から始まる亜紀サンが下書きした手紙を読んでいると、あまりの白々しさに笑えてきちゃった。
あははははは~何コレ~!! (≧▽≦)
「アホか!あんた、これくらい書かなあかんねんで!」
「…だって!こ、これ何~(≧▽≦)…ギャハハハ~」
なんと亜紀サンは、
「先日、院で '母をたずねて三千里, を読み家族の温かみを…」
なんて嘘っぽい事を平気で書いている。
「逆にフザけてんのかって思われるからダメだって~」
「大丈夫や!かまへんて!こうゆうんでホロッと来よるんや!あとは面会の時や篤志面接で上手く演じたらバッチリやで!ホンマやってぇ!」
かなり臭かったけど、今まで亜紀サンが言うとおりにして間違いはなかった。
読書感想文も、短歌も、コーラスコンクールも全て院からは良いように評価された。
それがなければ、こんな手紙出さなかっただろう。
驚く事に、この手紙を出してからわずか二週間後、両親が面会に来た。
作業中に先生から呼ばれて面会に行く時、亜紀サンがコッチをむいて、
(*^-^)b グゥー!
って、やってた。
「ライナ…元気でいるのか?」
お父さんが今までみた事ないくらいあたたかな表情で言った。
「うん」
と、俯きながら答えるのがやっとだった。
いつもなら人の話しなんか聞かないお父さんが、まっすぐにあたしの目を見て、ちゃんと向き合っている。
あれ!?
涙が止まらない…
乾いていた心を、潤すような涙が、心の奥から溢れ出してくる…
「…お父さん、ごめんなさい…」
「ライナ…」
日常からこんなに離れた場所で、初めて心が近づいた気がした。
から始まる亜紀サンが下書きした手紙を読んでいると、あまりの白々しさに笑えてきちゃった。
あははははは~何コレ~!! (≧▽≦)
「アホか!あんた、これくらい書かなあかんねんで!」
「…だって!こ、これ何~(≧▽≦)…ギャハハハ~」
なんと亜紀サンは、
「先日、院で '母をたずねて三千里, を読み家族の温かみを…」
なんて嘘っぽい事を平気で書いている。
「逆にフザけてんのかって思われるからダメだって~」
「大丈夫や!かまへんて!こうゆうんでホロッと来よるんや!あとは面会の時や篤志面接で上手く演じたらバッチリやで!ホンマやってぇ!」
かなり臭かったけど、今まで亜紀サンが言うとおりにして間違いはなかった。
読書感想文も、短歌も、コーラスコンクールも全て院からは良いように評価された。
それがなければ、こんな手紙出さなかっただろう。
驚く事に、この手紙を出してからわずか二週間後、両親が面会に来た。
作業中に先生から呼ばれて面会に行く時、亜紀サンがコッチをむいて、
(*^-^)b グゥー!
って、やってた。
「ライナ…元気でいるのか?」
お父さんが今までみた事ないくらいあたたかな表情で言った。
「うん」
と、俯きながら答えるのがやっとだった。
いつもなら人の話しなんか聞かないお父さんが、まっすぐにあたしの目を見て、ちゃんと向き合っている。
あれ!?
涙が止まらない…
乾いていた心を、潤すような涙が、心の奥から溢れ出してくる…
「…お父さん、ごめんなさい…」
「ライナ…」
日常からこんなに離れた場所で、初めて心が近づいた気がした。
亜紀サンとの出会い
少年院では社会での話しはしてはいけない事になっている。
あたしの入った四寮は、18歳未満の長期(約1年間収容予定者)の中等と特別の収容生が生活をしていた。
約半数が、初等や中等短期を経験済みの累犯者ばかりだったので年少慣れしていて、少年院のルールなんてあってないようなもので要領よく生活していた。
外ズラだけ取り繕って、優等生を演じて仮退院で一日でも早く社会に戻っていくのです。
同じ部屋に姐さん肌で面倒見がいい亜紀サンという人がおり、あたしと同じく特少送りになって、この交野女子学園に送られてきたんだけど、あたしと大きく違うのは少年院三回目というベテランで、先生からも収容生からも一目置かれている立場だという事だった。
あまりに、あたしが本音で生活しているので見るに見かねて話しかけてくれたんです。
「あんたアホやなぁ~こんな所で突っ張ってもしゃあないでぇ~猫かぶって早よ出て行かなぁ~アソコに蜘蛛の巣はってまうで!」
「…はぁ…でも何だか嫌なんです…」
「あかんあかん!そんな気持ちは一日も早く捨ててまうこっちゃ!長くいてええ事なんかいっこもあらへんのやから!」
三歳年上の亜紀サンは、あたしを妹のように面倒を見てくれて、今まで受け入れられなかった妥協や社交辞令も自分の身を守るためだと教えられると自然に身についていった。
四寮の作業はレース編みとワープロだった。
あたしと亜紀サンはワープロだったんだけど小指のない亜紀サンはワープロを打つのが大変そうで、あたしはいつもそれをからかって一緒に笑っていた。
「あんた嘘でもええからちゃんと親にも手紙書いて謝らんと出られへんでぇ~ウチが下書きしたるさかい一度出してみぃ~な」
少年院を出所するには、仮退院、二十歳満期、審判満期、検察逆送の四種類の方法がある。
ちゃんとした形で生活していれば、ほとんどは仮退院だ。
しかし、仮退院になれば成人するまで保護観察がつくわけなので未成年のあたしは親との関係を修復する必要があった。
あたしの入った四寮は、18歳未満の長期(約1年間収容予定者)の中等と特別の収容生が生活をしていた。
約半数が、初等や中等短期を経験済みの累犯者ばかりだったので年少慣れしていて、少年院のルールなんてあってないようなもので要領よく生活していた。
外ズラだけ取り繕って、優等生を演じて仮退院で一日でも早く社会に戻っていくのです。
同じ部屋に姐さん肌で面倒見がいい亜紀サンという人がおり、あたしと同じく特少送りになって、この交野女子学園に送られてきたんだけど、あたしと大きく違うのは少年院三回目というベテランで、先生からも収容生からも一目置かれている立場だという事だった。
あまりに、あたしが本音で生活しているので見るに見かねて話しかけてくれたんです。
「あんたアホやなぁ~こんな所で突っ張ってもしゃあないでぇ~猫かぶって早よ出て行かなぁ~アソコに蜘蛛の巣はってまうで!」
「…はぁ…でも何だか嫌なんです…」
「あかんあかん!そんな気持ちは一日も早く捨ててまうこっちゃ!長くいてええ事なんかいっこもあらへんのやから!」
三歳年上の亜紀サンは、あたしを妹のように面倒を見てくれて、今まで受け入れられなかった妥協や社交辞令も自分の身を守るためだと教えられると自然に身についていった。
四寮の作業はレース編みとワープロだった。
あたしと亜紀サンはワープロだったんだけど小指のない亜紀サンはワープロを打つのが大変そうで、あたしはいつもそれをからかって一緒に笑っていた。
「あんた嘘でもええからちゃんと親にも手紙書いて謝らんと出られへんでぇ~ウチが下書きしたるさかい一度出してみぃ~な」
少年院を出所するには、仮退院、二十歳満期、審判満期、検察逆送の四種類の方法がある。
ちゃんとした形で生活していれば、ほとんどは仮退院だ。
しかし、仮退院になれば成人するまで保護観察がつくわけなので未成年のあたしは親との関係を修復する必要があった。
交野女子学園入所
(交野市ってどこなんだろ?)
そんな事考えながら鑑別所の職員に連れられて交野女子学園に向かっていた。
鑑別所の職員は、やたらとコミュニケーションをとろうと話しかけてくるけど、警察署でもそうだったように気分じゃない時に話しかけられても、めんどくさくて聞いてられない。
「…あの」
「ん?なんだ?」
ようやく、あたしが話しにのってきたと職員は前のめりになっている。
「よくしゃべりますょね…少し黙っていてもらっていいですか?」
すごく気まずい空気が流れたけど、その後は沈黙となり、あたしはホッとした。
交野女子学園に到着した。学校に少し似た建物…畑や運動場がある広い敷地。
毅然とした態度の先生達は、ロボットのように感じた。
入所初日だけで何回「更正」という言葉を耳にしただろう?
三本線の入った赤いイモジャージに着替えさせられると、本当に少年院に来たんだなぁ~って実感した。
一寮という単独室に入れられて約十日間、新入教育的な事をやり時間が過ぎていった。
逮捕以来、同年代の相手と会話する事はなかったので、さすがに人恋しくて院内で収容生を見かけると、つい目で追っかけてしまうようになっていた。
あたしは基本、孤独が好きだと思っていたので、これには少し驚いた。
そんな中、明日から四寮という一般寮に移る事となり、誰かと接する事が出来るという、社会にいる時なら本当になんでもない事に胸をときめかせていた。
この気持ちは、きっと経験しなきゃわかんないんだろうな。
