3次元ブロック積みとその配置行列など1 | 宇宙とブラックホールのQ&A (ameblo.jp)
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2.ブロック積みを構成する多面体の紹介(承前)
切頂という操作は、正多面体 {p,q} の各頂点周りを正多角錐の形に切り落とすことです。
ただし、元の稜の一部を残して、新旧の稜の長さが等しくなるようにします。
それにより元の正p角形の面 {p} は正2p角形となりますが、これは N2 枚あります。
また、新たに正q角形の面 {q} ができますが、これは N0 枚あります。
ただし、N0 と N2 はそれぞれ正多面体 {p,q} の頂点数と面の数です。
・切頂4面体(truncated tetrahedron)
正4面体を切頂してできる半正多面体で、切頂により新たにできる面は正3角形4枚、元の面4枚は正6角形になります。
12個の頂点、18本の稜、4枚の正3角形と4枚の正6角形の面からなります。
12 -18 +(4+4) = 2. オイラーの公式
頂点は3価で、1つの頂点に1枚の正3角形と2枚の正6角形が集まります。
18本の稜のうち、12本は正3角形の面と正6角形の面に挟まれています。(3-6)
また、6本は正6角形の面2枚に挟まれています。(6-6)
6-6 の二面角は、正4面体の二面角と同じ約70.529°です。
3-6の二面角は、その補角である約109.471°です。
正3角形の面と正6角形の面は1:1で向かい合っており、向かい合う2面は平行です。
したがって、平面上に正6角形の面を下にして置けば、正3角形の面がその真上に来ます。
(半正多面体についても、一応一通り配置行列らしきものはつくることができます。しかし、見た目が美しくないので、ここでは紹介しません。)
・切頂8面体(truncated octahedron)
正8面体を切頂してできる半正多面体で、切頂により新たにできる面は正方形6枚、元の面8枚は正6角形になります。
24個の頂点、36本の稜、6枚の正方形と8枚の正6角形の面からなります。
24 -36 +(6+8) = 2. オイラーの公式
頂点は3価で、1つの頂点に1枚の正方形と2枚の正6角形が集まります。
36本の稜のうち、24本は正方形の面と正6角形の面に挟まれています。(4-6)
また、12本は正6角形の面2枚に挟まれています。(6-6)
6-6 の二面角は、正8面体の二面角と同じ 2 arccos(√3/3) ≒ 109.471°です。
4-6 の二面角は、arcsec(-√3)≒125.26°です。
・切頂立方体(truncated cube)
立方体を切頂してできる半正多面体で、切頂により新たにできる面は正3角形8枚、元の面6枚は正8角形になります。
24個の頂点、36本の稜、8枚の正3角形と6枚の正8角形の面からなります。
24 -36 +(8+6) = 2. オイラーの公式
頂点は3価で、1つの頂点に1枚の正3角形と2枚の正8角形が集まります。
36本の稜のうち、24本は正3角形と正8角形の面に挟まれています。(3-8)
また、12本は正8角形の面2枚に挟まれています。(8-8)
8-8 の二面角は、立方体の二面角と同じ90°です。
3-8 の二面角は、arcsec(-√3)≒125.26°です。
なお、立方8面体、切頂8面体、切頂立方体の3種類は、
a.面の数が等しいこと(切頂8面体と切頂立方体は頂点数と稜の数も等しい)
b.面が8枚と6枚の2種類に分かれること
c.arcsec(-√3)≒125.26°となる二面角をもつこと
という共通点があり、よく似ているといえます。
3.ブロック積みの解説
さて、ようやく本題のブロック積みの解説に入ります。
a.立方体ブロック積み(正ブロック積み){4,3,4}
立方体だけからなるブロック積みです。
1本の稜を4つの立方体が取り巻いています。
その二面角が90°なので、
90°×4 = 360°
となり、条件をみたします。
頂点の価数は6で、1つの頂点に12枚の正方形の面が付き、同じく8つの立方体が付いています。
1本の稜に4枚の正方形が付いています。
1枚の正方形は、2つの立方体に挟まれています。(当たり前ですが念のため)
立方体ブロック積みのシュレーフリ記号は {4,3,4} となりますが、これは胞が立方体 {4,3} であり、頂点図形が正8面体 {3,4} であることを意味します。
(頂点図形とは、頂点につながる稜の中点どうしを結んでできる図形のことです。)
要素数の比 νi は
ν0:ν1:ν2:ν3 = 1:3:3:1
なので、次の拡張オイラーの公式をみたします。
ν0 -ν1 +ν2 -ν3 = 1 -3 +3 -1 = 0.
その配置行列は次の通り。
[ 1 6 12 8 ]
[ 2 3 4 4 ]
[ 4 4 3 2 ]
[ 8 12 6 1 ]
ただし、ブロック積みの配置行列の対角要素は、要素数の比です。
Nii = νi.
この配置行列については、次の記事の最後をご覧ください。
4次元正多胞体と正ブロック積みの配置行列 | 宇宙とブラックホールのQ&A (ameblo.jp)
頂点図形と胞のオイラーの公式は次の通り。
N01-N02+N03 = 6-12+8 = 2.
N30-N31+N32 = 8-12+6 = 2.
立方体ブロック積みは一番分かりやすいブロック積みですが、他のブロック積みを理解する上でも役に立ちます。
立方体ブロック積みの単位となる立方体を単位立方体と呼ぶことにします。
また、その頂点を O0、稜の中点を O1、面心を O2、体心を O3 で表します。以下で多用します。
単位立方体に含まれるそれらの数は、それぞれ1個、3個、3個、1個です。
b.正4面体・正8面体ブロック積み(準正ブロック積み)
Tetrahedral-octahedral honeycomb - 空間充填 - Wikipedia
正4面体と正8面体からなるブロック積みです。
1本の稜の周りに正4面体2個と正8面体2個が交互に並んでいます。
正4面体の二面角が約 70.529°、正8面体の二面角が約109.471°で、それぞれ2個ずつあるので360°となり、条件をみたします。
頂点に12本の稜が集まり、また24枚の正3角形が集まっています。
頂点は8個の正4面体と6個の正8面体で囲まれています。
面は正3角形で、すべて正4面体と正8面体に挟まれています。
正4面体どうし、正8面体どうしは、稜で接することはあっても、面で接することはありません。
単位立方体の内部にこのブロック積みの正8面体を置いて、正8面体の頂点が O2 となるように内接させます。
このとき、ブロック積みの頂点となるのは O0 と O2 です。
正8面体には、6つの O2 を結んだもの(もともとの正8面体)と、2つの O0 と4つの O2 を結んだものがあります。
それらの体心はそれぞれ O3 と O1 です。
一方、1つの O0 と3つの O2 を結ぶことで正4面体ができます。
1つの単位立方体の中に O0 が1個、O1 が3個、O2 が3個、O3 が1個あります。
したがって、単位立方体の中に存在するこのブロック積みの各要素数は次のようになります。
頂点の数は、O0 が1個と O2 が3個で、計4個です。
稜の数は、1つの面に×形の4本、内部に正8面体の12本あるので、4×3+12=24本です。
面の数は、正3角形が4×8=32枚です。
正4面体が8個、正8面体が 3+1=4個あります。
ただし、外側の正8面体は一部しか単位立方体に含まれませんが、それらを合わせてちょうど3個分になるということです。以下のブロック積みも同様です。
要素数の比は
4:24:32:8:4
なので、次の拡張オイラーの公式が成り立ちます。
4 -24 +32 -(8+4) = 0.
配置行列は次のようになります。
[ 4 12 24 8|6 ]
[ 2 24 4 2|2 ]
[ 3 3 32 1|1 ]
[ 4|6 6|12 4|8 8|4 ]
頂点図形と胞のオイラーの公式は次の通り。
頂点図形 12-24+(8+6) = 2,
胞 4; 4-6+4 = 2, 8; 6-12+8 = 2.
関係式は、頂点と胞のものだけ記載しておきます。(1行目・4行目と1列目・4列目)
4; 4×8=4×8=32, 8; 4×6=6×4=24.
(注) 4は正4面体、8は正8面体を意味する。
c.切頂8面体ブロック積み
Bitruncated cubic honeycomb - Polytope Wiki (miraheze.org) 画像が2つ載っているので、お好きな方をクリックし拡大してご覧ください。
Regular skew apeirohedron - Wikipedia こちらの方が分かりやすいかもしれません。
半正ブロック積みのうち1種類の多面体から構成されるものの1つです。
1本の稜に3つの胞(切頂8面体)が集まります。
4-6 の二面角は、約 125.26°です。
6-6 の二面角は、正8面体の二面角と同じ約 109.471°です。
4-6が2個、6-6が1個なので、
125.26°×2 +109.471°≒ 360°
となり、条件をみたします。(よく見るとピッタリ合っていないようですが、逆三角関数の足し算がうまく計算できません。情けなや~(;_;)
1つの頂点に集まる稜は4本、同じく面は正方形が2枚、正6角形が4枚、同じく胞(切頂8面体)は4個です。
1本の稜に集まる面は正方形1枚、正6角形2枚です。
要素数の比を求めるために立方体ブロック積みと対応させます。
単位立方体の内部にこのブロック積みの切頂8面体が来るように配置し、切頂8面体の正方形が立方体の面に接するようにします。
この切頂8面体の体心は O3 に重なります。
この切頂8面体に面で接する周りの切頂8面体は、 O0 を体心とするか O3 を体心とするかのいずれかです。
単位立方体に含まれる O0 は1個、同じく O3 も1個(自分自身)なので、胞(切頂8面体)の数は計2個です。
頂点はすべて面上にあり、1つの面に載る頂点数は4個なので、単位立方体に含まれる頂点数は 4×3=12個です。
同じく稜の数は、単位立方体の面上にあるものが4×3=12本、内部にあるものが12本なので、計12+12=24本です。
同じく面の数は、単位立方体の面上にある正方形(面心はO2)が3枚、隣の単位立方体にまたがる正方形(面心はO1)が12÷4=3枚で合わせて正方形6枚、内部の正6角形が8枚です。
要素数の比は
12:24:6:8:2
なので、拡張オイラーの公式は次のようになります。
12 -24 +(6+8) -2 = 0.
配置行列は、次のようになります。
[ 12 4 2|4 4]
[ 2 24 1|2 3]
[ 4|6 4|6 6|8 2|2]
[ 24 36 6|8 2 ]
頂点図形と胞のオイラーの公式は次の通り。
4-(2+4)+4 = 2, 24-36+(6+8) = 2.
-------------------------- 続 く -------------------------
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★ 昨日と本日(10月21・22日(金土))、広瀬章人八段が藤井聡太竜王に挑戦する第35期竜王戦七番勝負第2局が行われ、広瀬八段の研究で変則的な角換わり腰掛銀となりましたが、105手で先手の藤井竜王が勝利しました。第1局は藤井竜王の完敗でしたが、これで1対1となり、振り出しに戻った形です。一安心です。終盤で藤井竜王が指した81手目4六金が妙手で、印象に残りました。
★★ 今日のロジバン
se'o tunta le mi tamji .i da poi palci cu klama jibni
「セホ トゥンタ レ゚ ミ タㇺジ イ ダ ポイ パㇽ゚シ シュ ㇰラ゚マ ジブニ」
私の親指を刺すのを夢でみた。邪悪な何かが近づいてきていた。
se'o : 内面的知。自分個人の内面的な経験(夢/勘/悟り等)から知っている。心態詞(認識系)UI2類
tunta : 刺す/突く/突き刺す/つつく,x1(物)は x2を;x2はx1に刺される。-tun-
tamji : 親指だ,x1は x2(肢)・x3(本体)の。-taj- その他の指は degji
poi : 直前の体言を直後の節で修飾し、体言の指示対象を選り抜く。関係詞(節・限定)NOI類
palci : 悪質/非道/堕落的だ,x1は x2(基準)において。-pac-
jibni : 近い/近似している,x1は x2に x3(性質)に関して。-jbi-
.i で2つの文に区切られていて、前半の主述語は tunta 「刺す」で、そのx1はなく、x2は { le mi tamji } 「私の親指」です。
後半の主述語はtanruの { cu klama jibni } 「近づく」で、そのx1は { da poi palci } 「邪悪な何か」です。
出典は、.cogas.さんの