3次元ブロック積みとその配置行列など1 | 宇宙とブラックホールのQ&A

宇宙とブラックホールのQ&A

2019年6月6日にYahoo!ブログから引っ越してきました。よろしくお願いします。

目次

  1.取り上げるブロック積みの定義と範囲

  2.ブロック積みを構成する多面体の紹介

  3.ブロック積みの解説

 

 

  1.取り上げるブロック積みの定義と範囲

 

 1種類あるいは複数種類の立体で隙間なしに埋め尽くされた空間を空間充填形(くうかんじゅうてんけい、space-filling)といいます。

 空間というだけだと、3次元空間だけでなく、一般的に2次元以上のn次元空間を意味します。

 特に、2次元の場合はタイル貼り(tessellation)といいます。

 同様に3次元以上の空間充填形をやさしく言い換えた用語として、ブロック積み(honeycomb, ハニカム)があります。

 以下、この記事では、3次元空間のブロック積みを扱います。

 

 多面体は外側から眺めればどういうものか大体は理解できるのですが、ブロック積みは見るだけではなかなか分かった気になれません。

 分かりづらい理由は、互いに接している部分が隠れてしまうからです。

 そうであれば、本ブログのような文章による解説もそれなりの意味があろうかと思います。

 

 さて、 正ブロック積み(regular honeycomb)とは、1種類の正多面体からできる空間充填形のことです。

 これは、立方体によるもの1種類しかありません。

 準正ブロック積み(quasiregular honeycomb)とは、複数種類の正多面体からできる空間充填形のことです。

 これも、正4面体と正8面体によるもの1種類しかありません。

 半正ブロック積みとは、1種類あるいは複数種類の正多面体に準じる多面体からできる空間充填形のことです。

 

 最後の半正ブロック積みは、多面体の範囲を「正多面体に準じる」としたことで、幅があります。

 以下では、その範囲は正多面体、準正多面体、半正多面体、菱形多面体とします。

 また、複数種類というだけでは広すぎるので、2種類に限定します。正直言って3種類以上になると、私の手に負えないので(^^;

 

 多面体の範囲と同時に使う種類を上のように限定すると、該当するブロック積みは次の7種類となります。

 これは、日本語wikiの「空間充填」という項目を参考にしたものです。

  正ブロック積み

 a.立方体ブロック積み

  準正ブロック積み

 b.正4面体・正8面体ブロック積み

  半正ブロック積み

 (充填立体1種類)

 c.切頂8面体ブロック積み

 d.菱形12面体ブロック積み

 (充填立体2種類)

 e.正4面体・切頂4面体ブロック積み

 f.正8面体・切頂立方体ブロック積み

 g.正8面体・立方8面体ブロック積み

 

 これらのブロック積みがみたすべき条件は、稜を囲む多面体たちの二面角の合計がちょうど 2π=360° となることです。

 本当は、この7種類だけしか存在しないことを示すべきですが、このブログでは半正多面体の二面角はちゃんと求めていないので、今回は見送ります。

 

 

  2.ブロック積みを構成する多面体の紹介

 

 ブロック積みそのものをご紹介する前に、ブロック積みを構成する多面体について、それがどのような形であるかを紹介しておきます。

 次の8種類です。

   立方体、正4面体、正8面体、立方8面体、菱形12面体、切頂4面体、

   切頂8面体、切頂立方体

 以前の記事と重複する部分もありますが、ご了承ください。

 

 

 ・立方体(cube) {4,3}

 正多面体の1つで、8個の頂点 N0、12本の稜 N1、6枚の正方形の面 N2 からなります。

   8 -12 +8 = 2. オイラーの公式

 1個の頂点に3本の稜が集まり(これを3価という)、同じく3枚の正方形の面が集まります。

 1本の稜は、2枚の正方形の面に挟まれています。

 その二面角は、正確に90°です。

 以上のうち二面角以外の情報を集約したものが次の配置行列です。

   [ 8 3 3 ]

   [ 2 12 2 ]

   [ 4 4 6 ]

 ここで、第ij要素 Nij は、第i次元の要素1個に接する第j次元の要素の数です。

 この行列は次の式をみたします。これを関係式と呼ぶことにします。

   Ni Nij = Nj Nji.  ただし、Ni=Nii

 この行列の見方についてより詳しくは次の記事をご覧ください。

 正多面体の配置行列 | 宇宙とブラックホールのQ&A (ameblo.jp)

 

 

 以下は、貼り付けたwikiの記事にある画像をご覧になりながらお読みください。

 画像をクリックすると拡大します。

 

 ・正4面体(tetrahedron) {3,3}

 Tetrahedron - Wikipedia

 正多面体の1つで、4個の頂点、6本の稜、4枚の正3角形の面からなります。

   4 -6 +4 = 2. オイラーの公式

 頂点は3価で、1個の頂点に3枚の正3角形の面が集まります。

 1本の稜は、2枚の正3角形の面に挟まれています。

 その二面角は、2 arccos(√6/3) ≒ 70.529° です。

 

 配置行列は次の通り。

   [ 4 3 3 ]

   [ 2 6 2 ]

   [ 3 3 4 ]

 

 

 ・正8面体(octahedron) {3,4}

 正八面体 - Wikipedia

 正多面体の1つで、6個の頂点、12本の稜、8枚の正3角形の面からなります。

   6 -12 +8 = 2. オイラーの公式

 頂点は4価で、1個の頂点に4枚の正3角形の面が集まります。

 1本の稜は、2枚の正3角形の面に挟まれています。

 その二面角は、2 arccos(√3/3) ≒ 109.471° です。

 正8面体と立方体は、互いに双対となっています。

 これは、頂点数と面の数が逆で、稜の数が等しいことを意味します。

 

 配置行列は次の通り。

   [ 6 4 4 ]

   [ 2 12 2 ]

   [ 3 3 8 ]

 これは、双対である立方体の配置行列を180°回転した形になっています。

 

 

 ・立方8面体(cuboctahedron)

 立方八面体 - Wikipedia

 準正多面体の1つで、立方体の各頂点につながる稜の中点どうしを新たな頂点として結んでできる立体です。(元の頂点周りは切り落とします。)

 このブログでは、この操作を中点切りと呼びます。

 立方8面体は、12個の頂点、24本の稜、8枚の正3角形、6枚の正方形をもちます。

   12 -24 +(8+6) = 2. オイラーの公式

 頂点はすべて4価で、1つの頂点に正3角形と正方形が2枚ずつ集まります。

 正3角形は正方形に囲まれ、正方形は正3角形に囲まれていますが、正3角形どうし、正方形どうしは隣り合っていません。

 二面角は1種類で、arcsec(-√3)≒125.26°です。

 

 立方8面体の配置行列は、初出ですが、次のようになります。私のオリジナルです。(以下の配置行列も正ブロック積みを除き同様)

   [ 12  4 2+2 ]

   [ 2 24 1+1 ]

   [ 3|4 3|4 8+6 ]

 3行目は、正3角形の面が8枚、正方形の面が6枚であることを意味します。

 1つの項の中で複数の数値が出てくるとき、それらを足した結果が意味をもつときは「+」、そうでないときは「|」で区分します。

 1行目の最後の「2+2」は、1つの頂点に正3角形の面が2枚、正方形の面が2枚付いていることを意味します。

 2行目の最後の「1+1」は、稜が正3角形の面と正方形の面に挟まれていることを意味します。

 

 配置行列の関係式は次のようになります。

 頂点と稜:12×4=2×24=48

 頂点と面:3 12×2=3×8=24,4 12×2=4×6=24

 稜と面:3 24×1=3×8=24,4 24×1=4×6=24

 (注) 面は3が正3角形、4が正方形を意味する。

 

 

 ・菱形12面体(rhombic dodecahedron)

 菱形十二面体 - Wikipedia

 立方8面体の双対で、12枚の菱形の面からなります。

 (正多角形の面からなる多面体の双対とは、各面の中心(面心)どうしを新たな頂点として結んでできる多面体のことです。)

 ただし、菱形の2本の対角線の比は、1:√2 となっており、このような菱形を白銀菱形と呼びます。

 また、3価の頂点8個、4価の頂点6個、24本の稜をもちます。

   (8+6) -24 +12 = 2. オイラーの公式

 

 3価の頂点には菱形の鈍角が3つ、4価の頂点には鋭角が4つ集まります。

 二面角は1種類で、正確に120°です。

 

 菱形12面体の配置行列は次のようになります。

   [ 8+6 3|4 3|4 ]

   [ 1+1 24 2 ]

   [ 2+2 4 12 ]

 1行目は、3価の頂点が8個、4価の頂点が6個あることを意味します。

 2行目最初の「1+1」は、1本の稜の両端に3価の頂点と4価の頂点が1つずつあることを意味します。

 3行目最初の「2+2」は、菱形の4つの頂点が3価の頂点2個と4価の頂点2個であることを意味します。

 

 配置行列の関係式は次のようになります。

 頂点と稜:3価 8×3=1×24=24,4価 6×4=1×24=24

 頂点と面:3価 8×3=2×12=24,4価 6×4=2×12=24

 稜と面:24×2=4×12=48

 

 ---------------------- 続 く -------------------

 

 3次元ブロック積みとその配置行列など2 | 宇宙とブラックホールのQ&A (ameblo.jp)

 多面体など幾何の連載一覧 | 宇宙とブラックホールのQ&A (ameblo.jp)

 

 

 ★ 結局、頂点や面などの数をかぞえているだけです。積み木で遊んでいた幼稚園時代から全然進歩していないという気がしてきます。

 

 ★★ 今日のロジバン

   .i ke'u nai tezu'e lo nu jinga fi la ganyn kei la link cikre le bi fatri spisa be le cibmakfa pe lo ka prije kei tezu'e lo nu ponse le makfa cibjgatai

  さらに、Ganonを倒すため、リンクは魔法の三角形を手に入れるために知性の三魔法のちらばった破片8つをもとに戻す。

 ke'unai : 展開。以前言ったことを再び持ち出さずに話をそのまま展開させ続ける。心態詞UI*3類 <- ke’u反復

 tezu’e : ~を目的/目標として。法制詞BAI*類 <-zukte 「x3のために行為/実行する」

 jinga : 勝ち取る,x1は x2(利益)を x3(競合相手/敗者)から x4(試合)において;x1はx3に勝利する;x3はx1に敗北する。-jig-, -ji’a-

 cikre : 修理/修復/修繕する/直す,x1 は x2 を x3(使用)のために。’x3のための修理であり、完全な修復とは限らない

 fatri : 分配/配当される/割り当てられる,x1(物)は x2(受け手)に x3(分け前)で。-fai- 「配布」「配給」「配当」も

 spisa : 欠片/破片/切抜きだ,x1は x2(本体)の。-spi-

 cibmakfa : 三魔法 <- cib+makfa, cib<- ci 3

 makfa ; 魔法/妖術/超自然的力だ,x1は x2(観点)にとって x3(者)が掛ける。-maf-

 prije : 賢い,x1は x2(事)に関して x3(基準)において。-pij-

 ponse : 所有する,x1は x2を x3(法/慣習)のもと。-pos-, -po’e-

 cibjgatai : 三角形だ <- cib+jga+tai, cib<- ci 3, jga<-jganu, tai<- tarmi

 jganu : 角度だ,x1は x2(頂角)・x3(辺)による;x1は角張っている。-jga-

 tarmi : 形状/形態/形式/仕様だ,x1(観念/性質)は:x2の形状/形態/形式/仕様はx1(観念/性質)を具現している。-tam-, -tai-

 

 長い文ですが、主述語は cikre で、そのx1が { la link } 、x2が { le bi fatri spisa } 「8つのちらばった破片」です。

 後者に { be le cibmakfa pe lo ka prije kei } 「知性の三魔法の」が、縛位詞 be で係っています。

 さらに、その前後を tezu’e 「~するため」で導かれる法制節2つが挟んでいます。

 出典は、.cogas.さんの

 味噌煮込みロジバン: UI3 談話系 (misonikomilojban.blogspot.com)