カントー・自宅
ルナ《マジですか?シンオウに・・私は自宅に待機しますよ。顔が割れてしまったなら多分ジョウトのここにもくると思いますし》
天狐「そう、悪いわね。こっちには誰が来てくれる?」
ルナ《そうですね・・あ、新月さんがいいんじゃないですか?》
新月《ん?私がどうかした?》
天狐「新月?帰ってたの?」
新月《天狐さん?はい、今朝ですよ~。大変なことになったみたいですね。取り敢えずそちらに向かいますよ~》
新月は陽気に受け答えして笑った
ちなみに今はテレビ電話で通信中だ
雪桜《新月姉さんもいくの?なら私も行く!》
美狐「あ!ゆっきー!」
雪桜《あ!!美狐!あんたいないと思ったら!》
「美狐!雪桜!大切な話してるんだから静かにしなさい!」
雪桜《ご、ごめんなさい》
美狐「みゅう・・ごめんなさい」
美狐と雪桜はその場を離れた
新月《取り敢えず雪桜も連れて行きますね。》
天狐「そう、それは別に構わないわ。」
「じゃあ、これで纏まったわけだな。シンオウに向かうか・・多分簡単には行かないと思うけど」
新月《そうですね。ではそちらに向かいます。心置きなく行ってきてください》
天狐「えぇ、そうするわ。じゃあね」
天狐は通信を切るとこちらをみた
「どうした?」
天狐「えっと・・少し不安なだけよ」
いつもなら堂々としている狐耳が垂れていた
「大丈夫さ。どんなときもお前はいざという時に奇跡を起こしてくれた。それに・・」
天狐「それに?」
「美狐も真狐もいる。信じるモノはたくさんある。信じるモノがあるからこそ乗り越えられるんじゃないかな」
天狐「そうね。私、どうかしてるわ。」
天狐は頷いて苦笑した
安心は出来ないが準備があるため部屋を出た
戸を閉めた瞬間に何ともいえない靄が心を握った
不安・・か
少なくとも自分も不安だ・・
でも不安がっていたら進めない
今までがそうだ。
最初の旅の壁は不安がいっぱいだった
ただチャンピオンを目指す旅だったはずなのに、いきなり地方を救うなんてでかいモノを背負う羽目になった
2回目の旅はただ新たな萌えもんに出会う旅だった。
なのにまた地方どころかこの世界を救うなんてことをした
3回目、北の方でまた新たな萌えもんが見つかった。
それを見に行くだけだったのがアナザーワールドにまで行く羽目に・・
4回目はジョウトで真のチャンピオンを目指すために旅をしていたのに懲りない連中を叩き潰し、チャンピオンになり、順調だったのにこれだ・・
しかも今回は人質つきときた・・
今までは本当に萌えもんだけで解決できた・・
でも今回は人質つきで人の命まで狙ってくる集団だ
そう考えると急に震えが襲う
水葉「ご主人様・・大丈夫ですか?」
「あ、あぁ・・」
ダメだ。みんなを不安がらせるだけじゃないか
水葉「・・大丈夫じゃないですね。天狐さんも不安がっていたし・・・」
水葉はりょうの側により、隣に座る。
水葉「でも大丈夫ですよ。根拠はないですけど・・・でもやるべきことをやっていく内に、きっと解決策が出るはずです。ね?」
水葉はりょうの手を握り、微笑んだ
暖かい温もりが伝わる。
天狐やりょうの不安感が渦巻く中水葉は1人、前向きに考えて2人に安心感を与えている
「ありがとう。少し安心した」
水葉「少しですか。でも良かったです。じゃあ身仕度があるので・・・」
水葉はニコッと笑って部屋を出ていった
きっと美狐や真狐の支度の手伝いをしてくれているのだろう・・・
「しっかりしなきゃな」
引き出しを開けた
何かあったときのための銃だ・・
まさか・・使うことになるなんてな。
黒塗りのマグナム・・・
なんどか試したことがあるから感覚は覚えている・・・
天狐「りょ・・・う!?」
天狐が駆け寄り、手にした銃を奪い取った
天狐「なんでこんなもの!」
「万が一だよ・・・お前達が危険な目に遭うなら俺が討たなきゃならない」
天狐から奪い返し、マガジンを確認し、弾を数ケース、鞄に入れる
天狐「貴方が手を汚す必要なんて・・・っ!?」
天狐はいきなりの温もりに身体を強ばらせた
いつの間にか抱きしめられていた
「お前達を守れなくて主を名乗れるわけないだろう?」
天狐「・・・うぅ・・・っく・・・うぅ」
天狐は不安に耐えられなくなったのか、泣き始めてしまった・・・
「人間相手は怖いか?俺は怖いよ・・・泣きたいくらいに・・・でも、やらなくちゃならない。やらなきゃ他にも怖い目に遭う人が増える。」
天狐は黙って頷く。
一つ一つの言葉に、一つ一つ頷く。
「もう平気だよな・・・天狐」
天狐「平気・・・だけど納得いかないわ・・・なんで私たちが・・・」
天狐は涙を流しながらりょうの胸元に顔を埋めて言う
悲しくて悔しくて、恨めしい。
そんな思いが感じられた
「これが終わったらきっと平和に暮らせるさ。それにはこれを解決しなきゃ」
天狐はそれを聞いて覚悟を決めたかのように最後に背中へ回した腕にさらに力を入れた。
天狐「絶対に全てを終わらせるわ・・・絶対に」