家の庭先で空を見上げると、白い綿毛のような雪が舞い降りた・・

雪女(ゆきめ)(ユキメノコ)「りょう様、天狐様・・雪が降ってきましたよ」

雪女は嬉しそうに舞を踊り始めた

「クリスマスに降れば良かったのに」

天狐「カントーで雪が降るのは稀なのよ?それより美狐と真狐を呼びましょ?」

「え~、お前と二人が・・」

天狐「美狐と真狐までのけ者にしてまで二人きりになる必要ないでしょ?」

天狐は美狐と真狐を呼びに行った
長い金色の髪は、りょうの好みに合わせて、腰ぐらいまである長さのまま。

雪女「天狐様はやっぱりお綺麗ですよね・・。あの頃のままですよ。」

雪女はりょうの隣に座り、手のひらに付いた雪を吹いてとばした。

雪女「天狐様は昔から男の人には全く興味もなく、実は告白までされてもずっと断り続けていたんですよ?」

「そりゃあれだけ綺麗だもんな。どんな男も振り向くさ」

雪女「理由はちゃんとあったんですよ?」

「は?」

雪女「あなたのことを待っていたんですよ。それにだって証拠はあるはずです」

雪女はりょうの腰につけたモンスターボールを指さした

雪女「なんで初めて会うはずの天狐様に懐かしさがよぎったのか。なんで投げたボールに天狐様が抵抗しなかったのか・・」

「天狐から聞いたことある。俺は何千年も輪廻転生を繰り返しては天狐と度を続けているってさ。天狐も同じように生まれ返っては俺と出会い、旅を続けてるって」

雪女「そうです。だから記憶の片隅にある小さなピースが反応して懐かしさがよぎった・・」

天狐「何の話かしら?」

「お前との絆の話」

雪女「ちょっした戯言ですよ」

天狐「あなたは本当に与太話や戯言がすきね。もう百年生きてるのに全く変わらないのね」

雪女「この歳になると性格の矯正は出来ないのです!」

雪女は力説するが天狐はため息を付いた

天狐「楽観的ね。私は結構悩むわ」

雪女「悩むんですかぁ?巨乳でスタイル抜群でりょう様を喜ばせるくらいのテクニック持ってるのにですかぁ?」

「ぶっ!おま、なにいって」

天狐「まぁそこは否定しないけど。でもやっぱり胸は垂れないか心配よ?それに子供産むとスタイルとか保つのって難しいもの」

天狐はため息ついて空を見上げた

天狐「でも、それでもりょうは私を見てくれてるものね。見てくれてるうちはまだ心配はいらないのかもしれないわ。そうでしょ?」

天狐はそういってりょうを見た。
その瞳はいつもよりなんだか寂しそうだった
近くにあるようで遠いような光でもある・・

「お前、なんか寂しそうだぞ?どうした」

天狐「え?どうして?」

「なんか・・どっか行っちゃいそうな・・」

天狐「そんなことないわ・・ただ生きてきた年月が・・」

「今更だろwww。だってずっと一緒にいるんだからさぁ。それに気にしてたら・・」

天狐「んむ・・」

天狐はびっくりした表情を浮かべたがすぐに瞼を閉じた

天狐「はふぅ・・もう・・は、恥ずかしいじゃない・・」

雪女「ふふ・・ディープキス・・」

「うお!?忘れてたぜ・・でも生きてきた年月なんか関係ないことがきっちり証明できたろ」

天狐「だからって///もう一度するわ!あなたからされたの悔しいから!」

「うあぁっ!?」

雪女「むぅ。なんかムカつきますね。バカ夫婦ほっといて美狐ちゃんたちと遊んでこよっと。」





「ちょ、息できな・・」

天狐「なら入れてあげる・・」

「んぐぅっ!?」

天狐「ふぅ、最近お前お前って名前呼んでくれないじゃない」

「え?」

天狐「それって、やっぱりもう女としてみてなくて妻としてしか見てないの?」

「いや、そんなことは・・」

天狐「寂しいのよ・・結構・・」

「ごめん・・」

天狐「う・・うう・・えぐ・・ふえぇ・・」

「え、ちょ・・泣くなって・・」

天狐「名前で・・呼んでよぉ・・ふえぇぇ・・」

「わかったよ。天狐。悪かった」

天狐「ふえぇぇ・・」

天狐は泣きじゃくりながらりょうに抱きついてきた

名前で呼ばれなくなったのが相当寂しかったのか。
長く居きる萌もんで長い年月を生きていても、愛は変わらない・・

「天狐・・暖かいな」

天狐「え?」

「やっぱり天狐が一番だな・・うん。今すっごい幸せ。綺麗だもんなぁ。雪景色に天狐と居るんだもん」

天狐「///」

天狐は顔を隠した

天狐(私も幸せだよ)

「顔あげろよ~」

天狐「ヤダ。顔真っ赤なのみられたくない」

「いいじゃんか。じゃないと尻尾もふもふするぞ」

りょうは尻尾を掴もうとするが尻尾は素早くよける。
さすが天狐、九本の尻尾をうまく操り翻弄する

「よっしゃ捕まえた」

天狐「ん!?捕まった・・」

ピクッと身体をふるわせて顔を上げた

「ほんとに顔赤いな。可愛い~」

天狐「な、生意気よ?んっ、つ、強く握らないでよ。もぅ・・8時、すぎたから、寝る・・ぁ///・・支度しなきゃ///変な声でちゃうでしょ!」

「ごめん!ふざけすぎた!痛い痛い!耳引っ張らないで!」

天狐「全く・・調子に乗るんじゃないわよ」

天狐は子供たちの布団を敷きに部屋へ戻っていった

「おぉ・・生殺し・・」

空を見上げて少し嘆いてみた
雪はいつの間にかやみ、そらは庭につもった雪を残して星を浮かべていた
美狐たちもいつの間にか家の中に戻ったようだった

「天狐はほんとに可愛いよなぁ・・すっごい大人っぽいのに結構子供っぽいとこがあるのがいいんだよなぁ・・」

一人で改めて口にしてみると・・
自分は大分天狐に依存していることに気づく・・

自分が苦しいときには包容してくれる・・
自分が悲しい時は側にいてくれる・・

大事なときはいつも一緒に居る・・

「・・・・大切にしてやんなきゃな」

りょうは立ち上がって空に誓った









天狐「・・やっぱりりょうは・・いい人///」

たまたま、呼びに行った・・

りょうは、空に向かってそっと私のことを呟いていた

大切にしないとな・・

それが聞こえた・・

私の胸に響いた・・

胸が高鳴るのが分かった・・

あぁ、そうか・・

私はこんなにも大切にされている・・

こんな私でも、そばに居続けてもらえる・・

愛してくれている・・

天狐「好きすぎて壊れちゃいそうよ・・」

天狐はそっと後ろから近づいて抱きついた