なんだろうか、このもどかしさ。
思い通りに出来ない自分への不満。
ただ、こんなに爽やかな、軽やかな不満は初めてかもしれない。
仕事が思うように出来ない。
準備は十分のはずであった。
臨機応変に適応する、柔軟性がない。
周りに目が行かない。
撮りたい気持ちだけが先走って、空振る。
この空振った時の切なさといったらない。
おまけに今日は湿気が多く、私の髪の毛は爆発していた。
上司に今日の批評を聞く。
こうすればよかっただの、ああすればよかっただの、丁寧にアドバイスをくれる。
すべて的を得ていて、悔しい。
ただ素直に自分の心に入っていく。
「これからがたいへんだぞ。」
と笑われた。
「存分に苦しんでくれ。」
このチャンス、生かさぬわけにはいかなかった。
もう意地しかなかった。
他の仕事も忙しく、手を抜くことはいくらでも出来た。
そのはずであったのだが、今の私にはそんなプライド知らずなことなんぞできなかった。
絶対に。
もうこれは意地なのか。
いや、これを私は求めていたのだ。
頑張っただけ形になるもの。
自分の中に確実に残っていくもの。
そして、この世に「今の私」という、一つの「物体」として残るもの。
「未来の人間に残す映像を。」
社長が私たち新人に投げかけた言葉。
この瞬間自分の中にある何かが、強烈に共鳴した。
自分の求めるものは、この社長とまったく同じところにあった。
とにもかくにも、今日はゆっくり休むことにしよう。
また明日から修行の日々が始まるのだから・・・。

