愛しき命が、また一つ増えた。
末っ子のヤンチャ坊主、生まれてまだ一年経たぬ新星。
男の子?と、目を疑うほど、美しい。
自己をしっかり主張してくる。そして、決して動じない。
生ける伝説のチャンピオン犬を祖父母に持つ彼は、そもそも我が家に来るような子ではなかった。
ただショウドッグとしての資格を、たった一つの項目をクリアできなかったがために、我が家の一員となった。
まさに奇跡であった。
愛くるしい四歳になる女の子と、威厳漂う小さなキング。
じゃれあってるのか、本気でけんかをしているのか分からないが、
同じベッドで二匹寄り添って寝ているところを見ると、結構仲はいいらしい。
お姉ちゃんは弟のヤンチャに、最近ちょっとお疲れ気味だ。
弟が眠りにつくと、そっと私の傍らに来て温もりをねだる。
硬く、量の多い真っ白な毛を撫でていると、伝わる息づかいがある。
血の巡りがある。
彼女の言葉なき主張であった。
そうだね。
元気みたいね。
私のそばでゆっくりおやすみ。
私はいつも一緒にいるよ。
犬社会の中で生まれ育った弟は、温もりとは何かを知らなかった。
私が抱き上げると固まり、足が突っ張った。
撫でられることに戸惑いを見せた。
ベランダの花を見ていた彼に、「きれいね」と声をかけながら優しく撫でた。
案の定、固まった。
しかし、しばらくすると身を寄せてきた。
私は彼を抱き上げ、赤ん坊を抱くように抱きしめた。
抵抗もなく、温もりに身をゆだねていた。
君は我が家で、多すぎる程の愛情を一身に受けて暮らすんだよ。
私が君を愛情で育てるんだよ。
来たばかりのときは、美しいが鋭さが際立つ眼光だった。
いつの間にか目が少し大きくなり、優しい、幼子の持つ、あのきらきらした光が差してきた。
歴代のショウドッグの中で培われた野性的本質が、温もりを知ることで丸く形を変えた。
なんだか、お姉ちゃんに似てきたみたいよ。
バッドボーイな君。