朝起きて、ガスのスイッチを入れ、ぬるま湯でさっと顔を洗い、化粧水、クリームをつける。
ここ最近まったく「パック」というものをしていない。
髪をシャワーで濡らし、シャンプーでゴシゴシ洗い、流して終了。
トリートメントが切れているのも忘れていた。
「女らしさ」の微塵もみられない私の生活習慣。
さすがに女としての危機を感じた。
彼氏でもできれば少しは、と思い、血眼になって探し、この手中に収めた。
ロンリーでないときの女は、なぜここまで輝くのか。
鏡に向かう時間が三倍になり、美容、おしゃれ代に銭が舞った。
「もっときれいになりたい」と、心の底から溢れてくる思い。
本能なのだろう。
女が美しくなろうとする、男を振り向かせようと必死になる本能。
私にもあった。
ただ、この熱い思いは、熱くなりすぎて、すぐに、そして急激に冷めた。
ある事故(ということにしている)があって、さよならをした。
仕方のないこと、男は星の数ほどいる、頭ではきちんと理解していたし、意外と冷静に相方に伝えられた。
最後はごり押し。
「お願いだから、私と別れて。」
「あなたと私は、ない。有り得ないんだ。」
心にもないことが、本心のように出てくる、出てくる・・・。
そう言っているうちに、本当にそのような気持ちになってくる。
そう、私の相手はあなたじゃないんだ。
もう二度と会わない、会えない。
「じゃあね!!」
実に爽やかな別れだ。
・・・と、背を向けた途端、崩れそうになるほどの寂寥感に襲われる。
涙が出そうになる。
なぜ?と自分に言い聞かせ、絶対振り向かない。
奴は過去だ、振り向いてはいけない。
強がって、颯爽と歩く。
「仕方ないこと」
何回自分に言い聞かせたか。
そう思い込むことにも疲れ、相手のこともどうでも良くなってきた。
自分を悲劇のヒロインに飾り立てることも面倒になってきた。
どうせ一週間もすれば忘れるさ。
そう思い、風呂上りの一杯を飲もうと台所に入った。
頬につたう涙。
無意識に嗚咽がこぼれる。
野外ロケで上司に言われる。
「日焼け対策してきたか?」
あ、忘れた。。
あれから数ヶ月。
私の乙女心は、またどこかへ行ってしまった・・・。。