こんにちは。

珍しくお菓子を焼いています。りんごのケーキです。

「フライパンで簡単に作ることができる」ということでトライしてみました。いい匂いの中で書いています(*^_^*)

 

今日は、またまた向田邦子さんのことを書かせてください。

というのも、先日、かごしま近代文学館にお願いしていた、

「向田邦子の目~彼女が見つめた世界」が届いたんです。

 

これは向田さんの没後40年にあわせ、かごしま近代文学館が編集、この8月に発行された本です。

写真が趣味だった向田さん。

国内、海外旅行に行かれた際に人物や動物、風景など色々と撮影していたそうです。

そうやって撮影された写真が、その時に書いたエッセイと共にまとめられています。

 

B6版(13㎝×18㎝)の小型サイズ。

表紙カバーは、ベルギー旅行のコンタクトプリントだそうです。

もちろん向田さんが撮影したもの。

 

コンタクトプリントってなんだ?と調べたら、ベタ焼きのことだそうですね。フィルムの全体が連続して見えるので、より向田さんの意図や視点なども伝わってくるような気がして、小さいんだけど凝視してしまいます。

 

本文内の写真は大小あわせて100点以上掲載されていましたよ。

発表を前提としていないものもかなり含まれているんじゃないかな? だからこそ、向田さんの眼差しを濃く感じられました。

 

その中のある写真を見て、私はとても感動しました!

エッセイ「鉛筆」で書かれている、大好きなワンシーンの写真が掲載されていたのです。

 

このエッセイは、アフリカと東南アジアを旅した時のことが綴られているのですが、私がとても好きな情景が出てくるのは、その中のケニアのことを書いた場面のところです。

 

ざっくりとご紹介しますと・・。

 

ケニアとエチオピアの国境にある大きな湖、ルドルフ湖にて。

筏の上で居眠りをしているような少年を見つけた向田さん。

筏といっても三、四本の丸太を縛っただけの畳半位位のお粗末なもの。

岸にはワニ。そして、カバの家族がふざけ合っていた入り江もすぐ近く。

落ちたらどうするんだろう?? 

気がかりで少年から目が離せなくなります。

 

すると突然、少年は筏の上に立ち上がります。

そして、思いがけない光景が繰り広げられるのです・・・・・。

 

この光景を見た向田さんはエッセイの中でこう書いていました。

「すべては一瞬の出来ごとだった。私は夢中で五枚だけフィルムの残っていたカメラのシャッターを押した」

 

そうです! この5枚の写真がこの「向田邦子の目~彼女が見つめた世界」に中に掲載されていたのです!

 

向田さんが見たそのまんまを、私も見ることができるなんて!!

もうこれだけでも購入して良かったなぁ・・と号泣レベル(笑)で思えるほどでした。

 

ちなみに「鉛筆」というエッセイはこちらの「男どき 女どき」の中に入っています。

「男どき 女どき 」 作・向田邦子  新潮文庫

 

話は戻り。「向田邦子の目~彼女が見つめた世界」の中に、もう一枚、印象に残った写真がありました。

最後の最後にさりげなく掲載されていたスナップ写真です。

多分、お母様と妹さんとの旅行の時に撮影したのではないかな?

(写真の全てに注釈などがついているわけではないので、私の勝手な思い込みだったらごめんなさい。)

 

向田さんのファンの方には、ジーンとくるツボがたくさんある本だと思いましたよ。ご興味あれば、こちらをご覧くださいね。

 

私は、今回、過去に刊行された図録もいっしょに購入しました。

こちらです。

ご家族のこと、脚本のこと、未収録のエッセイ、各界の方が語る「私の好きな向田作品」など、たっぷりとした内容になっています。

 

そして、同封してくださった年間カレンダーで知りました。

来月、11/17からはこんな企画展が催されるようです。

向田邦子「あ・うん」の世界。

残念ながら私は行けないけど(; ;)

でも、これからもかごしま近代文学館さんのホームページをちょくちょく見せていただこうと思います。

 

またまた向田さん関連について、長く熱く語ってしまいました。

最後までお読みくださりありがとうございました。

 

薫2021.10.10