「スーパーやくも」も復活 | 金屋代かずおのお部屋

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周防大島町を拠点に鉄道旅行・鉄道もけいの活動を行っています.

(まさかのこちらも復活)

 

昨今は消えゆく国鉄型車両をいかに集客に結びつけるか,という点での活用が全国各地で盛んとなっていますが,新たなニュースが飛び込んできました.

 

  「スーパーやくも」色復活

山陰観光連盟は,「復活国鉄色やくも」の成功を踏まえて,7月ごろに「山陰観光連盟の予算では1本どころか1両も塗装変更できない」「必ずしも実現できない」と念を押した上で「仮に381系をもう1本塗装変更するならどの内容が良いか」とアンケートを取っており,「紫スーパーやくも」が最多得票を得ました.協議の結果,なんと「スーパーやくも」色が復活することになりました.2023/2/17からまずは4両で運行開始,2/20〜3/15はなんと「混色編成」6両で運行,3/16からは「スーパーやくも」色の6両で運行されると発表されました.車内チャイムはアレンジが異なる「鉄道唱歌」となります.

「スーパーやくも」色は以下の列車で運行されます(2022年度ダイヤ,時刻は,上りは出雲市→米子→新見→倉敷→岡山,下りは岡山→倉敷→新見→米子→出雲市の発時刻です).

  • 4号 5:27→6:21→7:29→8:23→8:34
  • 5号 9:05→9:16→10:12→11:17→12:08
  • 20号 13:31→14:24→15:38→16:28→16:39
  • 21号 17:05→17:16→18:08→19:20→20:17
残念ながら水島臨海鉄道の国鉄型車両とは並びませんと,追記しておきます.
なお,12/14時点で「スーパーやくも」色がどのような編成に施されるかは発表されていません.また,終了時期は明言されておらず,381系自体の引退まで継続される可能性もあります.

 

  国鉄色編成の加工

現在の国鉄色編成には「JNRマーク」も「JRマーク」もありません.

まず,国鉄色と言えば「JNRマーク」ですが,これが復活国鉄色の編成に3/16に取り付けられます.

また,国鉄色編成には「くろしお・こうのとり・マリンやくも」など,12種類の,過去JR西日本管内で運行された381系列車のヘッドマーク幕が搭載されます.1/19・2/16(いずれも木曜日)に実施される専用ツアー限定イベントの他,各種イベントで幕回しが実演されます.

(専用ツアーは新大阪発で1泊2日,約6万円となっています)

ただし,沿線で運行された「通勤ライナー」,JR西日本区間でも運行されていたもののJR東海の列車である「しなの」「ちくま」などは含まれていません.

 

また,2022/12/20〜3/31に,岡山・倉敷・米子・松江・出雲市では「やくも」モチーフの乗車記念無効印が使用されます.

 

詳しくは以下のURLのプレスリリースをご覧ください.

 

https://www.westjr.co.jp/press/article/items/221214_00_press_381yakumo.pdf

 

  思ったこと

実施する施策をただ紹介するだけでは意味がないため,筆者が思ったことを書いておきます.

 

まず言えるのは,これらの編成を目当てに撮影をされる皆様におかれましては,交通ルールの遵守や,立ち入り禁止区域への立ち入りをしない,勝手に植木の伐採をしないなど,違法行為を絶対に行わないことを改めて申し上げます.すでに「復活国鉄色」の撮影行においては沿線でトラブルが多く発生していること,この発表の直前にも撮影スポットに「立入禁止」の札とロープが張られていることが目撃されていることがSNS上で出回っているなど,厳戒態勢が整ってしまっています.また,期間が短く撮影者の集中が予想される「4両・混色」の時期は沿線は雪深いです.スタッドレスタイヤを装備した車両で移動するなどの最低限のマナーは守ることが,自分自身を,鉄道趣味を,鉄道そのものを,ひいては地域を守る大切なことであると思います.

筆者にはこの寒い時期に自動車で遠出をするような時間・体力はなく,仮に観にいくにしても倉敷駅か岡山駅で見ているような気がします.

 

最近は国鉄型車両を使用するキャンペーンが各地で起こっていますが,実際にはこのような活動を行っていると「目当ての車両がなくなったら客足が一気に逃げる」という事態が起こっています.大糸線のキハ52においては,引退後沿線を訪問する,大糸線を利用する利用者が激減して,大糸線そのものの存廃議論につながるという事態となっています.いすみ鉄道においても,キハ28の引退後は一気に注目度が減る兆候があります.山陰地域においても,381系(と「奥出雲おろち号」)が無くなって,227系・273系(とキハ120型)のみになった際に地域への目をどのような形で残せるか,ということは地域の働きかけによって決まると思います.我々も(より一般的に集客が可能である)知恵を絞っていく必要があります.その点,岡山の227系がいわゆる「座席撤去車」状態で導入されることは(必要ではありますが)やや残念でしたが,273系にフルフラット席が導入されたことは評価できます.

 

なお,「クロ381」は国鉄時代には「しなの」用にしか存在せず,しかも落成は1987年3月31日でした.個人的には「クロ381-141」には「JR」マークでも良かったのではと思います.

 

 

  鉄道模型的には

KATOは現在,381系「やくも」をシリーズで展開しています.ぜひ,今回の「復活スーパーやくも」についてもKATOでも製品化をお願いします,と言いたいですが,この「復活スーパーやくも」について,筆者は「グリーンマークの大きさが異なる」「車番の形態が異なる」「そもそも『スーパーやくも』色を纏わなかった車両が塗装変更される」など,模型的に見ると現役時代の「スーパーやくも」とは異なる部分が多々あることが予想されます.似たような製品が成立するとは思えず,「復活スーパーやくも」と同じ形態の現役時代の「スーパーやくも」が製品になるのは厳しいかなと思います.なお,「スーパーやくも」を単独で考えた場合は製品化は非常に厳しいものになっており,昨今の製品化ラッシュは381系をはじめとする国鉄型人気によるところが大きいでしょう.

塗装変更をする編成は検査・運用などの関係で決まるため,例えば「『クロ380-6』を含む編成に施行してほしい」「『スーパーやくも』色を纏ったことがある車両に施行してほしい」という要望はどの企業・団体にもできません.

 

「スーパーやくも」はTOMIX製品が存在するため,KATO製品のカプラーを改造して併結が再現できそうです.筆者には「ゆったりやくも」のAssy組み立て予備車があるため,それを活かして一足早く再現できればと思います.できましたらこのブログで紹介しようと思います.

 

  まとめ・関連記事

色々書きましたが,今回の「スーパーやくも」,様々な方向で実に楽しみです.最後に,今回の記事に少しでも関係ありそうな過去記事を紹介して,この記事を締めます.この車両に関する全ての関係者の安全を祈ります.