2022/11/27 その1 庄原ライナー2度目の乗車 | 金屋代かずおのお部屋

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周防大島町を拠点に鉄道旅行・鉄道もけいの活動を行っています.

(庄原での観光が楽しめるように時間を大幅に繰り上げ)

 

誠に申し上げありませんが,「【特集】芸備線・木次線」における2022/11/27の旅行について,道中で実施されているイベント活動に遭遇したため,一連の行程について優先して記事化することといたしました.現在「2022/10/22の未明で車中泊を行っている」段階の「【旅行記】WE銀河紀南」をお待ちの方は5〜6記事程度お待ちいただければと思います.ただし,この5〜6記事の間に日付指定記事が数記事,「模型新製品」が1〜2記事程度入ると予想しています.それでは始めます.

 

 

2022/11/27のシンポジウムについて,鳥塚社長の講演はオンラインでの出演となりましたが,それでもなお芸備線・木次線に関する現状を,地元自治体・関係団体はどのように感じているのかを知る,芸備線の利用実態を知るには絶好の機会であることには変わりありませんでしたので,そのまま出発することにしました.広島駅には7時前の到着としていますが,これは新岩国から「こだま836号」からの訪問です.周防大島から公共交通機関のみでこの時間帯に広島駅に到着するのは不可能ですので,いずれにしても何らかの手段で山陽本線の駅または新岩国駅へ行く必要がありました.

ちなみに,11/27は当初「SL人吉」の乗車を検討しており,新幹線特急券は「SL人吉」の指定券を変更する形で入手しました.

芸備線の広島口,特に輸送密度が問題になっていない下深川や,ICOCAが使える狩留家あたりまでは住宅地で利用者は非常に多いです.このように5両編成を組み,「前2両三次行き,後2両下深川行き」の運用も見られます.この区間は利用機会のわりに駅間が長い区間があり,本来であれば新型気動車の投入・電化などが検討されてもおかしくないと思います.

2022年度ダイヤの「庄原ライナー」は広島7:33発の純増便として設定されました.停車駅は「下深川までの各駅・志和口・向原・甲立・三次」と「備後庄原」です.

それでは出発します.下深川までは利用者・列車本数も多いため全ての駅に止まります.

「庄原ライナー」には車掌が乗務しています.ローカル線問題を考える際,駅の無人化・切符の販売箇所が激減していることも無視できない事情になっています.理由はJRのきっぷについて,「販売額の一部は販売手数料として,販売店の収入となる」という制度が存在するためです.特に長距離きっぷでは無視できない金額となるため,JR各社のインターネット予約を(利用者目線で)利用しづらいものになっている,「きっぷは地元の駅で」と駅自身,あるいは鉄道会社が積極的に呼びかけている理由になっています.あいの風とやま鉄道に至っては沿線全ての市に一駅,みどりの窓口が残されているほどです[1].

 

[1]:

 

さて,芸備線の備中神代〜中深川の駅で遠距離きっぷを販売している駅は三次駅のみです.その三次駅は「みどりの券売機プラス」であるため必ず購入できるとは限らないため,思い切って車内補充券で「帰りの切符」を購入しました.これで,販売手数料が広島駅ではなく芸備線の収入となるはずです.行き先が「川西」になっているのは,隣の駅が錦川鉄道の「清流新岩国」であるためです.このあたりの事情はこの旅行の最後の記事で紹介します.

 

向原駅にて,カープラッピングのキハ120がやってきました.三次〜広島でも入出庫のためにキハ120の運用があり,早朝や快速列車で使用されます.ラッピング列車は鉄道への関心を高めるきっかけにはなり得ますが,実際に利用につながるかどうかはこれまた地元の取り組み次第と言えます.

なお,TOMIXからこの車両(ただしライト周りが異なります)を模した製品が発売予定ですが,12月に延期になりました.

 

乗ること約1時間半,三次に到着しました.三次までの区間は2021年に短期間で2回乗車したこともあり,筆者も乗り慣れているということもありこの記事では割愛します.三江線の108キロポストが三次駅構内にモニュメントとして残されています.

三次駅には12分停車します.ここで運転士が交代,ワンマン運転となり,「庄原ライナー」のヘッドマークが取り付けられます.12分停車ではとても「みどりの窓口プラス」は使えません.

さらにノンストップで24分走り,備後庄原駅へ到着しました.「庄原ライナー」ではここから帝釈峡など主要な観光地へバスが接続しています.

今回のシンポジウムイベントに合わせて,備後西城駅へは無料の送迎バスが接続していました.この辺りの道路は比較的整備されており,特に高駅周辺には自動車専用道路が整備されています.

備後庄原〜備後西城のあたりは田畑や川に沿って線路が敷かれているという,いかにもジオラマのような風景であり筆者も気に入っています.このような光景は可能な範囲で残していきたいものであります.

 

シンポジウムの内容は「その2」「その3」相当ですので,次の記事では「その4」として,備後西城からの帰り道に入ります.ただし,帰り道の方が長いです.

なお,この旅行の「目次」記事は後日作成します.

 

続く

 

 

 

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  ところで

11/28 10:00に開始した「クハ455-701」のクラウドファンディングですが,何と,11/29の23:00までに500万円を集めることに成功しました.37時間での達成という異例な速さであり,この車両の全国的な人気,クラウドファンディングに至るまでのトキ鉄・鳥塚社長の取り組みが評価されたものと考えています.後述の理由で少額にとどめていますが,筆者も協力しています.

 

 

 

ただし,今回は「クハ455-701」の「重要部検査」のみであり,意図通りに8年の延命を図るためには「モハ412・クモハ413-6」も含めて「全般検査」を実施する必要があります.全て実施すると1億円程度の費用がかかるのではないかと思われ,こうなるとクラウドファンディングの額が750万円(この記事執筆現在)ではまだまだまだまだ足りません.今後の動向に注目します.

仮に「クハ455-701」の「重要部検査」のみで延命すると,例えば「クハ455-701」にブレーキ読み替え装置を搭載して例えば「ET127」2編成に挟み込んで運用する,などという鉄道模型のような施策をしなければならないという考察がネット上でなされています

(実際にこの併結を模型で再現する場合,ET127はマイクロエース製品をお勧めします).実現には技術的な考察と更なる費用がありますが,鳥塚氏はいすみ350型を「キハ52」を意識したデザインに設計変更して投入したことがあります.

 

なお,ブレーキ系統が異なる車両の連結については,「奥出雲おろち号」の延命の検討で,実際に自治体の担当者が「キヤ143に現行客車を牽引できないか」という確認を行ったことがテレビで報じられたこともあります.そもそもキヤ143は軸重の関係で木次線の出雲横田〜備後落合は入線不可である可能性が高く,さらにそもそも,近年,木次線のこの区間は冬季運休となっています.一度運休すると雪が溶ける3月までジャンボタクシー代行となりますのでご注意ください.