このタイトルを知らなくても、ラジオやテレビを聴いている人なら1度は聞いた事のある名曲Michael Jackson の『Beat It (ビーティット)』 です雷
(タイトルは邦題ビート・イットにしていますが、発音はbeatit / ビーティト)
 
マイケルは大学生も含めた、子どもらが本当に楽しめるロックミュージックを出したくてこの歌を作ったそうですほんわか
 
そのため、歌詞は子ども向けに簡単な単語で繰り返しが多い曲ですが、日本語に訳すとなると、なかなか…でした不安
 
解説を飛ばしたい人は下矢印へどうぞ

 

ミュージックビデオにギャングの抗争らしきものが出ていますが、実際マイケルは暴力が嫌いだそうです虹

 

 

Title: Beat It 

タイトル: 逃げろ

 

タイトルは本当は訳せません。

 
・Beat it はスラングで "go away " もしくは"leave (命令形だと失礼な言い方)"で、逃げろ、去れ、出ていけという意味あります
 
なぜ何かを叩くや殴るのbeatから逃げるになるのか??
 
語源の諸説によれば、その昔、軍隊が戦場でドラムを叩くことが retreat (退却)の合図にしていたそうです。
 
そこから、beat the drumbeat it→退却→逃げろおすましペガサスダッシュとか。
 
その語源を知ると、ただその場からはなれるgo awayleaveから音が加わって、ドコドコドコと叩くような緊迫を感じますピリピリ
 
ただ、ネイティブスピーカーでもbeat itの語源を知らないので、それを意識して聴いている人はほぼいないです指差し
 
一方、マイケルはダンスだけでなく言葉の天才で、
beatという単語には基本の"何かを叩く"から、
 

・相手を何かで負かす。

・何よりも楽しむ。

・楽器を音を奏でる為に繰り返すように叩く(ビートを刻む)。

 

などの意味があり、

どこかポジティブさを入れている気もしますひらめき
 
またbeatには相手を負かすだけでなく、
 
・自分の弱い心に勝つ

 

とも、色んな解釈ができる単語ですほんわか

曲のリズムを聞いて、思い浮かんだイメージが、
Beat It の正解の訳と言えるやつかもです。
 
 
They told him, "Don't you ever come around here
奴らは言った「ここには二度と足を踏み入れるな

ここでだけ him、その後はyouで統一表現されています。

 

これはおそらくこの曲を素早くイメージしてもらうのにhim(男性)と説明しているようです。
 
追加説明として、ミュージックビデオもみてしっかりと読み込むと、2つのギャンググループの抗争から、
 
"One leader of a gamg group told the other leader who took his men with him"
 
の状況、もしくは
グループ対グループの抗争を、
 
"They told him"
 
にシンプル化したとも言えます。
 
なぜそうなるかは、theyといっても1人が言っているようなセリフから、himに他の仲間がいるであろうかは、
ギャングの抗争→後でリーダー同士でのタイマン、という背景からですナイフ
 
大抵の人はここもそんな気にしてないですし、多勢が一斉に1人の男性に言った、でももちろん考えられますニコニコ
 
 
Don't wanna see your face, you better disappear"
そのツラみせんじゃねえ、消えな」

 

動詞の前にbetterは元はhad betterからのスラングで、警告寄りのアドバイスです。

 

友人や家族など親しい人などでも使われますが、今回のように脅し文句的にも使われます。
 
他の似たアドバイス表現として、shouldがありますが、こちらはアドバイスするけど、アドバイスを聞くかどうかは任せる感じです。
 
" You should disappear. " だと、
消えた方がいいよ (でも消えるか決めるのはあなた)
 
と、should は you better disappear より優しい言い方になります。
 
 
The fire's in their eyes and their words are really clear
燃えるように目はギラつき、言葉に一切の迷いはない
 
So beat it, just beat it (Ooh!)
だから逃げろ、逃げるんだ
 
You better run, you better do what you can (Ooh!)
離れとけ、お前にやれることをしておけよ
 
Don't wanna see no blood, don't be a macho man (Ooh!)
血をみたくないだろ、短絡なマッチョ野郎にはなるなよ

・machoは筋肉隆々の、自意識過剰で横暴なこと。

 

『Macho Man (マッチョ・マン)』という有名な曲や、

 
マッチョマンと呼ばれたプロレスラーもいて、
 
意味は今でも日本人の若者でも意味を知ってたりします筋肉

 

 

 
You wanna be tough, better do what you can
タフでいたいんなら、お前にできることをやっとけよ

・toughは困難に耐える、対処する強さなど。

 
 

So beat it, but you wanna be bad

だから逃げとけよ、でもお前はバッドでいたいんだな

・badには主観的に"悪い"と、スラングとして"カッコいいの" 両方の意味がよく使われます。

 

言い換えると周りが馬鹿なやつだと思っても、本人だけは自分カッコいいと思っている、とも解釈できます。
 
ちなみに、上の二つの歌詞、
You wanna be tough better do what you can.
So beat it, but you wanna be bad.
 
以下2つの全く逆の解釈に取れます。
 
解釈 1)

You wanna be tough (to beat it ), better do what you can. So beat it, but you wanna be bad

逃げるタフさが欲しいんだろ、やれることをやるんだ。だから逃げろ、でもバッドでいたいんだよな

 

解釈 2)

You wanna be tough (to fight, but ) better do what you can. So beat it, but you wanna be bad

戦う強さが欲しいんだろ、でもお前にできることをするんだ。だから逃げろ、でもバッドでいたいんだよな

 

個人的には1) ですが、音楽の流れだと2)も頷けますし、アメリカ人でも意見が分かれていました知らんぷり 
 
これも聴く人の立場や考えに合わせて解釈が変わるようにしているかもしれないです。
 
 

Just beat it, beat it, beat it, beat it

とにかく逃げろ!逃げろ!逃げろ!逃げろ

 

No one wants to be defeated

誰だって負けたくはない

 

Showin' how funky and strong is your fight

いかにイカれて強いかを戦って見せるか

・funky はここでは内容がケンカの話なので、めちゃくちゃ(強くあることがすごいこと)。

 

文法では"Showin' how funky and strong your fight is " の順ですが、倒置して聴きやすくしているようです。
 
 

It doesn't matter who's wrong or right

どちらが正しいか悪いかなんてどうだっていい

・it doesn't matter は、色んなニュアンスがあり、今回のようなそのあとに続く内容に二つの選択肢がある場合、そのどちらも重要ではない、の意味。

 

本当に大事なことは何だ、勝ち負けか?(いやそうじゃない)と伝えてるとも言えます。
 
 

Just beat it (Beat it)×4

ただ逃げとけよ(逃げろ)

 

They're out to get you, better leave while you can

あいつらはお前を捕まえようと外をうろついてる、まだ間に合ううちに離れるんだ

 

Don't wanna be a boy, you wanna be a man

少年(のまま)でいたくない、男でいたいんだろ

 

You wanna stay alive, better do what you can

生きてるうちに、できることをしとけよ

 

So beat it, just beat it (Ooh!)

だから逃げろ、とにかく逃げろよ

 

You have to show them that you're really not scared (Ooh!)

怖くないってアイツらに見せたいんだな

 

You're playin' with your life, this ain't no truth or dare (Ooh!)

自分の命をもて遊んでるんだ、これは罰ゲームなんかじゃないんだぞ

・play with something は何かを軽んじて弄んでいる、深く考えずに扱う。

 
・truth or dare は罰ゲームで、truth (真実)? or dare (あえて挑戦)?と言われたらどちらかを選ばなくてはならず、選んだらその後言われることに従わなければいけません。
 
・truthは過去や現在の恥ずかしいことや秘密を暴露させること。
・dareはその場で踊れや隣の人の足の裏を嗅げ、など王様ゲームのような命令です。

 

 

They'll kick you, then they'll beat you, then they'll tell you it's fair

(捕まったら) やつらはお前を蹴りまくって、ぼこぼこにして、あいつらは言う、これは正当なことだって言うだろう

・fair は公正、正しい。

 

もちろんここでは一方的な強者の言葉、勝てば官軍負ければ賊軍です。

 

 

So beat it, but you wanna be bad

だから逃げとけ、でもお前はバットでいたいんだよ

 

Just beat it, beat it, beat it, beat it

とにかく逃げろ、逃げろ、逃げろ、逃げろ

 

No one wants to be defeated

誰だって負けを認めたくない

 

Showin' how funky and strong is your fight

戦っていかにイカれて強いかを見せる

 

It doesn't matter who's wrong or right

どちらが正しいか悪いかなんてそんなことはどうだっていい

 

Just beat it, beat it, beat it, beat it

ただ逃げろ、逃げろ、逃げろ、逃げろよ

この後も内容の同じ繰り返しなのでここまでです。
少しでも偉大なアメリカ人の音楽の理解の手助けになればですアメリカ
 
下矢印他のマイケルの曲もよろしければ

 

プリンスものまねですが、よろしければ下矢印