少女ピカレスク(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

少女ピカレスク(ネタバレ)

少女ピカレスク



2018/日本 上映時間79分
監督・脚本:井口昇
企画:上野遼平
プロデューサー:小柳大侍、福井真奈
撮影:平見優子
照明:陸浦康公
録音:高島良太
衣装:ヨシダミホ
ヘアメイク:リョータ
特殊造型・特殊メイク:石野大雅
編集:橋本悠平
整音:桑原秀樹
音響効果:村田桃子
音楽:福田裕彦
主題歌:椎名ぴかりん
アクション監督:カラサワイサオ
振付:竹森徳芳
VFX:野島達司
助監督:岡秀樹
制作担当:伊東祐之
出演:椎名ひかり、長澤茉里奈、松永天馬、神門実里、上埜すみれ、武田玲奈
パンフレット:なし
(あらすじ)
トップアイドルになることを夢見る新人アイドルのヒカリは、自撮り生配信で日々、ファンとの濃密なコミュニケーションを繰り広げていた。しかし、そんなある日、新曲のPV撮影中に、ちーちゃんと呼ばれる少女が現れて現場を混乱させ、撮影を中止に追い込んでしまう。そんなちーちゃんに対する思いを生配信で吐露するヒカリだったが、やがてヒカリの周辺のアイドルたちの身の上にも不可解な出来事が起こるようになり……。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




70点


※この記事は「シグマ15」に従って書いています。
※本作については、ネタバレを知らないで観た方が面白いので、興味がある方は「ファミリー劇場CLUB」で配信中のドラマ版(有料)を観てから読んで!


映画を観るキッカケというのはいろいろあるもの、ですな。本作については「配信ドラマの特別先行上映(2週間限定)」なので、食指が動かなかったんですけれども。Twitterで相互フォローしている映画関係の方に「ぜひ観てください!」と薦められましてね。よくよく調べてみれば井口昇監督作ということで興味が湧いたので、7月上旬某日、1回目の「カメラを止めるな!」を観てから、シネマート新宿にて、TCG会員サービスデイを利用して鑑賞いたしました。「ザ・井口昇監督作!Σ(°д°;) ヒィ!」と思ったり。


劇場ロビーには、サイン入りポスターやパネルが展示されてましたよ。



「『井口』の前に付けるなら『ザ』ではなく『ジ』では?」といった問い合わせに関してはスルーするとして。お話をザッと書いておくと、地下アイドルっぽいヒカリ(椎名ひかり)は自撮り生配信でファンとコミュニケーションする日々を送っていたんですが、新曲PVを撮影する際、謎の少女「ちーちゃん」が妨害してきて…という感じ。勘の良い人なら「ちーちゃん=ヒカリのもう1つの人格」なのはすぐわかるんですけど、それはそれとして。何が非道いって、凶暴性をムキ出しにした「ちーちゃん」が他者に凄惨な暴力行為を実行させたり、実行したりするのが超キツいのです… ('A`) ウェェェェェ 特に言葉で追いつめて日菜子(長澤茉里奈)に亜依(神門実里)を暴行させるくだりは、北九州監禁殺人事件を連想させられる凄惨さで、マジで鬱になるというか。日菜子が自分の指をミキサーに入れる場面を目の当たりにした時は、観に来たことを少なからず後悔いたしました。一応、オチを書いておくと、憧れのモデル・彩乃(武田玲奈)を襲撃→舌を切断すると、夜の帳が下りる中、ひかり=ちーちゃんはどことなく「やっと愛を知った」ような雰囲気で映画は終了。エンドクレジットでは劇中で撮った素材を集めたようなMVが流れてたような気がします(うろ覚え)。


中央の椎名ひかりさんが両端のアイドル2人を地獄のような目に遭わせるのです。


このシーンがマジで厭でしたよ… ('A`) イヤーン



主題歌「確認事項:しあわせとかについて」のMVを貼っておきますね↓




ただ、観て良かったのは確かでして。主演の椎名ひかりさんがとにかくスゴかったし、相当な低予算(たぶん)ながらも飽きさせないように工夫して構成しているし、「親から虐待されて人格を崩壊させられた少女が、他の少女たちの献身的な犠牲により、愛の存在を知る」という物語として考えさせられるし(ある意味、「1人の人間を更生させるためにどこまでの犠牲を許容するのか?」という話にも思えた)、何よりも「少女たちの愛や友情」を描いてきた井口監督の1つの到達点に感じられて、「スゴいものを観た!Σ(°д°;) ヒィ!」という気分になったというね。最近は井口監督作に足を運べていなかったことが申し訳なくなったし、「映画秘宝」のインタビューで「表裏一体の作品」と語っていた「ゴーストスクワッド」もチェックしたくなりましたよ(監督曰く、両作品のテーマは「思春期の女の子は孤独である」だそうな。あと、「自撮り=自傷行為」という解釈も面白かった!)。ちなみに鑑賞後、薦めてくれた方から「観てくれたお礼に」と映画の前売り券を2枚いただいて(微笑)、そのうちの1本である「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」を8月中旬某日に観たんですが、それはまた別のお話。




魔界人アイドル・椎名ぴかりんさんのアルバム。興味あります。



僕が一番好きな井口昇監督作は、これですかね。斉藤工さんが良い味出してる。