キックボクサー リジェネレーション(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

キックボクサー リジェネレーション(ネタバレ)

キックボクサー リジェネレーション

キックボクサー リジェネレーション

原題:Kickboxer: Vengeance
2016/アメリカ 上映時間90分
監督:ジョン・ストックウェル
製作:テッド・フィールド、ディミトリ・ロゴセティス
製作総指揮:マイク・ウェバー、ブライアン・オシェイ、ジャン=クロード・バン・ダム、デビッド・バウティスタ、ジョナサン・マイスナー、ティム・スミス
キャラクター創造:マーク・ディサール、ジャン=クロード・バン・ダム
脚本:ディミトリ・ロゴセティス、ジェームズ・マクグラス
撮影:マテオ・ロンドノ
音楽:アダム・ドーン
出演:アラン・ムウシー、ジャン=クロード・バン・ダム、デビッド・バウティスタ、ジーナ・カラーノ、ジョルジュ・サン=ピエール、ダレン・シャラヴィ、サラ・マラクル・レイン、ミシェル・クイシ、ケイン・ヴェラスケス、ファブリシオ・ヴェウドゥム
パンフレット:なし
(あらすじ)
格闘家のエリック(ダレン・シャラヴィ)は、タイのムエタイ・チャンピオンであるトン・ポー(デビッド・バウティスタ)との試合で命を落としてしまう。復讐を胸に誓ったエリックの弟カート(アラン・ムウシー)は、兄の師匠デュランド(ジャン=クロード・ヴァン・ダム)の元で過酷な修行を積み、トン・ポーとの決戦に挑む。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




70点


※本作については、はちごろうさんのブログとか読むと良いザンス。

当ブログのトップ画像を見ていただければわかる通り、僕は一応、ジャン=クロード・ヴァン・ダムのファンなのでね(苦笑)、初期の代表作「キックボクサー」のリメイクリブート?)である本作に関しては、主演ではなく出演作であっても、「2016年に絶対観たい新作映画10本」の1本に挙げるほど、ずーっと期待しておりまして。今年2月、やっと「未体験ゾーンの映画たち 2017」の中で上映されることが決まったのは本当にありがたい限りだなぁと。勝手に宣伝するために、初めてtogetter「『キックボクサー リジェネレーション』公開に関する小ネタ」なんてまとめを作ったりしてね。さらに3月3日にはソフトもリリースされるということで、2月11日は公開記念として3月11日にはソフト発売記念として、愛聴するラジオ番組「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」に出演させていただいた思い出は、遠くなびくほうき星。まぁ、そんなワケで、今さらながらヒューマントラストシネマ渋谷で2回、Blu-rayで1回観た感想を垂れ流すなら、微笑ましい映画でしたヨ (´∀`=) ウフフ


劇場では、2月6日と9日に鑑賞しました。どちらも客入りは8割程度だった印象。
2/6のシアター3

ヴァン・ダムファンがケチだと思われたらシャクだったので、6日はこれらを摂取しながら観まして。
2/6の飲食

9日も同じく、ホットドッグ+ポテト+ラッシーのコンボを食らったというね。
2/9の飲食


最初に雑なあらすじを書いておくと、キックの世界王者エリックは、タイの“ルール無用の賭け試合”に出場して、王者のトン・ポーに殺されまして。弟カートは仇を討つべく、兄の師匠デュランドに修行してもらって試合→トン・ポーを見事殺害して、めでたしめでたし。エンドクレジットでは、「キックボクサー」の有名なダンスシーンと一緒に踊るエリックの映像が流れてましたよ。


主人公カート役のアラン・ムウシーは、ウルヴァリンの中の人などで知られるスタントマンなのです。
カート(アラン・ムウシー)

最後はこんな感じで愉快に終わってました (´∀`) アラアラ
エンドクレジットのダンス


本作について「好きか嫌いか」を聞かれたら「好き」と即答しますけれども。オリジナルの「キックボクサー」をヘビに例えるなら、足をやたらと描き加えちゃった感が強いのも確かでして… (´・ω・`) ウーン 「兄が下半身不随になった」のを「殺された」に改変したあたりは全然良いんですが、サラ・マラクル・レイン演じる女刑事が闇試合を取り締まろうとするくだりとか、トン・ポーの手下だったジョルジュ・サン=ピエール(GSP)が仲間になる展開とか、改変要素の描き方がことごとく中途半端で結構イラッとするんですよね。ちょっとビックリしたのが、ヴァン・ダム演じる師匠のデュランドがカートに「息子を2人も失いたくない」と語る場面で、「お前、エリックの試合の時はセコンドについてなかったじゃねーかよ!Σ(゚д゚;)」と。この映画、そういう部分がスゲー雑だと思ったり。


デュランドったら、エリックのセコンドにも付かなかったくせに、いけしゃあしゃあとこんな台詞を言うのです。
息子を2人も失いたくない


クライマックスのトン・ポー戦にも書いておきたいことはあって。2ラウンド目が「ガラスマッチ」というのはオリジナルオマージュで問題ないんですけど、3ラウンド目が「剣を持ってバトル」ってさぁ…。多くの人が間違いなく違和感を感じるポイントというか。いや、確かに途中で剣を使った特訓シーンもあったし、こういう変な展開ってB級格闘映画にはたまにあることではありますが、ハッキリ言って、もうキックボクシングでもムエタイでもないじゃんよ。徒手格闘だけでは盛り上がらないと判断したのかもしれないけど、だったら最初からリメイクなんかすんなって話。


進行役の人がいきなり「2本の剣」とか言うから何ごとかと思ったら…。
2本の剣!?

3ラウンド目は剣で戦い出すからビックリ。こういうのはあまり好きじゃないです。
3ラウンド目は剣でバトル


あと、「ナック・スー・カウ(白い戦士)」コールの場面もさ、あれはオリジナル版ではタイ人(という設定)の師匠から発せられたからまだ納得いくワケで。地元民でもなんでもないGSP=白人がコールするのってどうなのよ。それと、ラストの「死の首相撲」シーンで主人公の背中がクローズアップされて気付いたんですが、キックボクサーの主人公に「柔術」ってタトゥーがあるのも微妙に感じた…って、文句多めになっちゃいましたな (´∀`;) スミマセン


この場面、懐かしいとは思いつつも、微妙に居心地悪かったというか。
ナック・スー・カウ!

重要なラストシーンで「柔術」の文字が大写しになるのはちょっとなぁ… (`Δ´;) ヌゥ
「柔術」のタトゥー


その他、「カートには何が足りなくて、どういう特訓が必要なのか」などが描かれないから特訓シーンはダラッとして見えるし(首相撲の特訓は伏線になってて良かったけど)、せっかくジーナ・カラーノを出したのにアクションさせないし、そもそも「タイに住むムエタイの師匠がなぜ白人なのか?」が一切説明されないのはスゲーどうかと思ったりしたんですが、しかし。これらの不満は、僕が「100点のリメイク」を期待したからであって。ビンタされても微笑みながらハグできる優しさで観れば、そんなに悪くない気がしないでもないと思ったり思わなかったり。格闘アクションはなかなか工夫してたし、主演のアラン・ムウシーの身体能力は悪くなかったし、兄エリックを演じたダレン・シャラヴィはカッコ良かったし、トン・ポー役のデヴィッド・バウティスタの“肉体の迫力”はさすがだなぁと(オリジナル版ほど卑劣じゃないのも良かった)。オリジナル版でトン・ポーを演じたミシェル・クイシがこれ見よがしに出てきたのもうれしかったです。


本作はダレン・シャラヴィの遺作なんですよね… (ノω・、) グスン
エリック(ダレン・シャラヴィ)

バティスタの肉体はいつ見ても惚れ惚れしますな。
トン・ポー(デビッド・バウティスタ)

ミシェル・クイシが登場したシーンを貼っておきますね。
ミシェル・クイシ


そして何よりもヴァン・ダムが良かった。2月11日の放送で宇多丸師匠は『クリード』のスタローンがメチャメチャはしゃいで、最後まで元気だし、何ならクリードより強そうだぐらい (▼∀▼)」と例えていましたが、本当にそんな感じであって。師匠という立場ながらもタイマンシーンは4つ用意されていて、そのうち3回で勝利するほどの活躍を見せるんですよ(うち1回は主人公を倒したケイン・ヴェラスケスを倒しちゃう!)。正直、「1歩引けばいいのに…」という若干の気まずさはありながらも、ヴァン・ダムがとてもうれしそうだし張り切っているので、何だか微笑ましくなってくるという不思議。もうね、クライマックスの試合中、「ココナッツ!ヽ(`Д´)ノ」と励ます姿は愉快だったし、ラストシーンでカートと女刑事をおどけながら見送る様子も何だか幸せそうでね…(しみじみ)。エンドクレジットでのダンスも多幸感が溢れてたし、すべてが許せた次第。


本作を観た人なら、高確率で真似したくなるのではないでしょうか ( ゚д゚) ココナツ!
ココナツ!

この見送るシーンの「おどけ感」がね、ファン的にはたまらないのでした。
見送るヴァン・ダム


ということで、「キックボクサー」のリメイクとしては文句多めなんですが(汗)、「ヴァン・ダム映画」としては嫌いになれない作品でした (´∀`=) ウフフ B級格闘映画が好きな人なら優しい気持ちでそれとなくチェックしてほしいし、時間に余裕がある方なら酒を飲みながらオリジナル版と2本立てで観たりすると、結構楽しいんじゃないかしらん。ちなみに、すでに続編の「Kickboxer: Retaliation」が撮影終了→アメリカでは今年公開予定ということで、日本でも早く上映されると良いですな。




リメイク元のヴァン・ダム主演作。ごめん、こっちの方が好き… (´∀`;) スミマセン



ジョン・ストックウェル監督×ジーナ・カラーノ主演作。僕の感想はこんな感じ