今、同室の女性が退院して行った。
朝、ご飯前に、談話室で最後のおしゃべりを楽しんだ訳だけど、
「私達、これからやり取りを楽しんで、例えば一年後、元気にお茶を飲めたらこんなに嬉しい事はないわ!」と言ってくれて、また
「私のこれからは、戦争のような慌ただしさだわ…」と、ポツリと言ってた。
「一人息子を、天涯孤独にさせてしまうんだわ…」重ねて彼女はそうつぶやいた。
でも、ふと、顔を上げて、にっこり笑って、何でもない話に移って、私は、夕べから今朝に掛けて辛かっただろうなぁ…と思った。
私の方はというと、ドレーンに溜まる浸潤液が、そんなに減らなくて様子を見ている状態なんだけど、良くて29日。もしかしたら30日の退院になるかも知れない。
朝にやり取りした兄貴は「年明けまで入院していたら?」なんて言って来た。
冗談じゃない〜と、明菜ちゃんの歌の気持ちになって、「紅白をアパートで見るんだよ!」と返した。
正月を病院でなんて、絶対!嫌だ!
昨日、2回目のシャンプーをしてもらった。
担当してくれた看護師さんがまた、感じの良い人で、キビキビ動くし、何よりもシャンプーの予約時間に間に合わないと「後、五分で来ます!お待たせしてしまってごめんなさい🙏」と言いに来てくれて、
私、シャンプーをしてもらいながら、この「後五分と言ってくれた事が嬉しかった」と話すと、「待つ方って、今か今かと待っているんですもんね。目安を教えてもらうと待てるじゃないですか
」とニコリと笑った。
あぁ…この看護師さんは、相手の気持ちを考えられる人なんだな。
患者の私に取ってみれば、待たされる事なんて日常茶飯事の事なのに、でも、そう配慮してくれる優しさがありがたかった。
相手の立場になって考える事。
それは、優しさ、人付き合いのベースだもんな。うんうん。
また、病室が静かになった。
この女性は
手術後の怒涛の夜を過ごして、今は、ぐったりしている。
手術の先輩の私は、お姉さんぶって、なんやかんや面倒?を見ているんだけど、人が弱くなると、途端に優しい自分になるんだから、なんか嫌なヤツ!と自分の事を思う。
今日の東京は、相変わらずいい天気だ。
痛み止めを飲み終わって、今日からもう飲まないけど、耐えられる鈍痛で済んでいる。
気持ちも前向き。
めったにないこの入院生活を楽しむ事にしよう!