科捜研の女15 最終話 感想…なんだろうか? ネタバレだらけ | == 肖蟲軒雑記 ==

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ツボに籠もっているタコが、「知っていても知らなくてもどっちでも良いけど、どちからというと知っていてもしょうもないこと」を書き散らすブログです

 今シーズンの『科捜研の女』もいよいよ最終話。と思っていたら突然の来訪者が、しかもヤヤコシイ話を持ち込んできたので、30分を過ぎたあたりからの視聴になってしまった。オンにしたら落合刑事池上季実子)は既に殉職していた。

 こんなことなら、9時まで待ち、筋を追っての録画視聴にすれば良かった、とつくづく思う。

 

というグチはさておき。


 落合刑事は存在感のある準レギュラーだっただけに、早すぎる退場はいささか惜しいと感じる。しかし、その一方、ずるずるとシーズンを跨いで登場させた場合、どこかで、彼女の行動哲学が何によっていたのか、を語るエピソードを創ることになりそうだ。そういう場合、身内が暴力団の犠牲になり云々、親しかった友人が覚醒剤で云々、というありがちな過去が描かれるのではないだろうか。いや、もっと捻りがあるかもしれないが…


 ここで、自分の身の回りで攪乱する人のことを考えると、その人の行動原理の由来はわからない場合の方が多いのではないだろうか。少なくとも私はそうだ。どういう過去が彼(彼女)そうさせているのか、わからない(知りたくもない)のである。そういう観点で見ると、どうして落合刑事はあのような刑事哲学を持ったのか、ということを置き去りにしている描き方はリアリティがあるとも言える。バッサリと削ぎ落としたつくりは、ひとつのあり方かもしれない。

 

 さて、落合刑事の自宅を荒らした二見興行のメンバーも、前回の証拠捏造ほど時間をかけることはできなかったのか、かなり粗雑な証拠隠滅であった。あのように壊すよりも電源を入れたまま水を張った湯船にでも放り込んだ方が確実だったのではないだろうか。いや、それよりも前々回 のように単に持ち去る方が確実か。

 いずれにしても、初期化といっても0データの上書きはしていなかったか、あるいは不十分だったようであり、湧田亜美山本ひかる)の手にかかれば…お見事!ということだろう。そしてその映像を諦めることなく、そして、当初「顔さえ写れば」と言っていた先入観を直ちに捨てて、観察を繰り返し手がかりを見つけた榊マリコ沢口靖子)はやはり、猟犬の目、菩薩の目 を備えていると言えそうである。もしかすると、相馬涼長田成哉)や日野所長斎藤暁)が「顔が写る」ことにこだわり、他の証拠がある可能性に思い至らなかったのは、疲労が蓄積して、冷静な判断ができなくなっていたからなのかもしれない。

 


 ところで、今回の落合刑事殺人事件。時系列がよくわからない。ドラマ中見たままを以下整理する。


① 工藤貴志岡田義徳)の釈放。226日夕方(湧田亜美が見せたネットニュースの日時と映像の明るさから)


② 榊マリコの徹夜での鑑定。226日夕方~翌27日朝

 時間経過とは直接関係ないが、ここの彼女の姿勢はプロ意識に欠けていると言わざるをえない。それまであまり寝ることもなく鑑定を続けていたにも関わらず、日野所長のアドバイスを振り切って一人で鑑定を行った。自身の体調管理を疎かにしていたのでは、ケアレスミスを招きかねない。そういうこともわからずに(あるいは判断もできずに)強行しているのだとしたら、自己満足以外の何ものでもない。加えて、あの時点で落合刑事の捏造疑惑を証明するのは喫緊のことではなかったのだから、徹夜で鑑定を急ぐ意味はなく、なおさらのことである。


③ 松井真奈美(福田沙紀)の訪問。27日朝


④ 原千夏(大善沙紀)の部屋の土門刑事内藤剛志)・蒲原刑事石井一彰)による捜査。部屋への日光の差し込み具合からその日の夕方以降ではない。


⑤ 原千夏の現場証拠の筆跡鑑定。← 日時不明

このとき、組対三課山崎刑事飯田基祐)が落合刑事と連絡がとれないと言う。


⑥ 榊マリコ土門刑事藤倉刑事部長金田明夫)に落合刑事の捏造を報告中に蒲原刑事が慌ててやってくる。← 同様に日時不明


⑦ 落合刑事の殉職。227日午後6時半~7時の間

防犯ビデオの記録日付および工藤の携帯電話受信記録から。また、警察無線による非常信号は1830分と山崎刑事が述べている。


⑧ 廃工場の現場検証。時間不明(暗いのは室内という可能性も考えられる)



⑨ 蒲原刑事たちによる工藤の再確保。映像から昼間であることは明白。

となる。




このように並べると、


可能性1)⑥の出来事は、227日の夜のことである。非常信号に直ちに対応し、⑧の現場検証が行われた。ここで、榊マリコ土門刑事のおかげで気を取り直した蒲原刑事が、工藤貴志を犯人と推理している。だが、これは⑨と相容れない。工藤の住所はわかっているのだから、直ぐさま確保に向かうのが自然であろう。逃亡される可能性があるのだから(事実工藤は旅行かばんを持っていた)、明るい翌日まで間を開ける意味がないのである。




可能性2)⑥の出来事は筆跡鑑定などに時間がかかり、228日午前中のことである。よって、現場検証の⑧も2月28日。これだと、工藤の確保が昼間であることとと矛盾しない。ただこの場合、227日の1830分に落合刑事からの非常信号があり場所が特定できていたにも関わらず、翌朝まで放置していたことになる。

 

どこが間違っているのだろうか?ご指摘賜れば幸いである。

 

ここまで書いて長くなってしまったので、DNAの増やし方についての解説は別記事 にしたい。